チノ「普通の1日」 (15)
チュンチュン
チノ「ふぁ~・・・」
チノ「眠い・・・」
ガチャッ、バンッ!
ココア「おはようーチノちゃん!チュッ(笑)」
チノ「・・・、この人は朝っぱらから・・・」
ココア「もふもふしに来たよ!」
チノ「頼んでません」
ココア「保登ココアはバージョン10にアップグレードされました、寝ているうちに!」
チノ「セキュリティが甘い・・・!」
ココア「バージョン10になったので毎朝起動と同時にチノちゃんをもふもふします!」
チノ「か、感染している・・・!明らかに不具合が起きているっ!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1469626351
チノ「お断りですよ、鬱陶しい。前のバージョンに戻してください」
ココア「え、いいの!?バージョン7に戻しちゃっても!?」
チノ「昨日まではそれだったんでしょう?」
ココア「ってことは、起動中は常に優しくチノちゃんをもふり続ける『省全もふモード』をやっていいってことだね!?」
チノ「省なのか全なのか!そんな常設されたブラクラを放置するバカがいますか!?」
チノ「記憶を改竄しないでください、そんなプログラムはありませんでした!」
ココア「えへ」
チノ「ココアさん、いい加減にしないと本当にお払い箱ですよ」
ココア「え」
チノ「明日からそこにいるのが『エスプレッソさん』でも『アメリカンさん』でも良いんですよ、私は!」
ココア「ア、アメリカンさん!?それただの外国人・・・!」
チノ「それとも『ミロさん』探して来ましょうか!?」
ココア「ぎょぇえー!?ミロちゃんはやめて、すごく現実味があるから!!」
ココア「えーん、チノちゃんが冷たいよ~」
ティッピー「(毎日朝から騒がしいやつじゃの・・・)」
チノ「ココアさんがいけないんですよ」
チノ「毎朝毎朝、人のことをもふもふもふもふ・・・」
チノ「もふもふは乱獲により絶滅危惧種に指定されました」
ココア「絶滅危惧種!?」
チノ「よって、これよりもふもふには厳しい制限を設けます」
ココア「そ、そんなー!?もふもふがないと私、生きていけないよー!」
チノ「泣いてもダメです」
チノ「格言にもこうあります。いつまでも・あると思うな・親ともふ」
ココア「絶対違うよね、最後おかしいよねそれ!?」
チノ「ココアさんは、ある日突然私からもふもふがなくなる悲しさを味わえばいいんですよ!」
ココア「て、鉄の女っ・・・!!」
ココア「今日は何しよっか。お詫びにチノちゃんのお願い聞いてあげる」
チノ「そうですか。と言っても、特にないですけど・・・」
ココア「あ、そういえば見たい映画がレンタル開始したんだった!」
ココア「チノちゃん、DVD借りてきて一緒に見よ?」
チノ「ぜ、前言撤回が早すぎるっ・・・!」
ティッピー「ヤレヤレ・・・」
ココア「?」
チノ「本当にこの人は・・・。ええ、まぁいいですよ」
ココア「やった!じゃ、出掛けよう!」
ココア「あ、千夜ちゃんシャロちゃん」
千夜「あら。おはよう二人とも」
シャロ「二人でおでかけ?」
ココア「うん。二人はデート?」
千夜「そうよ」
シャロ「断言した!?違うわよ、ちょっとお散歩しようってだけ」
チノ「休日に二人でお散歩ならもう十分だと思うんですが・・・」
シャロ「え」
千夜「でしょう?」
千夜「私達も一緒に行くわ」
ココア「四人で歩いてるとこリゼちゃんに見つかったらヤバイかな」
千夜「み、見つからないよう祈りましょう」
チノ「呼ばないんですか」
千夜「悪いわ、せっかくの休日にDVD借りに行くためだけに呼び出しちゃ」
ココア「でもリゼちゃん、そういうとこ結構ヘタレだから」
ココア「バレたらきっと落ち込むよね(笑)」
シャロ「わざとやってんの!?やめなさいよココア、今すぐリゼ先輩を呼んであげて!」
千夜「・・・」
千夜「(シャロちゃん、今お金持ってきてないでしょ?リゼちゃん呼ぶんならお昼ご飯皆で食べに行くくらいしないとだし)」
千夜「(そうなったら困るのはシャロちゃんじゃない?)」
シャロ「うっ、それは・・・」
千夜「ああでも、やっぱり呼ばないのは悪いわよね。うんうん」
ココア「じゃあ大至急リゼちゃんにも来てもらおうか」
千夜「さんせ~い」
シャロ「ちょ、ちょっと待って!やっぱちょっと待って!」
千夜「あら、まさかシャロちゃん、リゼちゃんをのけ者にしようと言うの?」
ココア「そんなっ・・・、ひどいよシャロちゃん!」
シャロ「こいつらっ・・・!」
シャロ「そうじゃなくて!ここは間をとって」
シャロ「リゼ先輩を呼んで私が帰ればいいのよ!!」ババ~ン!!
