絵里「みんなのお願いを叶えるわ!」 (117)
μ's初SSです。
名前の呼び方など違和感があるかもしれませんがよろしくお願いします。
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(部室)
絵里「わざわざ集まってくれてありがとうねみんな」
海未「いえ、……それは大丈夫なのですが」
凛「どうしたの、絵里ちゃん?改まって集まって欲しいなんて」
絵里「実は、そこまで大した用事じゃないんだけどね」
絵里「私はμ'sに入るまで学校のことばっかりで自分のことを考えてなかったわ」
絵里「それを辛いことだと思ってなかったし今でもそう思ってない」
絵里「でもみんなが私の手を掴んでくれたおかげで、μ'sに入ったおかけでそれまでの私なら絶対掴めないような幸せを手に入れることができた」
絵里「これも全部みんなのおかげだと思ってるわ」
花陽「そ、そんな……なんか照れるな/////」
真姫「それで、どうしたの?唐突に」
絵里「ええ、そんなみんなのために何か感謝をしたいと思ったのよ」
穂乃果「感謝って?」
絵里「具体的には何かみんなのお願い1人ずつ聞いてあげたいのよね」
絵里「それで、このお願いのことなんだけど出来ればその人と一緒にできるお手伝いみたいなものがいいわ」
ことり「どうして?」
絵里「まあこれは完全に自己満足なんだけど……その人と一緒にやることで役に立てたんだなって実感したいの」テヘヘ
にこ「なる程ね……まあいいんじゃない?絵里がこんなこと言い出すの珍しいし」
絵里「ありがとう、にこ」
絵里「みんなもいいかしら?」
穂乃果「うん!穂乃果はいいよ!」
ことり「穂乃果ちゃんがいいなら私も」
海未「手伝いをしてくれるというのに断る理由がありませんね」
花陽「絵里ちゃんから感謝かぁ……なんだか新鮮だけど嬉しいな」
凛「凛もいいにゃ!」
真姫「私も、別にいいわよ」
にこ「絵里がそういうならとことんやってもらおうじゃないの」ニヤリ
希「あんまり調子に乗ったらだめやよにこっち……まあ、うちもええよ」
絵里「ありがとう、みんな……」
絵里「それじゃあ1日に1人のお願いを叶えるってことにしたいから当日までに順番を決めてもらえるかしら?」
全員「はーい」
絵里「……私のワガママに付き合ってもらってありがとう」ボソッ
希「え?」
絵里「私のお願いを聞いてくれて本当にありがとう。それじゃまた明日ね、みんな」ガラッ
穂乃果「何してもらおうかなー?……あっ!」
海未「宿題を手伝ってもらおうとかはダメですよ」
穂乃果「なんで声に出す前に分かるの!海未ちゃんエスパーなの!?」
海未「誰でも分かります……しかし悩んでしまいすね」
ことり「改めてっていうと確かに悩んじゃうよねー」
希「……みんな、ちょっとええか?」
凛「何?希ちゃんまで」
希「うちに提案があるんやけど……」
────────
(1日目)
穂乃果「絵里ちゃんおまたせー!」タッタッ
絵里「なんとか時間ジャストね」
穂乃果「せっかくのお出かけなんだし遅刻するわけにはいかないからね……」アハハ
絵里「それで、最初は穂乃果がお願いをするのね?」
穂乃果「うん!」
絵里「それで、穂乃果のお願いは何なの?」
穂乃果「穂乃果のお願いはね……絵里ちゃんとのデートだよ!」
絵里「で、デート?」
穂乃果「うん!絵里ちゃんとは学校ではよく話すけど一緒に学校の外で遊んだりとかはしたことなかったなーって思って」
穂乃果「ダメ、かな?」
絵里「そんなことないわ!私からお願いしたいくらいよ!」
穂乃果「良かったー!それじゃあ行こっか」
絵里「ええ!」
~~(ゲームセンター)~~
絵里「色々なゲームがあるのね……」
穂乃果「うん!海未ちゃんとかことりちゃんとかとはよく来るんだよ」
絵里「3人は本当に仲良しね」
穂乃果「もちろんだよ、2人は穂乃果の大事な幼なじみだからね……あ、あれやろっ!」
絵里「これは……ダンスゲーム?」
