提督「やばい…眠い…」【艦これ】 (32)
提督(あかん…ねむい…)
提督(ねむすぎて…死ぬ…)
提督(でも今寝てしまうと、この資料の完成が遅れちゃう…)
提督(な、なんとかして起きてないと…)
提督(うぐ…ふぁぁ…)ウトウト
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提督(う…)コクッコクッ
提督(…いや、無理は駄目だ。こんな状態で仕事するとミスが生じてしまう)
提督(一旦仮眠をとろう…30分だけ、頭をすっきりさせてから…)
熊野「ごきげんよう、提督!」ドアバーン!
熊野「今日の秘書艦はこのわたくし、熊野ですわ!!」
提督(し、しまった…!)
提督(今日の仕事担当は熊野だったか…これはまずい…!)
提督(熊野はとても厳しい奴だ…)
提督(例えば、たとえ1秒でも何かに遅刻すると、『のろまなのね!!(激怒)』なんて言ってくるような、ものすごーくきっちりした人間なんだ…!)
提督(そんな熊野の前で『眠たいから寝たい』なんて言ったら『やる気あるのか!?』とか言われそうだな…はぁ、どんなに怒られることか…)
提督(とにかく怒られるのは勘弁だ、やっぱり寝ずに真面目に資料を仕上げよう…)
提督(寝るな…寝るな俺…)ゴゴゴゴ
熊野「…?」
熊野(ん…あれ…?)
熊野(今日の提督…なんだか様子がおかしいですわね…)
熊野(なんか…その…すごく目付き悪い…)
熊野(今日はせっかく提督と一緒に仕事できる日だと言うのに…一体どうしたんですの?)
熊野(これ、もしかしてこの私に対して何か怒ってます…?)
熊野(はっ!ま、まさか!!)
熊野(心当たりがあるとすれば、この前、提督の部屋にあったカップ麺を私が勝手に食べたということがバレてしまったとか…!?)
熊野(こ、これはまずいですわ…)
熊野(とりあえず今日は、提督のご機嫌をとりながら仕事をしましょう…)
提督「…」
熊野「て、提督…」
提督「あぁん!?」ギロ
熊野「ひゃいいいいいいっ!?」ビクーッ
提督(い…いかん!意識飛んでた!)
提督(寝かけて話しかけられて返事しようとして、なんか変な返事も出てしまった…!)
提督(『あぁん!?』って!オネェの返事かよ!よりによって熊野の前でこんな声出してしまうなんて…)
提督(あ…よく見たら熊野がなんか俺から1歩引いてるような気がする…)
提督(しまった幻滅させてしまったかな…怒られるの嫌だな…)
提督(…うう…)
提督(…くっ駄目だ…また眠たく…)ウトウト
熊野(ひぃぃぃぃ!ドスのきいた返事が返って来ましたわ!?)
熊野(この人、物凄く怒っていらっしゃいます!こわい!!)
熊野(まずいですわまずいですわ!なんとかしてご機嫌を!ご機嫌をとらなくては!!)
熊野(そ、そうだ!こんなこともあろうかと今日は提督に秋刀魚サンドイッチを作ってきたんでしたわ!)
熊野(本当はランチタイムに一緒に食べたかったですけれど…ここは仕方ありませんの!)
熊野(これを使って、何とか…!)
熊野「あっ…あのですね…これを…」
提督「…」ダァン!
熊野「ひゃあああああああああ!?」ビクゥーッ!!
提督(ま、また意識飛んだ…!体がつい倒れそうに…)
提督(なんとか机を叩いて反動で体勢を戻したけど…そのせいで酷い台パンをしてしまうような形に…)
提督(マジでやばいって…結構大きい音も出してしまったよ…)
提督(熊野の前でこんな姿を…ほんと情けない…)
提督(あ…よく見たら熊野が震えてる…)
提督(あまりの怒りに震えが止まらないんだろうな…それでも俺の眠気は止まらないんだよぉ…)
提督(誰か、助けてくれ…)
提督(う、うああ…またまた睡魔が…)ウトウト
熊野(うぇぇぇぇぇん!またですわぁぁぁぁぁ!!)ビクビク
熊野(今度は机をダーンって叩いて…!怒りで我を忘れていらっしゃいますぅぅぅぅ!!!)
熊野(や、やっぱりこれってもしかしてカップ麺の件だけではなくて、1週間前に提督のおやつのドーナツを頂戴したことや2週間前にポテチを盗んだことも気にしてらっしゃいますかね!?)
熊野(バレないからと思って調子に乗ってしまったのが仇となりましたわ…!!)
熊野(いや、諦めては駄目ですのよ熊野…!食べ物の罪は食べ物で償わなくては…!)
