※ヴァリサパパの一人称視点でお送りします。
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【モバマス】江上椿「永遠ブルー」
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【R18モバマス】輿水幸子「少年のファクトリア」
【R18モバマス】佐久間まゆ「運命シンドローム」
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「梨沙、大きくなったらパパのお嫁さんになるんだー♪」
湯船に浸かっている時、ふと娘が私を嬉しそうに見てこう漏らした。
「ハハハ。嬉しいけど、パパと梨沙は結婚できないんだよ」
「えー、何で?」
梨沙は肩越しに私を見つめたまま尋ねる。
「親子だからさ」
「じゃあ、総理大臣になる!」
私の膝に座っていた梨沙はすくっと立って私を見下ろした。
「どうしてだい?」
「総理大臣になって法律を変えるの!
そしたらパパと結婚できるようになるでしょ」
その時の私はたぶん笑っていたと思う。
だが娘――的場梨沙のこの言葉が半ば本気であるのに
気づいたのは、それからもう少ししてからだった。
一番大切なものは何かと聞かれたら、私は家族と答える。
そして、一番悩んでいる事は何かと聞かれても、私は家族と答えてしまうだろう。
十四年前、有望な社員だった私は
贔屓にしてくれた上司の勧めるままに彼の娘を妻にした。
別に出世の足掛かりにしようという欲があったからではない。
ただ他に異性との出会いがなく、見合いでの第一印象が
それほど悪くなかったというだけで決めたのだ。
結婚後、上司の覚えも良かった私は、トントン拍子に出世街道を歩んでいった。
最初の一年はさしたる問題もなく流れ、やがて一人娘の梨沙が生まれた。
だが、彼女の誕生は私と妻の間に軋轢までも生んだ。
理紗が生まれて間もない時期だった。
会社の取締役が汚職をスクープされ、マスコミに晒され問題になった。
私は毎日その尻拭いとして事務処理や対応に追われた。
そのため家でのんびりする事も出来ず、必然的に家庭は妻に任せきりにした。
梨沙の育児はかなり大変だったらしく、彼女は仕事でくたくたに帰った私に
家の事をちょっとは手伝ってよというような文句を何度も聞かせた。
嫌な仕事の毎日で当時精神的に余裕のなかった私は
ナーバスになっている妻としばしば口喧嘩をした。
ファザコン気質の妻はその度に義父の実家に帰って
私の悪口をある事ない事を彼に喋り立てた。
上司は娘に対して盲目で、仕事場でも一方的に私が悪いと言い切り
仲を戻してくれと言った。
しょっちゅう家出をして留守にする彼女に
怒りを覚えながらも、梨沙は一人にしておけない。
私は保育園と仕事場を往来した。
妻との仲が上手くいってない事もあり、私は梨沙の育児に癒しとやりがいを求めていた。
そんな環境にあったからだろうか。
梨沙は妻よりも私の方に好意を向けるようになった。
世間一般では、ほとんど家にいない父親は影が薄い。
洗濯ものまで別々にされるなど邪険にされる存在だが
少なくとも私の家庭では逆だったと言える。
「たまにしか帰ってこないのに、ママは梨沙の事に口出ししないで!」
このような事をしばしば言うので、当然妻への心証は良くない。
小学生になると梨沙は友達の影響からかファッションに興味を持ち始めた。
私はファッションの事など良く知らないから適当にお金を渡して
欲しいのを買ってきなさいと言った。
梨沙はいつも喜んだが、その教育方針も妻は気に食わない。
だったらもっと家にいて梨沙に教えれば良かったではないか
それは貴方のせいでしょう貴方は最初家庭を蔑ろにしていたくせに
私が蔑ろにすると何で文句を言うの……と、一と言えば
三も四も反撃が返ってくるので私は話すらしなくなり
相変わらず夫婦間の仲は険悪なままだった。
そんな環境にあったからだろうか。
梨沙は妻よりも私の方に好意を向けるようになった。
世間一般では、ほとんど家にいない父親は影が薄い。
洗濯ものまで別々にされるなど邪険にされる存在だが
