渋谷凛「もしも武内Pが山育ちのティーチャーだったら……?」 (44)


アニメ放送当時に武内Pがとある教師に似ていると言われることがありました。

それを基にした一場面毎のお話です。

また、教師の元ネタのゲームは発売日にプレイしたきりなのでイメージが大分誇張されています。





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1473591891


*始まりの日

P「……ほう」



女子高生「だから、私は別に……」

警察「この子が泣いているじゃないか? 君が何かしたんじゃないのか!?」

女子高生「私は何も!」

警察「はいはい、分かったから。警察でゆっくり聞かせてもらうよ」

P「その女性の話は、この場で最後まで、聞いても良いのではないか?」スッ

警察「!? な、なんですか、あなたはっ!?」ゾクッ

P「子供が泣いていることに理由があるように、その女学生にも何か理由があるのではないか?」ギロリ

女子高生「ひいっ!?」

P「子供、何があったのだ?」

子供「お、おもちゃの部品、グスッ、落としちゃって、グスッ……それで、グスッ……そのお姉ちゃんに、待ってもらって……グスッ……」グスグス

P「なるほど……」ギラリ

P「子供、その部品とはコレのことか?」

子供「うん! ありがとう、眼鏡のおじさん!」

P「そうか。……警察よ、これで解決なのではないか?」ギロリ

警察「ヒィッ!? し、失礼しました!!」

P「私ではない。その女学生に頭を下げるべきではないか?」

警察「も、申し訳ありませんでした!!」

女子高生「いや、分かってくれたら、別に……」

警察「大変失礼しましたっ!!」ソソクサ




*我が名はプロデューサー

P「……災難だったな?」

女子高生「あ、その……ありがとう、ございました」

P「礼は不要だ」

女子高生「で、でも助けてもらったし……」

P「いや、最初からお前に話しかけようと考えていた」

女子高生「え?」

P「私はこういうものだ」メイシ

女子高生「346プロダクション……プロデューサー?」

P「その通りだ」

女子高生「……なんだ。勧誘の人?」ムッ

P「勧誘……間違ってはいないな」

女子高生「怖いけど良い人だと思ったのに……。じゃあ、私行くから」

P「……心が渇いているのではないか?」

女子高生「え……?」

P「お前は、かつての私に似ている。その形のない渇望、満たしたいとは思わないか?」

女子高生「……意味が分からない。渇望って何言っているの?」

P「自分自身、気付いているのではないか?」

女子高生「私、本当に行くから!」

P「学校が終わってからで良い。少しでも自覚があるのなら、そこの喫茶店に来い。待っている」サッ

女子高生「あ、ちょっと──え……消えた!?」




*喫茶店での一幕

P「来たか」

女子高生「……一応、助けてもらったから」

P「そうか」

女子高生「……」

P「……」

女子高生「え……話はそれで終わり!?」

P「私は346プロダクションのプロデューサーだ」

女子高生「あ、うん。私は渋谷凛」

P「渋谷花店の娘か」

女子高生「うちのこと知っているの?」

P「いつも利用させてもらっている。間が割るのか、お前と顔を合わせたことはなかったが」

凛「お得意さんだったんだ……。失礼な態度とって、その、ごめん」

P「必要だから利用させてもらっている。そこに恩義を感じる必要はない」

凛「……変な人」

P「よく言われる。お前は──」

凛「凛。お前って言われるのは嫌い」

P「それは失礼した。では、凛。今は興味がなくとも良い。少し、アイドルと言うものをその目で見てみるのはどうだ?」

凛「どういう意味?」

P「今、一人、アイドルの雛がレッスンをしている。そこに行く」スッ

凛「あ、ちょっと……!?」

P「行くぞ」




*島村卯月という少女

凛「結局、ついて来ちゃった……」

卯月「あ、プロデューサーさん!」

P「卯月か。今日も練習に励んでいるようだな」

卯月「はい! あの、その子はもしかして……」

P「候補の一人だ。アイドルの知識はない。お前が少しでも彼女の興味を惹くことができれば現実になるかもしれない」

卯月「はい! がんばります!」ガンバリマス!

