ぐだお「え?」
イシュタル「だってそうじゃない? 守護者だか何だか知らないけど、
人間の分際で全体浄化の正義を唱えるなんて生意気なのよ。
そもそも見てて面白くないし、賢すぎるのも小賢しいだけだしね」
ぐだお「う、うーん。エミヤは何故かイシュタルに対してちょっと警戒してるみたいなんだよなぁ」
イシュタル「"ついに狂ったか!"なんて、失礼しちゃうわ。
女神に対してそんな口を利くもんだから、唇を縫い合わされちゃっても文句言えないわよ、アレ」
ぐだお「とにかく、今エミヤと接触するのはお勧めしないけど……」
イシュタル「なぁに? 私に口答えするの?」
ぐだお「……俺はどうなっても知らないからな」
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イシュタル「という訳で、ヤッホー。
カルデアの台所にお邪魔するわ」
エミヤ「帰れ」
イシュタル「口を慎みなさいよ? この私を女神イシュタルと知っての狼藉かしら?」
エミヤ「知っているからこそ、君からは不吉なものしか感じられん。
ともかく調理の邪魔だ。これからカルデアスタッフ一同へ向けた夕食を用意せねばならないからな」
イシュタル「何作ってるの?(ずいっ)」
エミヤ「ええい! 顔が近いわ戯け!」
イシュタル「あら、和食? いわゆる"ワビサビ"ってやつかしら」
エミヤ「そこまで高尚なものを手掛けている自覚はないな。
私が作っているものはあくまで味を重視したものだ。
尤も、人間の杜撰な味覚が君の口に合うとも思えないが」
イシュタル「一々イヤミね~。何か誤解している様なら一応弁明しておくけど、
女神だからって別に私は人間を嫌っている訳じゃないのよ?」
エミヤ「だろうな。そうでなければ人理の修復になど応えまい」
イシュタル「神様っぽく、近くで人間の事を見守りに来たのよ」
エミヤ「その為だけに、触媒まで厳選して擬似サーヴァントとして顕現したと?」
イシュタル「"その為だけに"ってのも貴方の価値観でしょ?
いいじゃない、別に悪さをしようって訳じゃないんだから」
エミヤ「多くの男を誑かした悪女が良くも言えたものだ」
イシュタル「口、慎みなさいよね」
イシュタル「随分と手が込んでるのね。和洋折衷、とはまた違うだろうけど、
色んな文化圏の食事を良くもここまで贅沢に再現できたものだわ。
もしかして貴方、生前は執事だったとか?」
エミヤ「作家や楽曲家が英霊となるご時勢だ。
そんなサーヴァントも有り得ない話ではないのかも知れんが、生憎私は違う」
イシュタル「そうそう、思い出した。
私、貴方を叱りつけるつもりでここまでやってきたのよ」
エミヤ「特に君に世話になるような憶えもないのだがね」
イシュタル「何だったかしら。カッコつけるのも大概にしろ、とかそんな感じ?」
エミヤ「説教する側がされる側に問い質しては世話が無い」
イシュタル「ま、とにかく見てて面白い道化でいてくれ、ってこと。
自分の感情もないままに機械的な執行者を貫くなんて、傍から見て酷いものよ。
三文劇もいいところ。見てて面白くないしね」
エミヤ「君を楽しませる為に英霊となった訳ではないからな」
イシュタル「突っかかるわね~。
なぁに? 私に対して思うところでもあるの?(ずいずいっ)」
エミヤ「近いぞ」
イシュタル「そうつれない事言わないでよ。"衛宮くん"」
エミヤ「なっ……」
イシュタル「それとも"アーチャー"って呼んだ方がいいかしら。或いは、シロ……」
エミヤ「貴様! 分かってやっているだろう!?」
イシュタル「あっはっは! 当たり前でしょ? この体はしっかり私が厳選したものだもの。
遠坂凛って女の子がどんな人間性なのかも、貴方との関連性も、ぜ~んぶ丸分かりよ」
