千川ちひろ「今日の、明日は」 (16)
・これはデレステssです
・ほとんど地の文です
・短い
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かち、かち、かち
秒針が忙しなく回り続ける。
疲労の溜まり始めた私の指が叩くキーボードの音が止まっても、その音が止まる事はなかった。
アイドル達は既に帰り、この空間には自分以外誰も居ない。
陽はとおに落ち、電気をつけなければ目の前の書類すら認識出来ない夜の中。
事務所でただ一人、私は動き続けていた。
大手アイドルプロダクションにアシスタントとして勤めている私の仕事には、残念ながら休める時間がほぼ存在しない。
トップクラスのアイドルを何人も有する部署なのだから仕方の無い事だと納得している。
むしろ、誇りに思っていると言ってもいい。
だから自分の時間がとれないのを苦に思う事も余り無い。
時たまショッピングしたいと思う事があっても、どのみち買った服を着る機会など無いのだから意味が無いと思考を切り替える。
そもそも私以上に忙しいプロデューサーさんが働いていると言うのに、私が休む訳にはいかないのだ。
プロデューサーさんはたった一人で沢山の夢見る女の子の希望を叶え、シンデレラの靴を履かせてきた。
テレビをつければどこかの番組で必ず目にするほど、彼の育ててプロデュースしてきたアイドルは有名になっている。
そんなプロデューサーさんの生活は間違いなくハードだし、だからこそ私は万全のサポートをしなければならない。
時計の長い針は真下を、短い針はもうすぐ頂上を指そうとしている。
そろそろですね…
ディスプレイを一旦スリープモードにし、私は別の仕事に取り掛かった。
アシスタントとして、やらなければならない事がある。
プロデューサーさんが来るまでに、用意しなければならないモノが。
これまた私以上に疲労の溜まっているであろうプロデューサーさんに、その日1日頑張ってもらう為。
明日もまた頑張るか、と思ってもらう為。
私は毎日、プロデューサーさんに様々なモノをプレゼントしていた。
例えば、社内でのみ使える社内通貨。
例えば、疲れを吹き飛ばしてくれるエナジードリンク。
例えば、アイドル達とのコミュニケーションを円滑に進められる様にとちょっとしたアイテム。
例えば、今のプロデューサーさんにとって最も必要な鉱石。
毎日毎日実費で用意するのは大変ではあるけれど、それでも。
頑張るプロデューサーさんを応援したいから。
こうして日々の業務を終えた後、私は必死に足を動かす。
けれど、毎日働いているのはプロデューサーさんも同じ。
当然ながら私以上に、お金はあるのに時間が無い状態。
そんな彼に座布団一枚も買えない社内通貨をプレゼントしたところで、喜んで貰える筈もない。
時間が無くてエナジードリンクや鉱石を用意出来なかった日は、溜息を吐かれてしまう事もある。
それに、唯の一アシスタントに出来る事なんてたかが知れている。
アイドルが大きなキャンペーンやイベントに参加する時は、事務所側から大量のエナジードリンクが配布されるのだ。
それに比べれば、私の用意出来るモノは微々たるもの。
だからそもそも何をプレゼントされたのかを忘れられてしまったとしても、仕方の無い事。
哀しくなる事だってある。
怒りたくなる事だってある。
それでも、私は止めない。
私が好意で行って、好意で続けている事だから。
もしかしたらプロデューサーは気にもしていないかもしれないけれど、もし私が毎日プレゼントしている事で少しでも続けて頑張ろうと言う気になっていたら。
もし私がプレゼントを辞めた事で、プロデューサーさんが事務所に来なくなってしまったら。
そんなもしもの事を考えると、止める事なんて出来なくなる。
プロデューサーさんと、まだ一緒に働いていたいから。
周りからなんと思われてもいい。
自分の仕事、稼ぎがなくなってしまうから。
どうせ裏がある。
そう思われてもいい。
それでも、プロデューサーさんと一緒に…
もうすぐ、長針が真上を指す。
プロデューサーさんは、喜んでくれるだろうか?
当たり前だと、何も思わず仕事に向かうだろうか?
不満に思い溜息の数を増やすだろうか?
もしかして、嫌になって来てくれないだろうか?
少しの不安、そしてそれを上回るプロデューサーさんに会えると言う喜び。
そんな揺れる感情など知らぬと言う様に、時間は一定で進む。
かち、かち、かち、と針は回る。
そして、長針と重なった。
精一杯の笑顔を浮かべ、私は貴方へ告げる。
「お疲れ様です。今日のーー
終わりです
デレステの千川さんは天使
デレステ「の」?
千川さんはどこでも天使ですよ(ガチャガチャ)
おつおつ、モバちっひも危機感おぼえたのかログボが最近ちょっとだけ豪華に
乙です
一方デレステちひろはSSR二周目限定ブライダルとかいう血の洗礼を振り撒いた
短いのにスレ立てんなバカ
短編スレいけやボンクラ
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