梨子「おかしくない？」

曜「えっ、仲悪いの？」

梨子「いや別に」

曜「えぇ...」

梨子「もとはと言えばこの『よっちゃん』『リリー』呼びが元凶だと思うの」

曜「あー、なんかあだ名って仲良さそうだよね」

梨子「うん。でも私が善子ちゃんのことを『よっちゃん』って呼ぶようになったのはね」

梨子「善子ちゃんって呼ぶたびに『ヨハネよっ』っていうつっこみがあったからなんだよ」

曜「あー。っていうか今でもよくつっこんでるよね」

梨子「みんな気にしてないけどね」

曜「あれはヨーシコーのアイデンティティみたいなもんだから気にしなくてもいいんじゃない？」

梨子「今はあんまり気にしてないけど最初はけっこう気になってたの」

曜「あはは。梨子ちゃんはマジメだなー」

梨子「それで『よっちゃん』ならヨハネちゃんの略とも善子ちゃんの略ともとれるからそれでいっかなって」

曜「確かに。ちなみに今はどっちの略で使ってるの？」

梨子「え？....あ、なんかもう『よっちゃん』っていう１つの単語として使ってたよ」

曜「あ、ちょっとわかる。あだ名がその人の名前みたいになっちゃうんだよね」

梨子「そうそう」

曜「うんうん」

梨子「.....」

曜「.....」

梨子「なんの話だったっけ？」

曜「さぁ？」

＝＝＝＝

梨子「思い出した。呼び方で仲良く思われるって話だったわ」

曜「思い出しちゃった」

梨子「でも今さら善子ちゃんって呼ぶのも変よね」

曜「まぁ」

梨子「逆によっちゃんが私の呼び方を変えるとか」

曜「でも善子ちゃんが急に『梨子さん』とか呼び出したらイヤじゃない？」

梨子「梨子さん....」

曜「.....」

梨子「うぅ...」ﾌﾞﾜｯ

曜「梨子ちゃん！？」

梨子「そ、想像したら意外とダメージが大きかったわ...」

曜「そんなに？」

梨子「....千歌ちゃんが曜ちゃんのこと『渡辺さん』って言うくらいには」

曜「.....」

梨子「.....」

曜「うぇ...」ｼﾞﾜｯ

梨子「！！よ、曜ちゃん。例え！例えだから！」

曜「そ、そっか。確かにこれはダメージが半端ないね」

梨子「よ、呼び方の話はなしっ。なしの方向でっ」

曜「だね...」

＝＝＝＝

梨子「そもそもよっちゃんって誰に対してもタメ口よね」

曜「出会ったときから堕天使全開だったし意外と物怖じしないよね」

梨子「えー、よっちゃんの初登場シーン見たかったなぁ」

曜「そんな漫画みたいに」

梨子「そもそもよっちゃんは堕天使モードのとき距離が近い」

曜「あ、それはちょっと思う」

梨子「ダイヤさんにすら自分ワールド全開だし」

曜「花丸ちゃんも最近めんどくなったのかあんまり止めないよね」

梨子「ねー」

曜「でも教室の善子ちゃんはちょっと面白いらしいよ」

梨子「なにが？」

曜「花丸ちゃんいわく普通にしゃべろうとして結局堕天するらしい」

梨子「あはは、よっちゃんらしい。むしろ堕天使モードでしゃべっててたまに普通になるのがいいのに」

曜「ねー」

梨子「.....」

曜「.....」

梨子「なんの話だっけ？」

曜「さぁ？」

＝＝＝＝

梨子「思い出した。私とよっちゃんが仲良く思われてるって話だった」

曜「あー。まぁギルキスでの絡みも多いし自然とそう思われちゃうのかも」

梨子「う～んそこをなんとか....。もうちょっと....」

曜「梨子ちゃんは結局どうしたいの？」

梨子「よっちゃんと仲良くしつつ周りからは『仲は良いけど普通くらい』って思われたい」

曜「めんどくさ！」

梨子「これはもう私じゃなくてよっちゃんが変わるべきよね」

曜「えぇ～」

梨子「よっちゃんに電話してガツンと言います」

曜「なんて言うの？」

梨子「......」

曜「.....」

曜「決めてなかったんかいっ」

梨子「『私たち最近噂されてるみたいだしお話するの控えましょ』とか？」

曜「なんか変な意味に聞こえるよ！？」

梨子「そ、そうよね。やっぱり考えもなしに電話するのは良くないよね」

曜「ほんとだよ」

梨子「えっ、あ、あれ？電話だ...」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

曜「誰から？」

梨子「よ、よよよよっちゃんからだ！？」ｱﾀﾌﾀ

曜「えぇ！？」

梨子「え？え！？なにこれ曜ちゃん？ひょっとしてドッキリ！？」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

曜「ち、ちがうよ！？とにかく出なきゃっ。れ、冷静にね？」

梨子「う、うん。も、もしもしよっちゃん？」ﾋﾟｯ

梨子「え？明日？うん、大丈夫だけど。買い物ね、うん...うん...」

梨子「また急だね。もう慣れたけど。...あ、じゃあその後あそこの同人誌ショップに...」

梨子「い、いいでしょ別に。よっちゃんにも読ませてあげるから。...え！？エ、エッチなのじゃないよ、もう！」

梨子「え、そのあと？うん、うちはいいけど...うん。はぁ、しょうがないなぁ...」

梨子「うん...じゃあまた明日ね。...うん、じゃあ」

曜「.....」

梨子「はぁ。よっちゃんはほんと強引なんだから」ﾌﾌｯ

曜「隠す気ある！？」

梨子「！？！？」ﾋﾞｸｯ

梨子「あ、ごめんね曜ちゃん。よっちゃんが急に明日買い物行きたいって言いだして...」

曜「わかってるよ！その後梨子ちゃんの買い物して梨子ちゃんちに泊まりに来るところまでわかってるよ！」

梨子「曜ちゃん耳いいね」

曜「いやもう梨子ちゃんが嬉しそうに話してるの見て察したよっ」

おらもっと頑張れよ
オネガイシマス

梨子「う、嬉しそうにって...。よっちゃん毎回急に誘ってくるからけっこう困ってるんだよ？」

曜「はいはい。よーそろよーそろ」

梨子「急に曜ちゃんが雑！」

曜「だって...ねぇ」

梨子「よ、よっちゃんが悪いところもあるんだよ！？例えば...」

曜「ええっと...。そっ、そろそろ千歌ちゃんが家の手伝い終わってるだろうから千歌ちゃんち行こうよ。ね？」

梨子「え、もうそんな時間？じゃあ話し足りない分は千歌ちゃんにも聞いてもらおう」

曜「あー....ごめんね千歌ちゃん」

梨子「？」

その後、『そもそもよっちゃんが可愛いのがいけない』という梨子の話を30分以上聞かされた千歌と曜の反応は言うまでもない。

おわり

終わんのかよ！
おつ、これからもよしりこネタ供給よろしくな

乙
よしりこおじさんの僕も大満足

いつもてもかわいい