星輝子「しょーこ・おぶ・ざ・でっど」 (73)


幸子『キノコ狩りに行ってきたんですか?』

輝子「あ、ああ、……今回はすごいぞ……! 私も実際に見るのが初めてな貴重なキノコが採れた……! 新しいトモダチだ……フヒヒ……」

幸子『そ、そうですか……まぁ輝子さんが満足ならいいんですけど……明日には日本に着くのでそのときに見せてくださいね!』

輝子「おお……! 幸子ちゃんもキノコに興味を持ってくれるのか……! さすがトモダチだ……し、しかし……また、海外か……こ、今回は、何の撮影……?」

幸子『フフーンよくぞ聞いてくれました! テキサスで【カワイイボクとチェーンソーの達人】という企画で』

響子「輝子ちゃーん、ごはん出来たよー!」

輝子「あ、はい、今行きますよー……それじゃ幸子ちゃん、ま、また明日……」

幸子『あっ、ちょ、輝子さ』ピッ

フヒー、キョウノゴハンハ…… 

キノコナベダヨー!

ノォォォォォーーーーーッッッ!

……



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翌日

幸子「やっと帰ってきましたよ!いやーまさかチェーンソーの達人が皮のマスクで登場とは思いませんでしたが……」ガッ

幸子「……?なんで事務所に鍵がかかってるんですかね。合鍵持ってるから入れますけど……」


幸子「おはようございます! カワイイボクが帰ってきましたよ!」フフーン!

シーン

幸子「おはようございまーす! おはようございますってばー! ……おかしいですね」

もぞもぞ

幸子「ヒィッ!? な、なんだ、机の下にいるじゃないですか!乃々さん!」

幸子「ほら!カワイイボクが帰ってきました……よ……」

乃々?「フヒー」

幸子「の、乃々さん?な、なんだか様子が……頭にキノコ生えてますよ!?」

乃々?「フ、フヒ、ヒャアアアアア!」ぐばぁぁぁ!

幸子「フギャーーーッ!? な、何するんですかぁ!」

乃々?「フ、ヒャアア!」ググ……

幸子「は、離してくださ……!」ググ……


P「させるか!」ガッ

乃々?「フヒャッ!?」

P「小梅! 今だ!」

小梅「う、うん……!」キノコブチー

乃々?「ギャッ! フヒ……」バタッ

P「無事か、幸子!? 噛まれてないな!?」

幸子「え、ええ、大丈夫ですが……乃々さんはどうしちゃったんですか! きゅ、救急車を……」

小梅「だ、大丈夫……!」

輝子「き、気絶してるだけ……」

幸子「ど、どどどっどどういう……!?」

P「落ち着け、何が起こったのか教えてやるから。」


幸子「ハッ、そ、そうですよ! 早く状況を説明してください! ドッキリですか!? ドッキリですね!?」

P「いや違うけど」

幸子「なおさら厄介!」

小梅「ま、まずね……その、倒れてる乃々ちゃん、よく見て」

幸子「えっと、頭にキノコが生えて様子がおかしかった乃々さん……?」

輝子「ま、間違いなく……ボノノちゃんだ……」

幸子「なにがどうなってるんですか!?」


輝子「それはだな…… 昨日、電話で珍しいキノコが採れたって話、した、よね?」

幸子「そ、そうですね……今日見せるって話を確かに……」

輝子「食用じゃ、ないんだけど……そのキノコ……メッチャナカマフヤスタケが……」

幸子「キノコの名前」

小梅「女子寮のごはんに混ざっちゃって……」

幸子「混ざっちゃって」

P「で、食べた子はみんな頭にキノコが生えちゃって」

幸子「頭に生えちゃって」

輝子「ああなっちゃった」

乃々「」チーン


幸子「意味が分かりませんよ!」

小梅「わ、わかって…」

幸子「強引! というか、輝子さんも小梅さんも何で無事なんですか! 食べたんですよね、そのキノコ!」

輝子「メッチャナカマフヤスタケな」

幸子「メッチャナカマフヤスタケ!!」

P「俺はそもそも女子寮にいないし」

小梅「え、映画見てたら……ごはんの時間過ぎちゃって…… で、でも、こんな、ゾンビ映画の世界になって、嬉しい……! えへへ……」

輝子「た、食べたら最初に触った人の性格になってしまうキノコだからな……私は無事だ……お、おいしかった……」

小梅「ゾンビだけど……輝子ちゃんらしさも兼ね備えてる……」

幸子「事の重大さわかってます?」

P「まぁとにかく今のところ大丈夫だ。あの輝子ゾンビを外に出さなければ問題はない。」

幸子「そ、そうですか……とにかく対策を考えましょう! キノコを引っこ抜けば気絶させられるんですね?」


小梅「そ、そうだよ……で、でも……」

輝子「しばらくしたら、ふ、復活する……フヒ……根強い……」

小梅「そういうところも、しっかりゾンビ……! すごい……!」

幸子「厄介ですね……」

P「キノコちぎれば即無力化だけどな」

小梅「噛まれても、輝子ちゃんゾンビになっちゃうから、気をつけてね……」

幸子「危険なんだかそうでもないんだか」

輝子「あっ。……あの……」

幸子「で、本当に大丈夫なんですか?」

P「食料とかはまだあるしな。籠城には困らんよ」


幸子「まさかゾンビ映画もびっくりなことになってるとはさすがのカワイイボクでもわかりませんでしたよ」

小梅「あ、足止めの方法がわかってるだけでも十分……」

輝子「そ、その……」

P「治るのかな……」

小梅「ま、まだ生きてるから……治す方法も、あるはず……」

輝子「話を聞けェェェェェ!」

幸子「うわぁ! なんですか急に!」

輝子「あ、ご、ごめん……で、でも聞きたいことがあって……」

幸子「なんですか? 治す方法とか籠城の作戦とか色々考えなきゃいけないんですから! 早く言ってくださいよ! そもそもみなさん危機感が無さ過ぎるんです! もっと現状を真剣に考えてくださいよ! でもボクが来たからにはもう安心ですよ! なんてったってボクはカワイイですからね!」フフーン!