穂乃果「穂乃果これ得意なんだー」
絵里「へぇ……面白そうね」
穂乃果「でしょでしょー?ダンスが得意な絵里ちゃんと一回勝負してみたかったんだよね」エヘヘ
絵里「なる程ね……ゲームだからといって負けるわけにはいかないわ」
穂乃果「穂乃果も本気でやるからね!」
穂乃果「それじゃいくよ……スタート!」
────
穂乃果「やった、勝ったー!」ピョンピョン
絵里「ま、負けたわ……」ガックリ
穂乃果「普通のダンスなら負けるけどゲームなら負けないよ!」
絵里「どうせならその自信を現実のダンスに持ってきて欲しいわね……」
~~(雑貨店)~~
穂乃果「ここもいろんなものがあるんだよねー」
絵里「へぇ、珍しいものがたくさんあるわね」
穂乃果「そうなんだよ、ここにもよく3人で来てたなぁ」
絵里「私はあんまりこういう所に来たことなかったから新鮮ね」
穂乃果「なんか気に入ったものとかある?」
絵里「そうね……このアクセサリーとかこのネックレスとか気に入ったわ」
穂乃果「なる程……絵里ちゃんはこういうのが好みと……」メモメモ
絵里「どうかした?」
穂乃果「い、いや何でもないよ!」ビクッ
絵里「何が欲しいものとかある?あったら買ってあげるわよ」
穂乃果「いや、いいよ。今日は絵里ちゃんの感謝ってことで来たけどデートそのものが感謝になってるからね」
絵里「そう?ならいいけど……」
穂乃果「それよりもっと絵里ちゃんの好みとか知りたいな!」
絵里「私の好み?ええ、いいわよ」クスッ
────
穂乃果「今日はありがとうね、すっごく楽しかったよ!」
絵里「こちらこそ楽しかったわ。感謝のつもりだったのになんか私まで楽しんじゃったし」
穂乃果「絵里ちゃんも楽しんでくれたなら穂乃果も嬉しいよ!」
絵里「クスッ、こちらこそ今日はありがとうね。穂乃果にはリーダーとしても頑張ってもらってるし本当に感謝してるわ」
穂乃果「そ、そうかな……/////」テヘヘ
絵里「そうよ。その頑張りがみんなを引っ張ってくれてるんだから。これからもよろしくね?」
穂乃果「うん、こちらこそよろしくね!」
────────
(2日目)
~小泉家~
絵里「こんにちはー」ピンポーン
花陽「どうぞ、上がってください」ガチャ
絵里「おじゃましまーす……それで私は何をすればいいの?」
花陽「私が絵里ちゃんにやって欲しい事は……じゃーん!」
絵里「折り紙?」
花陽「うん!急に折り紙がたくさん必要になって人手が足りなくて困ってたんだよね……」
絵里「頼ってくれるのは嬉しいんだけど、私分からないかも……」
花陽「あ、この紙を見てくれれば分かるから。簡単なものだけだし絵里ちゃんならすぐ出来ると思うよ」
絵里「そういうことなら任せて頂戴!」
~~~~~~~~
絵里「ふーっ……折り紙って結構集中力使うのね……」
花陽「休まず折ってくれてたもんね。そろそろ休憩にする?」
絵里「私から言い出したことだし大丈夫よ……って言いたいところだけど流石にちょっと疲れたから休憩にしてもらえると嬉しいわ」
花陽「うん、わかった。じゃあお茶持ってくるね」ガチャ
絵里「お構いなくー……あれ?これって花陽の日記かしら」
絵里「……ちょっとくらいなら見てもいいわよね?」
絵里「へー、マメに書いてるのね」ペラッ
絵里「μ'sに入ったあたりから文字数も増えて……本当に楽しいのね」クスッ
絵里「あ、これ私が入るちょっと前のとこだ」ペラッ
絵里「……案の定怖い人だったって書いてるわね」ズーン
花陽「お茶もってきたよー……って、ミナイデー!」バッ
絵里「あ、ご、ごめんなさいね」
花陽「恥ずかしいから見ないでよ……」
絵里「本当にごめんなさいね……あの、やっぱり私は今でも怖いままなのかしら?」
花陽「え?」
絵里「日記見てたら怖い人って書いてたし……やっぱりそう思われてるんだなあって……」
花陽「ち、違うよ!最後まで見て!」バッ
〇月?日
今日ついにμ'sが9人になりました!
