ルビィ「堕天使にラブソングを」 (34)
よしルビ8作目です。
善子「本当になりたいもの」
が前作となっております。見なくても大丈夫ですがよろしければご覧下さい。
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よしるび「聖歌合唱?」
花丸「うん。クリスマスに近くの御聖堂で毎年開催されてる聖歌合唱があるんだけどね」
花丸「聖歌隊に欠員がちょうど2人出たからルビィちゃん達に入って欲しいなーって……」
ルビィ「聖歌かぁ……花丸ちゃんがやってたからちょっと興味あったんだよね。うん、ルビィは良いよ!」
善子「えっ」ビクッ
花丸「ありがとうずら、ルビィちゃん!────それで、善子ちゃんはやってくれる?」
善子「ええーと……」
花丸「用事とかあったなら無理にとは言わないずら」
善子「用事とかじゃないんだけど……その、聖歌って堕天使的にまずくない?」
ルビィ「え、そういうこと?」
花丸「正直どうでもいいずら」
善子「良くないわよ、大事なことなんだから!」
ルビィ「確かに善子ちゃんにとっては大事なのかな?」アハハ…
花丸「はぁ……ちょっと耳貸してほしいずら」
善子「な、何よ」
花丸「聖歌っていうのは……だから……」ゴニョゴニョ
ルビィ「何話してるの?」
善子「わ、分かったわよ!やればいいんでしょ!?/////」
花丸「ありがとうずら♪」
善子「フンッ/////」
花丸「それじゃあ練習は今日からだから宜しくお願いします」ペコリ
ルビィ「いえいえこちらこそ」ペコリ
まるびぃ「フフッ♪」
善子「はぁ……やることになってしまったわ……」
────────
(御聖堂)
隊長「それではこれから練習を始めていきたいと思います」
隊長「と、その前に新しいメンバーを紹介しなきゃね。国木田さん」
花丸「はい。この2人が代理で出てくれることになった黒澤ルビィちゃんと津島善子ちゃんです」
ルビィ「黒澤ルビィです、宜しくお願いします」
善子「津島ヨハ……花丸「善子ちゃん?」善子です、宜しくお願いします」アセアセ
聖歌隊「パチパチパチ」
隊長「それでは練習を始めます。2人はまず私達の歌を聴いててね」
よしルビ「はいっ!」
~~~~~~~~~~
隊長「────今日はこれまで。お疲れ様でした」
聖歌隊「お疲れ様でした!」
ルビィ「ふーっ……聖歌隊って凄いんだねぇ」
花丸「今日一日やってみてどうだった?」
善子「くっ、このヨハネが聖歌を歌うなんて……まあ楽しかったわ」
花丸「ふふ、良かったずら♪」
花丸「それじゃあ次の練習もよろしくね!」
~~~~
(帰り道)
ルビィ「そういえばなんで善子ちゃんは聖歌合唱に了承したの?嫌だったんじゃないの?」
善子「それはその……/////そ、それより聖歌合唱の日は発表の後に2人でイルミネーション見る約束よね!」アセアセ
ルビィ「うん、そうだね」
善子「やっと家族以外と過ごすクリスマスを味わえるのね……」シミジミ
ルビィ「あはは……ルビィも善子ちゃんと一緒のクリスマス楽しみだよ!」
善子「ふふ、それじゃあまずは合唱を成功させなきゃね」
ルビィ「うん!」
善子(……絶対に成功させてみせるんだから!)
