春香「美希の誕生日を忘れてたら」雪歩「美希ちゃんがやさぐれた」 (35)


美希「うい~~……」ゴクゴクゴク

春香「………」

美希「……ぷはぁ~……ヒッく」

雪歩「………」

美希「………」ガサゴソ

春香「………」

美希「あ~……ミニサラミ美味いの~」ムシャムシャ

雪歩「………」


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美希「………」ゴクゴク ムシャムシャ

春香「美希……ミニサラミもコーラも、それくらいにしといた方が……」

美希「………」ゴクゴク ムシャムシャ

雪歩「そ、そうだよ……ほら、こっちに美味しそうなケーキとシャンパンがあるし……」

美希「………」ゴクゴクゴク ムシャムシャムシャ

春香「わ、わあ~見てみなよ美希、この美味しそうなケーキを!美味しそうだね~」

美希「………」ゴクゴクゴクゴク! ムシャムシャムシャムシャ!!

雪歩「えへへ~、あっ…もちろんシャンパンはノンアルコールだよ」

美希「けっぷぅ……」


春香(げっぷで返事したよ、このアイドル……)

雪歩(美希ちゃん下品……でも、美希ちゃんのげっぷ可愛い)

美希「あ~……いい感じに酔ってきたのぉ~」

春香(コーラで酔えるんだ……)

雪歩(酔ってる美希ちゃんも可愛いね)

美希「……ねえ、雪歩」

雪歩「は、はい!」

美希「コップの中身が無くなったの」

雪歩「そ、それじゃあシャンパンを……」

美希「ミキは黒いシュワシュワしか飲まないの!」

雪歩「コーラ……お注ぎします」トクトクトク


美希「うい~~……」ゴクゴクゴク

美希「……ぷはぁ~……って、これコーラ違うの!カロリーゼロのやつなの!!」

雪歩「ご、ごめんね!飲みすぎはよくないと思って、つい」

美希「健康を気にしてたらコーラなんて飲めないの!春香ぁ!!」

春香「な、なに?」

美希「ツマミが切れたの」

春香「それじゃあケーキ」

美希「ミキは塩っ辛いものしか食べないの!」

春香「なにか探してきます……」


春香「柿ピーとスルメがあったよ」

美希「でかした!なの!」モグモグ

雪歩「あれ?そんなお菓子用意してたかな?」

春香「小鳥さんの引き出しの中にあったよ」

雪歩「人の引き出しを勝手に開けた挙句、中の物を無断で盗ったんだ?」

春香「大丈夫『お酒を隠してることは黙っておきます』って書置きを残しといたから」

雪歩「ふふ、流石だね春香ちゃん」

美希「あ~コーラが進むの~」ゴクゴク


美希「柿ピー最高なの!」パリポリ

春香「………」

美希「ぷはぁ~」ゴクゴク

雪歩「………」

春香(ねえ雪歩、気付いてる?)

美希「………」ポリポリ

雪歩(うん、美希ちゃん柿ピーを食べながら)

美希「………」ジーー

春香(ケーキの方を凝視しているね!)


雪歩(やっぱり、ケーキ食べたいのかな?)

美希「………」ジーーーーー

春香(あのケーキを見る眼力は、そうだろうね……)

美希「………」ジーーーーーーーー

雪歩「ねえ、美希ちゃん?」

美希「……なに?」ジーーーーーーーー

春香(ケーキから視線を逸らさず返事してるよ……)

