フレデリカ「大体五年ボタンごっこ」 (27)
これはモバマスssです
いつもより若干長いかもしれません
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フレデリカ「フーンフー、フフフフフン、フンフー、フフフフフン」
杏「それ元はなんの曲?」
フレデリカ「こないだ聴いた気がする竹輪アイドルの歌だよー」
肇「よく分かりませんが残念そうですね」
杏「メール返ってこなさそう」
ガチャ
茄子「おはよーごさいます!みなさん元気ですか?」
フレデリカ「おハロー!」
杏「珍しいね、最初から登場だなんて」
肇「怖いですし返って大丈夫ですか?」
茄子「大丈夫ですよ、損はさせませんから」
杏「前振りが不吉なんだよなぁ…」
茄子「今日はみなさんにコレを宣伝しに来ました!ジャン、幸せになれるスイッチです!」
杏「うわぁ凄く宗胡散臭い教っぽい」
肇「茄子さんの事ですから変な話ではないと思いますが…」
フレデリカ「なーに?この5って書いてあるボタン」
茄子「コレはですね、『大体五年ボタン』と言うもので」
杏「杏急用思い出したから帰るね」
肇「逃がしませんよ。取り敢えず話だけ聞いてみましょう」
フレデリカ「五年ボタン?五億年なら聞いた事あるけどねー」
茄子「『大体五年ボタン』です。これを押すと、無条件で今日一日幸せに過ごせるんですよっ!」
杏「…デメリットは?」
茄子「無条件ですって。ちょっと五年くらい何もない空間で過ごすだけです」
杏「無条件とは…うごごごご」
茄子「何もせずのんびりしていればいいんです。花金が増えると思って!」
フレデリカ「フライデーもFだもんね」
肇「いやいやいや…私は押しませんよ?」
杏「杏もパスかなー」
フレデリカ「フレちゃんも一人じゃつまらないしいいや」
茄子「現実の世界では大体一瞬くらいですし、何の心配もいりません。向こうでは体調を崩す事もありませんし、何でしたら戻ってきた時に記憶は消えますから」
杏「五年って時点で大丈夫じゃないんだって」
肇「すみませんが、茄子さん。この話はなかった事に…」
茄子「肇ちゃん、最近忙しいですよね?のんびり陶芸できる時間、欲しくないですか?」
肇「…陶芸の為の道具、揃っているんですか?」
杏「おい」
茄子「そうですね、では初回限定サービスということでお付けさせていただきます!」
杏「ほんとに怪しい通販染みてきたね…」
肇「では…いきます!」
杏「あーあー、まぁ頑張ってね」
フレデリカ「肇ちゃんの事、五年くらい忘れないよー!」
肇「今生の別れでも無いんですから…」
茄子「あ、一応此方の誓約書にサインお願いできますか?」
肇「ええと…何があっても鷹富士茄子を恨まないこと、って…」
杏「…杏は寝てよ」
フレデリカ「あやしさ満点だねー」
肇「構いません。自分で選んだ道ですから」
茄子「それでは…大体五年の旅、いってらっしゃいませー!」
肇「…いきます!」
プオッ
杏「音間抜けすぎない?」
ひたすら平らな大地が続く、広い広い空間。
光は無いはずなのに、何故か視界は明るい。
重力も、空気も、時間の感覚も。
まるで、普段暮らしている場所と全く変わらないかのよう。
けれど。
一つだけ、大きな違いがあった。
誰も、いないこと。
何も、存在しないこと。
それはまるで、いつも過ごしていた世界から自分だけが切り離されてしまったかのように。
それはまるで、いつも会話していた仲間たちから自分だけが忘れられてしまったかのように。
周りを見回し、深呼吸し。
勢いで頷いてしまった思考が正常に戻り。
ようやく私は、これから始まる長い時間がとても恐ろしいモノだという事に気がついた。
振り返れば、何故かろくろ等の陶芸セット。
何も無い空間だったはずなのにポツリと存在するソレは、むしろ恐怖心を煽る。
見慣れていた筈のものがある、という事が余計に怖い。
私はこれから、ツッコミをする事もなく。
約五年間、此処で一人で…
文香「…あら…おはようございます、肇さん」
肇「…なんで文香さんが居るんですか…」
文香「…此処へくれば、好きなだけ本が読める、と…」
肇「…本、あるんですか?」
文香「…初回特典と言うことで、お付けして頂きました」
ドスンッ!!!
文香「…ようやく、届きましたね」
肇「ちょっと私ついていけないんですが…私のセンチでホラーなシーン返して頂けますか?」
文香「…私に言われましても…」
肇「それと、文香さんではこのサイズの本棚でしたら一年あれば読みきってしまうのでは?」
ドスンッ!ドスンッドスンッドスンッ!!!
肇「…追加で届きましたね」
文香「…ふぅ…久しぶりに、のんびりと本が読めそうです」
肇「そう言えば、この空間はお腹も空かないみたいですが。文香さんは大丈夫ですか?」
文香「…そう言えば、少しお腹が空いてきたような気が…」
??「気のせいですよー」
肇「…何処かで聞いた事のある声が聞こえたんですが…」
文香「気のせい、ですか…ですが一度認識してしまった事実を消すことは不可能です」
肇「ちなみに、食べ物ってここあるんでしょうか?」
文香「一応、バーベキューに使えそうな食材は探したのですが…」
肇「バーベキューて…それにしても、二人だと会話がきちんと進むんですね」
文香「…バーベキュー…」
肇「聞いて下さい」
文香「…すみません、追加でバーベキューセットを…」
肇「居酒屋じゃないんですから…」
ドスンッ!