輝子「さ、幸子ちゃん、事務所に入ってきたってことは、鍵開けたんだよね……?」

幸子「当たり前じゃないですか! まぁ? カワイイボクは合鍵をちゃんと持ってるんでちゃんと入れましたよ!」フフーン!!




輝子「入ったあと、鍵、かけた?」

幸子「あっ」




ガシャーン! ワー!キャー!フヒィィィ!




P「外に出ちゃったな。」

輝子「み、みんなキノコ生えてる……へ、変なの……フフ……」

小梅「うわぁ……パニックだ……! すごい……! すごい……!」ピョンピョン

幸子「ど、どどどどどうするんですか! 輝子さんゾンビ外に出ちゃったじゃないですか!」

P「幸子のせいじゃね?」

幸子「ごもっともですが!落ち着きすぎだって言ってるんですよ!」

輝子「あ、あの……輝子ゾンビって……な、なんか、イヤだから……名前変えて……」

幸子「ここでそれ言います!?」

小梅「じゃあ……キノンビ」

幸子「キノンビ!?」

輝子「さ、採用……」

幸子「採用ぉ!?」


P「さて、あのキノンビたちどうすっかな」

幸子「はっ! そ、外に輝子さんゾンビ溢れてるんでs 輝子「キノンビな」 キノンビが溢れてるんですけど! ど、どうするんですか!」

P「だから落ち着けっての」

小梅「あ、待って……ゾンビ映画とかだと……そろそろ……」

もりくぼ「フヒャー」

小梅「ゾ、ゾンビが復活する……!」

幸子「フギャーーーーーーッ!!!」

P「逃げるぞ!走れ!」ダッ

輝子「に、逃げるって、どこに逃げるんだ……?」

P「車でとにかくここから遠くだ!」

小梅「わぁ……! 鉄板だ……! やったぁ……!」

幸子「小梅さんはもっと緊張感持って!」


ダダダダダ

「フヒ―」
         「フヒー」
「フヒー」 

幸子「ふ、増えてませんか!?」

小梅「あ、あちこちに隠れてたのかな……」

輝子「は、はやく駐車場に、行かなきゃ……」

P「早く乗れ!乗ったな、よし!」ブルルルル……プスン

小梅「こ、これは……!」

P「畜生、かかれ、かかれってんだよ!」ブルルルル……ブオオン!

小梅「あっ」

P「あっ」



小梅「はぁ……」ショボーン

P「……」カチッ プスン

P「……かかれってんだよ!」ブルルルル

幸子「一回エンジンかかりましたよね!?なんで切ったんですか!!」

P「いや、あんなにすぐかかっちゃ気分出ないし」

幸子「無駄なエンターテイメント精神捨ててくださいよ!」

輝子「で、でも……小梅ちゃんが……」

幸子「小梅さんが?」

小梅「お約束だ……!お約束のアレだ……!」ブンブンピョンピョン

幸子(めっちゃ喜んでる)

P「じゃ車出すぞー。キノンビたち体力もみんな輝子レベルだからな。全然追いかけてこなくて張り合いがない」

小梅「そ、そこが残念だけど……ゆっくりしたゾンビも…良いよね…!」

幸子「異常事態だってことわかってます?」

ブロロロロ……


輝子「うわぁ……き、キノコがいっぱい……へ、変な感じ……」

P「いろんな恰好のゾンビいっぱいで面白いな」

幸子(どのゾン……キノンビもなんとなく雰囲気が輝子さんっぽい……気がします)

幸子「で、これからどこに逃げるんですか? 事務所に戻ります?」

P「何言ってるんだ!」

小梅「こ、こうなったら、行先は一つ……!」

輝子「あ、あそこしか、考えられないな……!」

幸子「あ、安全な場所があるんですか! ど、どこですか!?」




小梅輝子P「「「ショッピングモール」」」

幸子「…………は?」

P「いやこうなったらもうそこしかないだろ」

輝子「スーパーから食料、スポーツ店とホームセンターから武器……フフ……」

小梅「ぞ、ゾンビものなら、ここ……! 絶対……!」

幸子「わ、わかりましたよ! じゃ行きましょう!」


ショッピングモール

P「な、なんだこりゃ?キノンビがいっぱいじゃないか」

小梅「ぜ、全員倒れてるけど…」

幸子「ここもそんなに安全じゃないようですね」

輝子「もしかして、な、中にもいるのか……」

「止まりなさい!」

幸子「!? だ、誰ですか!!」

輝子「あ、怪しいものじゃ、ないよ……?」

幸子「そ、そうですよ! 話を聞いてください!」

小梅「あ、あれ……? ま、待って……」

「あら、あなたたちだったの」

P「何してるんだ? 奏」

幸子「へ?奏さん?」

奏「ごめんなさいね。状況が状況だから」

幸子「それはいいんですけど……」


奏(ホッケーマスク+剣道の胴+金属バット装備)

