真美「亜美の時ラーメン」 (31)
アイドルがラーメン屋から百円をちょろまかそうとする話です
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やよい「ど、どうするの亜美?」ヒソヒソ
亜美「ここまで来て...」ヒソヒソ
真美「真美たちが引き下がるわけないっしょ!」ヒソヒソ
真美「...とは言っても」ヒソヒソ
やよい「お金が...」ヒソヒソ
真美「くそう!百円だけ足りないなんて!」ヒソヒソ
亜美「だいたいラーメン1杯1600円って高すぎっしょ~?!」
真美「ちょ!亜美!声大きいって!」ヒソヒソ
やよい「やっぱり諦めようよ...」ヒソヒソ
~~~数時間前~~~
亜美「へいへいやよいっち~」
真美「お姉さんたちと遊びいかな~い?」
やよい「私のほうがお姉さんだよ」
亜美「それはいいからどっか遊び行こうよー」
真美「真美たちヒマヒマで時間を持て余しまくってるんだよー」
やよい「今日は特に用事ないしいいよー」
亜美「マジィ?じゃあれっつごー!!」
やよい「え、準備とかしないの...ってあ!待って!」
亜美「さぁ、勢いよく出てきたはいいけどどうしよっかー」
やよい「どこ行くか決めてなかったの?」
真美「急がば急いで進んじゃおーだからねぇ真美たち」
やよい「それっていいことなのかな...?」
亜美「とりあえずはあそこで作戦を立てようか」
やよい「ファミレスだね」
真美「で?どこいくの?」モグモグ
亜美「さあ?」モグモグ
やよい「...亜美、なんでここ入ったか覚えてる?」
亜美「ん?ちょっとお腹すいたから来たんでしょ?」
真美「そういえばそうだった気もする!」
やよい「...これからどこ行くか決めるんでしょ?」
亜美「あ!あーあーそうだったね!亜美すーっかり...忘れてはいなかったけど」
やよい「絶対忘れてたでしょ......で、どうするの?」
真美「てきとーにそこらへんブラブラーってしてればいいかなって」
亜美「んー、それでもいいよねー」
亜美「やよいっちは行きたいところないの?」
やよい「私?私は特には...」
やよい「あ」
真美「ん?どったの?」
やよい「いやーお金持ってきたかなーって」
亜美「はっはっは、やよいっちよ、案ずるな」
真美「今日はなんでも真美たちの奢りだよー!」
やよい「え?!わ、悪いよ二人共」
亜美「え、そう?まあそのほうが亜美たちも助かるしいいんだけど」
真美「別に奢ってもいいのよ~?」
やよい「いや、大丈夫、お財布あったし」
真美「それならいいけど」
亜美「あ、そうだ」
亜美「この近くでもうすぐお祭りあるからー」
亜美「食べ歩きなんてどうだい?」
やよい「いいんじゃない?」
真美「よし!じゃあかき氷どっちが多く食べられるか勝負する~?」
亜美「望むところでい!」
やよい「かき氷なんていっぱい食べたらお腹壊すよー?」」
亜美「りんごあめって美味しいけど後半微妙だよね~...」
真美「うん...このりんごがなんとも...」
亜美「だいたいおっきすぎて飽きちゃうよねー」
やよい「わざわざ大きい方買ったのは亜美と真美でしょ...」
亜美「やよいっちはなんか食べないの?」
やよい「私はあれ!」
真美「ほう、たこ焼きですか~」
亜美「じゃあ一つ買って誰が一番多く食べられるか勝負だー!」
亜美「お代は負けた人が払うってことで!」
真美「ほほう?この真美に勝とうとは」
やよい「絶対負けないからねー!!」
亜美「ぅあっつ!」
真美「ふがっ!ふ、ふがが!」フガフガ
やよい「買ったばかりのたこ焼きにそんながっつくから...」
亜美「うへー、舌が......何言ってんのやよいっち!これは戦いだよ!」
真美「ほうふぁほうふぁ!(そうだそうだ!)」フガフガ
やよい「そんな慌ててたら食べれないと思うけどなー」パクッ
真美「は、はやいよやよいっちー!」
やよい「んー、そう?」パクッ
亜美「うあうあ~!やよいっちがマジだよー!」
やよい「~♪」パクッ
亜美「結局一つしか食べれなかった...」
真美「真美も...」
やよい「おいしかったー!」
亜美「真美、二人で割り勘だね...」
真美「うー...次は負けないかんね!」
亜美「ではこのアツアツな口を冷やすためにも」
やよい「かき氷だね」
