早苗「『Can't Stop!!』のジャケットにはディスコ感が足りないわ!!」 (45)

バー店内


瑞樹「おめでとう早苗ちゃん! ついにCDデビューしたわね♪」

早苗「ありがとう瑞樹ちゃん♪」

瑞樹「せっかくだから美優ちゃんとかもっといろんな人を誘ってお祝いしてあげたかったんだけどね……大人数のオフが被る日が無くて」

早苗「いいのいいの。こうして誰かに祝ってもらえること自体が、とっても嬉しいんだから♪」

瑞樹「そう言ってもらえると安心するわ。じゃあ、今夜はささやかに……乾杯♪」

早苗「かんぱーい♪ ふふっ、グビっとビールを飲むのも良いけど、しっとりカクテルっていうのも良いわね~♪」

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早苗「それにしても、何か祝えるような記念があって、それを祝って嬉しい気持ちになったのは、本当に久々かも」

瑞樹「あら、さっそくしんみりしちゃって。バーの雰囲気にあてられちゃった?」

早苗「本当の話。この歳になると、祝ってもらえるような出来事となると誕生日くらいで……」

瑞樹「あー……」

早苗「御年28歳! もうすぐ30歳! ここまで来ると、昔嬉しかったはずの誕生日が嬉しくないのよ~」

瑞樹「わかるわ……」

早苗「あ、ごめんなさいね。歳の話はやめましょうか」


片桐早苗(28) http://i.imgur.com/SKSHizf.jpg

川島瑞樹(28) http://i.imgur.com/17sIXOb.jpg


瑞樹「ユッコちゃん達はどう? 喜んでいたでしょう?」

早苗「そう! ユッコちゃんも雫ちゃんも、そりゃあもう自分のことのように喜んでくれて!」

早苗「あんまりにも嬉しくて、あたしも年甲斐も無くはしゃいじゃったわ」

瑞樹「実際素敵な出来事なんだから、それで良いのよ。3人とも仲良しなんだし」

早苗「ええ……でも、よく考えたらあの2人とあたしって、12歳差なのよね。干支1周しているんだけど」

瑞樹「ちょっと早苗ちゃんったら。やめましょうって自分で言った矢先に……」

早苗「あははー、メンゴメンゴ♪」

瑞樹「干支1周分なんてまだ余裕じゃない。ブルーナポレオンなんて、千枝ちゃんと私は17歳差よ? 17歳って干支1周半オーバーよ?」

早苗「あぁ、言われてみればたしかに……」

瑞樹「でもね、年齢っていうのはただの指標。実際問題そんなに関係無いと思うの」

瑞樹「干支が1周半しても私と千枝ちゃんは仲が良いし、セクシーギルティなんてそこまで年齢差があるとは思えないくらい親しい間柄じゃない」

早苗「そうね。あの子たち、12歳も差があるとは思えないくらいフランクに接してくるから。当の本人達もフリーダムでパッションだし」

瑞樹「嫌だったりする?」

早苗「全然! むしろ、楽しい姉妹ができたみたいで最高よ!」

瑞樹「私も同じ」

瑞樹「時は巻き戻せない。時の差は縮められない。だけど人間の距離は埋められる。そういうものじゃないかしら」

早苗「さっすが、人生経験豊富な瑞樹ちゃ~ん♪ 達観してるぅ~♪」