最初は怖かった生徒会長さんもμ'sに入るって
聞いた時はびっくりしましたが……絵里さんが踊ってる時の顔がとってもキラキラしてたのを見て絵里さんもスクールアイドルが本当に好きなんだなと思いました!
まだちょっと怖いけど、それでも同じグループの仲間としてもっともっと仲良くなりたいと思います!
絵里「これって……」
花陽「確かに最初は怖かったよ?でも絵里ちゃんと一緒にスクールアイドルやるうちにもっともっと絵里ちゃんと仲良くなりたいなって思ったんだ」
花陽「だから、今はもう怖くなんてないよ!」
絵里「ありがとうね、花陽……」グスッ
花陽「な、何で泣いてるの!?」
絵里「ずっと……気がかりだったのよ。花陽には最初怖がられてたし、今でもそうなんじゃないかって……」
花陽「大丈夫だよ、もう花陽は絵里ちゃんを怖がったりなんてしないから」
絵里「うん……」グスッ
花陽「さぁ、最後までやっちゃおう!」
絵里「ええ!」
~~~~~~~
花陽「ありがとうね、絵里ちゃんのお陰でなんとか終わったよ!」
絵里「こちらこそ花陽の役に立てて嬉しかったわ」
花陽「あの……」
絵里「どうかした?」
花陽「これとは別に、またいつか絵里ちゃんと一緒に遊びたいなって……」
絵里「もちろんいいわよ、こちらこそ頼みたいわ!」
花陽「ありがとう、それじゃまた今度ね!」
絵里「ええ、また今度!」
────────
(3日目)
~~屋上~~
絵里「はい、ワンツー……フィニッシュ!」
凛「にゃ!」ピタッ
絵里「さすが凛ね」
凛「えへへー」ニコニコ
絵里「でも凛ならダンスは問題ないんじゃない?」
凛「それでも凛は´絵里ちゃんとダンスの振り付けを考える´っていうお願いだからやっぱり人が欲しいんだにゃ」
絵里「私も凛が踊ってくれるなら振り付けも考えやすくて助かるけど……これがお願いでいいの?」
凛「凛も´一緒にラーメンを食べに行く´か迷ったんだけど絵里ちゃんとのお願いならやっぱりダンスがいいって思ったんだ!」
絵里「凛がいいなら私もそれでいいわよ。……それじゃ続けましょうか」
凛「うん!」
~~~~~~~~
絵里「はい、ここまで!」
凛「ひゃあ、疲れたにゃ~!」
絵里「ふふっ、お疲れ様。凛が頑張ってくれたおかげでほとんど次の曲の振り付けが決まっちゃったわ」
凛「えへへー」ニコニコ
絵里「どっちがお願いを聞いてもらってるか分からないわね……本当に凛の前向きさにはいっつも助けてもらってるわね」
凛「そ、そうかにゃ?」
絵里「ええ、私だけじゃなくみんなが凛のまっすぐな所に助けてもらってるはずだわ」
絵里「だから、いつもありがとう。凛」
凛「改めて個人的に言われると照れるにゃー/////」
絵里「そんな女の子らしい仕草もとっても魅力的ね」クスッ
凛「もう、茶化さないで欲しいにゃー!/////」
絵里「ごめんね、でも本当に凛の女の子らしさは魅力的だと思うわ」
凛「だから、やめてほしいにゃー……/////」
────────
(4日目)
~~矢澤家~~
にこ「じゃあ私のお願いはこれね」
絵里「なる程、にこのお願いは衣装作りってわけね」
絵里「でも衣装作りならことりだと思ってたわ」
にこ「まあ確かにあの子がほとんどやっちゃってるから私達は簡単な手直しぐらいだしね」
にこ「あとことりは他のお願いがあるって言ってたし」ヌイヌイ
絵里「そう……」ヌイヌイ
にこ「……ふーん」
絵里「どうしたの?」
にこ「結構器用にやるもんだなーって思ったのよ」
絵里「あぁ……私って趣味がアクセサリー作りでこういうの結構やるのよ」
にこ「そういえばそうだったわね……?どうしたの?」チョイチョイ
虎太郎「おなかへったー」
こころ「こら!お姉様の邪魔しちゃダメでしょ!絵里さんもいらしてるのに」
ここあ「すいません、こっちに戻しますので」
絵里「私のことは気にしなくてもいいわ……にこ、虎太郎君のこと見てても大丈夫よ?これくらいなら私1人でもできるから」