文香「…届きました」
肇「…自由過ぎません?ここ」
文香「では、この本がひと段落したら始めましょうか…」
肇「そうですね、では私も久しぶりに…」
文香「…終わりました」
肇「すみません私まだ着替えてすらいないんですが」
文香「…着替え、あるんですか?」
肇「おそらく頼めば届くのでは?」
文香「…取り敢えず、食材も既に串に刺さっていますし焼きましょうか」
肇「快適過ぎますよねこれ…」
文香「…竹輪、食べます?」
肇「普通バーベキューに竹輪はありませんって…」
こんなん5年余裕やん
文香「…まだ、焼き上がりませんか…」
肇「文香さん、二人しかいないのでのんびり食べましょう?」
文香「…いえ、いつどんな敵が来るのかも分からない状態で油断するのはナンセンスです」
肇「ここ一応異空間なんで来れる人限られてますから」
文香「…それもそうでしたね」
肇「茄子さんや芳乃さん、あとは…」
フレデリカ「アタシとかねー」
肇「そうですね、ギャグ漫画次元の…」
フレデリカ「うーん、お肉美味しいねー!」
文香「…フレデリカさん、此処はどんなに攻撃しても怪我をしないそうです」
フレデリカ「わぁおデンジャラスワンダー!お願いだから振り上げた串下ろしてくれると嬉しいかなーって」
肇「…いや、ほんとなんで居るんですか…」
フレデリカ「えっとねー、杏ちゃん寝ちゃって暇だったから来ちゃった!」
肇「…折角の平穏が…」
文香「…そういえば、フレデリカさんは何か追加で付けて頂いたのですか?」
肇「そういえば、まだ私達が注文したものしか届いていませんね」
フレデリカ「あ、それならねーあっちに居るよ」
文香「…居る、ですか?」
フレデリカ「うん、折角だしねー」
文香「…まさか…」
肇「…眠っている状態の杏ちゃんが居るんですが…」
フレデリカ「どーせなら四人揃って遊びたいからねー!」
杏「…あれ?私確か事務所のソファーで…あ!やりやがったな!」
肇「杏ちゃん、口調口調」
杏「…肇ちゃんにだけは言われたくなかったよ…」
文香「…美味、です」
肇「おそらく凄く高いお肉なんでしょうね」
フレデリカ「杏ちゃん竹輪たべる?」
杏「なんでバーベキューに竹輪…」
文香「…さて、片付けは…」
シュンッ!
肇「あ、突然消えましたね」
フレデリカ「快適過ぎるねー」
杏「まってまだ杏食べてないんだけど」
フレデリカ「そーいえば、杏ちゃんも何か付けてもらう?」
杏「うーん、じゃあゲームと大画面のテレビかな」
??「杏ちゃんはボタンを押していないのでサービス適応外ですよー!」
杏「…フレデリカちゃん!よくもやってくれやがったね!」
フレデリカ「追加でゲームと大画面テレビ欲しいなー」
ドスンッ!
杏「あ、その手があったね」
肇「というか、回数制限ないんですね…」
文香「…沢山の原本や魔導書が…持ち帰れないのが残念です」
フレデリカ「文香ちゃーんゲームやるよー」
杏「あ、なんのゲームあるんだろ」
フレデリカ「えっとねー、マリコカート・魔莉緒パーティ・ドカボン・桃子電鉄かなー」
杏「チョイスえっぐ」
肇「一番平和そうなのは…桃子電鉄ですか?」
フレデリカ「じゃー折角だし五年プレイにしよっか」
杏「駅名大体山手とか中央とか総武の駅なんだけどこれ」
肇「随分狭い地域なんですね…」
フレデリカ「あ、でも北海道とかパリもあるよー」
杏「鉄道な筈なんだけどなー」
文香「…負けませんよ?」
杏「あ…」
肇「…まずい」
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茄子「おかえりなさい、如何でしたか?覚えていないとは思いますが」
杏「うーん…なんでだろう、二度と桃子電鉄だけはやりたくない…」
肇「記憶はない筈なのに…何故か延々と桃子電鉄をやったような…」
フレデリカ「あー、楽しかったねー!」
文香「…ふふっ、最後だけ勝てましたから」
茄子「お疲れ様でした。ではボタンを押した三人には今日一日幸せをお裾分けしちゃいますよっ!」
フレデリカ「いぇーい!」
文香「…懸賞…焼肉…」
肇「平和な時間を…」
杏「…あ!これ私貰えないやつじゃん!」
少しホラーにしてみました
茄子さん出してから自由度が圧倒的にあがった気がします
お付き合いありがとうございました
ホラー、ホラーってなんだ
こんなん絶対押すわ
期間も遥かに短いし娯楽もある
本家より断然マシ
おつ
しかも1人ならまだしも複数人で入れるなら余裕やわ
乙
肇…
乙。一生その空間いるわ
ちょいちょい入るミリ曲ネタすき
乙
フリーダム度が桁違いになってきた
肇ちゃんが元に戻らなかった
おつ
朋「出番がないのが一番の幸せなのかも」
ここまでシリアスじゃない五億年ボタンはボーボボのやつぐらいじゃねえか
乙
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