幸子「なんですかその恰好は!」

奏「知らないの? ゾンビが出たらショッピングモールで装備を整えるものよ」

幸子「これだから映画ファンは!!」

小梅「わかる」

幸子「小梅さん!?」

P「奏、お前だけなのか?」

奏「いいえ? Lippsのメンバーが全員いるわよ。案内してあげる」


美嘉「プロデューサー! 無事だったんだ! それにみんなも!」

奏「でもPさんたち、確か事務所にいたわよね。どうして出てきちゃったの?」

P「それがなぁ~? 幸子がなぁ~? 帰ってきて早々やらかしてなぁ~?」

幸子「ボ、ボクのせいみたいに言わないでくださいよ!」

小梅「ま、まぁまぁ……」

奏「どちらにしたってここなら安全よ。お約束の場所だもの。」

P「……奏、なんかテンション高くね?」

美嘉「あ、わかる? でもちょっと大人しくなってきたほうだよ」
P「あれでか」

美嘉「工具売り場とスポーツ用品店で装備探してるときなんてもっとすごかったよ」

P「ちょっと見たかったその奏」


幸子「ここにはLippsのみなさんがいるんですよね?他のみなさんは?」

美嘉「……それ聞いちゃう?」

幸子「えっ」

美嘉「志希はフレデリカと一緒に『探索だ―!』って飛び出してどっか行っちゃって……」

輝子「周子さんは……?」

奏「ここよ」ガラッ

周子キノンビ「フヒー」

幸子「感染してる!!」

P「うわっ、キノコ生えた周子が縛られてる。面白っ」カシャッ

美嘉(何してんのこの人)