卯月「ええと、こんにちは! 島村卯月です!」

凛「あ、私は渋谷凛」

卯月「凛ちゃんですね!」

凛「ええと……私、本当にアイドルに興味なんてないけど、この人には恩があるから、来ただけで、なんだけど……」

卯月「そうなんですね。私は昔からアイドルが夢で、今それが叶いそうなんです!」

凛「夢……」

卯月「はい! とってもキラキラしていて、皆を笑顔にできるそんなアイドルになれれば良いなって、思っています!」エヘヘ

P「卯月、いつも通りレッスンを続けろ。私と凛は勝手に見ている」

卯月「はい! あ、できなかったターンができるようになったんですよ!」

P「そうか。見せてもらおう」

卯月「はい!」




*アイドルの卵

凛「……なんか、地味だね?」

P「レッスンなどそんなものだ。ましてやこれはトレーナーのいない自己鍛錬にしか過ぎん。しかしながら、それを重ねなければ、凛の知っているであろうアイドルの姿にはならないだろう」

凛「皆、影で努力しているんだ……。私にはやっぱりできそうにないよ」

P「努力がか? それとも、卯月の動きをか?」

凛「……どっちも」

P「努力は目標がなければできないものだろう。しかし、身体能力に関しては卯月よりも恵まれているのではないか?」

凛「なんで、そんなこと言えるの?」

P「筋肉の付き方、身体つき。経験上で語るが、凛の身体能力は高いだろう」

凛「……何者?」

P「プロデューサーだ」

凛「いや、そうなんだろうけど……」

卯月「どうでしたか!? プロデューサーさん! 凛ちゃん!」

P「上達している。しかし、プロには遠い。修練するが良い」

凛「あ、ええと、凄いと思った。私には到底できそうにないよ」

卯月「ありがとうございます! 凛ちゃんもやりませんか?」

凛「え?」

P「……それも良いだろう。卯月の動きを真似してみろ」

凛「私、制服なんだけど……」

卯月「あ、私の替えがありますので、こっちに来てください!」

凛「え、ええ!?」



朽ち果てた殺人鬼かと思ったらラオウだった


*渋谷凛という少女

卯月「凛ちゃん、凄いです!」

凛「……ありがと」ハァハァハァ

P「どうだった?」

凛「……身体を動かすのって、気持ち良いね」

P「そうか」

卯月「凛ちゃんだったら、凄いアイドルになれます!」

凛「そんな……。ねぇ、プロデューサー。なんで私をスカウトしようと思ったの?」

P「先ほども言ったように身体能力が高いことが一点。アイドルとして映える容姿なことが一点」

卯月「凛ちゃん、美人ですものね!」

凛「うぅ……」

P「そして、何よりも、心に渇望を抱いている」

凛「朝も言ってたよね? 渇望ってなんのこと?」

P「日々がつまらなくはないか? 目標もなく、満たされず、ただ何となく日々を送る。かつての私がそうだったように」

凛「……アイドルになればその渇望って言うものが、満たされるの?」

P「断言はできない。しかし、うるおいにはなるだろう」

凛「……難しいこと言われても分からないよ」

P「そうか。だが、私が提示できることはこれで全てだ。もし気持ちが固まったなら、再びここに来ると良い」

凛「え、あ、うん……?」

卯月「凛ちゃん、一緒に帰りましょう!」

凛(……なんだろう、少しプロデューサーの言葉が理解できる気がする……?)