ココ千夜「えぇ・・・」
リゼ「ココア達何してるかなー」
リゼ「誘って何かすればよかったかな」
リゼ「あーいや、せっかくの休日を邪魔するのも悪いかな・・・」
リゼ「ん?」
四人「ーーー。ーーー!」ワイワイ
四人「ーーー、ーーー」キャッキャウフフ
リゼ「・・・」
リゼ「・・・」
ココア「リゼチャンニバレチャッタラドウシヨッカー」
チノ「グウゼンアツマッタトイウシカアリマセンヨ」
リゼ「・・・」
リゼ「」
ココア「たくさんあるねー、DVD!」
千夜「シャロちゃんは何が見たい?」
シャロ「何でもいいわよ、どうせ私が借りるんじゃないし。千夜が見たいもの借りなさい」
千夜「そうね・・・。あ、シャロちゃんにぴったりのがあるわ」ヒョイッ
シャロ「ん?」
千夜「『シンデレラ』」ババーンッ!!
シャロ「シンデレラ!?なぜ今それを!?」
千夜「シャロちゃんにぴったりだと思って」
シャロ「どういう意味よそれ!?」
千夜「あ、これも素敵だわ」
千夜「『小公女セーラ』」ドドーッン!!
シャロ「ストーーーップ!!!」
シャロ「その路線やめて!!」
千夜「同族嫌悪?」
シャロ「ち・が・う!!」
シャロ「私別にそこまで追い詰められてないわよ!!」
千夜「冗談よ、本命はこっち」
千夜「『明日のナージャ』」ズババーン!!
シャロ「大して変わってないし!なんでさっきから『苦境に立たされた少女』的なのしか選ばないのよ!」
千夜「儚げな姿がシャロちゃんにぴったりだと思って」
シャロ「儚げとか言っとけばごまかせると思ってんじゃないでしょうね!!」
千夜「思ってないわ(棒)」
シャロ「こいつっ・・・!」
シャロ「とにかく、そんな気の滅入りそうなの見てらんないわよ」
千夜「それもそうね。じゃあこれは私が見てさらに勉強しておくわ」
シャロ「ダメダメダメ!これ以上悪女成分増やされたら手に負えない!」
ココア「あった、これだ!」
チノ「ああ、流行りの作品ですね」
ココア「見たかったんだー。チノちゃんは興味ない?」
チノ「私は特に」
ココア「・・・。チノちゃんは、流行りものには乗らない私、の人?」
チノ「!? なんですかその言いぐさは!?」
ココア「あ。いやほら、チノちゃんって休日に一人ボトルシップ作ったりジグソーパズルやってニンマリしてるような子だから」
ココア「そうなのかなーって、あはは」
チノ「こっ・・・、この人言わせておけば・・・!」
チノ「そんなに言うんならいいんですよ、流行りに乗っても!」
ココア「ち、チノちゃん!?」
チノ「歩きスマホしますか、人混みでリアルランダムエンカウントやりますか!?」
ココア「何のために!?」
チノ「来る人来る人に肩バシーッンってぶつけてオラツいたっていいんですよ!?」
ココア「お、落ち着いてチノちゃん!流行ってるのはその部分じゃないよ!?」
チノ「まったく。人には向き不向きがあるんです。ほっといてください」
ココア「ごめんってば~」
チノ「さっさとそれ借りて帰りましょう」
ココア「はーい」
ココア「結局何借りたの?」
千夜「『酔拳』」
チノ「!?」
ココア「Zzz」
チノ「寝てる・・・。自分で借りてきた映画なのに・・・」