輝子「危なくない…のかな…?キノコとったほうが…」

美嘉「アタシもいったんだけどさぁ……」


奏「えっ……!? 私に、友達を殺せというの!?そんなこと出来ないわ!」

P「そこまで言ってないよ」

奏「まだ、まだ治る方法が見つかってないだけでこの子たちは人間よ!」

美嘉「ずっとこの調子なのよね。キノコ引っこ抜くだけなのに」

輝子「こ、これ、わかった。あれだな……」

小梅「身内にだけダダ甘で後々めんどくさいことになるパターンだ……!!」ピョンピョン

幸子「大丈夫なんですかね」

P「大丈夫かな」

小梅「ここ、ショッピングセンターだし……」

・・・・・・

フレデリカ「わお!すごいすごい!外が変なのでいっぱいだ!」

志希「にゃははー!圧巻の光景―!」

フレデリカ「キノコだらけだー!キノコの山だー!森永って感じー!」

志希「それを言うなら明治でなくって?」

フレデリカ「あらいやだ、今は平成ですわよ?」

志希「お外はパニック戦時中って感じだけどねー」

フレデリカ「もうちょっと近くで見てみたい!」

志希「危ないからだめー」

フレデリカ「えーケチンボー」

志希「でも志希ちゃん優しいからドアあけちゃうー」

フレデリカ「そういうとこすきー!」

志希「近くに森永いないし大丈夫っぽいかなー?」ガチャッ

ガッ

「フヒー」

しきふれ「「あっ」」


・・・・・・

P「せっかくだから俺たちも装備整えたいよね」

輝子「おぉ……本格的……」

小梅「奏さんみたいなホッケーマスク……あるかな……」

幸子「動きづらくなるだけだと思いますよ」

美嘉「奏もいいかげんそれ脱いだらどう?」

奏(ホッケーマスク+剣道の胴+金属バット装備)「イヤよ」

美嘉「ええ……?」

ドドドドドド

全員「?」


しきふれ「「やっちゃったあああああああ!!!」

全員「???」

志希「は、入ってきちゃった! ごめんなさい!!」

フレデリカ「ちょっと開けるだけのつもりだったの!! ごめんなさい!!」

美嘉「は、入ってきたって……」

幸子「まま、まさか……!」

志希「そのまさか!」

フレデリカ「まさかまさかだよ!」




しきふれ「「森永が!!」」

P「誰だよ」


フレデリカ「ああ、もう来た!あれ!あれだよ!森永だよ見て!!」

「フヒー」 「フヒー」
   「フヒー」

P「森永ーッ!」

輝子「キノンビな」

P「キノンビーッ!」

幸子「言ってる場合ですか!? 逃げますよ!!」

小梅「周子さん……フラグじゃなかった……ミスリード……」

幸子「だからぁ!!」

美嘉「何してのあんたたち!」

奏「こっちよ!」

P「ほら行くぞ!」


幸子「ふぁ、ファッションのお店!?なんでこんなところに逃げるんですか!!」

奏「いいから伏せて!」


「フヒャッ!?」 

「ヒィッ!」

「フヒー……」

ウロウロ……

小梅「き、キノンビが…」

P「来ない?」

美嘉「そうなの。何故かこっちのほう来ないんだよね」

輝子「あー……わかったかも……」

小梅「輝子ちゃん?」



輝子「メッチャナカマフヤスタケはな……最初に触った人の性格を覚えるんだ……」

幸子「だからフヒーフヒー言ってるんですよね」

小梅「あ、そっか……!輝子ちゃんの性格になるキノコが生えてるから……!」

輝子「わたしの苦手なものは……あいつらも苦手なんだろうな……」ガクガクガクガク

P「いかん。輝子がオシャレリア充アレルギーを起こしている」

幸子「そこまで嫌なんですか!?」

P「だがこれは使えるかもしれん。みんな耳貸せ」

ゴニョゴニョ……


「フヒー」 
   「フヒー」

「いらっしゃいませー!」

「フヒー……?」

美嘉「本日は何をお探しですかー? ただいまセール中ですよー!」

「フヒャッ……!?!?!?」

奏「あら、遠慮しなくていいのよ? ちゃーんとご案内しますからね?」

「フヒィッ……!?」ガクガクガクガク

P「よし、さすがカリスマ。効いてる効いてる」

小梅「ファッション店員のリア充対応作戦、上手く言ったね……!」

幸子「アレ、輝子さんそんなに嫌なんですか?」

輝子「お、おお……な、なんて恐ろしい作戦……! 耐えられない……!」

幸子「そんなに?」

美嘉「こちらご覧くださーい!これからの季節に備えてアウターから……」

奏「化粧品も見てって?ここのブランドのアイブロウがね……」

P「しっかしあいつらノリノリだな。こういう仕事持ってくるか」

幸子「この事態解決してからにしてください」

輝子「あ、見て……」


「フ、フヒャー……」ぱたん

小梅「効果てきめんだね……」

輝子「ああっ……!あいつはよく耐えた……!リア充カリスマオーラは辛かったろう……」

幸子「解決の糸口見えてきましたよ!」

P「そういや志希とフレデリカは?」


志希「これ似合いそうじゃない?着せて見よっか!」

フレデリカ「おーいいね!んじゃこっちの靴も似合うんじゃない!履かせちゃえー!」

「フヒッフヒィッ…!」

幸子(キノンビいじめられてる)

小梅「すごい……完全におもちゃにされてる……」

輝子「お、恐ろしい……!あんなことされたら……私ならすぐ叫んでしまうぞ……!」

小梅「……叫ぶ?」

P「それマズくない?輝子と大体同じってことはさ……」


「フ、ヒ、……」

しきふれ「「ん?」」

「ヒャッハァァァァァーーーーッ!!!!」ガブッ

フレデリカ「えっ、やだ、キャー!!」

志希「フレちゃーん!」

P「うわっ、何だ!?」

幸子「あ、まずいですPさん!他のキノンビたちも……!」

「「「「「「ヒャッハァァァーーーーッ!!!」」」

小梅「共鳴してる……!?」

志希「ふ、フレちゃん!しっかりして!」

フレデリカ「う、うーん……最期に……言いたいことが……!」

志希「な、何?」

フレデリカ「いい……?どんなときがあっても、忘れないで……!」

志希「う、うん……!」


フレデリカ「森永と言ったら……」



フレデリカ「ルマン、ド…」ガクッ



志希「それブルボンだよフレちゃーーーーん!!」

フレデリカ「ガブッ」

志希「あっ」

幸子「何してるんですか!?」

奏「Pさん! こいつらもう話聞く気ないわよ! 作戦失敗ね」

小梅「み、美嘉さんは……!?」

輝子「あ、あそこだ……!」

美嘉「フ、フヒヒ……!」

P「噛まれてすぐだからまだキノンビになりかけだな……」

輝子「おお……カリスマキノコ……」

小梅「撮っちゃえ」カシャッ

幸子「何度目ですか!! また逃げますよ!! 車に戻りましょう!」

P「あ、ああ、そうだな」


ダダダダ…

「「「ヒャッハァァァーーー!!!」」」ダダダダ!

輝子「は、走ってくる……!?」

幸子「歩くタイプゾンビじゃなかったんですか!?」

小梅「ヒャッハァーすると、走るタイプになるんだ……!二度おいしい……!」

幸子「お、追いかけられると怖いんですけど!」

「フヒィィィィーー!」

P(……あれ?)

P(まてよ、なぜ俺は逃げているんだ……?)

P(噛まれて本当のくさった死体的ゾンビになるわけじゃない)

P(噛まれたら輝子の性格になるんだよな……)

P(輝子の性格になるということは精神面は輝子になれるってこと……お得じゃん)

P(しかも連中はみんなほぼ輝子。てことは輝子に噛まれることとほぼ同じだよな)

P(輝子に噛まれたい……噛まれたくない?)


P「みんな!ここは俺が時間を稼ぐ!!だから先に行け!!」

幸子「プロデューサーさん!?」

P「なに、あとで必ず追いかける!だから先に行け!」

輝子「し、親友……!だ、だめd むぐっ」

小梅「み、みんな、逃げよう……!」

幸子「で、でも……」

P「いいから行けぇっ!」

幸子「…!か、必ずですよ!?必ず来てくださいよ!?」

P「ああ!」

ダダダダダ

「ヒャッハァァー!!」「フヒィィー!」

P「さて……かかってこいや輝子たちぃっ!ひゃっほう!!」

エ、ソンナトコカムノ!? ンアーーーーッ!!!

・・・・・・


幸子「こ、これからどうしましょう!?」

小梅「もう、車がつかえない……!」

輝子「あ、待ってちょっとバテた」ゼヒューッ ゼヒューッ

幸子「体力の無さ!」

小梅「と、とにかくPさんが時間を稼いでる間に通路のシャッターを……!」

ガシャーンッ!

幸子「おお!」

輝子「と、閉じ込めた……!」

小梅「こ、このまま出口に急ごう……!」

幸子「はい! もう後ろは気にしなくても平気ですね!」

ガン!! ゴン!!

輝子「うおっ!?も、もう来たのか……!」

幸子「フフーン!いくら何でも素手では無理ですよ!」

輝子「……あれ?そういえば奏さんは……?」

小梅「……」

幸子「……」


ガン!ゴン!

……ヴィィィィィィィン!!ガリガリガリガリ

小梅「た、たぶん、別のほうに逃げたんじゃない、かな……?」

輝子「あ、ああ……あんな完全武装してたんだ……きっと逃げる当てもあった、はず……」

幸子「あ、あの、それも大事なんですけど明らかにすごい音が……」

ヴィーーーン!!ガリガリ…… バキッ!

