【モバマスSS】工藤忍「冬の日の撮影」 (15)
モバマスSSです。
書き溜めあります。
工藤忍・並木芽衣子・真鍋いつき・アナスタシア
のSSです
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並木芽衣子「うわー! すごい、雪! 雪だー!」
真鍋いつき「銀世界って感じですね! すごい!」
芽衣子「わー! ちょっと足跡つけてくる!」
モバP「いい大人があんまりはしゃがない。まったく……」
芽衣子「だって雪なんて滅多に見れないもん!」
いつき「そうですよ! ここはアクティブにいきましょ」
工藤忍(今日は撮影でスキー場に来ています。久しぶりの雪……)
芽衣子「きゃー! すごい、雪、ふっかふか!」
モバP「まったく、犬みたいだな。忍の落ち着きを二人にも見習ってほしいな。な?」
忍「え? あ、うん」
モバP「そっか、忍は雪国出身だもんな。これくらいの雪は見慣れたもんか」
忍「そう……だね。でも、なんだかすごく久しぶりに見た気がするな」
モバP「アイドルになってから、一度も帰ってないもんな。年末くらいは」
バシャン
モバP「…………」
芽衣子「えっへへー 命中っ!」
モバP「芽衣子ー!」
芽衣子「きゃーPさんが怒ったー! 逃げろ~」
モバP「こら、逃げるな!」
芽衣子「あはは、こっちこっち」
モバP「そうやって逃げると転ぶぞー!」
芽衣子「大丈夫だよっ、ほらほら、ってうわっ」
モバP「ほら見ろ。大丈夫か」
芽衣子「…………」
モバP「芽衣子?」
芽衣子「…………」
モバP「芽衣子! 大丈夫か!」
芽衣子「わっ! ウソだよ♪ びっくりした?」
モバP「……芽衣子ー!!!」
芽衣子「きゃー ごめんなさいー」
モバP「待て! 今度はもう逃がさん!」
いつき「あはは、結局Pさんもはしゃぎ始めちゃった」
忍「もうっ」
いつき「しかたないよ。芽衣子ちゃんはほら、楽しくさせちゃう達人だから」
忍「楽しくさえちゃう達人、ですか?」
いつき「そう! なんていうんだろう。楽しませるってだけでなくて、一緒に楽しみたくなっちゃうって言うのかな。人を巻き込むのが上手!」
忍「なるほど……そうかも。アタシも真似しな、いたっ」
芽衣子「やった、あたったー! ほらほら、2人も遊ぼ!」
いつき「さ、忍ちゃんもやりかえしましょう!」
忍「はい! やられっぱなしはくやしいし! 芽衣子さん! そんなの青森じゃ通用しないよ!」
いつき「無事撮影が終わって一安心ですね!」
モバP「そうだな。CM流れるのが楽しみだな」
芽衣子「いつきちゃんのスノボ、忍ちゃんのスキーかっこよかったなぁ」
モバP「忍は学校までスキー通学だったんだっけ?」
忍「Pさんそれボケてるの、本気で言ってるの?」
モバP「忍さん目が怖い」
芽衣子「あはは。いいぞいいぞ~ いつきちゃんは本当にスポーツなんでもできるよね」
いつき「スポーツ大好きですから! なんでもどんとこーい!」
モバP「本当に大したもんだよ。おかげで助かってます」
芽衣子「あれ、忍ちゃん、慎重な面持ちでどうしたの?」
モバP「神妙な」
芽衣子「そうそう、そうともいう」
忍「あ、いや、お二人ともあれだけはしゃいでたのに、撮影になったらバシッと決めるからかっこいいなあって。真似したいなって」
芽衣子「忍ちゃん……!」
忍「そんなアイドルにアタシもなりたいなって」
芽衣子「もー! かわいいんだから!」ワシャワシャ
忍「うわわ」
いつき「ずるいずるい! 私もっ」ワシャワシャ
モバP「まったく、この大人たちは……」
芽衣子「まだまだ外の景色は真っ白だね!」
モバP「そうだな。事務所まではまだ結構時間かかるから寝てていいぞ」
いつき「いやいや、Pさんに運転してもらっていて寝るわけにはいきません」
芽衣子「そうだよっ。ちゃんと眠くならないように盛り上げるよ」
モバP「そうやって騒いで寝るの知ってる」
いつき「ひゅーひゅー」
モバP「ごまかそうにも口笛なってないぞ」
芽衣子「じゃあPさんは静かにしてたほうがいいの」