────────
(数週間後)
善子「~~~♪」
ルビィ「~~~♪」
隊長「うん、2人ともかなり良くなってきたね!」
ルビィ「ありがとうございます!」
善子「ふっ、このヨハネは聖歌すら歌い上げてしまうのね……」
花丸「2人は歌がすっごくうまいからすぐに形になると思ってたずら。これなら本番も大丈夫そうだね」
善子「ずらまるは大丈夫なの?あんたは独唱するんでしょ?」
花丸「うっ……頑張るずら!」
ルビィ「花丸ちゃん、頑張ルビィだよ!」
花丸「頑張ルビィずら!」
隊長「それじゃあもう一回合わせてみて問題なかったら今日はおしまいにします」
聖歌隊「はい!」
~~~~~
花丸「うう、不安ずら……」ハァ
善子「何言ってるの、今日の練習良かったじゃない」
ルビィ「そうだよ、花丸ちゃんなら本番も成功するよ」
花丸「……うん、ありがとう2人とも!マルも本番は全力で頑張るずら!」
花丸「じゃあ明日はがんばろうね!」
善子「ええ、頑張りましょう。それじゃあまた明日」
花丸「ばいばいずら~」
善子「……さて、明日は合唱もだけどその後も覚えてるわよね?」ソワソワ
ルビィ「うん、一緒にイルミネーション見に行こうね!」
善子「覚えてるならいいんだけど……/////」
ルビィ「ふふっ、善子ちゃんずっと楽しみにしてたもんね」
善子「べ、別にずっとってわけじゃないわ!それに私はヨハネ!」フンス
ルビィ「大丈夫だよ。最高の一日にしようね!」
善子「……うん/////」
────────
(黒澤家)
ルビィ「ああ、楽しみだなー。何着ていこうかな♪」
ダイヤ「ルビィ、ちょっといい?」ガラッ
ルビィ「どうしたの?」
ダイヤ「前から言われてた分家の方々との集まりが早まって明日になったんですがその準備を手伝って欲しいのですわ」
ルビィ「えっ……明日?」
ダイヤ「ええ、急に日付を変えられるのは困るのですがあちらがどうしてもと……何か予定があったの?」
ルビィ「明日は聖歌隊の合唱があるんだ……」
ダイヤ「失念してましたわ……そういえば明日でしたわね……」
ルビィ「その集まりってルビィも出なきゃいけないの?」
ダイヤ「ええ、黒澤家とその分家の方々の顔合わせということで毎年この時期に行われるこの会合は今年からルビィも出なくてはいけないのですわ……私も高校に上がってから出席するようになったの」
ルビィ「そんな……」
ダイヤ「……残念ですが、この日ばかりは外出を認めるわけにはいきません」
ルビィ「……」
ダイヤ「ごめんなさいね、ルビィ……」
ルビィ「……うん」
────────
(津島家)
善子「ううう、早く明日にならないかなぁ」ソワソワ
善子「まずは合唱をしっかり成功させて、それからルビィとイルミネーション見てそのままいい雰囲気になって……それから……」
善子「~~~/////」ジタバタ
善子「お、落ち着くのよヨハネ。あなたに出来ないわけないんだから/////」
プルルルルル
善子「電話……?ルビィからね」
善子「どうしたの?」
ルビィ『あの、善子ちゃんあのね……明日のことなんだけど……』
善子「ええ、絶対成功させましょう」
ルビィ『そうじゃなくてね……明日急に用事が入っちゃっていけなくなったの』グスッ
善子「……え?」
ルビィ『黒澤家と分家の顔合わせみたいなのが毎年あるんだけどその日付が急遽変わって明日になっちゃって……ごめん、どうしてもいけないの』
善子「そ、それじゃ2人でイルミネーション見るっていうのも……」
ルビィ『……難しいかもしれない』
善子「そう……」
ルビィ『本当にごめんね、善子ちゃん。……わがままかもしれないけどルビィの分まで歌って成功させて欲しいな』
善子「……ええ、分かったわ」
ルビィ『それじゃあお休みなさい』
善子「……うん」
善子「ルビィ……来れないんだ……」グスッ
善子「……合唱行きたくないな」
善子「……」
善子(……でも、ルビィが『成功させて欲しい』ってお願いしたんだからそれに応えなきゃね)
────────
(次の日)
花丸「ルビィちゃん、残念ずら……」
善子「そうね、でも合唱は成功させるわよ。ルビィに託されたからね!」
花丸「もちろんずら!」
隊長「おはよう、2人とも」
よしまる「おはようございます!」
隊長「黒澤さんのことは電話が来たわ……残念だけど今いるメンバーで頑張りましょう」
よしまる「はい(ずら)!」
隊長「みなさん今日はお集まりいただきありがとうございます」
隊長「私達浦の星女学院聖歌隊はこの日のために練習を積んできました」
隊長「どうか、皆様には素敵な時間をおくっていただければ幸いです」
隊長「それでは聞いてください────」
善子(聞いててね、ルビィ。絶対成功させるんだから!)