エミヤ「かの英雄王すら憎悪する悪女とは、噂に違わぬ狡猾な女狐だったか。
だから嫌だったんだ。その顔で過去を掘り返されたら正気ではいられない」
イシュタル「理性なんて捨てちゃったら?」
エミヤ「勘弁してくれ……。遠坂はオレにとって憧れだったんだ。
これ以上は頭と胃の痛みで当分の戦闘が不可能になる」
――――――ビー! ビー! ビー! カルデアに別位相から侵入者の反応アリ
イシュタル「そう。じゃあこの場は私に任せて少し休む?」
エミヤ「有休をそう易々と使えないのがブラック企業勤めの辛い所だな」
エミヤ「他の英霊は度重なる再臨素材集めの遠征で疲弊しきっている。つまり」
イシュタル「今万全の状態にあるのは、新しくやって来た私と、
水回りの整理を行っていた貴方だけ、と」
エミヤ「追跡は任せろ。これでも英霊になる前から視力には自信がある」
イシュタル「面倒な足止めは任せるわ。さぁってと、久々に軽く運動しようかな」
エミヤ「くれぐれもカルデアごと破壊してくれるなよ」
イシュタル「それは私に要求するんじゃなくて、貴方が気を遣いなさい」
エミヤ「相手はシャドウサーヴァント、それもランサークラスか」
イシュタル「数が多いし、面倒臭いし、一気に一掃しちゃいましょうか」
エミヤ「おい! よせ!」
イシュタル「問答無用。――――山脈震撼す明星の蒔≪アンガルタ・キガルシュ≫!!!!」
ドォォォォォォォ
エミヤ「カルデアへの被害など微塵も頭にない、残酷なほど圧倒的な火力だ。
だがそれ故に詰めが甘いぞ。対城以上の宝具は破壊力と引き換えに精密性を失うものだ」
イシュタル「ふふっ。"アーチャー"! あれやって! あいあむざぼーんおぶまいそーど!」
エミヤ「貴様、うっかりも含めて故意的か!
私をからかう為だけに凛の真似をするのはやめろ!」
イシュタル「ほら、あと一押しよ。
いい所はあげるから精々かっこよく決めなさい」
エミヤ「……I am the bone of my sword.
UNLIMITED BLADE WORKS」
イシュタル「ん~! この体を使っての戦闘は初めてだけど、割と上手くやれるものね」
エミヤ「不安因子の排除もこれで完了した様だ。
早々に料理の続きに取り掛からねばならないな」
イシュタル「体だけとはいえ、やっぱり顔見知りだからか、連携は中々のものね。
もしかしたら私と貴方、体の相性が良いのかもよ?」
エミヤ「からかうのも大概にしろ。だから君がこのカルデアに来る事には反対だったんだ」
イシュタル「心の底では嬉しがってるくせに」
エミヤ「知人が擬似サーヴァントの依代とされたのだ。
私にとっては人質を取られているに等しい。
悲しむ要素こそあれ、嬉しがる要素は皆無だ」
イシュタル「ほんっとにつれないわね」
エミヤ「慇懃無礼なのは元からでね」
イシュタル「ま、いいわ。同じ"アーチャー"として、これからもよろしくね。"シロウ"」
エミヤ「……胃薬の投影も練習すべきかな」
FIN
おつ
よかった
十中八九エミヤさんが頭抱えるとは前から思ってた
エミヤさんの眠れない夜が続く…(まだ桜が来てない的な意味で)
へえ、イシュタルって凛とは別人なんだな
というかウェイバー君がかなりのレアケース(キャラクエでエルメロイ自身がそう言ってる)
普通はちゃんさんみたいになる
孔明が表に出たがら無いんだっけか
孔明の場合は孔明が二世が表に出た方が合理的だからって理由で一切出ないんだったか
イシュタ凛の場合はイシュタルがメインで凛要素がちらほらぐらいだな
さあ、後はパールヴァティとメルトリリスの実装が待たれますね(ニッコリ)
素材遠征のところでクスッと来た
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