モバP「のあさん」 (49)
※SS初投稿です。なにか至らぬ点がありましたら指摘兄貴の方々よろしくお願いします。
※4コマのような構成で書いています。孤高のミステリアスアイドル高峯のあとは別人です。
『のあさん』
ガチャ
P「ここがうちの事務所になります。どうぞ、入って下さい」
のあ「………」
凛(あの人が新しく所属するアイドル?)ヒソヒソ
卯月(わっ、すごい綺麗な人……)ヒソヒソ
未央(雰囲気あるね〜……)ヒソヒソ
みく(Pチャン一体どこで捕まえてきたんだにゃ……)ヒソヒソ
P「どうですか? あまり大きな事務所ではないですが、所属している娘達もいい娘達ばかりですよ」
のあ「……そうね……悪くない、気に入ったわ……。——ところでP、聞きたいのだけれど……」
P「なんでしょう?」
のあ「高槻やよいはどこにいるのかしら?」ソワソワ
凛(ファンだ)
卯月(ファンだあの人)
未央(プロダクション間違ってるし)
みく(LIVE会場でスカウトしたんだにゃ……)
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深刻なライトニングさん化
『出会い』
のあ「——そう、ここには真きゅんもいないのね……」
凛(真きゅん言うた)
卯月(落ち込んでる)
未央(表情変わらないけどすっごい落ち込んでる)
みく(あれ結構ガチなファンだにゃ)
P「——ん? 何だお前たち居たのか。そんなところに隠れてないで出て来なさい」
凛「(あ、ばれた……)うん、ごめんね」
P「今日は4人ともオフのはずだけど?」
卯月「ちょっと、新しい人が気になっちゃって……」
未央「みんなで見に行こうかって話になって……」
みく「覗き見たりしてごめんだにゃあ……」
P「まったく、しょうがないな……。ほら、4人とも挨拶しなさい」
凛「うん——渋谷凛です。さっきは覗き見したりしてごめんなさい」
卯月「島村卯月です! よろしくお願いします!」
未央「本田未央、元気が取り柄の15歳です! よろしくね!」
みく「前川みくだにゃ! 初めましてだけど、気軽に『みくにゃん』って呼んでほしいにゃ!」
のあ「……高峯のあよ。さっきのことは気にしていないわ。……私が年上になるけれど、この世界ではあなた達が先輩、私は新人……。
同じ道の上……前をゆくあなた達に追いつけるよう、手を抜くつもりはないわ。——こちらこそよろしく、凛……」
凛「……うん……!」
のあ「卯月……」
卯月「はい! 私も頑張ります!」
のあ「未央……」
未央「えへへー、私だって負けないよ!」
のあ「前川」
みく「なんでにゃ!」
『禁忌交わる』
——私の名前は神崎蘭子——
——実は私……今、とっても気になってる人がいるんです——
——それは——
のあ「………」ペラッ
蘭子(似ている……)ジーッ
蘭子(我がグリモワールに描かれし『惑星(ホシ)の終焉(ヲワリ)を見つめし銀髪の美姫』、『ジークリンデ』に!)
のあ「………」ペラッ
蘭子(しかも……読んでいる本は禁忌を束ねし書物と噂される『罪と罰』……!) *読んだこと無い
蘭子(——そんなことあるはずない……けど!)
蘭子「ぎ、銀髪の美姫よ……!(の、のあさん!)」
のあ「……?」
パタン
のあ「なにかしら?」
蘭子「問おう……そなたは『惑星(ホシ)の終焉(ヲワリ)を見つめし者』か?(あなたは……『ジークリンデ』なの……?)」
のあ「……! ——どうやら、貴女には備わっているようね……『観測者(オブザーバー)』の力が」
蘭子「や、やはり!(や、やっぱり!)」
のあ「だけど、今の私は『第七物質(マテリアル)』が欠けている存在……空虚な器、高峯のあという存在でしかないわ」
蘭子「そんな……!(そんな!)」
のあ「不完全な存在である私がこの世界……『ラ・ワルド』に留まるためには滞留する無数の『アーティファクト』と『コネクト』し、私自身を『再構築』する必要がある」
蘭子「わ、我が力で……!(わ、私にできることは……!)
