【モバマスSS】成人のお祝い【鷺沢文香】 (11)
文香「今日は私などのために二度もお祝いの場を設けて頂き、なんとお礼を言えばいいのか……」
肇「そんなに畏まらないでください。文香さんは今日の主役なのですから」
P「ケーキやプレゼントなんかはお昼に事務所の皆と済ませたからな。夜の部はお祝いも兼ねての、今後に備えたちょっとした催しだ」
文香「今後への備え……ですか?」
P「ああ、知っておかなければならないことでもある。まずは…ほら、肇」
肇「はい。文香さん、遅くなりましたが私からのプレゼントです」
文香「ありがとうございます。これは……こんなに沢山の備前焼、よろしいのですか?」
肇「是非受け取ってください。こちらが徳利とお猪口、こちらがビールグラス、こちらがワイングラスで、こちらが…」
文香「……なるほど、これはつまり……」
P「ああ、晴れて20歳を迎えた文香が大人組の洗礼を受ける前に、どの程度飲めるのか見極めておきたくてな。弱いと分かれば無理に進める人達ではないから」
肇「今までの『未成年ですから』という断りが使えなくなりますからね…場合によっては命に関わります…」
P「ちなみに文香のご両親はお酒はいける口か?」
文香「父は晩酌など嗜んでいました。母は時折それに付き合う、といった程度だったと思います。二人の酔いつぶれた姿を見たことはありません」
P「それなら全く飲めないということはなさそうだな」
肇「ではおつまみとお酒の用意をしましょうか。日本酒は熱燗にしますので、徳利は先にお借りしますね」
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肇「それではまず定番の【ビールと枝豆】です!」
文香「『とりあえずビール』は居酒屋の風物詩とも言われていますね。日本語を学ばれる外国の方が、『とりあえず』をビールの枕詞だと勘違いした例もあるそうです」
P「流石はふみペディア、雑学も網羅してるな。それでは実体験と行こうか(トポトポ」
文香「あ、ありがとうございます。ビールとはこんなに泡立つものなのですね……」
P「それは備前焼の力だな。肇、解説を頼む」
肇「備前焼の地肌には微細な気孔が無数にあるので、ビールに触れると豊かな泡を生み出します。まろやかできめ細かな泡立ちをご堪能ください!」
文香「なるほど。それではいただきます……予想していたよりも、苦みは控えめですね。早苗さん曰く、ビールとは喉濾しを楽しむもの、でしたか……(グッ」
P「おおー、ぐいっといったな!」
文香「……ンク、なるほど、これは喉が渇いている際にまた飲んでみたくなります」
肇「ふ、文香さん、口元におひげが…」
文香「っ!(コシコシ ……失礼いたしました(カァァ」
P「いやいや、良い飲みっぷりだったよ。気分が悪かったりはしないか?」
文香「はい、特に体調に変わりはないようです」
肇「文香さんから酒豪の気配を感じます(アムアム」
P「枝豆をつまむのはいいけど、間違っても酒は飲まないようにな」
肇「大丈夫です。伊達に小さい頃から両親や祖父のおつまみを狙っていたわけではありません。ささ、文香さんも」
文香「それでは遠慮なく……なるほど、ビールと枝豆、これは素晴らしい組み合わせだと納得せざるを得ません」
肇「続きましては【赤ワインとチーズ・ナッツ・チョコレートの盛り合わせ】です!」
文香「ワインはおつまみを選ぶのが難しいと言いますが、この辺りは鉄板ですね」
P「個人的には柿の種なんかも意外と合うと思うんだがな」
肇「定番のアーモンドもいいですが、ピスタチオも久々に食べると癖になる味ですね(ポリポリ」
P「肇の分は分けて取り置いておくとして、ほら文香」
文香「ありがとうございます……ワインは香りを楽しむとはいいますが、如何せん知識が足りませんね。いい香りだとは分かるのですが、どう表現すればいいのか……」
P「その辺りは慣れというか、場数を踏まないとな。まずは飲めるかどうかだが」
肇「赤ワインは苦手な人も多いと聞きますね」
文香「それではいただきます……ん、確かに少し苦みが後に残るかもしれません……ですが、私には合うみたいです」
P「本格的に酒豪の気配が漂ってきたな」
文香「チョコレートのような甘いお菓子がおつまみになるのは意外でしたが、実際に赤ワインと合わせてみると、定番になるのも頷けます」
肇「ちなみに備前焼のワイングラスは、味の角を取ってワインをまろやかにすると言われています。好みは分かれるかもしれませんが、ワインの尖った味わいが苦手な方は是非お試しください…あ、このチーズ美味しい…」
文香「それはゴーダチーズですね。私も頂きます」
P「肇も呑兵衛の素質がありそうだなぁ…」
肇「お待たせしました、【日本酒(熱燗)とタコわさ】です!」
P「つまみのチョイスが滅茶苦茶渋いんだが」
肇「楓さんに教えて頂いたお勧めの逸品です。どうぞ文香さん、まずはご一献」
文香「ありがとうございます。このお猪口や徳利も全て肇さんの手作りなのですよね」
肇「はい、まだまだ拙い出来ではありますが、文香さんに美味しくお酒を飲んで欲しいという想いを込めて創りました」
文香「これまで使わせて頂いたどの器からも温かみを感じました。本当に素敵なプレゼント、どうもありがとうございます」
肇「ふふ、喜んでいただけたならこちらも嬉しいです。使えば使うほど味わい深くなるのが備前焼ですから、これからも使ってあげてくださいね」
文香「ええ、是非とも。それではいただきます……これは、凄いです。爽やかな香りと甘味が癖になってしまいそう……タコわさとの相性も抜群ですね」
P「今日試した3種類だとどうやら日本酒が一番お気に召したようだな」
肇「顔色もほとんど変わってないですし、本当に酒豪みたいですね」
文香「美味しいです、これ、本当に……なんというお酒なのでしょう?」
P「銘柄か?それはな……【hajime】だ」
肇「えっ?」
文香「なるほど。肇さんから頂いた器でhajimeをいただく…贅沢です。ふふ、美味しい」
肇「なんで日本酒のボトルのラベルが剥がされているのかと思ったら、そういうことだったんですか」
P「ちょっとしたサプライズだよ。それに試飲したら美味しくてな、hajime」
文香「ふふふ、ええ、とても美味しいですよ、hajime」
肇「うぅー、二人して、もうっ」
この後も酒宴は続き、少しだけ私が羽目を外してしまう一幕もありましたが、和やかに夜は更けていくのでした。
以上です。お読みいただきありがとうございましたー。
サザエさん時空のモバマスですが、19歳から20歳への誕生日となれば飲酒ネタを書かざるを得ない。
時間が足りず笑い上戸と化して肇さんとPに絡むふみふみを書けなかったのが無念…あととときんの生霊が宿ったりね。むしあついからぬぐー。
なぜそこを書かない
おうはやくしろ
はよ
あくしろ
乙
あついからぬぐーとはまた懐かしいネタを
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