真美「セツジョクを晴らしてやる!」
やよい「...果たすね」
亜美「今度こそ汚名挽回を...」
やよい「......」
亜美「あったま痛いよ真美ぃ~...」
真美「真美も...」
やよい「お腹壊さないでよ?」
亜美「はぁ~い」
真美「あ、7時から花火だってさー」
やよい「花火!」
亜美「見よ見よ!」
やよい「でもまだ結構時間あるよ?」
真美「まだ見てないとこあるし回って時間潰そっか」
亜美「賛成!」
真美「じゃあ次はー...」
やよい「あ!あれ!」
亜美「どれどれ...」
やよい「あ、そろそろ花火の時間だねー」
真美「時間が経つのは早いですなー」
亜美「じゃああっちでみよっかー」
やよい「あ、二人共、飲み物買ってこようか?」
真美「え、いいよいいよ!自分で買うって」
やよい「ええー...その荷物の数で?」
亜美「あ...」ジャラ
真美「射的やら輪投げやら色々やったからね...」
やよい「カラーひよこに手を出そうとした時はどうしようかと思ったよ...」
亜美「だってかわいいじゃん...」
やよい「というか、そんなにお金使って大丈夫だったの?」
亜美「そりゃあ亜美たちやよいっちに奢る気でいたんだよ?」
真美「まだまだ大丈夫だよー!...多分」
やよい「それならいいけど」
やよい「で、何飲みたい?」
真美「真美はファンタグレープで」
亜美「じゃ亜美も」
やよい「はーい」
~~~現在~~~
真美「思えばあのファンタさえなければ...」
真美「うん、亜美、やっぱりやめよう」
やよい「このラーメン屋さん、1杯1600円で、大きさどの位なんだろう...」
亜美「とにかく、そのらーめんを3人で分ける!」
真美「いやその前にお金が足りないじゃんか!てか真美の話きいてた?!」
店のおっちゃん「...」ジロジロ
やよい「ま、まずいよ!屋台の人すっごいこっち見てる!」ヒソヒソ
真美「うあうあ~!諦めようよ亜美ー!」ヒソヒソ
亜美「...いや」
亜美「亜美にいい考えがある」
亜美「とりあえず二人とも亜美にお金貸して」
やよい「え...いいけど」
真美「それでも足んないよー?」
亜美「いいから」
亜美「あと、亜美が今からすること、途中で絶対止めないでね?」
真美「え?」
亜美「特に...お金を支払う時は...」
やよい「ちょ、ちょっと亜美?」
真美「行っちゃった...」
時ラーメンってそういうことか
亜美「おう兄ちゃん!今日は寒いね冷えるねぇ!こんな日はあっつあつのらーめんでも1杯やりたいね!」
やよい「なんかすっごい慣れ慣れしく話してるよ?」
真美「亜美何する気なんだろ...」
亜美「てなわけでらーめん1杯くれるかね?」
おっちゃん「あいよ」
亜美「いやあ!それにしてもいい看板だ!センスがいいよね!センスが!」
亜美「的に矢が刺さって...なんて読むの?これ」
亜美「矢が、あたる...あぁ!当たり屋ね!いやぁ当たり屋ってなんかいい響きだよね!色々当たりそう!」
亜美「まぁ祭りの屋台のクジは当たりなんてないんだろうけど」ボソ
やよい「なんかお店のこと褒めだしたよ?」
真美「まさかゴマすって負けてもらう気なんじゃ...」
亜美「えぇ~、どうよ兄ちゃん、最近は儲かってんの?」
おっちゃん「いやいや、景気が悪くって困るよ、この屋台もね」
亜美「ふぅ~ん」
真美(あっ、そこはフォローしないんだ...)
おっちゃん「はいよ、熱いから気をつけな」
亜美「えぇ?!兄ちゃん早いね!」
亜美「亜美たち気が短いからねぇ、遅いとブツブツ言いたくなっちゃうんだよね~」
亜美「そんでも出てこない時はもう食べる気がしなくなっちゃうかんねー!」
やよい(あの鍋の中に入ってるんだから早いなんて当たり前だよ...)
おっちゃん「あああと、もう人もあんまいないし、お代は後でいいよ」
おっちゃん「あっちの嬢ちゃんたちと先にここで食っちまいな」
亜美「え?!いいの?!兄ちゃん太っ腹ぁ!」
亜美「おーい!やよいっちー!真美ー!こっちきて食べていいってさ!」
真美「うええ?!何いってんの亜美!」ヒソヒソ
やよい「食べていいって、お金足りないよ!」ヒソヒソ
亜美「いやぁ、看板だけじゃないや、割り箸からしてすげぇ」
亜美「こりゃあただもんじゃないね兄ちゃん」
真美(結局食べようとしてるけど...)