モバP「そういうわけでもないけどな。退屈しないほうがいいからなあ」
芽衣子「でしょでしょ? じゃあ退屈しないように、何話そっかな」
モバP「ほらほら、そうやって騒いでるから忍が気を使って静かになってるじゃんか」
忍「えっ?」
芽衣子「ホントだ! ごめんね忍ちゃん! 忍ちゃんの話をしよう!」
忍「えぇっ?!」
いつき「さっきからずっと窓の外眺めてたもんね。何か気になることでもあった?」
忍「あ……いえ。ただ」
いつき「ただ?」
忍「こんな風に雪を見たのは初めてかもしれないなあって」
芽衣子「そうなの? 私は地元和歌山だから、そもそも雪が珍しくって見ただけでテンション上がっちゃう」
いつき「私もウィンタスポ―ツが楽しみでウキウキしちゃうな。忍ちゃんはいつも雪を見てたんじゃないの?」
忍「そうなんです。でも、それが『いつも』だったから」
いつき「見慣れちゃったってこと?」
忍「というより、雪かきめんどくさいなぁ、とか。学校まで行くの大変だなぁ、とか……そうとしか思ってませんでした」
芽衣子「なるほど、そういうこと」
忍「はい。だからこうやって雪をキレイだな、とかって思いながら雪景色を見るのは初めてかもって思って。ぼーっと見ちゃいました」
いつき「そういうことなら、やることは1つ! Pさん!」
モバP「ん?」
いつき「近くのコンビニ寄りましょう!」
モバP「まったく……何かと思えばアイドルがカップラーメンだなんて」
いつき「そう言いつつPさんも買ってるじゃないですか」
モバP「スキー帰り、車から雪を見ながら食べるカップラーメンは格別だからな」
芽衣子「Pさんわかってる~。は~あったまる、おいし~」
忍「……じんわりとくる」
いつき「なかなかいいでしょ、こういう雪の楽しみ方も」
忍「はい、すごく良い……」
芽衣子「ふふ。良かった良かった。それにしても本当に最近のカップラーメンはすごいね。まるで生麺みたい」
モバP「種類もあるし、家で食べるときは野菜や海藻を入れてもおいしいしな。具は何にするかを考えるのも一興だな」
いつき「そう言っていつも食べてるとさすがに健康に悪いですよ」
芽衣子「そうだよ。みかんも一緒に食べてね」
忍「リンゴもね。健康にいいよ」
モバP「健康を意識するベクトルが違う気がする……」
いつき「身体も動かしましょうね、お付き合いしますよっ」
芽衣子「あー、いつきちゃん抜け駆け! 腹ごなしに遠出もいいよ、Pさん」
忍「付きっきりでレッスン見てくれてもいいんだよ」
モバP「この中じゃ忍案かな」
いつき「仕事絡めるのうまいなあ。抜け駆け上手さんめ~」
忍「そ、そういうんじゃないですから! Pさん、来るときは差し入れもね」
モバP「あ、食い意地が忍ばない工藤忍」
忍「何それ!」
いつき「あははは。ここから先は忍ちゃんが忍ばないものを考えて帰りましょうか」
忍「やです!」
芽衣子「いやな気持ちを忍ばない工藤忍」
忍「もう! 早速始めるんだから!」
芽衣子「ふふっ。なんだか良い旅の思い出ができちゃったね」
モバP「そうだな。ただのカップ麺じゃなく、メモリーだな」
いつき「えー、何ですか、そのフレーズ」
モバP「大事なことなんだよ。これも」
芽衣子「むにゃ」
いつき「すやあ」
モバP「予想通りというか、麺食って寝るとか、まったく」
忍「2人ともすごく動いてたもんね」
モバP「まあでも起きてたほうだよ。これでも」
忍「ふふ。なんかいつでも全力の大人ってかっこいいな」
モバP「そうかもしれないな」
忍「アタシもこんな風になれるかな」
モバP「まあこんな風にならなくてもいいけど。でも負けないくらい素敵な大人になれると思うよ」
いつき「素敵な大人だなんて、照れますね」
モバP「おわっ! いつから起きてた!」
いつき「素敵なあたりで!」
モバP「どういう耳の構造してるんだ」
いつき「えへへ」
芽衣子「むにゃ、なになにーもう着いた?」
モバP「1人が寝るともう1人も寝るし、起きると起きるし……」
