裕子「サイキック!」茜「ボンバーズ!」 (12)
・一応続き物ですが読まなくても問題無いと思われ
前作
茜「漫才やりますよー!」裕子「お任せあれ!」
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茜「ショート! コントー!」
裕子「腹痛!」
茜「ああー! お腹が痛い! 明日はラグビーの試合だというのに! これは困りましたー!」
裕子「ふっふっふ……お困りのようですね」
茜「はっ!? あ、貴女はもしや!?」
裕子「そう! 私はサイキックアイドル! エスパーユッコ!」
茜「お願いしますエスパーユッコ! 私の腹痛をどうか! 治してください!」
裕子「お任せあれ!」
裕子「むむむ~ん! サイキック~……」
裕子「お薬! この胃腸薬を食後に2錠ずつ……」
茜「普通にお薬なんですねー!? ありがとうございます!」
茜「はい!」
裕子「サイキック!」
茜「ボンバーズ!」
P「………」
茜「ショート! コントー!」
裕子「朝御飯!」
茜「ユッコちゃん! 私の朝御飯! 何か分かりますかー!?」
裕子「エスパーユッコに不可能はない! 茜ちゃんの朝御飯をサイキックで当ててみせましょう!」
茜「分かりました! それでは私の朝御飯が目玉焼きである事を! 見事当ててみてください!」
裕子「むむむ~ん……茜ちゃんの朝御飯は……」
裕子「ズバリ! 目玉焼きですね!?」
茜「大正解! 当てられてしまいましたー!」
茜「はい!」
裕子「サイキック!」
茜「ボンバーズ!」
P「………」
裕子「あ、あの……プロデューサー?」
茜「どーでしたかプロデューサー! 私たちのますます進化したネタは!?」
P「……えー、不本意ながらお前らをコンビで組ませて、しばらく経ってそこそこ知名度も出てきた」
裕子「あ、あれ? か、感想は?」
茜「なるほど! 言う事なし! 免許皆伝という事ですねー!? そう思っておきますよー!」
P「……で、サイキックボンバーズとして色んな番組に出して貰えるようになったわけだが……」
P「クレームが来てる」
茜「えぇっ!?」
裕子「ク、クレーム!? 私達にですか!?」
P「という事で、特に多かったクレームをお前らに伝える」
P「まずは茜」
茜「はい! どんなクレームでも全力で受け止めますよー!」
P「『ロケ中に突然走り出してそのまま帰ってこない』」
茜「たはーー!」
P「『たはーー!』じゃねぇ! 何でお前はそんなに走りたがるんだよ!?」
茜「夕陽が私を呼んでいるからでしょうか!」
P「呼ばねぇよ!」
茜「えぇっ!?」
P「いいか茜、夕陽はお前を呼んだりはしないんだ。お前が呼ばれたと思っているだけで実際にそんな声はないし誰にも聞こえていないんだ」
茜「あんなに赤く燃えているのに……?」
P「あんなに赤く燃えていてもだ」
裕子「はっ!? プロデューサー、もしや茜ちゃんは夕陽からのテレパシーを受け取っていたのでは!?」
茜「そういう事でしたかー!」
P「違うわ! 余計なこと言うなポンコツエスパー!」
裕子「ポ、ポンコツエスパー!?」
茜「いいえユッコちゃん! 私には聞こえます! あの真っ赤に燃える夕陽のテレパシーが! ここまで来いと! 私を呼んでいます!」
P「だから呼んでねぇっての! このままじゃお前もうロケの仕事こねぇぞ!」
茜「そ、それは外のお仕事が減るという事でしょうか!?」
P「それが嫌なら突然走り出すのを止めろ!」
茜「しかしプロデューサー、私テンションが上がってしまうとつい体が勝手に……」
P「ぅわお!!」
茜「えっ!?」ビクッ
P「とにかく、次のロケまでに改善するように」
茜「へ? あ、はい。あの、プロデューサー……さっきの『ぅわお!!』というのはいったい……」
P「次、裕子!!」
裕子「はい!」
P「『出演する度にセットの一部や備品が曲がっている』」
裕子「やったー!」
P「『やったー!』じゃねぇよ!」
茜「やりましたねユッコちゃん!」