のあ「——長い旅になる……そう思っていたけれど……そうね、貴女の力が覚醒すれば……あるいは、その時が来るのも近いかもしれない……わね」
蘭子「! ……わ、私、がんばる!」
のあ フッ
のあ「——『ラ・ヨダソウ・スティアーナ』」スタスタ
蘭子「らっ、……『ラ・ソーダアイス』!」キラキラ
P(意外とノリいいなあの人)
『覚醒女王』
P「のあさん」
のあ「P……もしかして、見ていたのかしら」
P「あ、はい。なんか出て行きづらくて……すみません。その……ありがとうございます」
のあ「なんのことかしら」
P「蘭子のその……厨二病に付き合ってくれて」
のあ「P」キッ
P「は、はい!」ビクッ
のあ「——あの娘が見ている世界……思い描く世界は他の人間から見れば理解できない……そう、滑稽なものかもしれない」
P「………」
のあ「でも、それは彼女の持つ立派な個性……純粋な心そのものよ」
P「!」
のあ「アイドルとはすなわち偶像……多くの人間が視線を注ぎ、時には崇拝するその対象は、純粋であれば有るほど磨かれ、光輝くわ」
P「………」
のあ「言葉ひとつで切り捨ててしまうのは簡単なことよ。……けれど、貴方の仕事はそうじゃない。彼女たちの『個性』を、『心』を大事に育て上げ、
そしていつかは何物にも代えがたい一つの『星』へと導くこと……ではないかしら?」
P「……俺が、間違っていました」
のあ「……出過ぎた真似をしたわ。だけど、忘れないで。貴方がすべきこと、貴方にできること、貴方にしか出来ないこと……。
そして…私も『星』を目指す一人だということを」
P「……はい! もちろんです!」
のあ フッ
のあ「ところでP、ひとつ、貴方の意見を聞きたいのだけれど……」
P「はい、なんでしょう」
のあ「私の異名だけれど……『ザ・ミスティック』と『クイーン・オブ・ナイトメア』のどちらがいいかしら」
P「ノリノリじゃないっすか」
『たかがきさん』
パシャッ パシャッ
のあ「………」
楓「………」
カメラマン(素晴らしい……やはり素晴らしい……)
カメラマン(『神秘の女神』高垣楓と『寡黙の女王』高峯のあ……)
パシャッ パシャッ
のあ「………」
楓「………」
カメラマン(まだどちらともアイドルとしての歴史は浅い……だがどうだ、彼女たちの完成された雰囲気!)
カメラマン(憂いを帯びた瞳、視界に入ることすら躊躇われる高貴な眼差し……まるで世界の行く末を見つめる二人の女神……!)
パシャッ パシャッ
のあ「………」
楓「………」
カメラマン(——彼女たちは今、何を考えてるんだろうな……女神たちの憂い、その理由を垣間見ることが出来たら……)
カメラマン(……俺は今この時ほど自分が凡人であることを嘆いたことはないよ、ははっ)
のあ&楓(お腹すいた……)
『たかがきさん2』
のあ「モツ」
楓「つくね」
のあ「ネギ塩豚」
楓「たこわさ」
P「………」
のあ「鯖のしょうが煮」
楓「煮玉子と鶏肉のピリ辛和え」
P「えっと、二人共」
のあ「モッツァレラチーズとトマトのサラダ」
楓「大根おろしと大葉の冷奴」
P「この書類片付けたらちゃんと食事連れて行きますから、その『食べたいものしりとり』やめませんか」
のあ「唐翌揚げ」
かわいい
『天才ですから』
P「博士」
晶葉「なんだね助手よ」
P「最近のあさんのファンの間でまことしやかに囁かれている噂がありまして」
晶葉「ほう」
P「なんでもLIVE中でも息ひとつ切らさず、かつ表情をまったく崩さないことからもしやロボットなのではないかと……」
晶葉「はっはっは、なんだそれは」
P「俺も最近見た目はクール、中身はパパパパッションな彼女を見ているとなにか普通じゃないというか俺がスカウトしたクールビューティーなあの人は
一体どこにミステリアスを投げ捨ててきたのかと頭を抱える次第でありまして」
晶葉「有り得んな」キッパリ
P「一蹴しましたね。その心は?」
晶葉「私が作った覚えがないからだ」
P「あー……あー、なんかカッコイイっす」
『Su○caも使えます』
P「実はサイボーグのあちゃん説以外にももう一つありまして」
晶葉「なにかね」
P「はい、実はのあさんは宇宙人なのではないかと……」
晶葉「宇宙人ならうちはもう間に合っているだろう」
P「そうなんですけどね——あっ、博士、ちょっとこっちへ!」
晶葉「む、どうしたそんなに慌てて——」
のあ「————」
菜々「————」
晶葉(なるほど……疑惑の人物と自称・宇宙人の邂逅というわけか)
P(一体何を話してるんでしょうね……結構マジな雰囲気っぽいですが。もう少し近づいてみましょう)
のあ「——私も単なる好奇心からこんな質問をしているわけではないわ……」
菜々「はい……」
のあ「……だけど、同じ事務所の仲間が悩みや秘密を抱えているなら……私はそれを見過ごすことは出来ない……」
菜々「それは、そのぅ……」
晶葉(む、マズイぞ助手!)