にこ「そう?……それじゃ悪いけどちょっとやっててくれるかしら。少ししたら戻ってくるから」
絵里「ええ」
~~~~~~
にこ「戻ったわ……あれ、終わっちゃった?」
絵里「最初の方でにこがほとんどやっちゃってたし私もすぐに終わっちゃったのよね」
にこ「そう……」フーッ
絵里「疲れてるみたいね、ちゃんと寝れてる?」
にこ「もちろんよ、睡眠時間の管理はしっかりしてるわ!」
絵里「流石にこね」
にこ「あんたそれよく言ってるけど本当に思ってるの?」
絵里「もちろんよ、みんなには言ったことないけど私はにこのこと本当に尊敬してるわ」
にこ「ど、どうしてよ」
絵里「にこはずっとアイドル研究部を1人で守ってきたわ」
絵里「生徒会の圧力にも屈することなく」
にこ「ふん、当の本人がよく言うわ」
絵里「それについては本当に悪いと思ってるわ……謝っても謝りきれない位に」
にこ「い、いいわよ。そんなに謝ってもらわなくても。結局存続できてるんだし」アセアセ
絵里「そう……さっきの続きだけどね?にこはずっと自分の夢を持ち続けてあの部を守ってきた」
絵里「家では姉という立場もありながらね」
にこ「あんただって姉じゃないの」
絵里「私は年も近いし亜里沙の面倒を見ることなんてほとんどなかったわ」
絵里「だからそんなにこを私は心から尊敬してるわ」
にこ「何よ、急に褒めちぎったりなんかして/////」
絵里「フフッ、二人きりでもない限りこんなこと言えないからね」
にこ「……あんたはみんなに感謝してるって言ってたけど私だってあんたに感謝してるんだからね」
絵里「え?」
にこ「確かに正確にいえばみんなにだけど、μ'sのみんな誰1人欠けても今みたいにはならなかったと思うわ」
にこ「さっきあんたが言ってたみたいに私はずっと1人でアイドル研究部を守ってきた」
にこ「だからあんた達が入ってくれた時は奇跡だと思ったわ」
にこ「私にとってμ'sのメンバー1人1人が奇跡そのものなのよ」
絵里「にこ……」
にこ「あぁ、もう!あんたが変な事言うから私まで変な事言っちゃったじゃない!/////」
絵里「変な事なんてとんでもない、にこの本音が聞けてとっても嬉しいわ」ニコニコ
にこ「フンッ!/////」
────────
(5日目)
~~音楽室~~
真姫「~♪」
絵里「……」
真姫「……ふう」
絵里 パチパチ
真姫「あら、絵里。もういたの」
絵里「少し前からね……それ、今度の曲?」
真姫「ええ、ある程度は完成したんだけどなんか物足りない感じがしてね……誰かの意見を聞きたかったの」
絵里「それが真姫のお願い?」
真姫「そういうこと。それで、何か意見あるかしら?」
絵里「うーん、作曲に関しては完全に素人だし、急に意見って言われてもね……」
真姫「難しく考えなくてもいいのよ。例えば自分だったらどういう感じに歌いたいとかそういうのを聞いてるの」
絵里「そうね……だったらこのパートのこことか……」
絵里「この小節のここをこうしたり……」
真姫「なる程ね、絵里はこういうのがいいわけね」
絵里「ねぇ、私の意見だけでいいの?もっとみんなの意見を取り入れても……」
真姫「全員の意見を入れてくとまとまらないからできるだけまとまった意見が欲しいのよね」
真姫「今回はたまたま絵里だったってだけだから気にしなくてもいいのよ」
絵里「そう……?それならいいんだけど」
真姫「後は何かある?」
絵里「あ、それじゃここを……」
~~~~
真姫「ありがと、絵里の意見を入れたおかげで完成したわ」
絵里「お役に立てたなら嬉しいわ。私も作曲をやってみて楽しかったし」
真姫「良かったらまた手伝ってくれるかしら?絵里の曲の感じが気に入ったし」
絵里「ええ、もちろんよ……フフッ」
真姫「な、何笑ってるの?」
絵里「いえ、あの真姫がこんなに素直になるなんて最初の頃は考えられなかったなーって」
真姫「な、何言ってるのよ/////素直になれって言ったのはそっちでしょ」
絵里「それはそうなんだけどね、なんか素直になりすぎると寂しいなと思ってね」