裕子「ふっふっふ……。このエスパーユッコの溢れ出るサイキックパワー……恐るべし……!」
P「収録と関係ない所でエスパー発揮してどうすんだよ!」
P「お前がやったって証拠もないから弁償せずに済んでるけどなぁ、これが続くと『呼ぶと物が壊れる』って噂されて呼ばれなくなるぞ?」
裕子「大丈夫ですよプロデューサー! それが全て私のサイキックによるものだと証明できれば、サイキックアイドルとしてSF番組に引っ張りだこ間違いなしです!」
P「だから本当にサイキック使えるなら収録中に指示された物を曲げてくれよ……」
裕子「そ、それは……なかなかコントロールが難しくてですね……。も、もちろん私のサイキックは本物なんですけど……! 本番だと緊張して力が発揮されないというか……」
P「ポンコツエスパー」
裕子「うぐっ……」
P「とにかくだ! お前ら二人とも自分の改善点は分かったな!?」
茜「はい!」
裕子「は、はい!」
P「よし! 茜、お前の改善点を言ってみろ!」
茜「『収録が終わるまでに夕陽を捕まえて走って戻ってくる!』」
P「違う! 『収録中に走り出さない!』」
P「裕子! お前の改善点を言ってみろ!」
裕子「『サイキックパワーを高めて壊せる物を増やす!』」
P「違う! 『サイキックパワーのコントロールを身に付ける!』」
P「お前らが何も分かってない事はよく分かった! だからこれから俺が直接二人に猛特訓させて欠点を克服させる!」
茜「特訓! 熱血ですか!? 情熱ですか!? 根性ですか!?」
P「お前は熱血情熱根性を抑える訓練だ! 覚悟しろ!」
茜「お、抑える訓練ー!?」
裕子「プ、プロデューサー、私は……?」
P「お前はひたすら指示された物を曲げる訓練だ! 覚悟しろ!」
裕子「イ、イエスサイキック!」
こうして、地獄の猛特訓が開始された!
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P「茜、あの夕陽が見えるな?」
茜「見えます……! 呼んでいます……! ここまで来いと私を呼んでいます……!」
P「いいや呼んでいない。いいか茜、あの夕陽はお前を呼んだりはしな……」
茜「ボンバー!」ダッ
P「待て茜!」ガシッ
茜「今日こそ捕まえてみせますよー!!」ダダダダダッ
P「待って茜! 俺引きずってるから! 茜ストップ! ストップ! いだだだだだっ!」ズルズルズル……
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P「よし裕子、俺が持ってるこのスプーンを曲げてみろ」
裕子「お任せあれ! むむむ~ん……」
P「集中しろ裕子。集中してスプーンだけを見て……痛っ……ん?」
裕子「むむむ~ん……!」
P「いたたた……あれ? ちょっと待って裕子なんか俺の指が曲がって……痛い痛いちょっと裕子待って……!」
裕子「むむむむ~ん……!」
P「痛い痛い! 裕子待って俺の指が変な方向に曲がってるから! 痛い痛いストップストップ!」
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そして、ついに次のロケ収録日を迎えた!
P「地獄の猛特訓……主に地獄を見たのは俺だけだったが……とにかく特訓を終えていよいよ初めてのロケだ」
茜「特訓の成果を見せる時ですねー! 私、燃えてきましたー!」
裕子「進化した私のサイキックパワーをお見せします! むむむん!」
P「ぶっちゃけ不安しか無いが任せたぞ二人とも!」
スタッフ「サイキックボンバーズのお二人準備お願いしまーす」
P「よし、行ってこい!」
裕子「私たち!」
茜「サイキックボンバーズに!」
裕子・茜「お任せあれ!!」
もちろんクレームはきた。
P「ちくしょおおおお!!!」
終わり
乙
クスッときた
乙
二人ともかわいいなあ
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