P(のあさん、まさか禁忌に触れる気か!? それはいくらなんでも……!)
のあ「あなたが……私を仲間だと思ってくれているなら、話せるはずよ……」
バシッ(壁バン)
のあ「ウサミン星への運賃はいくらなの……!」
晶葉(ありゃ宇宙人だわ)
P(わかるわ)
『私、気になります!』
蘭子「………」オエカキチュウ
蘭子 チラッ
のあ「………」ペラッ
蘭子「………」カキカキ
蘭子 チラッ
のあ「………」ペラッ
蘭子「………」チラッ
パタン
のあ「蘭子」
蘭子「——! は、はい!」
のあ「焦らずともいいのよ。『機関』も今は迂闊には動けない……『観測者』との不用意な接触は『ウロボロス』の封印が解かれる引鉄にもなり得る……
『彼ら』にとってそれは望む所ではないわ……」
蘭子「……はい」
のあ「でも、『アマテラス』の力を秘める貴女の覚醒がこの世界の終焉を救う『鍵』となるのも確か……私の中の『ツクヨミ』もあなたの成長に合わせ共鳴しているわ」
蘭子「私の……力が……」グッ
のあ「いずれ『魔導書』がその瞬間(トキ)を告げる……それまでは貴女も力を蓄えておきなさい……」
蘭子「はい! 頑張ります」
のあ フッ
のあ「アリーヴェデルチ……!」
蘭子「あ、アリとウェルチ!」
P(『なんでネコミミメイドの格好してるんですか』って聞いていいんだぞ、蘭子……)
メル欄sagaにしてたほうがいいはず
『たかがきさん3』
ガチャッ
楓「おはようございます。——あら」
のあ「おはよう、楓」
楓「………」
サッ
楓「メイドさん、この茶葉はどこ産ですか?」
のあ「メイド・イン・イングランドよ」
楓「ふふ……」
のあ「フフ……」
カチャカチャ
のあ「……楓、この紅茶はどこに置けばいいかしら?」
楓「ここに置こうちゃ……」
のあ「フフ……」
楓「ふふ……」
P「違うよー二人共ー、『ミステリアス』って『変な人』って意味じゃないんだよー」
>>12 指摘ありがとうございます
『改革』
のあ「ところでP」
P「……なんですか」
のあ「私がこの部屋に入った時から、あなたは何故私の格好に対して何のコメントもないのかしら」
P「これでも危機回避能力は高い方だと自負しております」
のあ「私がこんな格好をしている理由……それは」
P「自分から語っていくのか……」
————
のあ「——だから、そういうこと」
P「あんたあの人に会いましたね? ……はあ、つまりトップアイドルを目指すためにいろいろやってみたいと」
のあ「そう……今は個性に乏しい私でも、アイドルを目指すものは誰もが可能性の獣……希望の象徴……」
P「個性のケダモノみたいな人がなんか言ってる」
のあ「まずは容易な外見から改革を……と考えたでごぜーますよ」
P「そうでごぜーますか」
のあ「にょわー」
P「いや、それさっきからただのパクリですからね?」
のあ「のあー」
P「アレンジしてもダメです」
のあ「うっうー」
P「分かったからとりあえず終始真顔なのやめましょうよホント」
面白いww
『男ですから』
のあ「——ねえ、P。私が気づいていないと思ってる?」
P「な、なんのことですか」ギクッ
ズイッ
のあ「——さっきから貴方、私から微妙に目線を逸らしてる——」
P「ちょ、ち、近いですよのあさん!」
ズイッ
のあ「……ふふっ、ダメじゃない……貴方は私のプロデューサーなのだから……。自分のアイドルのことは、しっかりと見ていないと……」
P「い、いや、だって正直その衣装お腹とか見えちゃってますし、む、胸も……」