熊野(この秋刀魚サンドイッチさえ食べて頂ければ、提督もきっとご機嫌を取り戻して頂けるはず…!)
食いしん坊くまのん可愛い
熊野「…あの、提督…」ビクビク
提督「…ぁ?」ギロ
提督(起きろ俺起きろ俺…!歯を食いしばれ…!耐えるんだ…!)
熊野(ひぃ…こんなに私を睨んで…!こわい…!)
熊野(でもここで退くわけには…!勇気を出すのよ、熊野!)
熊野「あのっ!これっ!!」
提督「…?」
熊野「さ、サンドイッチですわ!貴方のために特別に作って差し上げたの!召し上がれ!!」
提督「…あぁ」
提督「…」モグモグ
熊野「…」ドキドキ
信じて送り出した熊野お嬢様がジャンクフードにドハマりするなんて(歓喜)
提督(おお…ありがたい!まさか熊野自らが救いの手を差し伸べてくれるとは!)
提督(食べ物を口に運ぶことで顎を常に動かさくてはならなくなるから、その結果俺は眠れなくなる!本当にありがたい!!)
提督(これでしばらくは持つぜ…よかった…)
提督(それにしてもこのサンドイッチ、美味いなぁ。中身は秋刀魚かな)モグモグ
提督(ふわっとしたパンの間に、どかっと秋刀魚の脂とソースの味が口一杯に広がって、その後にくるアクセントの玉ねぎの後味がこれまた美味い)
提督(手が込んでてすごいや…ほんと、熊野って性格が厳しくなけりゃ本当に完璧なのに…)
提督(…ん?)モグモグ
提督(ああっ!?しまった!まずい!)
提督(サンドイッチの味への満足感に加えて、俺の胃が膨れてしまったことにより、さっきよりも一段強い眠気が…!)
提督(うああ…もうダメ…)ウトウト
熊野「…」ドキドキ
提督「」
熊野「…?」
提督「」
熊野「…!」ビクビク
熊野(数口食べて、うつむいたまま反応がないですわ…!)
熊野(えっ、嘘…まさかお口に合いませんでしたの…?)
熊野(そんな…頑張ったのに…鈴谷にも味見させて確認したのに…)
熊野(提督、まさか本当に私のこと嫌いになっちゃったんですの…?)
熊野(私、秘書艦になれるこの日を楽しみにしてたのに…なんでこんなことに…)
熊野(自業自得かもしれませんけど…提督…私…!)
熊野(う…ううっ…)
熊野「うええぇぇぇぇん…うええぇぇぇぇん……!!」
提督「ひょっ!?」ビクーーッ!!!
提督「はっ!?何ですか!?俺は寝てません!」ビクビク
熊野「ぐすぐす…ひぐっ…」ポロポロ
提督「うおっ!熊野!?お前なんで泣いているんだ!?」
熊野「だって、だってぇ…」ポロポロ
提督「な、なんかわからないけどすまん…一体どうしたんだ…」
熊野「いえっ…もう私に構わなくても結構ですわ…!」グスン
熊野「提督は私のこと嫌いになったのでしょう…!いいからもうほっといてくださいまし…!」
提督「え?嫌いになったって…そんな訳ないだろ。いいから泣き止んでくれ」ゴシゴシ
提督「お前は料理上手いし、秘書の仕事もやってくれるし、真面目な人間だし、どこに嫌いになる理由があるんだ?」
提督「いつもよく頑張ってくれてるじゃないか。今日の仕事も特に失敗していないみたいだし、何も落ち込むことはないだろ」
熊野「ほ、ほんとですの…?」
提督「ああ、本当だ」
提督「…」
提督(…う)
提督(く、いかん…まただ…!)
提督(こんなときに限って…また眠たく…!)ウトウト
提督(うおお…睡魔がががが…)
提督(うう…てかなんで熊野は泣き出したんだ?これってもしかして俺が悪いのか?)
提督(つーか…今思ったけど冷静に考えてなんでこんな面倒くさいような状況になってんだよ…)
提督(元はと言えば、コイツがいつも厳しすぎるせいで、素直に寝たいって言えないのが原因だし…!)
提督(…そう考えたらなんかイライラしてきた!こいつ、いつも俺に厳しく当たりやがって!!)
提督(こうなったら熊野に嫌味の一つでも言って、俺はもう無理矢理昼寝してやる!!)
提督(泣いてることなんか知るか!睡魔には勝てないんだ!悪いな熊野!!)