やよい(どうする気なの亜美~...)
亜美「たいていのラーメン屋はもう箸が折れちまってる」
亜美「だがここはまだ折れてない!いやあわかってるね、人の使ったのなんて真っ平だもんね!」
やよい(今時折れてる割り箸渡してくる屋台ないよー...)
亜美「それにしてもいいどんぶりだねぇ~」
真美(これただの紙の器だよー!)
亜美「そう思うでしょ?真美?」
真美(振られたってわかんないよー!)
真美「ソ、ソダネ...」
亜美「いやいやいや、麺もちょうどいい太さだ!太すぎるなんてもううどんだもんね!」
亜美「おっ、これは...」
亜美「実にいいメンマだね!他とはまるで違う!」
やよい「えっ」
真美(いや普段嫌いで避けてたっしょーっ?!)
やよい(何が違うとまでは言わないんだね...)
亜美「こりゃあ亜美にはもったいない...やよいっち、ありがたく受けとんな...」
やよい「う、うん...」
真美(でもここ...)
やよい(高いだけあってホントにおいしい)
亜美「いやはや参ったね~、こんなに美味いらーめんを食うのは初めてだ」
亜美「この看板だね、覚えとく、また来るよ」
おっちゃん「そりゃどうも」
やよい(心なしかおじさんの機嫌がよくなってる気がする...)
やよい(私も八百屋のおじさんと話してておまけをくれることはあるけど)
やよい(ここまであからさまなゴマすりなんてしたことないしできないよ...する気もないけど...)
亜美「あー、食った食った」
真美「結構量あったねー」
亜美「全くだ、こんなに入れて儲けは出るのかい?」
亜美「出る?そうかい、そりゃすごいや」
やよい(まだ返事してないよ亜美...)
亜美「おっと、お代あとにしてもらってたんだ」
亜美「いくらだい?」
おっちゃん「えー、1600円になるね」
亜美「おおそうかい、あっといけねえ、札を持ってなくてねぇ」
亜美「悪いがこまけえんだ、夜で暗いし落としちゃいけねえ、手を出してくれるかね?」
真美(確かに細かいけど真美たち足りないんだよ亜美!!)
やよい(どうする気なのー?!)
おっちゃん「あいよ、ここに頼んます」
亜美「えー、一、二、三、四」ジャラジャラ
真美(うあうあ~!あんなリズムよく渡したらすぐバレちゃうよー!)
やよい(まさかここで『あ!いけねえ足りないや!』なんて言うんじゃ...)
亜美「五、六、七、今何時だい?」
おっちゃん「えー、8時だね、8時」
亜美「九、十、十一...」
やよい(あ、あぁぁ...)
亜美「十二、十三、十四、十五」
真美「あ、あm」
亜美「十六」
やよい真美「へ?」
おっちゃん「へい、たしかに」
亜美「じゃあねー」サッサッサ
真美「ちょ、ちょっと亜美?!」
やよい「な、なんで?百円持ってたの?」
亜美「ふっふっふ...」
亜美「亜美は二人から貰ったのと合わせて1500円しか払ってないよ」
真美「は?」
亜美「亜美途中でおっちゃんに今は何時かって聞いたっしょ?」
やよい「う、うん」
亜美「その時のおっちゃんの8時が亜美の百円なんだよ!」
真美「うぇ?」
亜美「いやぁ、真美が昔こんな喋り方してるの真似してみたけど楽しいもんだねー」
やよい「え、じゃあ...」
亜美「つまりねやよいっち、おっちゃんは百円玉十六枚だと思ってるけど...」
真美「それって...」
やよい「あ、亜美!さっきのおじさんに謝ってきなさい!」
亜美「え、ええ?!やよいっちも一緒に食べてたっしょ?!」
やよい「3人で一緒に!」
真美「あ」
やよい亜美「ん?」
真美「もういないよ、あのおっちゃん」
亜美「え?」
やよい「え、嘘...」
亜美「じゃ、じゃあ帰ろっか!」
やよい「......今度謝りにいかなきゃダメだからね」
亜美「うぅ...はい...」
やよい「大体止めなかった私たちも悪いんだけど...」
真美(だいたい諦めて帰ればよかったのになぁ...)