*踏み出した一歩

P「来たか」

卯月「凛ちゃん!」

凛「ええと……渋谷凛、よろしく」

卯月「はい! よろしくお願いします!」







*ちゃんみお

未央「本田未央、よろしく!!」

凛「渋谷凛、よろしく」

卯月「島村卯月です! がんばります!」

P「他のアイドルはすでに仕事に入っている。着いて来い」

卯月「あ、はい!」

未央「ねぇ、しぶりん」

凛「しぶりん? まぁ、なんでも良いけど」

未央「プロデューサーって怖くない?」

凛「何者か分からないところはあるね」

卯月「え? プロデューサーさんは優しいですよ?」

未央「しまむーは良い子だねぇ」

卯月「しまむー?」

P「入るぞ」

卯月「あ、はい!」

ガチャ

凛(私のアイドルとしての第一歩がこうして始まった)




*城ヶ崎美嘉の提案

美嘉「あ、あの、プロデューサー?」

P「城ヶ崎か。なんだ?」

美嘉「あの子たち、今度のライブでバックダンサーをお願いできませんか? 私のイメージ通りなんです」

P「……彼女らが人前に出て良い段階まで、お前が鍛え上げるのなら許可しよう」

美嘉「本当ですか!?」

P「ああ。ポテンシャルはある。後はお前の努力次第だ」

ちひろ「プロデューサーさん、良いんですか?」

P「いずれデビューはしなくてはならない。その機会が巡ってきただけだ」




*大体原作通り

未央「えぇー!? 私たちが城ヶ崎美嘉……さんのバックダンサー!?」

卯月「頑張ります! え……?」

凛「本気なの? プロデューサー?」

P「城ヶ崎が直々に凛たちを鍛え上げる。厳しい修練になるだろう。しかし、こんな機会は滅多にない」

美嘉「皆が良ければ、やって欲しいんだけど、良い?」

未央「もちろん! あ、美嘉ねぇって呼ばせてもらいます!」

美嘉「美嘉ねぇ……?」

卯月「頑張ります!」

凛「プロデューサーがそう言うんだったら……」

ちひろ「決まりですね?」

P「ああ。早速レッスンに時間を使え。本番までは有限だ」

凛・卯月・未央「はい!」

莉嘉「えー、アタシもお姉ちゃんと出たい!」

美嘉「あんたは今度ね」

莉嘉「えー。プロデューサー、おねがい」

P「いずれ機会は来る。それまで待つが良い」

莉嘉「ぶー」

美嘉(莉嘉、あんた、あのプロデューサーによく普通に接していられるわね!? 怖くないの!?)