提督(…ぐぅ、もう眠気が限界だな…早く愚痴を言ってさっさと寝てしまおう)
提督(うっ…足もふらふらだし…むにゃ…)フラッ
熊野(…)
熊野(ぐすん…どうせ今のは提督のお世辞の言葉ですわ…)
熊野(提督は優しいですもの…私を傷つけないように気を使ってくれてるだけ…)
熊野(けどその優しさが逆に私を傷つけているの…はぁ、どうしてこんな気持ちに…)
熊野(私にはわかっているんですわ…提督が怒っているのは私のせいだって…)
熊野(私は貴方の本当の気持ちが知りたいのに…どうして…どうして提督は素直におっしゃってくださらないの…!)
熊野(一言何か言ってくれればよろしいでしょうに…!)
熊野(それとも提督は私にそんなことが言えないくらいに…そんなに私のこと信頼してないのですか…?)
熊野(…提督)グス
熊野「…」グスン
提督「熊野…」フラッ
熊野「えっ…?きゃっ!?」ダキッ
提督「…おい熊野、よーく聞いてくれ…」
熊野「えっ!?は、はいっ!?」
提督「さっきの話の続きなんだけどな…」
熊野「?」
提督「ひとつお前の嫌いなところを言うのなら、俺に厳しくするのだけはやめてくれ…」
提督「正直辛いから、もう限界だから…これからは気を付けてほしいな…」
熊野「えっ…提督…?」
提督(…あー…もう限界だ…寝よう…)
提督(はは…言ってやったぜ!…これで俺は心置きなく寝れる…)
提督(ざまぁみろってんだ熊野…ぐー…)
熊野「…!」
熊野(え…言ってくれた…?この私に、提督の素直な言葉を…?)
熊野(でも私が…厳しいって…?)
熊野(提督が怒ってるのは、私がおやつを取ってたからではなくって、これのせいだって言うんですの…?)
熊野(…あ、思い返してみれば…普段からかなりキツいことを提督に言ってますわね、私…)
熊野(提督はそれをずっと我慢して…けどそれをやっと今日私に話してくれて)
熊野(私に素直になって、改善を求めてくれたってことは…)
熊野(…まだ、私にはチャンスが…!)
提督「…」スヤスヤ
熊野「あ…提督、寝てますわ」
熊野「きっと…思いきって素直になったから、緊張なさって疲れてしまったのでしょうね」
熊野「ありがとうですわ…貴方の声を聞かせてくれて」
熊野「私も負けずに応えますわよ!貴方の声に」ニコッ
【翌日】
提督「ね、寝すぎた…」ズーン
提督「…そして、昨日はやっちまった…!」ズズーン
提督「眠気のせいでなんか機嫌悪くなっちゃって…あんな熊野を傷つけるような発言を…」
提督「最低だ俺…常識的に考えてもデリカシーが無さすぎる…」
提督「熊野、傷ついただろうな…ものすごく…」
提督「…謝らないと」
ドアバーン!
熊野「ごきげんようですわ!提督!!」
提督「く、熊野!?」ビクッ
提督「あ、丁度いい…熊野」
提督「昨日は本当にごめん…色々と言い過ぎた」
提督「ちょっと不機嫌になっちゃって…本当に申し訳ない」
熊野「いいんですのよ。提督だってたまにはそういう日もありますわ」
提督「え!?」
提督(あれ…罵られない…?)
熊野「それにしても…昨日は眠たいまま執務に励むなんて」
熊野「提督もお仕事をまぁよくやってるじゃない。褒めて差し上げてもいいのよ?」
提督「!?!?」
提督(熊野に褒められた!?どういう風の吹き回しだ!?)
熊野「ふふっ」
熊野「さて…昨日は満足に仕事できなかったので今日も私が秘書艦を担当いたしますわ!」
熊野「私、仕事の時だけはとても厳しいんですのよ!さぁ、手を動かして!」
提督「あっ、はい!」
提督(う、うーん?)
提督(な、なんかよくわからないけど熊野が優しく…)
提督(…可愛いげがあるように見えてきたな。なんだこの気持ち)
提督(…まぁ、いいか)
提督「早く仕事やらないと、資料の完成がもう間に合わないからな!一緒に頑張ってくれ、熊野!」
熊野「ふふっ!よろしくてよ!」
提督「あ、そういえばさ」
熊野「何かしら?」
提督「なんかここ1ヶ月くらい前から、俺の部屋の食い物が無くなってるんだけど、お前何か知らない?」
熊野「記憶にございませんわ」
おしまい
本音ってはっきり言われた方がすっきりしますよね
依頼出してきます
乙
二週間前どころかもっと前からの常習犯だったとは
乙
乙、1ヶ月も食べ物盗んでたのかよ…
乙とぉぉ↑おう↓
アンジャッシュネタってことでいいのかこれは
スレチだが「すれ違いコント」=「アンジャッシュ」がこれほど定着しているのはすごいことだと思う
乙ゥ~
おぜうさまくまのんすき
乙
このSSまとめへのコメント
シンプルでとても面白かったです