のあ「胸も……なに?」
P(クッ……普段ポーカーフェイスのくせになんて扇情的な表情を……)
クイッ
P(あ、ネクタイが……)
のあ「……ねえ、率直な意見を聞かせて貰いたいわ……。こんな格好の私を見て……どう、思う?」
P「ど、どうって……」
のあ「似合う……? それとも……ダメ…………かにゃ?」ウワメヅカイ
P「! ……うっ、あっ……」
のあ「ありす、つまりこういうことよ」
ありす「……反省します」
P「いつからいたの!? やめて! そんな眼で見ないで!」
『正々堂々』
みく「おっはにゃ〜っ♪ 今日も元気に——って、うにゃああああああ!?」
のあ「おはよう、みく」
みく「こ、これはどういうことだにゃ! のあチャンのその格好は……しかもPチャンなんか泣いてるし! しかも女の子座りで!」
P「うっ、うっ……もうお嫁にいけない……」グスッ
みく「キモッ、——じゃなくてキモいにゃ!」
ありす「本当にどうしようもない人……生きていて恥ずかしくないんですか?」
P「ごめんなさい……ごめんなさい……」
みく「うわぁ……いい年した大人が女子小学生に蔑まれてるにゃ……見ちゃいけないものを見てしまったにゃ……
——ハッ! そうじゃないにゃ! のあチャン、なんでネコミミメイドの格好なんてしているにゃ!
まさか……みくのネコキャラ——じゃなくてネコアイドルの座を奪うつもりにゃ!?」ワナワナ
のあ「落ち着きなさい、みく」キリッ
みく「ニャッ!?」
のあ「私は自分の視野を広げるために斯様な格好をしているだけ……それ以上の意味は無いわ」
みく「ホ、ホントにゃ?」
のあ「それとも……こんな付け焼刃な模倣で揺らいでしまうほど、あなたは今の自分に自身がないのかしら……」
みく「そ、そんなことないにゃ! みくは誰にも負けにゃいネコアイドルにゃ! 誰よりも猫チャンのことを知ってるし、猫チャンの気持ちがわかるにゃ!」
のあ「そう……その意気よ。……私もこんな形で張り合うつもりはない……やるからには正々堂々と、それが私の信条よ……」
スッ
のあ「お互い、頑張りましょう……」
みく「のあチャン……えへへ、なんか改めて握手って照れるにゃ……」
ギュッ
のあ「……ちなみにみく、ひとつ言っておきたいのだけれど……」
みく「にゃ?」
のあ「私は魚が大好きよ」
みく「に゛ゃあああああああああーー!! のあチャンがいじめるにゃああああああーー!!」
『お前はあの星になれ』
留美「——あら、P君。まだお仕事?」
P「ああ、和久井さん。レッスンお疲れ様です。そうですね、まだちょっとかかりそうです」
留美「最近この事務所も活気が出てきたものね。仕事が増えるのも無理ないわ」
P「ははっ、まあ嬉しい悲鳴ってやつですけどね」
P(そう言えば丁度あの人がここに来た辺りからだったかな……)
P(——その分心労も増し増しなんだけど)
留美「あまり無理はしないでね。元秘書としては、あなたが疲れてる姿は気が気でないわ」
P「はい、ありがとうございます。和久井さんも明日がありますし、俺のことは気にせず帰ってゆっくり休んで下さい」
和久井「そうね……そうさせてもらうわ。それじゃ今日の婚姻届、ここに置いておくから。お疲れ様」
P「おつかれーしたー」
P(ふう〜、結構かかっちゃったなー、すっかり暗くなってしまった)キコキコ
P(——ん?)
キキーッ
P(河川敷に……誰か居るな……。あれは……のあさんと……アーニャ?)