*初めての本気のレッスン

凛・卯月・未央『はぁはぁはぁ……』

美嘉「こんなところかな? それじゃあ、私は仕事があるから。またね」

卯月「は、はい……」

未央「き、きつい……」

凛「はぁはぁ……」

アナスタシア「プロデューサー、リンたちオーバーワーク。大変です」

P「お前たちが地道に進めるものを大幅に省略している。今の段階でステージに上がるために必要な修練だ」

美波「アーニャちゃん、私たちも頑張らなくちゃ」

アナスタシア「ダー。分かりました、ミナミ」




*ライブ開催数日前

凛・卯月・未央『……はぁはぁ……』

ベテラントレーナー「……まぁ、及第点と言ったところかな」

未央「やったー!」

卯月「やりましたね、凛ちゃん!」

凛「う、うん」

美波「さあ、アーニャちゃん」

アナスタシア「みんな、頑張りました」ハイ

未央「さ、サンキュー?」

卯月「ありがとうございます!」

凛「……ありがと」

美嘉「プロデューサーの目から見てどうですか?」

P「拙い。しかしながら、本番で同じことができれば、上手くいくだろう」

美嘉「そっか……」ホッ

P「城ヶ崎もよく成し遂げた。胸を張って良いだろう」

美嘉「あ、ありがとうございます!」




*激励

蘭子「闇に飲まれよ!」

きらり「にょわー、きらりも来たよー!」

杏「ぷ、プロデューサーは!?」キョロキョロキョロ

凛「え? 打ち合わせに行っているけど」

杏「はぁ、それじゃあ、杏だらだらしておくよー」ホッ

みく「本当はみくもデビューしたいけど、いずれみくの番も来るって、プロデューサー言っていたから、今日は応援に専念するにゃ」

未央「ありがとー! 本番に強い未央ちゃんの勇士を見ててね!」

卯月「がんばります!」

凛「ありがと」




*ボロボロのリハーサル後

卯月「……だ、大丈夫なんでしょうか?」

未央「……」

凛「み、未央……?」

P「プレッシャーか」スゥ

未央「……っ……」ビクッ

凛「あ、プロデューサー」ホッ

卯月「プロデューサーさん!」パアー

P「練習通りにできれば、成功は間違いないだろう。しかしながら、雰囲気に飲まれしまっているようだな?」

凛「……そうかも」

卯月「プロデューサーさん、どうすれば良いんでしょうか?」

P「積んだ修練は裏切ることはない。つまりは、過度な緊張さえなければどうと言うことはない」

P「未央」

未央「っ」ビクッ

P「身体に触るぞ」トン

卯月「え?」

凛「はぁ!?」

未央「……あれ……?」

P「緊張をほぐすツボだ。どうだ、気持ちは楽になったか?」

未央「う、うん。……プロデューサーって凄いんだね!?」

凛「私にはしないの?」ムスッ

P「凛と卯月は丁度良い緊張感になっている。必要はないだろう。あとは、先駆者の話でも聞いておけば良い」スッ

凛「あ、また消えた!」

卯月「またなんですか?」

未央「プロデューサー、それじゃあ忍者だよ」アハハ




*ライブは大成功!

凛「プロデューサーの言っていたこと少し理解できた気がする」

P「そうか」

凛「これがアイドルなんだね?」

P「ああ。凛がこれから歩む道の一歩目だ」

凛「ステージに上がった時からずっとドキドキしている」

P「良い傾向だ」

未央「あー! しぶりんがプロデューサーと一緒に居る!」

卯月「ようやく見つけました」

P「卯月と未央か。よく頑張った。称賛に値する」

卯月「えへへ」

未央「成功できたのは、プロデューサーが緊張のツボをほぐしてくれたからだよねぇ」

P「緊張のツボなど、私は知らない」

未央「え……?」

P「適当なことを言った。しかし、それで緊張がほぐれたのなら良いことだろう」

凛「……もしかして、プロデューサーって意外と……」

卯月「お茶目なんですね」

未央「ええーっ!?」




*第一弾CDデビュー決定

みく「プロデューサー、みくの番っていつなの?」

P「地道に仕事をこなせ。必ずそれが報われる」

莉嘉「えー、ワタシもすぐにデビューしたい!」

みりあ「みりあも!」

P「……デビューが早い者、遅い者はどちらも一長一短だ。焦ることはない」

美波「一長一短、ですか?」

P「ああ。美波、アナスタシア、CDデビューと聞かされて正直どう思った?」

美波「……不安、です」

アナスタシア「ダー。私もミナミと同じです」

P「何故不安だと思う?」

美波「それは……経験がまだ足りないからだと思います」

アナスタシア「私は、まだアイドルの仕事少ししかできていません」

P「道理だな」

かな子「そっか、私も今CDデビューって聞かされたら同じ気持ちだったかも」

智絵理「デビュー、怖いです……」

杏「杏はデビューは──」

P「……」ギロリ

杏「したいなぁ……いずれ」ヒィ!