瑞樹「同い年でしょうが! 本当にもう調子乗るんだから……ふふっ」

ミラーボールは欲しかったな


♪~ ♪~


早苗「ん……? この曲って……」

瑞樹「懐かしい洋楽ね。早苗ちゃん知ってる?」

早苗「同い年の瑞樹ちゃんが知っているレベルで、当然あたしが知らないはずないでしょう?」

瑞樹「じゃあ、せーので一緒に言いましょうか。せーの――」

二人「『素直になれなくて!』」

早苗「うぉーっしぃ! 覚えてたー!」

瑞樹「イントロクイズやってるわけじゃないんだから……」

早苗「シカゴの曲といえばやっぱりこれよね~」

瑞樹「良い曲よね~」

瑞樹「素直になれなくて……どう? 素直にされないことある?」

早苗「わりと色々あるかな。最近もCDのこととかで」

瑞樹「せっかくなんだから、全部ぶちまけてスッキリしちゃいなさいよ。悩みでも何でもバンバン聞いてあげるわ」

早苗「いいの? 聞いてくれる?」

瑞樹「もちろん!」

早苗「それなら、ちょっとコレを見てほしいの」

瑞樹「どれ?」

早苗「これ」


http://i.imgur.com/FT7Y7ah.jpg


瑞樹「デビューCDのジャケットね。良く写っているわ」

早苗「写りは良いかもしれない。だけど! 問題はそこじゃないのよ!」

早苗「このCDジャケット……ぜんっっっっぜんハジけてない!! ノットフィーバー!!」

瑞樹「はぁ?」

早苗「瑞樹ちゃん。このジャケットを見て1番最初に思うことは何? イメージするものは何?」

瑞樹「イメージっていうと、早苗ちゃんの特徴でもあるディスコとかバブルとか、そういう感じ」

早苗「違う違う! それは『片桐早苗といえばディスコやバブル』って印象があるからそう見えるの!!」

早苗「生まれて初めて片桐早苗を、このジャケットを見た人間がまずどこに注目して、どんな印象を受けるかわかる?」

瑞樹「印象って言っても、そうね……目に入るところは……」

瑞樹「まずは、SANAE KATAGIRIの歌手名がミラーボールみたいに輝いているって部分でしょ?」

瑞樹「それ以外だと……背景の黄色い線と、早苗ちゃんの服装?」

早苗「それ! そういう意見が聞きたかった!」

瑞樹「全然話が見えないわ。つまりどういうこと?」

早苗「今から順を追って説明するわね」

早苗「あたしの服装。腰にぶら下がっているのはキンキラの手錠。手錠と言えば警察」

早苗「被っている帽子も警察をイメージできるわ。アメリカの映画やドラマでグラサンかけてドーナッツ食べている警察官とかが被っている感じのやつ」

早苗「そして背景の線。これはどう見ても立ち入り禁止テープ!」

早苗「まぁ、あたしの場合は前職が前職だったから物理的におなじみだけど……」

早苗「あとは帽子の星型エンブレムや背景の星マーク、お腹の星型もポリスバッジのイメージでしょうね。西部劇の保安官みたいな」

早苗「そしてポーズ! どことなく銃を構えている姿にも見えるでしょ?!」

瑞樹 (お酒の勢いで言ってるのかわからないけど、この辺の観察眼はさすが元・警察って感じね……)