────────────
善子「ふぅ、……」
花丸「お疲れ、善子ちゃん。今日の合唱すごく良かったずら♪」
善子「あんたもね……緊張してるかと思ってたけど全然そんなことなかったわね」
花丸「そんなことないずら。独唱の直前なんか緊張がピークでお腹がいたくなりそうだったずら……」
善子「あんたの胃はそんなにヤワじゃないでしょ?」
花丸「善子ちゃんひどいずら!マルのお腹だって痛くなることくらいあるずら!」
善子「どうだかね……」フフッ
花丸「全くもう……」フフッ
花丸「……ルビィちゃん、残念だったね」
善子「うん……」
花丸(善子ちゃん……)
花丸「……今日は何の日か知ってる?」
善子「え……クリスマスでしょ?」
花丸「うん、そしてイエス・キリストの誕生日ずら」
善子「それがどうしたの?」
花丸「今日は1番祈りが届きやすい日なんだ」
花丸「神様はね、1人の人間のお願いを叶えてくれるものじゃないんだけど」
花丸「今日くらいはきっと、ちょっとズルしてくれると思うずら」
花丸「例えば寂しがり屋な堕天使さんのお願いを聞いたりとかね♪」
花丸「それじゃあね、善子ちゃん」
善子「ちょ、それってどういう……」
プルルルルル
善子「ん、電話……?」
ルビィ『善子ちゃん、今どこ!?』
善子「る、ルビィ!?……えっと、まだ御聖堂にいるけど……?」
ルビィ『今から急いでいくから少し待っててくれないかな?』ハァハァ
善子「いいけど……大丈夫なの?今からだと門限とか……」
ルビィ『大丈夫、早めに終わったからお姉ちゃんも「今日くらいは」って許してくれたんだ!』
善子「そ、そう……分かったわ。待ってる」
ルビィ『ありがとう、善子ちゃん!』
善子「まさか来てくれるなんて……」
善子「神様か……」
善子「まさかね」フフッ
~~~~~~~
ギィィーー
ルビィ「善子ちゃん!」
善子「待ってたわ、ルビィ」
ルビィ「本当にごめんね。みんなと歌って成功させるって約束したのに……」
善子「いいのよ、それより来てくれて嬉しかったわ」
ルビィ「……うん、どうしてもしたいことがあってね」
善子「したいこと?」
ルビィ「歌を善子ちゃんに聞かせたくて。練習した聖歌を……ダメかな?」
善子「ダメなわけないじゃない。私も聞きたいわ」
ルビィ「ありがとう。それじゃあ歌うね────」
ルビィ「~~~♪」
善子(綺麗な歌声ね……)
善子(そっか、自分で歌ってると気づかなかったけど聞いてた人たちはこんな気分だったのかな……)
善子(もっと聞いてたいな……)
ルビィ「────、ふう。ご静聴ありがとうございました」
善子「ありがとう、素晴らしい歌だったわ」パチパチパチ
ルビィ「えへへ……」
善子「お客さんの立場でルビィの歌声を聞けるのも良かったわね」
ルビィ「喜んでくれたなら嬉しいな/////……あの、善子ちゃん。ずっと聞きたかったんだけどどうしてこの聖歌合唱に参加してくれたの?あんなに嫌がってたのに」
善子「そ、それは……」
~~~~
花丸『善子ちゃん、聖歌っていうのは確かに昔はキリストの生誕を祝うこととか宗教的な色が強かったんだけど今はそんなに関係ないんだよ?』
善子『で、でも……』
花丸『歌は気持ちを伝えるものずら。特にクリスマスの歌は恋人に伝えるものならうってつけだと思うずら』
善子『そ、そうかしら/////』
花丸『もちろんずら。まあ善子ちゃんがやらないっていうなら────』
善子『わ、分かったわよ。やればいいんでしょ/////』
~~~~~
善子「というわけで……」
ルビィ「え、善子ちゃんにもそれを……」
善子「ん?ルビィも言われたの?」
ルビィ「うん……恋人に気持ちを伝えるなら聖歌が一番だってその日の練習の後にね」
善子「ずら丸……」ハァ
ルビィ「で、でも聖歌合唱に興味あったのは本当だったし結果オーライだよね!」
善子「まあ感謝してるわ。ルビィが私のために歌ってくれたんだしね」
ルビィ「ふふ……それじゃあちょっと遅くなったけどイルミネーション────」
善子「ちょ、ちょっと待って!」
ルビィ「どうしたの?」
善子「あ、あのね。ずっと言おうと思ってたんだけど……/////」
ルビィ「?」
善子「フゥーーーッ…コホン、大好きです、ルビィ。これからも私の恋人でいてください!」
ルビィ「え、え!?/////」
善子「ルビィには告白されたけど、私はちゃんとルビィに告白してなかったじゃない?/////」
善子「だから今日イルミネーションを見て、いい感じになったらしようと思ったんだけど……」
善子「やっぱり告白ならここかなって/////」
ルビィ「善子ちゃん……はい、こちらこそ宜しくお願いします!/////」
善子「……なんか自分でするって恥ずかしいわね/////」
ルビィ「もう、善子ちゃんが言い出したんでしょ?」
善子「そうだけど……/////」
善子(ありがとう、神様。私のお願いは叶いました────)
ルビィ「さあ、それじゃあイルミネーション見に行こう!それとも結構遅くなっちゃったから別の……」
善子「どこでもいいわ、ルビィと一緒ならね」クスッ
おわり
これにて終わりです。
本当はクリスマス中に出せたら良かったのですがどうしても出せず今日になってしまいました。季節感無視してすいません。
細々と不定期ながら続けてきたこのシリーズですが次回で終わりにしたいと思います。最後の話も読んでいただければ幸いです。
それでは読んでくださった方、ありがとうございました。
乙、
次回で終わりは寂しいです
よしルビ最高
乙ずら
大好きなシリーズ終わるの寂しい…
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