梓「先輩がいけないんですよ......」 (18)

沙織「うぅ...澤ちゃん、許して......」

梓「許すも何もありませんよ」

沙織「うぅ...もうおうちに返してよぉ」

梓「先輩、それは無理ですよ......」

梓「わたしだって帰りたいんですから!」

沙織「うわぁあん、こんなどこかも分からないような山の中で迷子になるなんてぇ!」

※今回の澤ちゃんはまともです。多分、今のところは



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梓「一応、西住隊長のご実家の付近だとは思うんですが......」

沙織「地図の通りに進んでたはずなのにぃ」

梓「だから言ったじゃないですか!町の方から遠ざかっていくのはおかしいって!」

沙織「だってみぽりんの実家だよ!きっと人里離れたとこにお城みたいな家があると思って......」

梓「どこにもないじゃないですか!」

沙織「西住流の家元って言うくらいだからそうなのかなって」

梓「やっぱり引き返しましょう」

沙織「引き返すってどこに?」

梓「元来た道をたどれば......」

沙織「元来た道ってどこ?」

梓「......分かりません」

沙織「だから言ったじゃん!ここは動かず素直に助けを呼んだほうがいいって!」

梓「そ、それは......」

沙織「『わたし、星の位置から方角分かります!』って言うから信じてついてきたのに」

梓「うぅ......」

沙織「言い出しっぺのゆかりんはどこに消えちゃったの?!」

梓「まさか二人とも秋山先輩を見失ったまま進んでたとは思いませんでしたね......」

沙織「どうしよう、流石に野宿は嫌だし.......」

梓「虫のサイズ、大洗とは比べものにならないくらい大きいですもんね......」

沙織「しかもさっき、おっきなゴキっぽいカサカサ動く虫見ちゃったし」

梓「ちょ、ちょっと待ってください。なんでそんなこと言うんですか?!」

沙織「これじゃあ、学園艦の時みたいにじっと待って助けを待つなんて出来ないよ......」

けいおんSSかと思った
あ、ガルパンも好きなんで続けてくださいお願いします

沙織「うぅん、ダメだ。どこまで行っても圏外だ......」

梓「なんだか同じ場所をぐるぐる回ってるだけのような気もしてきました」

沙織「せめてゆかりんと合流できないかな」

梓「やっぱり、一旦落ち着ける場所を探して助けを待った方が......」

沙織「そうだね。ごめんね澤ちゃん。わたし先輩なのにしっかりしてなくて」

梓「そ、そんな!普段は凄くしっかりしてますよ!普段は!」

沙織「あぁ、もう!なんか匂いとかでみぽりんの家見つけられたりしないかなぁ」

梓「そんな犬じゃないんですから......ん?この匂い......」クンクン

沙織「えっ?みぽりんの匂いするの?」

梓「そんなまさか......ほら、何か焼けるような匂いが」

沙織「え?あ、本当だ」

梓「あとなんか楽器の音みたいなのも......」

♪ペーンペレンペンペーペレレン♪

ミカ「やぁ、君たちも風に誘われて来たのかい?」

沙織「あ!継続高校の!」

梓「やった!助かった!」

ミカ「ひょっとして、道に迷ったのかな?そういう時は空を見上げるといい。星が道を教えてくれるからね」ポロローン♪

沙織「あのあの!私たちこの森から出たいんですけど!」

梓「お願いします!」

ミカ「......だけどね、星の道標を辿るためには星たちの声を知らなきゃいけないんだ」ポロローン♪

沙織「あ、ダメだ。多分この人も迷子だ」

ミカ「人はいつだって道に迷っているものだよ。それに気づかないままあてもなくどこかへ旅を続けているんだ」ポロローン♪

梓「は、はい.......」

ミカ「だけどね、迷っていても仲間が側にいるなら道を間違うことはないんだよ?」ポロローン♪

沙織「つまり、どういう意味?」

ミカ「ともにいるべき仲間と喧嘩して家出中ってことさ」

梓「じゃあ、迎えが来る可能性は低いんですね......」

ミカ「実はもう三日も経っていて正直見捨てられたのかなって思っていたところさ」