早苗さん、バブル時代のディスコに思い入れがあるっぽいもんな。
ただ、年齢的に直撃世代ではないと思うのだが。

早苗「これらの答えから導き出されることは……」

早苗「ポリスメン! そうよポリスメン! 警察をイメージした意匠が所狭しと!」

瑞樹「それは早苗ちゃんが警察出身だからっていうのもあるんじゃないの? ほら、歌詞にもそういう部分あるし」

早苗「うん。一斉検挙とかパトロールとか、あげく歌のシメは『タイホしちゃうぞ!』だし」

早苗「ワケあって、アイドル! ……な元・警察官。そういう路線でも売っているし、そこは別に構わないのよ」

早苗「それでも、そーれーでーもー! これは足りないの!」

早苗「それこそ見た瞬間にクサいほどグッと来る、懐かしいバブルやディスコの香りがブワーっとなってるジャケットこそがイケイケなのよ~~!!」

瑞樹「イケイケの説明が抽象的すぎて全然わかんないわ。早苗ちゃん、もう酔ってるでしょ?」

早苗「酔ってないもーんっ」

瑞樹「キャラ変わってるじゃない。このカクテルはちょっと強かったかしら……」

早苗「大丈夫大丈夫。一応記憶と意識はまだあるし」

瑞樹「記憶と意識が飛ぶくらいガンガン飲むものじゃないわよカクテルは」

早苗「昔のいろんな思い出があるけど、1番はディスコの華やかな空間なのよ」

早苗「あの頃の自分は若かった。青かった」

早苗「今は若くは無いけど、バブリーな気持ちでいると、当時を思い出して若返ったような感覚になるわ」

瑞樹「早苗ちゃん……」

早苗「瑞樹ちゃんのアンチエイジングと同じ。あたしは、バブリーな姿でバブリーなことをするのが、一番美容に繋がる。どっちかといえば精神的な美容だけど」

早苗「片桐早苗の片桐早苗たる理由! 若々しい気持ちでいることが何より美しい!!」

瑞樹「わかるわ。見た目が若くても、心が若くないとダメだもの」

瑞樹「私もなんだかんだで若い子に混じっている時は、特に心がけているのよ! ブルーナポレオンしかり、サマプリしかり」

早苗「ほうほう、どんな感じ?」

瑞樹「はーい♪ ミ・ズ・キ、ピチピチの18歳でぇーす♪ キャッ☆」

早苗「おぉ~いいねいいね! あたしも……バキューン☆ サナエちゃん、18歳よ~ん☆ イェーイ!」

瑞樹「やだもーサナエちゃんったらぁ、ただでさえカワイイから本当の18歳っぽーい☆」

早苗「ミズキちゃんも超超超プリティ~♪ ブルーナポレオンの平均年齢が19.8歳から17.8歳になっちゃう~♪」

瑞樹「平均年齢を算出するのはやめて。現実が心に刺さるわ」

早苗「ごめん」

早苗「……ということで、ええっと……何のどういう話だったっけ?」

瑞樹「ジャケットのバブルの香りがどうのこうのってところじゃなかったかしら?」

早苗「あーそうそう! このジャケットはジャケットで良いんだけどもう一味二味欲しいの!」

瑞樹「次の2ndシングルはイメージをこうしたい、って感じにP君に直談判してみたら? たぶん通ると思うわよ?」

瑞樹「もしくは、いっそのこと自分でイメージ通りに作っちゃうとか。なんて――」

早苗「作る……作る? 作る! それも良いわね!!」

瑞樹「えっ、ちょっと本気!?」

早苗「無いなら作っちゃえば良いのよ! んもー、なんで気付かなかったんだろう。ありがとう瑞樹ちゃん!」

瑞樹「どういたしまして……って、作るってどうやって作る気? 描くの?」

早苗「柔術なら出来るけど絵心はからっきしだから、あたしは」

瑞樹「なら――」

早苗「だから、絵心のある人に助力してもらうの!」

早苗「ほぉら~、いるでしょ~? ブルーナポレオンに絵の才能を持つアイドルが1人。んふふ~」

早苗「そういうことだから……お願い瑞樹ちゃん! あたし比奈ちゃんの電話番号知らないから、電話かけて取り次いで! お願い!!」

瑞樹「んもー、しょうがないわねぇ。ちょっと待って、比奈ちゃん比奈ちゃんっと――」

比奈『はいはい、お疲れ様です。比奈ッス』

瑞樹「夜分ごめんなさいね。今大丈夫? 修羅場ってない?」

比奈『今はそういう時期じゃないから平気ッスよー。特に今日はオフでしたから、稼働日よりもゆったりしてましたし』

比奈『で、どうしたッスか? もしかしてプロデューサーからの呼び出しとか……』

瑞樹「いいえ、違うの。今、早苗ちゃんと一緒にバーで飲んでいるんだけど、比奈ちゃんにお願いがあるんだって」

比奈『早苗さんが私に?』

瑞樹「待ってね、今代わるから」


>>19の語尾の「っス」が全部「ッス」になってたので修正


比奈『はいはい、お疲れ様です。比奈っス』

瑞樹「夜分ごめんなさいね。今大丈夫? 修羅場ってない?」

比奈『今はそういう時期じゃないから平気っスよー。特に今日はオフでしたから、稼働日よりもゆったりしてましたし』

比奈『で、どうしたっスか? もしかしてプロデューサーからの呼び出しとか……』

瑞樹「いいえ、違うの。今、早苗ちゃんと一緒にバーで飲んでいるんだけど、比奈ちゃんにお願いがあるんだって」

比奈『早苗さんが私に?』

瑞樹「待ってね、今代わるから」

早苗「もしもーし。比奈ちゃん?」

比奈「お疲れ様です、早苗さん。お願いとか何とか聞いたんスけど、どんな用事っスか?」

早苗「実はね、デザインをお願いしたいのよ!」

早苗「ギンギラでギュンギュンしたバブリーな絵のイメージが頭の中にあるんだけど、あたしだとそれを形にする力が無いから……」

比奈『つまり、絵を描けば良いっスか?』

早苗「そうよ。よく絵や漫画を描いている比奈ちゃんを見込んでのお願い」

早苗「あっ、もちろん『知り合いだからタダで描いて~』なんてコスいことは言わないわ。描いてもらう分のお金はちゃんと払うから! 相場が何万円とかわかんないけど、バシっとね!」