*未央が曇らない展開(ついでに凛も)

美波「ら、ライブですか……?」

P「ああ。新人のデビューライブとしては破格の場所をおさえることができた」

未央「ライブか……。ねぇ、プロデューサー、私の友達呼んでも良い? あ、皆入れるかな?」

卯月「うーん、そうですね……」

アナスタシア「ミナミ……」

美波「アーニャちゃん……」

凛「……」

P「……なるほど。ニュージェネレーションズ、一つ誤解を解いておこう」

卯月「誤解、ですか?」

P「ああ。未央、今回のライブには何人観客が集まると思う?」

未央「え、ええと……前回のライブより、少ないくらい、かな?」

P「ラブライカ、同じ質問だ。何人だと思う?」

美波「……正直分かりません。ですが、十人も居てもらえれば嬉しく思います」

アーニャ「ダー。一人でもお客さん、来てくれると嬉しいです」

未央「え……?」

P「これが認識の違いだ。凛、正しいのはどちらだと思う?」

凛「……美波たち」

P「何故だ?」

凛「前回のお客さんは美嘉たち先輩アイドルのお客さん。私たちは脇役で、ファンなんて居ないから……」

卯月「そう、ですね。私、候補生時代のことをすっかり忘れてしまっていたようです」

P「その通りだ。もしかしたら、前回のライブで多少はファンがついたかもしれない。しかし、あくまでニュージェネレーションズは知名度のない新人でしかない」

未央「……そっか、私大変な間違いをするところだった……」

P「理解できたのなら、それで良い。今できる全開を見せてみろ。それが、アイドルとしての、ユニットとしての第一歩となる」

皆『はい!』




*第二弾CDデビュー決定

蘭子「そ、ソロデビュー!?」

P「ああ。今回は蘭子のみのCDデビューだ」

みりあ「みりあもデビューしたい!」

みく「みりあちゃん、Pちゃんを信じるにゃ」

莉嘉「ふふーん。アタシはP君のこと、信じているもんねぇ」

P「理解しているならそれで良い。蘭子、プロモーション撮影で相談がある。私の部屋に来い」スッ

蘭子「は、はい!」バタバタ

凛「またプロデューサー、消えたし」

未央「やっぱり忍者なんじゃない?」

アナスタシア「ニンジャ!? プロデューサーはニンジャなのですか!?」パァッ!