少なくとも私の家庭では逆だったと言える。
「たまにしか帰ってこないのに、ママは梨沙の事に口出ししないで!」
このような事をしばしば言うので、当然妻への心証は良くない。
小学生になると梨沙は友達の影響からかファッションに興味を持ち始めた。
私はファッションの事など良く知らないから適当にお金を渡して
欲しいのを買ってきなさいと言った。
梨沙はいつも喜んだが、その教育方針も妻は気に食わない。
だったらもっと家にいて梨沙に教えれば良かったではないか
それは貴方のせいでしょう貴方は最初家庭を蔑ろにしていたくせに
私が蔑ろにすると何で文句を言うの……と、一と言えば
三も四も反撃が返ってくるので私は話すらしなくなり
相変わらず夫婦間の仲は険悪なままだった。
そんな環境にあったからだろうか。
梨沙は妻よりも私の方に好意を向けるようになった。
世間一般では、ほとんど家にいない父親は影が薄い。
洗濯ものまで別々にされるなど邪険にされる存在だが
少なくとも私の家庭では逆だったと言える。
「たまにしか帰ってこないのに、ママは梨沙の事に口出ししないで!」
このような事をしばしば言うので、当然妻への心証は良くない。
小学生になると梨沙は友達の影響からかファッションに興味を持ち始めた。
私はファッションの事など良く知らないから適当にお金を渡して
欲しいのを買ってきなさいと言った。
梨沙はいつも喜んだが、その教育方針も妻は気に食わない。
だったらもっと家にいて梨沙に教えれば良かったではないか
それは貴方のせいでしょう貴方は最初家庭を蔑ろにしていたくせに
私が蔑ろにすると何で文句を言うの……と、一と言えば
三も四も反撃が返ってくるので私は話すらしなくなり
相変わらず夫婦間の仲は険悪なままだった。
さて、小学校も中学年になると、女の子も多少色気づいてくる。
そんな歳になりながら娘の梨沙は、まだ私と風呂に入っていた。
妻とは入りたがらないし、一人よりも私と入りたいようだ。
いい加減一人で入らせたいが、梨沙はワガママを言って聞かない。
結局いつも私は惰性で梨沙の体を洗ってやった。
「んっ?」
私はむずむずとする感触を覚え、梨沙の肩の後ろから前を覗き込んだ。
彼女はその小さな手で私の愚息に手を添えてさすっていた。
「こら、そんな所を触ったらいけないだろ」
「でも気持ち良くない?」
梨沙は手を離して言った。
「友達がね、教えてくれたんだ。
男の人はここを触られると気持ちいい、って」
私は溜め息をついた。
この年頃の子供は意味も分からずに大人の真似事をしたがる。
昔と違い、大人が中々教えないようなセックスの知識は
簡単にネットで仕入れられるし、梨沙にも
こういう時期が来たのかと身構えた。
「いけないぞ、梨沙。小さな子にそんな事をされて
喜ぶのは、ロリコンだけなんだからな」
「ロリコン?」
「そう。小さくて可愛い子にエッチなことしたがる最低の変態だ」
「梨沙、ロリコン嫌い……」
父親である私の嫌う行為をしてしまったと悟り、娘はうつむいた。
「うん、それでいい。
好きとか言ったらパパは梨沙と口をきかない所だったよ。
だから梨沙もロリコンの好きそうな事はパパにしないでくれよ
今度したらパパはもう一緒に風呂に入らないからな」
「それはいや! もうしないから」
梨沙はしばらく約束を守ってくれた。
その代わりずっと一緒に風呂に入る事になったのだが
これより上手い返しが思い浮かばなかったのだから仕方ない。
その場はそれで済んだのだが、梨沙の私に対する好意は
だんだんと度を越していった。
「パパ……パパってば……」
夜中に呼び掛けられて起きてみると、梨沙がいた。
彼女は私の体にうつ伏せになって密着していた。
「どうしたんだ、梨……」
布団を捲ると梨沙は真裸だったので驚いた。
いつも風呂に入ってそのスタイルを知っている私も
妙に慌てて彼女にガウンを着せた。
「一体どうしたんだ、梨沙。こんな格好をしていたら風邪を引くぞ」
「パパ、子供扱いしないで」
梨沙は私の前でわざとガウンをはだけて裸身を見せつけた。
乏しい凹凸でありながら、つんと澄ました乳房は
若さの象徴としてスタンドライトの光を浴びて陰を作っている。