早苗「描き上がるまでに食べるごはん代や飲むエナドリ代だって全額あたしが持つ。支払いはまかせてちょうだい」

比奈『ええぇっ!? そんなにいたれりつくせりしてもらうのは、逆にむしろ悪いくらいっスよ……』

早苗「それくらい本気なの」

比奈『……』

比奈『了解っス。早苗さんの、そのイメージに対する熱意……しっかり伝わりました。創作をする者として、思いをぶつけたいって心は理解できるっス』

比奈『お金が発生する以上、私も全力を投じて描き上げるっスよ! はい!』

早苗「あ……ありがとう比奈ちゃん! いえ、荒木師匠! 荒木師匠っ!!!」

比奈『荒木師匠って……何スかそれ』

早苗「早速だけど、明日お家に行っても大丈夫かしら? 比奈ちゃんが描きながら、こうしたいああしたいって説明もしたいし……」

比奈『構わないっスよ。部屋を片付けて待機しているっス』

早苗「急にこんな変なこと言い出してごめんなさい。本当にありがとうね、比奈ちゃん! じゃあね!」

ディスコっていったらトラボルタのあのポーズしかないよなぁ

早苗「ふぅ……」

瑞樹「うふふ♪」

早苗「ん? 何?」

瑞樹「いや、早苗ちゃんがここまで白熱している姿っていうのがね、あんまり見たことないものだったから」

早苗「そ、そんなに興奮してた? う~ん……言われてみれば1人で盛り上がっていたかも」

瑞樹「バブルな雰囲気はそれほど大きな存在なのね、あなたの中では」

早苗「本当に好きなものは、5年経っても10年経っても――職業や境遇が変わったって好きでいられるものよ」

瑞樹「ええ、わかるわ」

瑞樹「さてさて、それではこれくらいでお開きにしましょうか」

早苗「え~、もう~?」

瑞樹「比奈ちゃんと明日約束したんでしょう? 泥酔して眠った結果すっぽかしましたなんてシャレにならないんだから。飲みすぎたらせっかくのイメージも記憶ごと飛んじゃうわよ?」

瑞樹「それに……足りない分は、次に祝いましょう。楓ちゃんや菜々ちゃんやみんなを呼んで今度こそ盛大に、ね♪」

早苗「じゃあ、その時には完成したディスコでバブリーな絵もみんなに披露しないとね」

早苗「今日はありがとう、瑞樹ちゃん」

瑞樹「こちらこそ」


数日後 事務所 (廊下)


裕子「ムム~ン……サイキック~……サイキック~……」

雫「ユッコちゃん、目を開けて歩かないと危ないですよー?」

裕子「大丈夫です! 今特訓中のこのサイキック・エコーロケーションで、目を使わなくても声の反射だけで廊下の前後左右を把握できますからっ!」

裕子「ところで、廊下はまだ続いていますか?」

雫「もうすぐ突き当たりですー」

裕子「わかりました!」


――で――ってことなのよ!