雪歩「ケーキ……食べる?」

美希「……………………食べたい……」

春香「そ、それじゃあ食べようよ!」

美希「……けど、ダメなの!!」


雪歩「ど、どうして?」

美希「だって、あれを食べちゃうと……」

春香「食べると?」

美希「春香と雪歩が……」

雪歩「私達が?」

美希「ミキの誕生日を忘れていたことを、許すことになるから……」

春香「………」

雪歩「………」

美希「だから食べないの!」


春香「いや、本当に……」

雪歩「ごめんなさい……」ペコリ


美希「もぉー!バカバカバカ!二人ともミキの誕生日を忘れるなんて酷いの!!」

春香「ご、ごめんって言ってるじゃん!ほら遅くなったけどケーキも持ってきたしさ……」

美希「遅すぎるの!」

春香「というか誕生日を忘れたくらい大目に見てよ……」

美希「開き直るの!?その態度は気に入らないの!」

雪歩「ほ、本当にごめんね、美希ちゃん」ペコペコ

美希「両手をついて謝ったって許さないの!」

雪歩「ええぇ!?」


美希「ふぅーふぅー!」

春香「じ、じゃあ私たちはどうすればいいの?」

美希「来年のミキの誕生日まで、ミキのことを恐れひれ伏し崇め奉るの!」

雪歩「暴君すぎるよぉ」

美希「人は誕生日に限り暴君となるの!!」

春香「美希の誕生日もう過ぎたじゃん!」

美希「二人は忘れてたから その限りじゃないの!その罪を残りの364日かけて償うの!!」

雪歩「史上稀にみる暴君だよぉ!」


美希「あー、他の皆はちゃんと祝ってくれたのになー、二人は忘れてたのって、ないって思うなー」

春香「くっ……痛いところを突いてくるね……」

雪歩「うぅ……」

美希「やよいとデコちゃんとか、すっごく良かったなー、朝一番で持ってきてくれたしー」

春香「そ、そうなの?」

美希「うん、二人で頑張って握ってきたオニギリをプレゼントしてくれたの」

雪歩「へぇ~素敵だね」

美希「まあ、デコちゃんのオニギリは少し形が悪かったけど……それでも嬉しかったの!」


春香「うんうん、思いがしっかりとオニギリに包まれていたんだね~」

美希「そうなの!………ふふふ」

雪歩「どうしたの美希ちゃん?」

美希「ふふ、その後の響が面白かったの」

春香「響ちゃんが?まあ響ちゃんはいつも面白いけどさ、なにかあったの?」

美希「やよいとデコちゃんからオニギリを貰った後にね、響が恥ずかしそうにこっちを見ていたの」

雪歩「恥ずかしそうに?あっ……もしかして」

美希「そう、響のプレゼントもオニギリだったの」


春香「あっちゃー、被っちゃったんだ?」

美希「うん、響も『自分もオニギリ握ってきたんだ……被っちゃった……ごめんね』って言ってね」

美希「続けて『お昼か晩にでも食べてくれたら嬉しいぞ』って申し訳なく言うから、ミキは言ってあげたの」

雪歩「うんうん!」

美希「『大丈夫!もしもの時は、カモ先生に食べてもらうの!』って」


春香「………」


雪歩「………」


美希「………」


美希「あの時の涙目になった響の顔は、一生忘れられないの」


美希「それで、お昼は貴音にご馳走してもらったんだけど」

春香「え?響ちゃんの話しはもう終わり?」

美希「そのお店が、まさかのオニギリ専門店だったの!」

雪歩「またまた 被っちゃったんだね」

美希「そうなの……でもね、さすが専門店だけあって、具材も豪華でとっても美味しかったの!」

春香「おぉ~良かったじゃん」

美希「うん!美味しすぎて、食べ過ぎちゃってね」

雪歩「あっ……」

美希「貴音が『お金が、足りません……』って言ってたけど、無視して一人で事務所に戻ったの」

春香「無視して一人で帰ったんだ、凄い胆力だね」

美希「タンリョクってなに?」

雪歩「暴君って意味だよ」


美希「でねでね、その後千早さんにもオニギリを貰ったんだけど……」

春香「ちょ、ちょっと待って!」

美希「?」

雪歩「美希ちゃん……さっきからオニギリをプレゼントしてもらった話しか……してないよね?」

美希「そうだね」

春香「美希……もしかして……」

美希「………」

雪歩「皆からのプレゼント、オニギリしか貰ってないんじゃあ……」

美希「………」


美希「そうだよ」


春香「マジで!?全員まさかのオニギリ被り!?」

美希「マジなの、ほぼ全員オニギリだったの」

雪歩「嫌がらせとかじゃなくて?」

美希「偶然なの、嫌がらせとか酷いこと言わないでほしいの!」

春香「あっ……でも、ほぼ全員ってことはオニギリ以外もあったんじゃあ……」

美希「律子……さんからは、オニギリじゃなかったの」

雪歩「そ、そうなんだ良かったね」

美希「お米券をもらったの」