ティッピー「本当に仕方のないやつじゃな」
チノ「そうだ、おじいちゃんが見たいと言っていたのも借りて来ましたよ」
チノ「『スターウォーズ7』」
ティッピー「おお、すまんの」ピョンピョン
チノ「ココアさん起きませんし、こっちを見ましょうか」
ブォンバチンバチン
ドカーン
テーテー テレレテーッテ テレレテーッテ テレレレー
チノ「・・・」
ティッピー「・・・」
チノ「どうでした?」
ティッピー「うむ。まぁまぁじゃな」
チノ「正直、お話は私にはさっぱりでした。何となく楽しそうなことだけはわかりましたが」
ティッピー「そうか・・・。まあ、前のを見てないとわからんかの」
チノ「でも、さすがにこれを楽しむために映画6本も見るのは大変です」
ティッピー「そうじゃな・・・」
チノ「私、前から気になっていたんですが」
チノ「以前からのファンのためだけに作られるんでしょうか、こういう続編の映画というのは」
ティッピー「そうではないじゃろう。新しく見始めたっていいはずじゃ」
チノ「それにしては、なんだか不親切な気がします・・・」
ティッピー「・・・。多少は仕方ないことじゃな」
ティッピー「続き物だからこその面白さもあるじゃろう。ファンはそれを楽しみにしてるんじゃし」
ティッピー「新しい人には、旧来のファンがそれまでのものをちゃんと教えていかなければの」
チノ「・・・。なら、おじいちゃん怠慢ですよ」
ティッピー「えへ」
チノ「これ、続きはいつやるんですか?」
ティッピー「何年か後じゃろうな」
チノ「え・・・、そんなに待つんですか?」
ティッピー「仕方あるまい。続きがあると分かっているだけありがたいと思わねばの」
ティッピー「本当なら、映画なんて1本やって終わりのものなんじゃから」
ティッピー「いくら待っても、続きのない物ばかりじゃ」
チノ「・・・、そうですね」
ティッピー「だから続いている内は、続くと分かっている内は、ちゃんと応援せんとな」
ティッピー「そしてそれが、その先へと続いていく・・・」
チノ「その先・・・?」
ティッピー「終わりを迎えた、その先じゃよ」
チノ「・・・」
チノ「・・・。じゃあ、またDVD借りに行かなくちゃですね」ニコ
ティッピー「すまんの」テヘ
ココア「Zzz・・・」
・・・
ココア「ぎゃあ、寝ちゃってた!」
チノ「やっと起きましたか?もう夕方ですよ」
ココア「しまった、せっかくの休日が~」
チノ「ふふん。流行りに流されて時間を無駄にする、滑稽ですよココアさん」
ココア「ぐっ、返す言葉がない・・・」
チノ「・・・。今度は、ちゃんと楽しめることしましょうね」
ココア「!?まさか、省全もふモード」
チノ「違います」
ココア「じゃあ、半もっふ!半もっふでいいから!」
チノ「くだらないこと言う位なら寝ててください」
ココア「えーん、やっぱりチノちゃん冷たいよ~」
チノ「・・・。いや、寝てるくらいならそれでもいいかな・・・」
おわり
もう終わり?まだ書けるでしょう?
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