――つまり――――そうそう! そんな――


裕子「んん? 何か聞こえた気が」

雫「これは、早苗さんの声でしょうかー?」

裕子「方向的に声は……わかりました! あっちの方角ですっ!!」

雫「そっちは壁ですねー」

裕子「あちゃー」

雫「もしかして、このお部屋じゃないですかー?」

裕子「言われてみればここから聞こえますね。では、失礼してサイキック地獄耳で」

雫「プライベートなことかもしれないですし、盗み聞きは良くないですよー……」

裕子「えへへ、ちょっとだけですから! ちょっとだけ!」

雫「もー……」


堀裕子(16) http://i.imgur.com/g8eh3d7.jpg

及川雫(16) http://i.imgur.com/BXVreaJ.jpg


『このロゴの輝きと、背景のコントラストが良いと思わない? いいでしょ~』

『へ? 古臭い? 知ってるわよそんなこと。わざと! あえて! 古い感じにしたの!』

『懐かしいバブリーな空気感は漂っているでしょう? このディスコでダンサブルな感じ!!』

『検討してもらえない~? 次の曲を出す時は~ジャケットこんな具合のやつで~』

『ダメ? いやもう、そこをなんとか! なんとか!!』

『だったら何曲か出した後のファーストアルバムのジャケットとして使うっていうのは!? 良いアイディアでしょう!』

『お姉さんからの、一生のお・ね・が・い♪』

裕子「いまいちよくわかりませんが、口論?」

雫「もしかしてケンカですかー?」

裕子「それにしては早苗さんのテンションが高いような……」

裕子「古臭いとかダンサブルとか単語は色々聞こえてくるんですけど、どういう内容なのか――あっ!」

雫「ユッコちゃん?」

裕子「話が終わったみたいです! 少しドアから離れましょう!」

雫「は、はいー」

早苗「あら、ユッコちゃんに雫ちゃん。こんにちは」

雫「お疲れ様ですー」

裕子「お疲れ様です早苗さん! 口論みたいなのが聞こえてきたんですけど、何かあったんですか?」

早苗「口論? 違う違う! P君にどうしても出したかった要望があってね、ちょこっと呼び出して話してたの」

早苗「……そうだ、機会があったら2人にも見せようと思ってたけど、今見せてあげる♪」

雫「何をですかー?」

早苗「ふっふっふ……ジャジャーン!!」


http://i.imgur.com/VRCKpVg.jpg


裕子「おおおーっ! なんですかこれ!?」

雫「キラキラしていてキレイですー♪」

早苗「よーく見てちょうだい。英語で何が書いてある~?」

雫「えーっと、CAN'T STOP!!……SANAE KATAGIRI……?」

裕子「これ早苗さんのデビュー曲ですよね。こんなジャケット画像でしたっけ?」

早苗「ふふん♪ これはね、比奈ちゃんの力を借りて作った、ディスコ感満載の真・Can't Stop!!ジャケットよ」

早苗「CDのジャケットをもっともっと懐かしい感じにしようと思ってね。思いのすべてをぶつけてみたわ!」

早苗「だからP君に、次のCDはこんな感じでって売り込んだんだけど、難色を示されて。良いと思うんだけどなぁ~」

雫「私はディスコやバブルの雰囲気とか全然わかりませんけど、でもカッコイイですねー♪」

早苗「でしょ? 知らない世代には1周回ってカッコイイ感じに見えてほしかったわけよ!」

裕子「この上のBangって何ですか?」

早苗「日本語で言うところの『バキューン!』ね。銃とか撃ったときの音」

裕子「Bang!  Bang!」

早苗「銃刀法違反につき、現行犯2名を逮捕!」

裕子「ぐわー!」

雫「きゃー♪」

早苗「あ、そうだった。瑞樹ちゃんのところに行かなくちゃ」

雫「瑞樹さんにも用があるんですかー?」

早苗「これを作るきっかけになったのが瑞樹ちゃんの一言だったからね。成果報告をしておかないと!」

裕子「私達も一緒に行っていいですか!?」

早苗「いいけど、レッスンとか大丈夫なの?」

雫「もう終わりましたからー」

裕子「今は目をつむりながら聴覚のみを頼りに歩く、サイキック明鏡止水をしながら帰る途中でしたので!」

早苗「またそんなことしているとケガするわよ……。それじゃあ行きましょうか!」


休憩室


菜々「へぇ~、早苗さんがですか」

瑞樹「バブルへの思いと熱意込めたらしいから、どんな感じになっているのか気になるわ」

菜々「今の若い子とかはバブルの言葉は知っていても、時代そのものは経験したことありませんからねぇ」