おっちゃん「ははは、あの嬢ちゃんには面白いもの見せてもらったなぁ」
おっちゃん「そうか、どっかで見たことあると思ったらアイドルのねぇ...」
おっちゃん「百円くらい言えば負けてやるってのよ!はっはっは!」
響「なにやってたんだ...?亜美」チラリ
響「無駄に店のこと褒めまくってたけど...」
響「ゴマすって負けてもらうのかと思ったら普通に払ってたし......」
響「...」
響「にしてもヘンなところで時間きいてたな~」
響「一、二、三、四、五、六、七、今何時?九...」
響「う~ん?」
響「......」
響「ええ?!」
響「百円ちょろまかしたのかっ?!」
響「...」
響「ふぅ~ん...」
響「いいもの見たぞ」ニヤッ
翌日
響「貴音ー!!」
貴音「なんでしょう?」
響「らーめん食べに行こう!らーめん!」
貴音「ええ、いいですよ」
貴音「私もちょうどらぁめんを食したいと思っていましたので」
貴音「しかし響、今から行くとなると夕飯には少し早いのでは?」
貴音(......聞いていませんね)
貴音「はて...響、ここはどこでしょう?」
響「まぁまぁ貴音、見てるさー」
響(とりあえずどこでもいいからラーメン屋をさがすさー!)
響(あ、あった!)
貴音「あれは...」
響「よし貴音!あそこでラーメン食べるぞ!」
貴音「ほう、外で...」
響「貴音、とりあえず自分のを見てるさー!」
響「おうおじちゃん!今日は冷えるね!」
おっさん「ん?何言ってんだい嬢ちゃん、この時期にしては暖かい珍しい日だろ?」
響「え?あ、あぁ、そうだな!さ、寒いのは昨日だったな!あはは」
おっさん「?まぁ昨日のことはいいんですよ、ウチらは今日が幸せならそれで」
響「そ、そうか、そうだよな!昨日より今日だな!」
響「い、いやそれにしてもセンスのいい看板だな!
おっさん「ははは!嬢ちゃん面白いこと言うな、そりゃ提灯ってんだよ」
響「的に矢が...刺さってない?!」
おっさん(何を言ってるんだ?この嬢ちゃん)
響「ま、まぁいいぞ、とりあえずラーメン一つ!」
おっちゃん「おうよ」
響「で、どうなの?最近儲かってる?」
おっさん「えぇ勿論、おらぁラーメン以外もやっててね、ラーメンはテンで駄目だがこっちは大儲けよ」
響「ふぅ~ん」
響「...」
響「......」
響「...」
響「......」
響(来ないぞっ!ラーメン!)
響(ま、まだか?!)
響(い、いやいいんだ、自分は気は短くないからね...いつまでだって待つさー!)
おっさん「はい、ラーメンひとつ」
響「はい、どうも...」
響「お!すごいな!この割り箸!最初から折れてるなんてなんて親s」
響(先端湿ってる...使用済みだこれ...)
響「い、いやぁそれにしてもいいどんb...汚いッ!」
響(これどんぶりの方も使用済みだぞ?!しかもちょっと欠けてるし!)
響「め、麺は太さもちょうdふっといなぁっ!!」
響「うどんか?!うどんなのか!うどん屋かここは?!」チラ
響「ラーメン屋だぁー!」
響(えぇっと...亜美は次に...)
響「えぇー、メンマが...」
響(入ってない...)
響「...」モグモグ
響(硬い)
響(いや!自分の顎は強靭だからな!このくらいじゃないと歯ごたえがないんだ!)
響(あ、顎がかなり鍛えられたな...)
響「は、はい、ごちそうさまです...」
おっさん「はいよ」
おっさん「えぇ、1600円になりますね」
響「!」
響(ふっふっふ...自分これがやりたくてこんなラーメンたべてたんだ...)
響(...にしても1600円て高すぎじゃないか?)
響「えぇ銭が細かいんだ!悪いけど手を出してくれないか?」
おっさん「ん?はいはい、んじゃあここにお願いしますね」ヒョイ
響「一、二、三、四、五、六、七、おっちゃん?今何時だ?」
おっさん「えぇ...5時だね、5時」
響「六、七、八、九...」
おっさん「まいどありー」
響「...」
響「...」
響「損してるよこれーー!!」
~~~ラーメン二十郎~~~
貴音(...響は真、幸せそうにらぁめんを食しておりました)モグモグ
貴音(呼びかけても反応しないほどに...)モグモグ
貴音(邪魔をするのも無粋というもの)モグモグ
貴音「私は私で、らぁめんを楽しむとしましょう」
終わり
普通に時そばをなぞっただけですが終わりです
ありがとうございました
乙です
やっぱ落語ってすげーわ
オチわかってても面白いもん
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