奏「フヒャッハァーーー!!」

幸子「フギャーーーーーッ!!!」

輝子「ホ、ホッケーマスクにチェーンソーって……!ガチすぎる……!」

小梅「待って、チェーンソーは悪魔のいけにえでホッケーマスクは13日の金曜日、あの登場の仕方はシャイニングだから。全部名作だけどごちゃまぜにするのはダメ。ダメなの」

輝子「いつになく饒舌」

幸子「い、今それどころじゃありませんよ!?ちぇ、チェーンソー持ってるんですから!」

輝子「ゾ、ゾンビ側がチェーンソー持つって、そ、それずるいんじゃ……?」

小梅「確かに……あれは私たちが持たなきゃ、らしくない……!」

幸子「らしさとか今いりませんって!!走って!!」


ダダダダ……

「「「「ヒャッハアーーー!!!」」」」

幸子「う、うわあああ!!走って来られるとめっちゃ怖いんですけど!怖いんですけど!!」

小梅「の、乃々ちゃんのキャラとっちゃダメ……!」

幸子「怖いものは怖いんですけど!帰りたいんですけど!」

輝子「ゼヒューッ!ゼヒューッ!そ、それ以上は、ハァッだ、ダメd ウェッホ!ゲェッホ!」

幸子「バッテバテじゃないですか!!」

小梅「も、もうすぐ最初の駐車場に……!」

ガチャッ!

「「「「「「ヒャッハァーーー!!」」」」」

幸子「復活してるーーーーーー!?」

輝子「さ、さすがにマズイぞ……!」

小梅「ど、どうしよう……!!」


「フヒー」     「ヒャッハァー」
「フヒー」  「フヒー」
 「ヒャッハァー」

輝子「か、囲まれた……!」

小梅「ぞ、ゾンビも悪くないけど……ま、まだ早い……」

幸子「も、もうだめです……!ボクのカワイさを持ってしても!!」


?「おいおい情けねー声出してんじゃねーぞ!」

パァン!パンパァン!!

「フヒャッ!?」 「ヒャーッ!!」

?「頭頂部に命中!であります!」

幸子「き、キノコだけ狙って……!?」

?「今、助けてやるからな!」

?「とっとと逃げちゃいたい的な~?」

輝子「こ、この声は……!」

?「大丈夫か、小梅?」

小梅「あ、ああっ……!」


ドッドッドッドッドッド!

Boom!Boom!

カッ!