まだ何も生えていない無垢色の下腹に彼女はそっと手を添えて隠していた。
「梨沙のカラダ、綺麗?」
「……なんのつもりだ、梨沙」
「エッチしに来たの」
目を丸くしている私を尻目に娘は理由を話していく。
「学校でちゃんと習ったよ。好きになった男の人と
女の人はセックスして愛し合う、って。
でもパパはずっとママとセックスしてないよね。
それって、パパとママが愛し合ってないって事でしょう」
「そ、そんな事はない。
梨沙が知らないだけで、パパはちゃんとママを愛している」
「ウソ。じゃあ昨日はママとセックスした?」
「……子供はそんな事を全部知らなくていいんだ」
「してないんでしょう?」
梨沙の視線が痛かった。
昨日どころか、梨沙が生まれてから私は妻と一度も寝ていない。
しかし馬鹿正直に言えず私は当たり障りのないようにかわし続けるしかなかった。
「だからね、アタシがママの代わりをしてあげる」
梨沙は私に体を預けてスキンシップを取った。
「皆言ってたよ。男の人ってエッチな気持ちを抑える事が出来ないって。
友だちのお兄さんも毎日オチンチン手で気持ち良くしてるんだって」
「は、離しなさい!」
私は股間に手を添えようとする梨沙を離した。
「そういう事は大人になってからするんだ!」
「アタシ大人だもん!
小学六年生っていったらもう中学生とほとんど変わらないでしょう。
大体あの人、パパほっておいてお祖父ちゃんの所ばかり行ってるじゃん。
梨沙がママの代わりをして何が悪いの?
アタシね、色々と知ってるから平気だよ。
手だけじゃなくて口でも気持ち良くなれるんだよ。
それなら赤ちゃんも出来ないし、いいでしょう!」
私はほとほと困ってしまった。
その時、どうやって梨沙を納得させたのか私は良く覚えていない。
女の子は早熟だと聞くがここまでとは思っていなかった。
今でこそ全く反応していないが、十六、十七辺りの歳で
同じ事をされたら私の方も万が一の間違いを犯さないとも限らない。
そこで私は翌日から、妻と何とかよりを戻そうと努めた。
恐ろしく冷え込んでいたので中々仲直りは出来なかったが
彼女の主張を全面的に肯定して平謝りに謝った。
そしてどうにかこうにかベッドに誘う事が出来たのだ。
あれから十数年も経っているからその体つきは
大分だらしなくなっているものの
私は毎夜彼女を求める義務を己に課して励んだ。
いい歳をして何を盛っているの、とか、いやらしい、とか
言われながらも、私は猿のように腰を振った。
夫婦の務めを一日でも怠れば、また梨沙は私を誘惑してくるに違いない。
それを跳ね除けるには私たちの仲が良くなっている様子を見せるより他にない。
そう、どうも梨沙は私たちの寝室を覗いているようなのだ。
朝起きてみると閉めていたはずの寝室のドアが開いている事があった。
「ああ、嬉しい! こんなに!」
継続は力なりとは良く言ったもので、数ヶ月奉仕に身を捧げた甲斐あって
妻と私は新婚の頃のように打ち解けるようになった。
彼女は私に打ち捨てられてからずっと寂しい思いでベッドに上がっていたと語る。
私は反省しつつも良好な関係の維持に努めた。
しかし私たちの仲がやや改善されたのを見て、梨沙は面白くなさそうにしている。
彼女は以前にも増して妻と対立の姿勢を深めた。
彼女の悪口を逐一私に耳打ちし、最後には妻と別れた方がいいと勧めた。
妻と別れたら彼女がどちらの片親に付き従って何をするのかは明確だ。
私はここに来て梨沙が妻に嫉妬している事に気づいた。
妻との仲が戻り、私の愛が離れていくのを恐れているのだ。
どうも妻のファザコン気質は梨沙にもしっかりと遺伝していたらしい。
だが梨沙のファザコンぶりは妻と似て非なるものだと思う。
梨沙は明らかに私を異性として見ていて、妻を少なからず憎んでいた。
その時私は、娘がエレクトラ・コンプレックスなのではないかと疑っていた。
エレクトラ――情夫と共に夫を殺めた母を憎んだ娘の名前だ。
彼女の名を冠したこの心理学用語に私の胃はキリキリと痛んだ。
一層、妻とも娘とも縁を切って独身に戻りたいとすら思った。
そんなある休日、家のギスギスとした雰囲気に堪えられず