のあ「———」
アーニャ「———」
P(なんであの二人が……空なんか見上げて……)
P(——あっ、そう言えば、あの二人……確か趣味は天体観測って……)
P(……こんな都会じゃあ、星もろくに見れないよな……)
のあ「———」
アーニャ「———」
P(……どこか地方の仕事とかなかったかな……北海道とか……)
P(べ、別にあの人のためなんかじゃないんだからね!)
翌日・事務所
P「おっ、あったあった! 北海道名所巡りの仕事……まさにうってつけだ!」
ガチャッ
のあ「……おはよう、P」
P「あ、おはようございます、のあさん!」
のあ「……? どうしたの、P……何か嬉しそうね」
P「え、いや、別に何もありませんよ?」
???「ドーブラエ ウートラ、おはよう、です、プロデューサー」
P「あれ、なんだアーニャも一緒だったのか。おはよう。アーニ——」
アーニャん「ヤー……違う……ニャー、アーニャん、です、にゃん……」
P「のあさん」
のあ「なにかしら」
P「なにかしらじゃないのだわ」
『伏兵』
みく「おっはにゃ〜っ♪ 今日も元気に——って、うにゃああああああ!?」
アーニャん「ニャー、みく、おはよう、にゃん」
みく「にゃんで!? どうして!? また増えてるにゃああああああー!!」
P「落ち着くんだ、みく!」
みく「ぴ、Pチャン! これは一体……のあチャン!? しかも正座させられてるにゃ!」
P「まったく、あなたという人は、どうしてこうも問題の種を……」クドクド
みく「そうにゃ! 今回ばかりはさすがのみくも激おこにゃんにゃん丸にゃ!」
P「みくは最近ただでさえキャラぶれしだして、正直ネコキャラで売っていくのも限界が来てるんですよ?」
みく「え、ひどくない」
P「大体昨日だって俺はてっきり……」クドクド
のあ「……P」
P「なんですか? まだ話は終わってませんよ?」
のあ「実はもう一人いるのだけれど……入って」
ガチャッ
雪美にゃん「………………にゃあ」
P「………」
のあ「………」
みく「………」
P「……今回の件は不問とします」
みく「Pチャン!?」
『これには勝てません』
更に翌日・事務所
凛にゃん「……にゃー」
卯月にゃん「にゃんにゃん♪」
未央にゃん「にゃーん♪」
ニャー ニャー ウフフ ニャーン
P「な、なんてことだ……事務所のアイドルが全員ネコキャラに……一体誰がこんなことを……」
のあ「私よ」
P「お前だったのか——いや、知ってましたけどね。ネコ耳入ったコ○パのダンボールがあなた宛に届いてましたし」
のあ「のあー、バレていたのね」
P「それ気に入ったんですか。……はあ、昨日の今日でまた説教することになるとは思いませんでしたよ。いいですか、のあさん——」
トントン
???「プロデューサー、プロデューサー♪」
P「ん?」
カポッ
茄子にゃん「かこにゃん……だにゃん♪」
P「………」
ありす「………」
のあ「よく見ておくのよ、ありす。あれが——」
P「やめて! もうやめて!」
『のあのお願い』
ギニャアアアアアアアアアアアア
P「予想はしてたけどやっぱりこういう展開か!」ダッ
*
みく「ネコが……ネコがいっぱい……」ガクガク
P「大丈夫か、みく! 傷は浅いぞ!」
みく「プロデューサー……私はもうダメです……」
P(これは……みくにゃんではなく、清楚前川……!)
P「みく、お前猫好きだったじゃないか……どうだ、ここには猫がたくさんいるぞ! 猫カフェならぬ猫事務所だ!」
前川「ただのイメクラです……」
P「やめろ! アイドルがイメクラなんて言葉使うんじゃあない!」
前川「私、気づいた——ううん、ずっと前から気づいてたんです……人なんて所詮卑しいケダモノ……ネコの気持ちなんてわかるはずもない……」
P「しっかりしろ! 自らアイデンティティをクラッシュしてるぞ! お前は自分を曲げないんじゃなかったのか!」
前川「……自分……私の『自分』ってなんですか?」
P「!」
前川「もう……いいんです……」
スクッ
前川「私のことは……もう、ほっといてください! 私——アイドルやめます!」ダッ
P「みく! 待つんだみ——」
のあ「待って、みく!」
P(! のあさん!?)
コケッ
のあ「あっ……!」
ビッターン!
凛(コケた……!)
卯月(しかも顔から……!)