美波「ええと、違うと思うけど……」

みく「断言はできないにゃ」

李衣菜「プロデューサーってロックだよね!」キラキラ

杏「……プロデューサーはアサシンだよ」ボソリ

かな子「でも、蘭子ちゃんの言葉、プロデューサーさんは理解できているのかな?」

みりあ「なんで皆、分からないの? プロデューサーは分かっているよ?」

皆『えー!?』




*会話:EX

P「正直私には疎い世界の話だ。蘭子の意見を積極的に取り入れたい」

蘭子「流石我が友! 我の言の葉に想いを乗せようぞ!」

P「イメージは天使と悪魔が共存しているものでいこうと考えている」

蘭子「漆黒の堕天使か!?」

P「元々は天使であった者が堕天し、悪魔となるか。猟奇は必要か?」

蘭子「ひぃっ!? わ、我の魂は猟奇を凌駕するもの! さすれば、白と黒の幻想で世界を覆わらん!」

P「普段の蘭子のイメージで良いと言うわけか。では、この場面は──」

蘭子「漆黒の翼が全てを包み──」

P「なるほどな。それでは──」




*ドアに耳あり……

未央「凄い! プロデューサー、普通にらんらんと話しているよ!」

凛「プロデューサーって、やっぱり何者なの?」

きらり「Pちゃんはいつもはっぴはっぴしてるにぃ」

みく「……Pちゃんはいつも真剣にみくたちのことを考えてくれているにゃ」

智絵理「プロデューサーさんは優しいです……」

視線「……」ギロリ

杏「ええとさあ……プロデューサー、杏たちのこと気付いているよ。用が済んだら、帰ろうよぉ」ビクビク




*嫁との馴れ初め・上

常務「なるほど、君の噂は聞いている。私は有能な者は好きだ」

P「……」



常務「全プロジェクトを白紙にする」

P「……無能か貴様?」

常務「今、なんと言った?」

P「無能か? と言った」

常務「ほぉ。そこまで言うのなら、代替案があるのだろうな?」

P「無論だ。その前に、貴様が行おうとしているプロジェクト解体の理由を聞きたい」

常務「経費の削減。より有能な者をより高みへ。競争の激しい業界で行うべき、当然のことを行うと言っている」

P「なるほど、理解はできる。しかし、その競争相手は765プロダクションか?」

常務「そうだな。765は最大のライバルと言える。あそこは少数精鋭だ。大いに参考になるだろう」

P「765プロダクションの強みは、アイドル同士、そしてプロデューサーとの絆が元となっている」

常務「なに?」

P「見た目だけを真似をすれば必ず失敗する」




*嫁との馴れ初め・下

常務「ふん。それはお前が、私のやり方が気に食わないだけの話なのではないか?」

P「いや、貴様の結論自体を否定するつもりはない。問題は過程だ」

常務「過程だと?」

P「仮に今からプロジェクトを解体するとしよう。そこで生じるコスト、費やされる時間、アイドルたちの動揺、スポンサーやファンの反発、それは想像以上に大きなものとなるだろう」

常務「そのくらいの損害は結果で大いに補える」

P「かもしれんな。しかし、多くのファンが離れるだろう。そのようなことを行う会社の結末はみじめなものだ」

常務「利益重視は会社として当然のものだ」

P「今の会社の雰囲気は良いものだろう。それがある故に、この会社は業界のトップに存在できている」

常務「それを私が壊そうとしている? 馬鹿馬鹿しい。経営側が流されてどうする」

P「貴様はまず、高垣楓に声をかけようとしているな?」

常務「当然だろう。彼女は我が社の最高のアイドルなのだ」

P「高垣楓は貴様の案には乗らないだろう」

常務「何?」

P「彼女はファンと共に歩む者だ。そして、彼女を慕う者、アイドルたちのほとんどがそのような者たちだ」

P「代替案と言ったな? では、貴様の考えを役員だけではなく、アイドルたちにも伝えるべきだ。そして、貴様の案にのる者を集め精鋭を作ることだな」

P「今貴様が行おうとしていることよりは、大分まともな結果になるだろう」

常務「下らん! 私の考えは変わらん。加えて、これは海外企業の成功例を踏まえた経営判断だ。覆すことはない」

P「……そうか。それなら、やってみると良い。私はそのフォローを今から考えよう」




*行動力:EX

みく「ってPちゃん言ったんだって!」

未央「プロデューサー、滅茶苦茶カッコいいじゃん!」

楓「そんなわけでお世話になります、高垣楓でーす」

卯月「か、楓さん……!?」

P「あの女に反対する者は、一時的だがシンデレラプロジェクトへ加わることになった」

凛「え……?」

まゆ「うふっ、まゆもお世話になります。私のプロデューサーさんは他のお仕事で忙しいので」

瑞樹「はぁ、常務のお誘い断ったけれど、大丈夫かしら?」

愛梨「この部屋暑くないですか?」

周子「おなかすいたーん」

蘭子「神々の黄昏(人がいっぱいで緊張します!)」

美嘉「って言うか、うちの大物アイドル全員がここに居るんじゃ……」

菜々「な、ナナだけ場違いじゃないでしょうか……?」

未央「一気に大所帯になったね、しまむー」

卯月「わあ、凄いです!」

凛「……プロデューサー、責任はとるんだよね?」

P「無論だ」




*その後の美城常務(行動力:A++)