一人で公園に散歩に出かけた。
そこでいつも座っているベンチに腰掛けて一息ついていると
スーツ姿のがたいのいい男が名刺を持って小さい子に呼びかけていた。
「君可愛いね、アイドルにならないかい?」
案の定、怯えた女の子はそのまま逃げていった。
通報した方がいいのか考えているうちに警察がやってきて彼を早速職質していた。
私はそんな光景をベンチに座ってみていたのだが、
どうもその男は変質者というにはあまりにも堂々とし過ぎていて
受け答えにも真面目さが表れていた。
悪い人間ではない、ただ恐ろしく不器用な人間であると思う。
「大変だったね」
職質から帰ってきたその男に、私は缶コーヒーを手渡した。
彼はハンカチで汗を拭きながらありがとうございますと丁寧な礼をして一気に飲んだ。
「アイドルをスカウトしているのかね?」
「はい、我々346プロダクションでは
随時アイドルを募集しているのですが……」
私は名刺を受け取ってしばらく彼と軽く談笑した。
後日調べてみると、テレビでよく知っているアイドルが在籍しているしっかりとした事務所らしい。
私は事務所に直接電話し、あの男が本当に在籍しているかどうか調べた。
いると言うので私は時間のある時に彼を呼び寄せた。
約束した待ち合わせ場所に行くと、彼は性懲りもなくまた職質に遭っていた。
「やあ、また君か」
「あっ、パパさん。この間はありがとうございました」
私は警察との間を取り持ち、彼と話をつけるため喫茶店に入った。
「しかしスカウトも思うようにいかないようだね」
「ええ。ですがオーディションに出ない子にこそ
アイドルとしての素質が隠されている事が多いんですよ。
大沼くるみや星輝子といったアイドルをご存じですか?
彼女たちも元々はスカウトでデビューしたんです」
「なるほどねぇ。だが、もうこの地域でアイドルスカウトは止めておいた方がいい。
この前出た小学校のPTA総会で、君と思しき男の話題が上がっていた。
そのうち人相書きまで出回るそうだ。
そうなるとやりづらくなるのではないかね」
「ええ……」
それを聞くと彼はしょんぼりとうなだれた。
その時私は彼と会ってからずっと考えていた事を話した。
ここに彼を呼び出したのもそれが理由だった。
「それで相談なんだがね……君、私の娘をアイドルにする気はないか?」
「えー! アイドルになんかなりたくない!」
プロデューサー君と後日オーディションを受ける約束を取り付けた。
その日も私は梨沙と一緒に風呂に入っていた。
もう十二歳になるのに一向にこの習慣が治らない梨沙
の髪を撫でてからそっとアイドルの件を告げた。
「どうしてだ。梨沙はこんなにも可愛いじゃないか。
充分アイドルとして通用すると思うがな」
「だって、アイドルになったらパパとの時間が減っちゃうじゃない。
アタシはパパのモノなんだからずっとパパの傍に居たいの!」
ここに妻がいなくて良かったとつくづく思う。
私の目的は梨沙をアイドルにする事ではない。
アイドルになれば私と二人きりになる時間が取れなくて
自然、私に対する深すぎる愛も薄まると考えたのだ。
梨沙がアイドル活動にやり甲斐を感じ
私の事を忘れるくらい熱心に取り組んでくれたら言う事はない。
だから私も彼女を一生懸命に説得した。
「そうか……残念だよ。パパはテレビで活躍するアイドルの梨沙が
見たかったんだが……正直がっかりだ」
「あっ……パパ、アタシがアイドルになったら喜んでくれるの?」
説得の末にうなだれる私に梨沙はそんな事を漏らした。
私は当然「勿論さ」と言った。
すると梨沙はしばらく考え込んだ後、こう私に告げた。
「じゃあアタシ、アイドルになる!」
押してダメなら引いてみろとはよく言ったものだ。
私は早速プロデューサー君に娘の確約が取れた事を連絡した。
「おおー、このコが娘さんですか! 確かにこのビジュアルなら
アイドルとして充分資格がありますよパパさん!」
オーディション当日、私は彼に梨沙を会わせた。
彼が言うには事前に梨沙の事を伝えているため
オーディションは形だけのものになるとの事だ。
「ふん、アンタ、プロデューサーなんでしょ!