瑞樹「ユッコちゃんはバブルって単語すら知らなかったらしいわよ?」

菜々「……えっ!? もうそういう世代の子が出てきているんですか!?」

瑞樹「さすがにユッコちゃんの勉強不足だとは思うけどね、たぶん」

早苗「瑞樹ちゃーん! お待たせ―!」

裕子「セクシーギルティ参上です! さぁ、神妙にお縄についてください! サイキック逮捕です!」

雫「どうもーお疲れ様ですー」

瑞樹「ずいぶん賑やかね。早苗ちゃんだけが来ると思ったらセクシーギルティが揃い踏みだなんて」

早苗「そこで会ったから一緒にね。あっ、もう菜々ちゃんまでいるなんてちょうど良いわ~♪」

菜々「早苗さんの話、瑞樹さんと今話していたところだったんです。ナナもご一緒に良いですか?」

早苗「もちろんもちろん! 後々見せるつもりだったし!」

早苗「じゃーん!! どうよ、このディスコでダンサブルな感じ!!」

瑞樹「うっわ、これはまたすごいわね」

菜々「じ、時代を感じますね……」

早苗「自分で言うのもアレだけどね、いざ作ってみたらユーロビートとかが流れてきそうな見た目になって思いのほか驚いてるわ」

菜々「でも、たしかにシンセサイザーとかのサウンドバリバリ! って感じのロゴですよね、これ」

早苗「この絵に合いそうな曲って何か無い?」

瑞樹「デッド・オア・アライヴのユー・スピン・ミー・ラウンドとか合いそうじゃない?」

早苗「なつい!!」

菜々「ナナ的にはアイ・ハード・ア・ルーマーですね!」

早苗「真弓倫子?」

菜々「それカバーですよ~。原曲です! バナナラマの原曲! そっちも懐かしいと言えば懐かしいですけど」

裕子「見てください雫ちゃん。早苗さん達がものすごく盛り上がっています!」

裕子「ただ内容には全然ついて行けません!」

雫「早苗さんも瑞樹さんも同い年ですからねー。色々通じ合えるものはあるんじゃないでしょうかー」

裕子「あれ? でも菜々ちゃんって17歳ですよね?」

雫「きっと一昔前の曲が好きなんですよー♪」

裕子「なるほど!!」

早苗「あぁーんもうガマンできない! 2人共、カラオケ行くわよ!」

菜々「どうしたんですか急に!?」

早苗「昔聴いた曲の話をしたら歌いたくなってきたの! 瑞樹ちゃんはどう!?」

瑞樹「いいわねカラオケ! 私も特にこの後は用事無いし♪」

早苗「菜々ちゃん!!」

菜々「ナナも用事は無いですけど……わかりました! 歌いましょう!」

早苗「そうこなくっちゃ♪ 雫ちゃんとユッコちゃんも一緒に行きましょう。みんなで歌えば盛り上がるわよ~」

雫「お供しますー♪」

裕子「サイキックオンステージしますよー!」

早苗「よーし、あの頃の思い出と共に歌いまくるわよー!!」




――fin――

おまけ
本編中に名前が出た曲一覧

『素直になれなくて(Hard to Say I'm Sorry)』 シカゴ
http://youtu.be/Wo9QxYpMbTU

『ユー・スピン・ミー・ラウンド(You Spin Me Round [Like A Record])』 デッド・オア・アライヴ
http://youtu.be/PGNiXGX2nLU

『アイ・ハード・ア・ルーマー(I Heard a Rumour)』 バナナラマ
http://youtu.be/DgqPpdluoes

『アイ・ハード・ア・ルーマー』 真弓倫子(カバー版)
http://youtu.be/y07XwzqWOms

このRetro Waveという80年代風ロゴが作れるジェネレーター(http://m.photofunia.com/effects/retro-wave)でCan't Stop!!のロゴを作ったら予想外に面白くて、気づいたらSSができていました
早苗さんの年齢を逆算するとバブルの時期とかがおかしいことになりますが、あの世界ではディスコのブームが続いたんでしょう。たぶん
それはそれとして自分は80年代洋楽が好きです。原因はたぶん天テレとハッチポッチステーション

こんなバブルバブル書いていますが、>>1は平成生まれなので実はバブル時代ピークの喧騒とか空気とか知りません。ところで「バブル」ってなんです?(by堀裕子)


ナウでヤングな俺には何の事か分からないけど良かった

ディスコというかハイエナジー~ユーロビート

20代じゃバブルにはかすりもしないんだよな
30代後半でも当時小学生
つまりウサミンはsうわ何をするやm

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