常務「どうして、誰も私の案に乗らない!?」

ちひろ「常務の想像以上に、アイドルの皆さんはファンを大切にしているんです」

常務「……ちひろか。ふん、笑うと良い。全てあの男の言う通りなった」

ちひろ「でも、プロデューサーさんも経費削減等の必要性は認めていたじゃありませんか?」

常務「ふん。その過程で私は躓いた。ただの笑い者だろう」

ちひろ「いえ、常務は悪者になりましたが、結果的によりアイドルたちの意識向上に繋がりました」

常務「全く、あの男にいいように踊らされたものだ。さながらシンデレラの引き立て役の継母や義姉と言ったところか」

ちひろ「良いお薬になったのでは?」

常務「ああ。劇薬だったがな」

ちひろ「ふふふ」




*ライブの後で

凛「ねぇ、プロデューサー」

P「なんだ?」

凛「プロデューサーの言っていた渇望ってやつが少しは満たされた気がするよ」

P「……そうか」

凛「……」

P「……」

凛「プロデューサーって彼女居るの?」

P「何故そんなことを聞く?」

凛「特に意味はないけど」

P「……かつて連れ添いはいたが、幸せにはできなかった」

凛「ふーん……え?」

P「よもや今生でも出会うとは思いもしなかった」

凛「バツイチ、ってこと?」

P「ただの機械であった者の成れの果てと言ったところか」

凛「たまにプロデューサーって蘭子系だよね」

P「……ふっ……」

凛「あ、プロデューサー、もしかして今笑った?」

P「知らん」

凛「まぁ、良いと思うよ」

P「……下らんことばかり口にする暇があるなら、レッスンに向かうぞ」

凛「ふふっ。これからもよろしく、プロデューサー」

P「むろんだ」



          終わり




駆け足でしたが、これにて終了です

ここまでお付き合いいただきありがとうございました

よろしければこちらもどうぞ↓(全く違う雰囲気のお話です)

神谷奈緒「チャット」(現行スレ)
神谷奈緒「チャット」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473564844/)





面白かった


面白かったです。チャットの続きも待ってます!


常務がメディアさんばりにデレる展開を…


同じ作者とは恐れ入った

 【このスレは無事に終了しました】

  よっこらしょ。
     ∧_∧  ミ _ ドスッ

     (    )┌─┴┴─┐
     /    つ. 終  了 |
    :/o   /´ .└─┬┬─┘
   (_(_) ;;、`;。;`| |

   
   【放置スレの撲滅にご協力ください】  
   
      これ以上書き込まれると

      過去ログ化の依頼が

      できなくなりますので

      書き込まないでください。


            SS速民一同
 【糞スレ撲滅にご協力ください】

常務アフターはよ

馴れ初めって副題にワロタ

おつおつ

今世ではメディアたそには幸せになって欲しい

スレタイの武内って二文字は別に要らないよね

嫁は誰なのか、と

新章は近々始めますが、それにあたって作者からお願いがあります。といっても、単に「作品の連載中、読んでる人は随時コメントをして欲しい」という、それだけです。連載が終わってから纏めて、とかではなくて、“連載中に”コメントが欲しいのです。

ここでもmixiのコミュニティでも再三言ってることですが、私はSSの作者として、「SSとは読者とのインタラクションの中で作っていくものである」というポリシーを持っています。
つまり、読者からの声がなく、作者が淡々と書いて投下しているだけという状況では、全く意味がないということです。それなら「書かない方がマシ」といっても大袈裟ではありません。
特にこの都道府県SSは、本来3年前に終わっている作品を、需要があると言われて新たに書き続けているものです。投下しても1件2件しかコメントが付かないのでは、その「需要」があるのか否かさえ曖昧になります。
全ての読者にレスを求めるのは酷な事だと思いますが、出来る限り「ROM専」というのはやめて下さい。少なくとも、一夜投下する度に10~20件くらいのレスは付いてほしいです。この数字は、私の考える、SSが正常に連載の体裁を保てる最低限度のレス数です。
連載を続けるにあたり、そのことだけは、皆さんにお願いします。

☀ฺ

おっけ、ばっちこーい

>>40はコピペやで、騙されたらいかんよ。

「企画書に誤字が有ったので会議は後日改めて行う」って言ってクロちゃん追い返すPは?

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