真姫「ナニソレ、イミワカンナイ/////」
絵里「それそれ、久しぶりに聞いたわ」クスクス
真姫「もう、からかわないで!/////」
絵里「素直な真姫もかわいいけどちょっと生意気な真姫もとっても可愛のよねー」
真姫「だからからかわないで!/////」
絵里「でも、本当に真姫は最初の頃じゃ想像もできないくらい変わったわよね」
真姫「それは……その……/////」ゴモゴモ
絵里「ん?」
真姫「貴方達のお陰よ!/////」
絵里「え、私達?」
真姫「そう……あの合宿の時絵里達が私に手を差し伸べてくれなかったらあの時の私のままだったと思うわ」
真姫「本当に……本当に感謝してるわ」
真姫「もう、変な事言わせないで!/////」
絵里「クスッ」
真姫「何笑ってるのよ!/////」
絵里「あぁ、ごめんね。にこにも同じこと言われたから……貴方達やっぱり似てるわね」クスッ
真姫「~~~/////」
────────
(6日目)
~~みなみけ~~
ことり「絵里ちゃんいらっしゃーい」
絵里「おじゃまするわ……あら、いい匂いね」
ことり「うん、今ケーキ焼いてるんだ!」
絵里「そうなの……(ことりって衣装作りも笑顔でやっちゃうからあんまり目立たないけど仕事量だけならμ'sの中でも物凄いんじゃ……)」
絵里「それで、私は何をすればいいの?」
ことり「絵里ちゃんにはことりとお菓子作りをやってもらいます!」
絵里「え、でも今焼いてるんでしょ?」
ことり「まずそれを絵里ちゃんに食べてもらおうと思ってね」
絵里「?」
ことり「いきなりお菓子作ろうって言われても困るでしょ?だからある程度の方向性を持ってもらってから一緒に作ろうと思ったの」
絵里「あぁ、だから何種類か作ってるのね」
ことり「そういうこと♪」
チーン
絵里「あ、焼けたわね」
ことり「はい、それじゃあどれがいいか食べてみてね」
絵里「それじゃあいただきます……うん、美味しいわ。ことりは本当にお菓子作りが上手ね」
ことり「えへへ」ニコニコ
絵里「それじゃあこっちも……」
~~~~
ことり「なる程、絵里ちゃんはこういうのが好みなんだね」
絵里「大分私の意見を取り入れてくれたみたいだけど……良かったの?」
ことり「うん、いつもは自分だけで作っちゃうから誰かの意見を取り入れて作ってみたいなって思ってたんだ♪」
ことり「さぁ、それじゃこれを元にして作っていきましょう!」
絵里「おおーっ!」
~~~~
絵里「ええっとこれはもう入れていいのかしら……?」
ことり「あ、それはこっちを入れてからだからもう少し待って!」
……
絵里「直接火にかけていいんだっけ……?」
ことり「チョコレートは湯煎で溶かすから直接じゃないよ!」
……
絵里「こ、焦げないわよね……?」チラッチラッ
ことり「そんなに頻繁に見なくても大丈夫だよ?」
………………
絵里「で、できたわ!」パァァ
ことり「凄いよ、絵里ちゃん!初めてとは思えないくらい綺麗だよ!」
絵里「ふふっ、先生が良かったおかげね」
ことり「そ、そうかなぁ。そう言ってもらえると嬉しいけど」エヘヘ
絵里「……ねぇ、変なこと聞いてもいいかしら?」
ことり「変なこと?」
絵里「ことりってどうしていつも笑ってられるの?」
ことり「ど、どうしてって言われても……」
絵里「だってμ's全員分の衣装を作ったりたまにみんなにお菓子を作ったりしてくれるじゃない?大変じゃないかなーって思ったの」
ことり「うーん、……確かに大変なんだけどそれ以上に嬉しいからかな?」
絵里「嬉しい?」
ことり「うん。衣装を作る時はこれを着たらみんなはどれだけ輝くのかなーって考えるし」
ことり「お菓子を作る時はこれを食べて喜んでくれるかなーって考えながら作ってるんだ」
ことり「だから衣装とかお菓子とか作ってる時は大変よりも嬉しさの方が大きいからそこまで大変とは感じないのです!」
絵里「……ことりは強いのね」
ことり「え?」
絵里「私はμ'sに入る前はずっとしかめっ面ばっかりだったから分かるけど」