アタシを今すぐトップアイドルってヤツにしなさいよ!」
「こら、梨沙!」
私に怒られて梨沙はむくれた。
「……ホントだったらアンタたちみたいなオトナとは話したくもないんだけど!
パパに喜んでもらうためにアイドルになるんだから! そこの所、勘違いしないでよね!」
「すみません。ではよろしくお願いします」
オーディションに合格した時には私もほっと胸を撫で下ろした。
だが、中々思うようにいかないのが娘というものだ。
私は彼としばしば連絡を取り合った。
親としてあの娘がどのようにアイドルをやっているのか知りたくて仕方がなかったのだ。
「どうですか、梨沙は言う事を聞いてくれるかな?」
「うーん、それなんですが、ちょっと苦戦してますねパパさん。
『なんか目線がキモいファン多くない? プロデューサー、追い払ってよ!』
いい、しっかりプロデュースしなかったらパパに言いつけるからね!』
……と、パパの言う事じゃないと聞かないと毎回言って
この前もファンの方に対して暴言を……まあ、かえって喜ぶファンも
いない事はないんですが、何分まだスタートダッシュの時期ですし
困ってます」
「ふむ……。じゃあ私が言い含めておこう」
私は彼に連絡先を教えた。
梨沙は二人しか知らない電話番号を何故彼が知っているのか困惑したようだが
これで何かあったら私に連絡が入ってしまうと知り
しばらくはアイドル活動に励んだそうだ。
「もしもし」
「あっ、パパさん。何でしょうか」
「いや明日は梨沙の誕生日でね。お祝いをしたいと思うのだが」
「そうですか。お時間を教えていただければ
それに間に合うよう梨沙ちゃんをお送りいたします」
「うんうん、それでだね……」
私は午後八時頃、都内のホテルに来るよう彼に連絡した。
果たして彼は梨沙を時間きっかりにホテルのロータリーまで運んでくれた。
「パパ!」
「やぁ梨沙、お疲れさま。悪いね、娘を送ってもらって」
「全然構いませんよ。しかしいいですね、家族さんから祝ってもらえて」
「ふふん、いいでしょ~~?
年に一回のパパとの豪華ディナーなんだからね!
……って、なんでアンタもついてくんの!?」
「いや、実はな……」
「梨沙、私が彼を招待したんだよ」
「えーそんなー! ……もぉ~! アンタもいるとか聞いてないわよ!!