ミカ「もっと言うなら、君たちの気配がした時はやっと迎えに来てくれたとぬか喜びしてしまったんだ」ポロローン

梓「あの、元気出してください」

沙織「あ、あたし飴持ってる!これあげるから泣かないで、ね?」

ミカ「ふぇぇん、アキぃ、ミッコぉ」

K音かと

沙織「とりあえず、今日のところはここで野宿だね」

梓「すみません、私たちテントにお邪魔させてもらって」

ミカ「構わないよ。困った時はお互い様だからね」ポロローン♪

沙織「あ、でもこのテント意外と広い」

ミカ「喧嘩した時にすぐ探してもらえるようにいつも使ってるやつを持ってきたんだ。一人だと少し落ち着かない」

梓「それ、他の二人困ってるんじゃ」

沙織「っていうか、普段からテントで生活してるんだ......」

ミカ「自然はね、いつだって大切なことを語り続けているんだ。仲間の大切さとか、お菓子を一人で全部食べちゃダメとか」

梓「あの、まさか喧嘩の原因って......」

沙織「澤ちゃんダメ。多分だけど聞いちゃダメ」

梓「星が道を教えてくれる、かぁ」

沙織「どうしたの?空を見上げて突然」

梓「いえ、ミカさんの言葉を思い出して」

沙織「あぁ、結局帰り道はわからなかったけどね」

梓「あはは、でも、素敵です」

沙織「ん、そうだね」

梓「ロマンチックですよね。西住隊長も見てるのかな」

沙織「うん、きっと見てるよ。みぽりんだけじゃなくて、華も麻子もゆかりんも、うさぎさんチームのみんなも」

沙織「そういえば、ゆかりんどこ行っちゃたんだろ?無事だと良いけど」

みほの実家探してたら、熊本の山中に迷い込むって…一体どんな事したらそんな迷い方するんだ…(唖然

チュン チュン チュン

沙織「んー!朝かぁ!」

梓「空気が気持ち良いですね」

沙織「ミカリンは?」

梓「まだ寝てるみたいです」

沙織「そっかぁ」

梓「あの、どうします?」

沙織「お世話になったのに、何も言わずにどこかへ行くわけにもいかないし、起きるまで待ってようよ」

梓「そうですね。お礼もしないと」

???「沙織さぁん、澤さぁん」

???「武部殿ぉ!澤殿ぉ!」

沙織「あ、もしかして」

???「ミカぁ?返事してぇ!」

???「もう怒ってないからさぁ!」

梓「あ、継続高校の人も」

ミカ「迎えが来たみたいだね」ポロローン♪

みほ「良かったぁ、無事だったんだね」

優花里「申し訳ありません!二人がついてきていると思ってずいずいと先へ進んでいて」

アキ「もぉ、ミカったらまたフラッといなくなって心配したんだから!」

ミッコ「GPSつけといて本当に良かったよ。何で熊本まで......」

沙織「一件落着だね」

梓「わぁあん、隊長ごめんなさぁい」ダキッ

ミカ「風に誘われたのさ。あの二人と一緒にね」

アキ「何だかうちのミカがご迷惑おかけしたみたいで......」

沙織「違う違う逆だよ。ミカリンいなかったら私たち今頃どうなってたか」

ミカ「それじゃあ、また風の呼ぶ場所に出かけよう」ポロローン♪

アキ「もう、学園艦に帰るの!旅はまた今度!」

みほ「わたしたちも帰ろうか」

沙織「うん、帰ろう」

ミカ「そうだ、最後に」

梓「はい?」

ミカ「もしもまた道に迷ってしまったら耳を澄ませて深呼吸をすると良いよ。きっと君たちを助けてくれる声があるはずだからね」ポロローン♪

梓「はい!ありがとうございます!」

みほ「......やっぱり、不思議な人だね。ミカさんって」

優花里「武部殿と澤殿を助けてくださったようですし、今度お礼に何かしないとですね」

沙織「ところでみぽりん、どうやって帰るの?」

みほ「え?」

梓「えっ?まさか隊長?」

優花里「そういえば、我々、どっちから来ましたっけ?」

沙織「やだもぉー!」

END

終わりです。全員無事に帰れました。

タイトルにガルパンって入れるべきだったと反省してます。ってか、毎回つけ忘れるのよね......

おつー
ミカ可愛い

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