未央(あれは……天海春香!?)
カラカラ……カツッ
前川「の、のあさん! ——あれ、足元に何か……! こ、これは!」
のあ「……見られて、しまったわね……」
前川「『みくにゃんファンクラブ』の会員証……しかも、会員番号No.2 2 2(にゃんにゃんにゃん)!!」
のあ「……そう……私は……前川みく、貴女のファンよ……ここに来るずっと、前から……」
凛(なっ)
卯月(なんだってー!)
未央(あ、私の分の台詞ない!)
前川「う、嘘です……信じられません!」
のあ「……デビューシングル、『おねだり Shall We〜?』週刊チャート初登場11位……」
前川「!」
のあ「2ndシングル、初登場35位……3rdシングル、チャート圏外……」
前川「そんな……そんなことを知っているのは、私のファンくらいしか……」
のあ「Webラジオ、『みくのにゃんにゃんワールド』は低空飛行のまま1クールで打ち切り……
出演したクイズ番組ではネタにもならない微妙な回答連発で番組最低視聴率を記録……他にも」
前川「あの、もう分かったのでその辺で勘弁して下さい」
のあ「そう……」
P「——のあさん、あなたがみくのファンだっていうのなら、なんであんなにみくを挑発するようなことをしたんです?」
のあ「………」
のあ「私は……星を見るのが好き……」
のあ「それは……夜空に集うあの光だけでなく……人の持つ輝きもまた同じ……」
のあ「世界で活躍する各界のスター選手……世紀の発見をした学者……未知の大陸を開拓する冒険者……そして、歌、踊り、美貌で人々を魅了するアイドル……」
のあ「そんな多くの星たちの輝きを浴びることで……私自身も光を放てる気がしていた……誰かの星になれる気がしていた……」
のあ「そんなときに出会ったのが前川みく……あなたよ」
前川「………」
のあ「歌も、踊りも、表情もぎこちない……それでも一生懸命に叫び、舞い、笑顔を振りまく貴女は、間違いなく光り輝く『アイドル』だった……」
のあ「だけど……人気商売とはそう上手く事が運ぶものじゃない……人気は陰りを見せ、そして貴女は自分を見失いつつあった……時には耐え忍ぶことも必要だったのに……」
P「もしかして……のあさんはみくを奮起させるためにわざと……?」
のあ コクッ
のあ「……私がここで……みく、貴女と出会った時……これは運命なのだとすら思った……」
のあ「私がネコの格好をしてみせた時……貴女は怒ってみせたわね……その時私は思った……この娘の輝きはまだ消えてはいないと……」
のあ「それから私は……貴女が、自分の譲れないもの、目指したいものを思いださせるために、いろいろと手を講じてきた……」
のあ「けれど……私は貴女をいじりたお貴女に構ってもらえることが嬉しかったのかもしれない……行き過ぎたことをしてしまった……ごめんなさい」
前川「のあ、さん……」
のあ「みく……魚が食べられなくたっていいのよ」
前川「!」
のあ「時には猫であることを忘れたっていい……普段の自分とのギャップに悩んだっていい……」
のあ「私がファンに——好きになったのは——『みくにゃん』ではなく、『前川みく』なのだから……」ニコッ
P(!)ドキッ
凛(のあさんが……)
卯月(笑った……!)
未央(私たちすっかりこんな役回りだね……!)