せっかくの二人きりのディナーだったのに!」
私がプロデューサー君をディナーに招待のには理由がある。
一つは扱い辛いであろう梨沙のアイドル活動を
支えてくれている感謝を示すため、そしてもう一つは
梨沙が羽目を外してしまわないようにするためだ。
基本彼女の誕生日はホテルでディナーを摂るというのが
ここ数年の決まりとなっている。
彼女と仲の良くない妻は、その日だけはいつも義父と食事をしに行くので
料理のできない私は必然、娘と外食を摂る事になる。
しかし二人きりの空間がそうするのか
ディナーの時彼女はしきりに私にモーションをかけるのだ。
車の中やホテルの一室でしなを作り、妻と別れてほしい旨をしきりに訴える
娘には私も辟易としていた。
「それで、君。最近のアイドル活動はどんな調子なのかな?」
「絶好調ですよ。今後はCD展開と連動してライブも積極的に……」
プロデューサー君と仕事の話を語り合っている間
ずっと梨沙はふてくされていた。無理もない。
だが、これから誕生日や父の日そしてクリスマスは
ずっとプロデューサ-君を交えてディナーを摂るつもりなので
慣れてほしいものだ。
重役との会合の時だった。
私は席を外してメールを見る。
「パパさん、こんばんは」というタイトルで
プロデューサー君からメールが来ていた。
梨沙の今後のスケジュールは彼から直接このように知らされる。
梨沙からの報告よりも早くてこちらもそれに合わせたスケジュールを
組みやすいのでとても助かっている。
私も彼も梨沙の事について少なからず相談を持ちかけるため、連絡は密に取っていた。
「やあ。プロデューサー君。
以前は初詣に付き合ってもらって悪かったね。
さて、梨沙のプロデュースは順調かな?」
そうメールすると、やがてこんな返信が帰って来た。
「それなんですがね……今度遊園地でパレードを行う予定なんですが
梨沙ちゃんが行くのを渋っているんです。
『こんなに仕事やっていたらパパとのデートの時間が減っちゃうでしょう!』
と言って……」
私は苦笑した。
確かに最近プロデューサー君に甘えてしまい
極力梨沙の営業スケジュールをフルに入れてもらっていたのだ。
そして彼女の休日の大半は、私の出勤日に合うように組んでもらっていた。
おまけに夕食は、ここの所ずっと彼を交えて三人で食べている。
だからいつかはこんな不満も娘から出てくるだろうな、とは思っていた。
私は、何とかしてみせます、と返信して翌朝梨沙と話を交わした。
「梨沙、最近忙しそうだな」
「そうよパパ。アイツってば鬼のようなスケジュール組んで休んでる暇もないわ」
「それでな、たまにはパパとどこかに行かないかと思ってね」
「えっホントに! 行く、行く! どこに行くの!?」
「場所は遊園地にしようかなと思っている」
「遊園地? それなら次の仕事で行く所にあるわ。
パレードあるっていうけどパパ、アタシは……」
「おお、そうかそうか! それなら都合が良い。
梨沙、仕事に行くついでにそこでデートの下見もしておいてくれないか。
パパもネットで調べるけれど、やはり現地で実際確かめた方がいいし
パパは仕事で中々いけないんだ」
「そうなの? 分かったわ。そういう事なら任せてパパ!」
こうして、何とか私は梨沙を遊園地の仕事に行かせる事に成功した。
毎回このように私は彼女を説得していた。
スケジュールが合わないと言って直前にデートを中止にしたり
仕事の話があると言ってデートにプロデューサー君を
連れてきたりと、何かと工夫はしている。
毎回そのパターンではかえって避けていると怪しまれるので
何回かは本当のデートを挟むようにした。
今、私のスマホには梨沙から送られてきた写真が映っている。
彼女はオーストラリアで本場のサファリを堪能しているようだ。
新しく出来たアイドルの友達と共に
満面の笑みで動物と戯れている彼女を見て、私はほっと安堵の息を漏らす。
娘がアイドルになってから早くも一年以上が経過していた。
彼女とする話題はいつしか友達、レッスンそして歌ばかりになり
以前のように私を始終追っかけ回して誘惑し、依存する事もなくなった。
母親との摩擦も昔ほどではない。
これもプロデューサー君と綿密に連絡を取り合い
彼女にアイドルという新しい興味を持たせた結果だ。
それにしても、娘が自立しようと離れていく時の
父親の気持ちとはこのように寂しいものなのだろうか。
私は時々娘から送られてきた仕事場の写真を眺める時、そう感じるようになった。
しかし、これでいい。
父を愛し母を憎むような悲しみのエレクトラは、いない方がいいのだ。
「パパさん、お疲れ様です」
私は例のようにプロデューサー君を交えてディナーを摂っていた。
サファリから帰ってきた二人は山のような土産話を携えて
食卓をにぎやかにしてくれた。
「いやいや、君こそお疲れ様。
いつも娘をサポートしてくれてありがとう。
この前のオーストラリアのコンサートも見ていたよ。
それにしても、梨沙はどんどんダンスが上手くなっていくな」
「でしょー! アタシのダンスは一級品なんだからねパパ!」