「「「「「炎陣、推参!!」」」」」



輝子「か、かっこいい……!!」

小梅「さ、最高のタイミング……!!」

拓海「よっしゃあ!とっととキノコどもを蹴散らしちまおうぜ!!」

夏樹「応ッ!!」

涼「もうちょっとだけ待っててくれよ、小梅!!」

里奈「援護は任せてほしいぽよー」

亜季「狙い撃つであります!!」

小梅「た、頼もしい……!」


輝子「おお……バッサバッサ倒れてく……」

幸子「……あれ?ちょっと待ってください」

小梅「どう、したの……?」

幸子「炎陣って五人だけですよね?なんかもう一人声が聞こえたような……」

小梅「ま、まさか……幸子ちゃんにも、あの子の声が……?」

幸子「ジャンル変わっちゃうじゃないですか!!キノンビパニックでいっぱいいっぱいなのに!」

輝子「ま、まさか……幸子ちゃんにも、キノコの声が……?」

幸子「言葉が分かればとっくに停戦条約の交渉してますよ」

小梅「交渉人幸子……」

幸子「まぁカワイイボクの声ならどんな相手も黙らせますよ!」

輝子「黙らせるのか……」


?「おーい!」

幸子「あ、ほらまた!」

輝子「だ、黙らせてないね……」

幸子「い、今はしょうがないでしょう!?」

?「こっち!こっちだってー!」

小梅「あ、あれ……!」

李衣菜「いま助けるよー!」タッタッタ

夏樹「あっ!おい今出るんじゃない!」

李衣菜「へっ?」

「ガブッ」

李衣菜「あ痛っ」

小梅「あっ噛まれた」

輝子「あっ頭にキノコ生えてきた」

幸子「あっヒャッハーした」

小梅「そのまま拓海さんにしばかれてる……」

輝子「倒れたな」

幸子「何がしたかったんでしょう……」

・・・・・・


亜季「報告!生存者3名の救助に成功!負傷者なし!戦闘不能1であります!」

夏樹「いや戦闘不能っていうか」

拓海「ほんとに何がしたかったんだか」

里奈「でもでもー? あのでっかいライト持ってきてくれたしー?」

涼「強い光が効くってわかったのもあいつのおかげだしな」

幸子「助けてくれてありがとうございました! もうダメかと思いましたよ!」

拓海「いいってことよ! ここはもうダメそうだしとっとと行こうぜ! 乗れ!」

小梅「ど、どうしてここがわかったの……?」

亜季「やっぱりゾンビと言えば」

涼「ショッピングモールだろ!!」

小梅「……ふふっ」

涼「へへっ!」

幸子「早く行きましょう! まだ追いかけてくるかもしれません!」

亜季「おっと、そうでありますな!長居は無用であります!」


涼「ほら後ろ乗って」

小梅「うん……」

夏樹「輝子はこっちだな」

輝子「よ、よろしく……」

拓海「早く行こうぜ幸子!」

幸子「はい! でもすごいですね、みなさんバイクなんて!」

里奈「アタシ原付だけどねー」

小梅「涼さん……いつ免許とったの……?」

涼「……」

小梅「涼さん? ねえ、涼さん? あれ?」


ブロロロロ……

拓海「しっかしどこに行ったら安全か……」

里奈「どこもかしこもキノコっちゃんだらけでまぢヤバなんだけどー」

亜季「一掃する手段でもないと厳しいでしょう……」

夏樹「あのキノコに弱点とかないのか、輝子?」

輝子「な、ないことも、ない」

拓海「本当か!」

幸子「えっ、あるんですか!?」

輝子「ああ……メッチャナカマフヤスタケはもともと枯れ木にしか生えないキノコ……」

涼「メッチャナカマフヤスタケ」

夏樹「なんだそれ」

幸子「あの変なキノコの名前です」

小梅「輝子ちゃんが持ってきたキノコ食べたら……ああなっちゃって……」

拓海「はあ!? じゃあ原因は輝子ってことか!?」

輝子「ご、ごめんなさい…… ここまで大事件になるとは……」

里奈「まーまー! なっちゃったもんはしょーがないしー」

幸子「そうです! 事故みたいなものですよ! 気に病むことありません!」

涼「で、枯れ木にしか生えないからどうなんだ?」


輝子「う、うん……そもそも人間のアタマに生える理由は、活動範囲を広げるため……人間をただの手足として使うためなんだ……」

小梅「手足?」

輝子「外敵をよけたり縄張りを知らせたりするためだな……ロボ的に言うと……ファンネルみたいな……ロボ知らないけど」

拓海「キノコ知識はいいから退治方法を教えろよ!」

輝子「ご、ごめん…… 枯れ木にしか生えないから、人間に生えてるキノコはただのコピーみたいなものって、言いたかったんだ……」

亜季「コピーというと……?」

輝子「コピーを操って、キノンビを増やし……勢力を広げ、じわじわと地に広がる……それがメッチャナカマフヤスタケ……」

夏樹「待ってくれ。いま「コピーを操って」って言ったな?」

里奈「んんん? あの頭に生えてんのが直接操ってるんじゃないの?」

亜季「わかりました! 人の頭に生えてるキノコはいわば受信機のようなものでありますな!」

小梅「じゃ、じゃあ……受信キノコに命令する、送信キノコがいる……?」

輝子「そ、そう……たぶん、き、キノンビを操っているのは、オリジナル……! わ、私が最初に持ってきた、原木……!」

涼「ってことは……」

小梅「そ、その原木を燃やすか切るかしちゃえば……!」

幸子「解決ってことですね!」


輝子「お、オリジナルがなくなれば、操りようがないし…… キノンビも大人しくなる……はず」

拓海「よしわかった! 的が一個だけってのは簡単でいいなぁ!」

里奈「んでんでー。そのー原木? ってーどこ?」

輝子「じょ、女子寮の、キッチン……!」

亜季「目標!女子寮!全速前進であります!」

涼「応っ!」

小梅「涼さん、ほんとに免許持ってる……よね? ね?……目そらさないで?」


・・・・・

幸子「あっ! 女子寮が見えてきましたよ!」

小梅「中……うわぁ、やっぱりいっぱいいるね……」

亜季「どこから潜入しますか!?」

拓海「おいおい野暮なこと聞くなよ」

涼「おい、何する気だ! おい!」

夏樹「ロックでいいねえ!」

幸子「えっ、なんでブレーキ使わないんですか!? ちょっと! ぶつかります! ぶつかる!」

ガッシャーーーーーーン!!

拓海「正面突破しかねえだろ!!」

輝子「ヒャッハァーーーーー!! 最ッ高だぜェー!!」


「フヒー」
     「フヒ?」  「フヒ」
「フヒヒ……」
「ヒャッハァーー!!」 「ヒャッハァー!」

里奈「みんな速いってばー! うわー、女子寮全滅ぽよー。まぢ萎えー」

幸子「ど、ど、どうするんですか!?」

拓海「このまま原木とやらを探しに突っ込む! いくぞ輝子!」

輝子「お、おお……!」

亜季「後方支援は任せてください! 小梅殿! 弾持ってこい! であります!」

小梅「あ、アパムみたいな……」

涼「突っ切るには数が多すぎる! アタシらで囮になろう!」

夏樹「たしかあいつらって輝子の性格になってるんだよな? だったら!」

ギュギュイィーン!ジャーン!

夏樹「即興ライブといこうか! モッシュもダイブも歓迎するぜ!」

「フヒ?」 「ヒャッハァー」 「フヒィィィ!」

涼「来た来た……!」

里奈「アタシたちどーしよっか?」

幸子「あのでっかい照明つけてひるませたりしながら身を守りましょう!」

里奈「おっけー!」


・・・・・・

拓海「いい感じにバラけてるじゃねえか! 進みやすいぜ!」

「ヒャッハァー!」

拓海「おっと、このっ!」ブチッ

輝子「おお……拓海さん、強い……」

拓海「へへっ、そうだろ? ガンガンいこうぜ! とにかく原木さえ取っちまえばこっちのもんだ!」

輝子「なんとか、なるはず……あ、新しいトモダチだけど、こんなことになっちゃったから、しょうがない……」

拓海「キノコなんて山にでも行けばたくさん生えてるだろ。それよりキッチンにあるんだよな!」

輝子「そ、そのはず……鍋にしたから……あっ、待って! 誰かいる……!」

拓海「ん?」

響子「フ、フヒヒヒヒヒ……」

輝子(なんかめっちゃニヤついてる)