絵里「いつも笑顔にしてることの凄さっていうのがどれほどのものかが分かってるわ」
絵里「私にはその強さはなかったからね……」
ことり「……それは違うよ、絵里ちゃん」
絵里「……え?」
ことり「さっき言ったみたいにことりは強いから笑ってるんじゃなくて嬉しいから笑ってるんだよ」
ことり「そしてその嬉しさはみんなからもらってるの」
ことり「ことり1人じゃできないけど、みんなのおかげで笑ってられるんだと思う」
ことり「それは絵里ちゃんも同じでしょ?」
絵里「ことり……」
ことり「だから絵里ちゃんは弱くなんてないよ!」
絵里「……後輩に教えられるなんて私もまだまだね」
ことり「分かればよろしい♪さあ、ケーキ食べちゃおうか」
絵里「ええ!」
絵里(それでもね、あなたはとても強い人だと思うわ)
絵里(だから、その素敵な笑顔をいつまでも絶やさないでいてね♪)
────────
(7日目)
~~園田家~~
絵里「やっぱり海未の家って凄いわね……」
海未「おや、早いですね絵里」
絵里「時間厳守は社会人のマナーだものね!」
海未「まだ高校生でしょうに」クスッ
海未「それではどうぞ」ガラガラッ
絵里「お邪魔しまーす……」キョロキョロ
海未「そこまで警戒してもらなくても大丈夫ですよ」
絵里「いや、私の家とはだいぶ違うから緊張しちゃってね……」
海未「成程、確かに絵里の家はロシアの色が強そうですものね」
海未「さぁ、ここが私の部屋です」
絵里「やっぱり綺麗に片付けられてるわね」
海未「乱れた部屋は乱れた心に繋がりますからね」
絵里「流石海未ね」ハラショー
海未「さて、今日は絵里に作詞を一緒にしてもらいたいと思ってます」
絵里「そんな気がしてたわ……曲のテーマとかは決めてるの?」
海未「はい。ラブソングにしようと思ってます」
絵里「ラブソングかぁ……難しいわね」
海未「絵里ならと思いましたが……やはり難しいですかね」シュン
絵里「いいえ、頼まれたからには全力でやるわ!」
海未「ふふっ、ありがとうございます。絵里ならそう言ってくれると思ってました」
絵里「でもラブソングって言ってもその中でもさらにいろんな種類があるわよね……」
海未「ええ、ですので絵里のやりやすい形にしてください」
絵里「それでいいの?」
海未「はい、慣れないものなら慣れる形にして考えるのがいいですから」
絵里(なんかみんな私に合わせてくれてる感じがするわね……気を使わせちゃったかしら?)
絵里「それなら……」
~~
絵里「ここはどうしようかしら……」
海未「では、こういうフレーズはどうでしょう?」
絵里「なる程、しっくりくるわ。流石海未ね」
~~
絵里「ふぅー……なんとか終わったわね」
海未「はい、お疲れ様です」
絵里「本筋は私がほとんど決めちゃったんだけど本当に良かった?」
海未「いつも私が書いてて、たまには誰かの書いた歌詞も見てみたいと思ってましたのでありがたいくらいです」
絵里「それならいいんだけど……」
海未「良ければ見せてもらえますか?」
絵里「もちろんよ、ちゃんと書けてればいいんだけど」
海未「題名は……Angelic Angelですか」
海未「歌詞は……」
~~~
海未「なる程……」
絵里「どうだったかしら?」
海未「凄いですね……作詞の才能があるんじゃないですか?」
絵里「これに全力を出したから次はこんなにサクサク書けないわね」
海未「しかし……いい意味で絵里らしくない歌詞ですね」
絵里「そ、そうかしら?」
海未「なんというかもっとスマートな曲にすると思ってたので…どちらかというとこの曲は熱いものが強く感じられますね」
絵里「やっぱり……ダメだった?」
海未「い、いえ!珍しいというだけでむしろ歌詞としては素晴らしい出来だと思います!」
絵里「なら良かったわ」クスッ
海未「しかし、本当に絵里は凄いですね……1人で出来ないことがないような気さえしますね」
絵里「そんなことないわ……だって私は……」
海未「え?」
