私の住むヴァルキリーの国では15歳を迎えると成人になる権利を与えられます。

権利を与えられたヴァルキリーの卵達は足型にあった靴をヴァルキリーの女王直々に手渡されます。

そして、各地の神獣と呼ばれる存在から加護を受けた宝玉を譲り受け靴に施し、着用する事で国から正式に一人前のヴァルキリーと認められます。
その為、15歳は旅立ちの日とも言う大切な日な訳です。

かくいう私も15歳を迎えた時に女王から靴を譲り受けた身なのですが、いまだに神獣とやらに出会うこと無くついには19歳の誕生日を迎えてしまいました……

まあ、そもそもヴァルキリーなんて翼があるんだから、正直靴なんていりませんよね……

くだらない仕来りで苦しめられる麗しい乙女達の事を考えていないんでしょうか。

先人から神獣の知識を与えてもらう事は禁止されているので、ほとんどのヴァルキリーは神獣を見つける可能性を上げるために友人達を集めて旅を行うそうですが、正直、私のようなエリートは一人で十分なんですよね～なんて周囲に吹聴してましたが、この有様です。

適当にその辺を彷徨いてたら出会うだろうなんて考えていた私が間違いでした……

「ここ、どこなのおおおおおおおお！！？」

はい、可愛く言えば迷子です。
ぶっちゃけて言ってしまいますと、遭難です……そうなんです……

まあ、遭難しながらもここで4年間一人で生き抜いた私凄いでしょう？

ごめんなさい。こんなこと言わないと死んじゃいそうです……。