いつき「いいコンビですよね♪ 仕事増えるといいなあ」
モバP「善処します」
忍「……たまにはアタシも混ざりたいな」
芽衣子「忍ちゃーん!」ガバッ
忍「わわっ」
いつき「私たちはいつでもウェルカムだからねっ!」
モバP「そうだなあ。俺もちゃんと考えておくよ」
芽衣子「あ、忍ちゃん。私たちこの後打ち上げ行こうと思うけど、一緒に来る?」
いつき「あったかーい鍋を食べに行こうかなって」
モバP「お前らホント元気だな」
芽衣子「何他人事みたいにいってるの」
いつき「Pさんも来るんですよっ」
モバP「まだ仕事あるから」
芽衣子「ダメダメ。仕事は明日もできるけど、今日の打ち上げは今日しかできないよっ」
モバP「おい大人」
いつき「ちひろさんにも声かけてあるから大丈夫ですよ」
モバP「大丈夫ってなんだ大丈夫って」
忍「あ、あのー」
芽衣子「ごめん、そうだった。どうする?」
忍「アタシ、今日は予定があって」
いつき「あらま、残念」
忍「アーニャちゃんにご飯を誘ってもらってるんです。寮って言ってたから、多分、作って待ってくれてて」
芽衣子「それは絶対にそっちに行かなきゃだね! そしたら別の機会にご飯行こうね」
忍「はい! ぜひお願いします!」
アーニャ「シノブ、おかえりなさい」
忍「ただいまー。疲れたあ」
アーニャ「ふふ、やー、今日は、ようこそ、おこしくださいました」
忍「ありがとう、お邪魔します」
アーニャ「撮影、寒かったですか?」
忍「うん。久しぶりに雪だらけだったよ」
アーニャ「ふふ。あたたかいもの、食べましょう」
忍「楽しみっ。お腹ペコペコ」
アーニャ「今、入れてきますね」
忍「これは、ポトフ?」
アーニャ「ダー♪」
忍「ちょっと予想外かも。アーニャちゃんだから、ボルシチかなって」
アーニャ「アー、それはロシア料理ですね。でも、今日は、シノブの故郷の料理です」
忍「え? アタシの故郷?」
アーニャ「ダー。シノブ、たまに電話しますね? その時、フランス語です。だから、ポトフ作ってみました」
忍「え? 電話? フランス語?」
アーニャ「違いましたか」
忍「えーっと……あ! もしかして、方言かな」
アーニャ「ホウゲン?」
忍「うん、故郷の言葉というか……あれも日本語なんだよ」
アーニャ「プラーヴダ? それは、ごめんなさい」
忍「ううん! 気にしないで!」
アーニャ「日本語、おく、深いですね」
忍「ところで、どうしてアタシの故郷の料理を作ろうと思ったの?」
アーニャ「あー、雪、です」
忍「雪?」
アーニャ「アーニャ、雪見ると、ロシア思い出します。きっとシノブもそう」
忍「あー、そうかも。いつもと違う雪を見て、なんか地元のことばかり思ってたかも」
アーニャ「ダー。故郷、遠い。なかなか帰れないですね。だから、思い出すと、ちょっぴり寂しいです」
忍「……うん」
アーニャ「だから、シノブがさびしくないように、作ってみました」
忍「そういうことだったんだね」
アーニャ「あー……でも、間違ってしまいましたね。ごめんなさい」
忍「ううん。その気持ちが何よりうれしい。だから、さびしくない」
アーニャ「ダー♪ それなら、アーニャ、うれしいです」
忍「ありがとう、アーニャちゃん」
アーニャ「ふふ。それでは、温かいうちに、プリヤートナヴァアピチータ」
忍「いただきます♪」
忍『あ、もしもしお母さん? 雪、大丈夫? こっちの冬は、みんなあったかいよ』
おしまい
おまけ
いつき「忍ちゃんの『フランス語に聞こえる青森弁』動画すごいことになってるね」
芽衣子「3日1000万再生……」
モバP「フランスでも通用する青森弁……」
いつき「日本語をフランス語風に読み上げてるだけだから、実際伝わらないけど……」
芽衣子「でも、これ東京でも伝わらないよね……」
モバP「だな……」
忍ちゃんのss好きだわ、ふらいんぐうぃっちで圭くんの父さんの津軽弁が茜さんにフランス語と思われたの思い出した
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