絵里「い、いえ、何でもないわ。そろそろ暗くなってきたし今日はこれでいいかしら?」
海未「そうですね、今日は本当にお疲れ様でした」
絵里「いえ、私も今日は楽しかったわ。それじゃあこれで」
海未「ええ、ではまた明日」
絵里「また明日ね」ガラッ
絵里「……」
────────
(8日目)
希「ごめん、待ったー?えりち」ハァハァ
絵里「いいえ、私も今来たばかりだわ」
希「えりちは優しいなぁ」アハハ
絵里「そんなことないわよ。希は自分の家で良かったのよね?」
希「うん。それじゃゆっくり行こか」
~~~~~
希「なあえりち、聞いてもええか?」
絵里「何?」
希「なんでみんなのお願いを叶えようとか言い出したんや?」
絵里「それは最初に言ったでしょ?みんなに感謝したいからって」
希「それだけやないんやろ?」
絵里「……」
希「本当のことは言ってもらえん?」
絵里「……ホント、希は何でもお見通しね」
希「カードがうちに告げてくれるからね。まあ、えりちのことならカードを見なくても分かるけど」
絵里「そんなにわかりやすかった?」
希「うん。……それで、何でこんなことやり出したん?」
絵里「……ある日ね、寝る前にふと思ったのよ」
絵里「一緒に活動する仲間がいて、こんなに毎日が充実してるけどこれも卒業したら終わっちゃうんだなぁって」
絵里「そしたら急に1人でいるのが怖くなったのよ」
絵里「もっとみんなとアイドルしたい、もっとみんなと話していたい、もっとみんなといたいって……」
絵里「そう思ったらいてもいられなくなって感謝って名目で無理矢理みんなと一緒にいる時間を作ったのよ」
絵里「結局、みんなに感謝って言っておきながら全部自分の為だったの……幻滅したでしょ?」
希「……そんなことないよ、うちも分かるもん」
絵里「でも、私は嘘をついたわ。みんなの善意を利用してね」
希「それでも、みんな喜んでたよ?」
絵里「それは、みんなが優しいから私に気を使って……」
希「そんなことをするような子達に見える?」
絵里「それは……」
希「それに、うちも嬉しいもん」
希「えりちの心の有り様がどうだとしても、えりちの感謝にみんな喜んでたのは事実だと思うな」
絵里「そうかしら……」
希「そんなに不安ならみんなに聞けばいいんよ」
絵里「え?」
希「はい、着いたよ。入ってええよ」
絵里「ええ……」ガチャ
パーンパーン
みんな「絵里(ちゃん)!誕生日おめでとー!」
絵里「え……?」
希「ふふ、驚いた?」
絵里「希、これはどういう……?」
凛「希ちゃんが提案したんだよ!絵里ちゃんの様子が変だからもしかして寂しがってるじゃないかって言って」
絵里「じゃあ希は私が寂しがってたこと分かってたの?」
希「なんとなくやけどね」
穂乃果「はい、これ誕生日プレゼント!」
絵里「ありがとう、……あら?これって一緒に見に行ったときにあったやつじゃ……」
穂乃果「あの時絵里ちゃんの好きなのを聞いてみんなでお金を出しあって買ったんだよねー!」
絵里「なる程ね……あの時メモしてたのはこれだったのね、あれ?この飾り付けってもしかして……」
花陽「そうだよ、この折り紙の飾り付けは絵里ちゃんと作ったやつだよ♪」
海未「私達からのプレゼントはこれです」
真姫「ま、プレゼントのうちに入らないと思うけどね」
絵里「これって私が海未の所で書いた曲じゃ……ってことは海未や真姫だけじゃなくて凛と一緒にやった振り付けも……」
海未「はい、作曲も作詞も振り付けも全部絵里のおかげで終わりました」
ことり「ケーキ持ってきたよー♪」
絵里「これもことりの家で一緒に作ったケーキと同じ……」
絵里「ってことは私自分で自分の誕生日の準備をしてたってこと?」
穂乃果「絵里ちゃんと何か一緒にやるならどうせなら前から考えてた絵里ちゃんの誕生日パーティの準備を絵里ちゃんに内緒でやってもらおうって話し合ったんだけど……嫌だった?」
絵里「そんなことないわ、最高の誕生日パーティよ」
凛「絵里ちゃん……」ウルウル