梨沙は小さな胸を反らして得意顔になっていた。
そして自分がレッスンに全力で打ち込んでいるかを語って見せた。
「ええ、梨沙ちゃんのダンススキルは目を見張るものがありますね。
勿論、ビジュアル的なアピールも高水準ですし、我々としましては
ボイストレーニングを重ねつつ、継続して
長所を伸ばしていく方針を取っています。
……ところでパパさん」
梨沙が小用に席を立った時、プロデューサー君は私の手を取った。
どこか思い詰めたかのような真剣な彼の表情に、私は何事かと身構える。
「な、何かな……?」
「ずっと自問自答を繰り返していたのですが、ようやくここで踏ん切りが付きました。
最初に出会った時からずっと、パパさんの助力には本当に感謝しています。
パパさんなくして、今の梨沙ちゃんの活躍、そして私はありません」
「オーバーだよ。私は梨沙の父として当然の事をしたまでだ」
「いえ、新人の俺がこうまで出来たのも、全てパパさんのおかげです」
一瞬の事だった。
彼は右隣の席から身を乗り出して私の唇を奪った。
一体何をされたのか分からず固まったまま彼を見ていた。
彼は私が今まで見た事もないような色の瞳で私をうっとりと見つめている。
じわりと嫌な汗を掻く私を尻目に、彼は思いの丈を至近距離でぶつけてきた。
「はっきり言います。俺は……パパさんの事が好きです!」
周りにいた客は、同性にキスをし、更には
告白までしてきた彼に一斉に注目した。
「き、君!? 好きというのは……!?」
「ラブです!! 毎日パパさんの事を思わない日はありません!
ああっ! こんなに人を好きになったのは生まれて初めてです!
パパさんは、本当に、俺の最愛の人なんですよ!」
また唇を突き出してハグして来ようとする彼から
逃れるように私は腕を突っ張った。
「ちょっと落ち着いてくれたまえ! 私たちは男同士で……!」
「この歳でようやく気づく事が出来ました、愛に性別は関係ない、と!
俺の熱いこの想いは、全てを超越しています。
束縛もいたしません。パパさん! 奥さんと別れろとは言いませんから
今一度、俺の愛を受け止めて……!」
「ちょっ、何やってんのよアンタはッッ!」
無理矢理私の唇にしゃぶりついてくる彼を、トイレから帰ってきた梨沙が引き離した。
「梨沙、お前にも言っておきたい事がある。
今から俺たちは恋のライバルだ!
俺はこのパパさんへの愛で、どんな障害も乗り越えてみせるッッ!」
「いいわよこのヘンタイッッ!
パパは私のものなんだから絶対に渡さないわッッ!」
私は今更になってキスされたショックで椅子ごと後ろに倒れ込んだ。
以上です。>5、>6とミスりましたが
目欄の隣にある記号は好感度を示しています
ええ……
しかし血縁の娘よりは他人のPの方が(危険思考)
ファッ!?何で男なんだ…
荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」
↓
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」
↓
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋
↓
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」
↓
>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469662754/)
余談
7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:06:48.44 ID:10oBco2yO
ターキー肉チーッスwwwwww
まーたs速に迷惑かけに来たかwwwwwwwww
9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:12:33.84 ID:LxY8QrPAO
>>7
はいNG設定
この速さである
相変わらずターキー肉くん=>>1という事を隠す気も無い模様
31 ◆xmciGR96ca4q sage saga 2016/07/28(木) 12:50:19.79 ID:g6WSU+sH0
昨夜寝ぼけてスレ立てミスったんで憂さ晴らしも兼ねて久々のロイミュ飯でした。書き溜め半分残り即興なんで色々アレかもしれませんがアレがアレなんでアレしてください何でもシマリス(熱中症
建てたら荒れると判ってるスレを憂さ晴らしに建てる
つまり>>1は自分の憂さ晴らしにs速を荒らして楽しんでる
うーん、いつも通りのクズ>>1で安心するわー
急な一転攻勢に笑いを抑えきれない
えぇ…(困惑)
親父さん苦労人で報われてよかったねと思ったら突然のホモ展開に草
上手い
初めてですよ…ここまで私をコケにしたおバカSSは…
すげーいい話だと思ったのに、最後の最後で乾いた笑いが出たわwww
乙でした
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