輝子「……あっ、響子ちゃん、原木抱えてる……」

拓海「よし、とっととぶん捕っちまおう」

輝子「き、気を付けて……!」

拓海「おうよ! アタシを誰だと思ってんだ!」


響子「フヒ?」

拓海「その原木よこせ!」ブンッ

響子「フッヒャァ!」ヒョイッ

輝子「よ、避けられた!?」

拓海「チッ、こんのっ! ちょこまかすんなっ!よこせ!!」ブンッブンッ

響子「フヒッ、ヒッ! ヒャッハァァァーーー!」キラッ

輝子「あ、危ないっ! ほ、包丁持ってる!」

響子「ヒャッハァァーー!」

拓海「ぬぅおおおっ!?」バッ

響子「ヒ、ヒヒヒ……」

拓海「あ、あっぶねえな! 正気に戻ったら覚えてろよ!」

輝子「が、がんばれー……!」

拓海「割とのん気だなおい! うわっ! ちっとは加減しろよ! というか素人が刃物振り回すな!」

響子「ヒャッハァァァアーー!!」


・・・・・・

ジャジャーーーン……

涼「ふうっ……結構な数がこっちによって来たな! よしこのままキノコをもぎ取って……」

夏樹「盛り上がってるかーーーーい!!」

「「「「「ヒャッハァァーーーー!!!!!」」」」」

涼「えっ」

夏樹「まだまだ暴れ足りないよなぁ!!!」

「「「「「ヒャッハァァァーーー!!!」」」」」

夏樹「よーし! だったら次の曲いこうか!!!」

「「「「ヒャッハァァァアアアアア!!!」」」」」

涼「いや続けるなよ! 少しでもあいつらの数減らしたほうが……ああもうっ!」

イェーーーイ!!

ヒャッハァァァーーー!!!

・・・・・・・

里奈「こっち、全然こないねー」

幸子「そうですね……みんな夏樹さんとか輝子さんのほうに集まってますね」

里奈「ライトのバッテリー切れちゃったねー」

幸子「そうですね……もともと少なかったのかも知れませんが」

里奈「……ひまぽよー」

幸子「この状況で言います!? そういうこと!」

里奈「だってぇー! こっち誰もいないしー!」

幸子「いざというときの逃げ道確保とかしましょうよ!」

里奈「あ、そーだ! 幸子ちゃん前にギャルメイクしてたっしょ! もっかいやろ!」

幸子「今言います!? この状況で!?」

里奈「えー? でもさっちゃんのギャルメイク可愛いのにー! みたいなー!」

幸子「……」

里奈「だめー?」

幸子「しょぉぉーーーがないですねー! なにせボクはカワイイですから! 色々な姿を見て見たくなる気持ちもわかりますよ! ちょっとだけなら許してあげますよ!」

里奈(ちょろっ)


・・・・・・

タタタタッ

「フギャッ!」
「フヒィッ!?」
「ヒャッ!!」

亜季「よし! 命中っ! リロード……あっ」

亜季「アパム! 弾持ってこい! アパム! アパーム!」

小梅「ハッ、ハアッ…… ハアッ……!」

亜季「アパーム!!!」

小梅「……亜季さんばっかり、楽しんで……ず、ずるい……」

亜季「せっかくこういう状況なのでやりたいことを一気にやってしまおうという気になりまして!」

小梅「わ、私も……ゾンビに食べられたり……してみたい……」

亜季「さすがに今はダメでしょうね」

小梅「じゃ、じゃあ……エアガンちょっと撃たせて……?」

亜季「いくらエアガンとはいえ練習も無しに撃つのは危険であります! また安全なときに……」

小梅「お願い……?」ウルウルキラキラ

亜季「……しょーがないであります!!」

小梅(ちょろい)


ヴィィィィィ……

亜季「ん? 何か変な音が……」

ガリガリガリ……

小梅「こ、この音……! ま、まさか!」

バリーーーンッ

奏「フヒィィィーーーーーー……」(チェーンソー装備)

亜季「うわあ!?」

小梅「きゃ、きゃーーーーーー……!」

・・・・・・


拓海「よっしゃあ! やっと捕まえた!」ガッシィ!

響子「フヒッ!ヒャッハァッ!!」ジタバタ

拓海「いまだ輝子!」

輝子「ふ、ふんっ! と、取った!!」

響子「ヒャッハァ!ヒャッハァァーー!!」

拓海「うわっ!? あ、暴れるな、くそっ!!」

輝子「た、拓海さん……!」

拓海「ここは任せろ! そいつをとっとと燃やすなりしちまえ!」

輝子「ご、ごめんっ……!」ダッ

亜季「総員退避! 退避―っ!」

輝子「あ、亜季さん! どうして、こっちに……」

小梅「あ、原木……取れたんだね。それ早くなんとかしないと……!」

奏「フヒャッハァァァーーー!」
ヴィィィィィーーー!

輝子「う、うわあああああっ!?」

小梅「もうきた……!」

亜季「走って! 走りましょう!」


奏「フヒャッハァァァーー!」

小梅「わ、わーーーー……!!」

亜季「このっ!」パンッパンッ

奏「フヒッ」 

小梅「チェーンソーを盾に!?」

亜季「くうっ……!」

輝子「あっ! さ、幸子ちゃん!」


里奈「うわー! やっぱギャルメイクしてる幸子ちゃんかわいすぎってばー!」

幸子「フフーン!部屋まで前のギャル服をこそこそ取りに行ったかいがありました!」

亜季「何してるでありますか!!」

里奈「へっ?」

幸子「何って……」

奏「フヒィィィィィイ」ドドドドドド

幸子「フギャーーーーッ!!」

輝子「幸子ちゃん、パス!」ポーン

幸子「え、ええっ!? 投げないでくださいよ!」ガシッ

小梅「な、ナイスキャッチ……」



幸子「待ってください、絶対狙われるヤツじゃないですか!」

「「「「ヒャッハアアアア!」」」」

奏「フヒイイイイ!!」

幸子「フギャーーーッ!こ、こないで! こないでください!! えいっ!!」ブンッ

小梅「りょ、涼さんたちの方に……」




夏樹「まだまだいくぞーーー!!」

「「「「「「ヒャッハアアアアアア!!!」」」」」

涼「叫べえええええええ!!!!」

「「「「「「ヒャッハアアアアアア!!!」」」」」



ゴトッ

夏樹「あん? なんだこれ」

幸子「それが原木です! それ持って早く外に逃げましょう!さ、早く!」

涼「ライブの邪魔をするなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ドガアッ!