前川「のあ、さん……」
みく「うわぁぁぁぁん! のあチャァァァァァン!!」ダキッ
のあ「みく……」
みく「ごめんにゃ……ごめんにゃ……みく、のあチャンの気持ち分からなくて……」
のあ「いいの……いいのよ……」
みく「えっぐ……ぐすっ……」
のあ「よしよし……」
P(それからしばらくみくは泣いていた)
P(みくを優しく抱き止めるのあさんさながら母親のようで)
P(俺はその姿に、不覚にも、心を奪われていた……)
みく「………ありがとにゃ、のあさん」
のあ「もう、泣き止んだ……? みく……」
みく「——うん! 天下無敵のネコネコアイドル、『みくにゃん』、ここに復活にゃ!」
みく「みくは——みくはもう、『自分』を曲げないよ!」
P「みく……その意気だ! 俺も全力でプロデュースするぞ!」
みく「Pチャン! 振り落とされないようにしっかりついてくるにゃ!」
P「ははっ、こいつぅ〜」
のあ「……ところで、みく、一つお願いがあるのだけれど……」
みく「なにかにゃ? のあチャンのお願いなら、みく、なんだって聞くにゃ!」
のあ「ありがとう、みく……お願いというのは……あなたのサインが欲しいの……」
みく「サイン? なんだ、そんなことかにゃ。お安いご用にゃ、いくらでも書くにゃ! それで、何に書けばいいにゃ?」
のあ「——私の、大切な宝物……あなたの素敵な歌声が詰まった1枚……このCDに、お願い……」
つ『お願い! シンデレラ』
みく「ん゛ーーーーに゛ゃ゛ーーーー!! ん゛に゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーーー!!」バシバシバチ
のあ「フフフ、どすこいどすこい」
——その後、人気を徐々に取り戻したみくは歌に踊りにバラエティにと大活躍。
中でもみくにゃんとのあにゃんとのコンビユニット『みくとのあのにゃんにゃんツイン☆』は好評を博した。
そして、調子に乗ったみくにゃんに嫌気が差したのあにゃんが発した一言、
「みくにゃんのコンビやめます」はファンの間で妙に印象に残り、後に生まれた「みくにゃんのファンやめます」は流行語にもなるが、
それはまた、別のお話——
おわり
イイハナシダナー
3日くらいかかりましたが無事書き終えることが出来てよかったです
これ書いてたらメイドのあさん欲しくなっちゃった、ヤバイヤバイ
見てくださった方、コメントくださった方、ありがとうございました
乙
すごい面白かった
おつおつ
おっつし
欲しくなったときが買い時だぜ
乙です
『おまけ』
P「ただ今戻りましたーっと、誰も居ないか……」
P「——ん、机に何か……北海道? ああ、お土産かー」
ガサゴソ
P「へー、嫌いな星形のストラップ……ガラス細工で出来てるのか、凝ってるなぁ。これはアーニャからかな?」
ガチャッ
のあ「——あ……P……帰ってたのね……」
P「あ、のあさんお疲れ様です。——ほら、見てくださいよ、これ。アーニャからなんですけどキレイでしょう?」
のあ「……それ……」
P「はい?」
のあ「……私の……」
P「え」
のあ「……なに……?」
P「え、あっ、ああ、すいません! てっきりのあさんのことだから木彫りの熊かなんか買ってくるものだと……」
のあ「………」
バッ
P「うわっ、ちょっ、いきなりなにするんですか!」
のあ「……やっぱり返してもらうわ」
P「な、なんで……」
のあ「返しなさい」
P「やです」
のあ「返しなさい」
P「返しません!」
おまけのおわり
おうふ、最後に誤字……「嫌いな」→「綺麗な」
お粗末さまでした
おっつおっつ
のあさんかわいい、アーニャんもかわいい
俺CuPなのに!
お前ブレイブルーやってるだろwww
のあさんに何を言わせてるんだwww乙www
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http://i.imgur.com/EzVxaD1.jpg
http://i.imgur.com/Ot5KKpq.jpg
高峯のあ(24)
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ざ・みすてぃっく・くいーん・おぶ・のあさん(24)
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渋谷凛(15)
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島村卯月(17)
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本田未央(15)
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前川みく(15)
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神崎蘭子(14)
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高垣楓(25)
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池袋晶葉(14)
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安部菜々(17?)
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橘ありす(12)
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http://i.imgur.com/fbiwuAJ.jpg
和久井留美(26)
http://i.imgur.com/XAEbPmv.jpg
http://i.imgur.com/wJCjCEj.jpg
アナスタシア(15)
http://i.imgur.com/5ERvdRi.jpg
http://i.imgur.com/F9zFfZX.jpg
佐城雪美(10)
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凛にゃん持ってなくてごめんにゃ
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前川
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鷹富士茄子(20)
おっつおっつばっちしばっちし☆
久々に大爆笑した
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凛にゃん
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ご利益ありそうだから、かこにゃんはこれで許して
ふおお、ありがとにゃあ……
最後のオチで盛大に吹いたわwwwwww
とても良かった!乙
おっつおっつばっちし
終わったならHTML依頼しとこうなー
乙でしたー
HTML申請してるじゃん
乙! まったく楽しいものを…
よかったらまた書いてくれ。
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