春香「………」


美希「亜美と真美からは、表面をおはぎのように粒あんでコーティングしたオニギリで」

雪歩「あ、それなら食べれそう」

美希「オニギリの具の鮭とか昆布が餡と混ざってゲロマズだったの!」

春香「一応食べたんだ、美希は凄いなあ」

美希「それで夕食にあずさが、事務所で炊きたてのご飯を握ってくれようとしたんだけど」

雪歩「流石はあずささん、女子力高いね」

美希「割烹着を着てたから思わず『おばあちゃんみたいだね、アハッ☆』って言ったらそのまま帰られたの!」

春香「そら帰るよ、暴君は許されても暴言は許されないんだよ、美希」

美希「ミキにとっては最上級の褒め言葉だったの!」


美希「それで むしゃくしゃしてた時に、酔っ払った小鳥が来てね」

雪歩「酔ってたんだ……」

美希「食べかけの おにぎりせんべいを差し出して『ハッピーバースディ美希ちゃん♪』とか言うから」

春香「流石だよ小鳥さん……」

美希「おにぎりせんべいを小鳥の顔面にスパーキングしたの」

雪歩「やっぱり美希ちゃんは凄いよ」

美希「あとは、カモ先生のところに寄って家に帰ったの」

春香「ん?カモ先生のところに寄る必要はあったのかなぁ?」


雪歩「あれ?真ちゃんは?」

春香「あ、そういえば真がまだ出てないね」

美希「真くんは日付の変わる直前に家に来たの、『美希!誕生日おめでとう!』って」

春香「おお~」

美希「コンビニ袋を渡されたの……コンビニオニギリ10個くらい入ってたな~」

雪歩「お、おぉ~?」

美希「それ持ってカモ先生のところまで行って、帰って寝たの」

春香「カモ先生酷使しすぎじゃない?」


美希「確かにミキはオニギリが大好きなの」

雪歩「う、うん」

美希「でも、イチゴババロアもキャラメルマキアートも大好きだよ!春香知ってるよね?」

春香「そ、そうだね」

美希「じゃあ一人くらいイチゴババロアかキャラメルマキアートを持ってきてくれてもいいって思うの!!」

美希「甘いものを……誰か一人くらい……」

雪歩「美希ちゃん……」


美希「皆よってたかってオニギリオニギリ……」

春香「美希……」

美希「もう……塩辛いのは……嫌なの……」

春香「………」

雪歩「………」

美希「甘いもの……甘いものが食べたいの……」


雪歩「ねえ、美希ちゃん」

美希「………なに?」

春香「ケーキ、食べようよ」

美希「………やっ」

雪歩「私たちのことを許せないから?」

美希「………」

春香「でもこのケーキさ、美希のために二人で作ったから」

美希「………」

雪歩「だから美希ちゃんに食べてほしいの」

春香「私たちのことは許さなくてもいいからさ」

美希「………ふん」


春香「ほら美希、あーん」

美希「………」

雪歩「あーんだよ、美希ちゃん」

美希「………」

春香「あーーーん」

美希「………う」

雪歩「あーーーん」

美希「………うぅ」






美希「………」パクッ


美希「………」モグモグモグ

春香「………」

美希「………」ゴックン

雪歩「………」


美希「………」

春香「………」

雪歩「………」


美希「………このケーキ…」

春香「うん」

美希「とっても甘いね……」

雪歩「えへへ、ケーキだからね」

美希「もっと食べていい?」

春香「もちろん」

雪歩「シャンパンも飲む?」

美希「飲むの!」


美希「うん、甘くて美味しいの!白いシュワシュワもいい感じなの!」モグモグゴクゴク

春香(機嫌直ったみたいだね)

雪歩(美希ちゃん、ちょろ……単純で良かったね)

美希「春香!白いシュワシュワおかわりなの!」

春香「はいはい」

美希「雪歩は肩を揉むの」

雪歩「わかりましたぁ」モミモミ


春香(この暴君様は……)

雪歩(まあまあ、これくらいはいいよ)

春香(……そうだね)

美希「ふっふ~ん、いい気分なの」

春香「ねえ美希」

美希「ん?なに?」

雪歩「1日遅くなったけど」

美希「うん」

春香雪歩「「お誕生日おめでとう」」

美希「………」


美希「ありがとうなの!」






おわり



終わりです
ありがとうございました

いいね良かった
結局何も渡さなかったあずさおばさんは反省して

よかったおにぎりケーキじゃなくて...

良かった
Pもなにも渡さなかったんだな…

>>30
春香はどうしてそうなっちゃったの?

>>30
おま俺

>>31
すっごいプレゼント、もらっちゃった

んじゃないですかね

>>34
十月十日後に受け渡しになりそうなプレゼントだな

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