幸子「何で蹴飛ばしちゃうんですか!!!」

ヒューーーン……


輝子「ま、また台所に飛んでっちゃった……取ってくる」

幸子「あ、危ないですよ!」

輝子「だ、大丈夫……拓海さんがいるはずだし……」

幸子「で、でも……」

拓海「……」

輝子「ほら、いた……おーい拓海さーん」

拓海「……フヒャッハァァァァーーー!!」

幸子「言わんこっちゃない!!」

輝子「ちょっと、マズい……かも……」

パンッ

拓海「ヒャッハ……ギャッ!?」

小梅「あ、当たった……! やった!」

幸子「まって! 小梅さん後ろ!」

亜季「フヒィ……」

里奈「ヒャッハァ……」

小梅「う、うそ……!」


輝子「えっと……あ、あった! 原木……!」

奏「ヒャッハアアアア!!」ヴィイイイイイ!

輝子「う、わああああ!!」

幸子「しょ、輝子さん!!」

亜季「フヒャア!」ガッ

小梅「あっ、待って! やだ、やだ……!」

ガブッ

小梅「あっ……か、噛まれちゃった……!」

幸子「こ、小梅さんまで……!」

里奈「フ、ヒィィ……」

幸子「うわ、わああああああ!!」

奏「ヒャッハァァァァーー!!」

輝子「わ、わ! こ、こないでくれっ……!」ブンッ

輝子「あっ!? す、すっぽ抜けた……!」


ヒューー……

幸子「えっ、えっ!? またですか!?」ガシッ

奏「フヒッ……」グルッ

幸子「ひ、ひいっ!?」

奏「ヒャッハァァーーー!」

ヴゥィィィィーーーン!

幸子(ああっ……目の前にチェーンソーが……)

幸子(これ……当たったらもしかして……死?)

幸子(世界がなんだかゆっくりに見えます……これが走馬灯というものですかね……)


――こ、こんな高いとこから飛べるわけないじゃないですか!

――フフーン!カワイイボクのライブは当然! 最高ですね!

――行きますよ! 小梅さん、輝子さん!

――はい! 今ボクはアメリカでチェーンソ―の達人に……

――いいか、ニッポンのアイドルよ。映画みたいにチェーンソーを振り回したら危ないしすぐ疲れるから、ちゃんとまっすぐしっかりもって使うんだよ……


幸子(……あれ? チェーンソーが、こない?)

幸子(……)そーっ







奏「ゼヒューーーッ……ゼヒューーーーーーッ……」

幸子「バテてるーーーーーー!?」

幸子「そういえば体力も輝子さん並になるんでしたね!? それであんなに振り回したり走ったりしたらそりゃバテますよね!?」

奏「ゼヒューーーッ、ゼヒューーーッ!」プルプル

幸子「いやもう持ち上がってすらないじゃないですか……えいっ」

ブチッ

奏「フヒャッ」バタン

幸子「あとはこのチェーンソーで原木を刻んでおしまいです!」

ヴィーーーーーン!!ガリガリガリ……


「フヒィッ!?」

「フヒャッ!!」 「フヒャッ!!」

 「ヒャアッ!!」

バタバタバタ……

輝子「お、おお……!」

夏樹「ありがとーーーーーっ!!」

涼「今日は最高だったぜーーーー!!」

「「「「ヒャッハァァーー!! ……ヒャハッ!?」」」」

バタバタッ

夏樹「あれ?」

涼「……あっ、そうだアタシたち囮のために演奏してたんだ」

亜季「う、うーん……」

里奈「ぽよー……」

拓海「いてて……」

響子「あれ?」

奏「あら?」

輝子「も、戻ってるな……!」

小梅「しょ、輝子ちゃん! 幸子ちゃん!」


・・・・・・

事務所

乃々「うーん……キノコはもういいんですけど……」

ショッピングモール

美嘉「起きて! 起きてよ! 起きてってばぁ!」
志希「んーやだー……」

フレデリカ「あとごふんー……しるぶぷれー……」

駐車場

李衣菜「ん、あれ? ここどこ……? 」

P「起きたか李衣菜!」

李衣菜「Pさん! ってキャー! な、なんで服がそんなに破けまくってるんですかぁ!?」


・・・・・・

幸子(こうして一連の騒動はなんとか収まりました)

幸子(あの原木は燃やしたのでもうキノコが生えることはないでしょう)

幸子(事件が終わった後というのはインタビューやらで大変だと思っていましたが……)

幸子(あちこちの修理でそれどころじゃなさそうです)



幸子(しかし安心してはいけません)



幸子(いつどんなとき、どんなことが起きても不思議じゃないのですから)



幸子(キノコの恐怖、次はあなたに襲い掛かるかもしれません……)






周子「誰か早くほどいてよーーーーー!!!!」


おしまい


ゾンビ映画観てたらこうなりました。

ありがとうございました。


ゾンビ映画でロメオ3部作を越えるのは出ないだろうな

ロメオ→ロメロ

良くできてた、乙

おつおつ

映画好きどもが楽しそうでなによりです

微妙だな

チェーンソーこわい

いい作品だ


奏さんがクールにはしゃぎまくってて草生える
楽しそうな17歳好き

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