絵里「ど、どうしたの?凛」オロオロ
凛「凛も絵里ちゃんと別れるのは寂しいニャー!」
花陽「ダメだよ凛ちゃん、泣いたら……ウワァァァン!」
絵里「いきなりどうしたの?別れるなんて……」
凛「だって絵里ちゃんさっき卒業は寂しい……って言ってたにゃ」
絵里「希?もしかして……」
希「さっきえりちと歩いてた時に電話を通話状態にしてたんよ」ニシシ
絵里「希……」ハァ
希「でもこれでみんなにちゃんと聞けるやろ?」
絵里「そうね……」
絵里「さっきの会話を聞いてたらわかると思うけど今までみんなに感謝と言ってやってきたことは私の自分勝手でやったことだったの」
絵里「本当に、ごめんなさい。みんなの善意を裏切るようなことをして……」
にこ「はぁ……あんたそれ本気で言ってんの?」
絵里「……え?」
ことり「ことりは絵里ちゃんと一緒にケーキ作れて楽しかったな♪」
真姫「まあ、たまには悪くないと思ったわ/////」クルクル
凛「凛も、絵里ちゃんと踊れて楽しかったにゃー!」
絵里「……どうして?どうしてみんな幻滅しないの?私はただの自分勝手でこれを始めただけなのに」
希「そんなの決まってるやん、みんなえりちが大好きなんや」
希「寂しくなるのは当たり前やよ、それを紛らわそうとするのにみんなとたくさん一緒にいることのどこが悪いん?」
希「うちらみんな、そんなさみしやがりな所も含めて全部のえりちが好きなんよ」
穂乃果「穂乃果だって、絵里ちゃんとお別れするのは寂しいよ、だからこそこれからもっともっと一緒に楽しいことをしていこうよ!」
にこ「しょーがないからにこもあんたともうちょっとだけ付き合ってあげるわよ」
真姫「さっきの通話聞いて泣いてたくせに何言ってるのかしら」
にこ「ちょっと、余計なこと言わないでよ!/////」
絵里「みんな……それで、いいの?こんな私でもみんなともっと一緒にいてもいいの?」
海未「まだ絵里から教えて欲しいこともたくさんありますので、私のほうからもお願いしたいですね」クスッ
ことり「ことりももっと絵里ちゃんとお出かけとかしてみたいな!」
凛「凛の方が先に絵里ちゃんとお出かけするんだにゃー!」
花陽「これは凛ちゃんにも譲れないよ!私だって絵里ちゃんともっともっと仲良くなりたいんだから!」
絵里「みんな、本当にありがとう……」グスッ
にこ「今日の主役が何泣いてんのよ、あんたが泣いてちゃ始まらないでしょ?」
絵里「ふふっ流石にこね、その通りだわ」グスッ
絵里「みんな、本当にありがとう。今日だけじゃなくて今までのことも全部含めてね」
絵里「この通り私はみんなが思ってくれてた凄い人でもなんでもなく、泣き虫で弱い人間だけどそれでもこれからも私と一緒にいてくれるかしら?」
全員「もちろん!」
絵里「……本当にありがとう、みんな。こんなに素晴らしいパーティにこんなに素晴らしい仲間がいて私は幸せ者だわ」
絵里「今日は最高のパーティにしましょう!」
全員「おーっ!」
絵里(全く……お願いを叶えたつもりが逆に私のお願いを叶えてもらったわね)フフッ
絵里(寂しがりやの私はいなくならないけど、今日だけはそんな私を忘れられそうだわ)
絵里(大好きよ、みんな。これからもずっとよろしくね♪)クスッ
これにて終わりです。
絵里ちゃんの誕生日に合わせて書くつもりでしたが間に合わず、本当に申し訳ございません。
Aqoursの方ではよしルビでシリーズものを書いているのですがμ'sでは初だったのでとても楽しかったです。これからも誕生日の時やネタが思いついたら書いていきたいと思います。
それでは読んでくれた方、ありがとうございました。
最後に。絵里ちゃん、誕生日おめでとう!
おつ
ほっこりした
ほのかわいい
>>62
みなみけに異様なこだわりを感じる
微妙
乙
すごく良かった
設定や口調がちょっとあれ?って思うところもあったけど良かったよ
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