騎士道 (13)

城内の教会で、騎士になる刀礼が行われる

アドリアンは神の前で騎士の心構えを誓った

騎士の心構えを誓った後、アドリアンに剣と装備を渡される

騎士はそれを身に纏い、聖職者に導かれ、朝まで町を歩き続けるのだ





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アドリアーン!
アドリアーン!!

エイドリアーン!

騎士になる儀式が終わった後、部屋に案内される

騎士も貴族であり、部屋はそれなりに豪華だ

部屋で休み、着替えた後、集会部屋に行った


騎士クリストフ「貴公は、新しく騎士になった者か、私はクリストフだ、貴公の名は何と言うのだ」

騎士アドリアン「アドリアンです」

騎士クリストフ「アドリアンか……………」

騎士クリストフ「………………まあ、他の某にも挨拶をするようにな」



騎士アドリアン「彼処に座っている者がいるな」


弩兵モルガン「ああ、貴辺、モルガンと申し上げます」

モルガン、貴方疲れてるのよ

騎士アドリアン「私はアドリアンという、そして貴公は何故フィビュラを眺めているのだ」

弩兵モルガン「これは、母親の形見で……………」

弩兵モルガン「母は、殺されんです……………、私がまだ幼い頃、父と食料を買いに行って………帰ったら」

弩兵モルガン「母は……足が不自由だったのです、ですから、買い物はいつも父と一緒に行っていました」

弩兵モルガン「…母は、醜い死体になっていました、母の身体はグチャグチャに切り刻まれていて、部屋は荒れ、貴重な物は全て盗まれていました」

騎士アドリアン「………………………」

弩兵モルガン「その頃幼かった私は、その場で丸くなり、涙を流していました………あまりにも悲惨で、近づくことができなかったのです」

弩兵モルガン「………このフィビュラは、家の前に落ちていました」

弩兵モルガン「後に、ある盗賊団の仕業とわかりましたが……」

弩兵モルガン「その盗賊団が落としたのでしょうか………」



弩兵モルガン「……………………………………」

弩兵モルガン「申し訳ありません、つい、思い出して…………こんな朝から、こんな話を…………」

弩兵モルガン「左様ならば…………………貴辺、私は自分の部屋に帰ります」

家の前に競走馬落ちてるとかすげぇな

騎士アドリアン「…………気分が悪い……問いかけるべきではなかったな」

アドリアンは気分が悪くなり、自分の部屋に戻った


マルチーヌ「お帰りなさい、此方の人」

騎士アドリアン「ああ、ただいま」


アドリアンの妻、マルチーヌは馬の世話をしている

マルチーヌ「城内の庭で宴が開かれているのをご存知ですか」

騎士アドリアン「宴?」

マルチーヌ「そこでテョストが行われるのですが、行ってみては」

騎士アドリアン「そうだな」


アドリアンは装備と武器を持って城内の庭に行った

庭では、すでにテョストがはじまっていた

「騎士ダミアン、対戦相手は……」

騎士アドリアン(一騎討ちは初めてだが、やってみるか)

騎士アドリアン「私が相手をしよう!」

アドリアンはそう言いながら前に出た


騎士クリストフ(アドリアンにダミアンは厳しいんじゃないのか)


対戦相手が決まり、二人は準備をしている

鎧を着て

馬にも鎧を着せ

槍と盾を持った


騎士アドリアン(初めてだから緊張するなあ)

見物人の声は聞こえなかった、相手を見て、そして見に来ているマルチーヌの方を見た

騎士アドリアン(見に来てくれているのだな)


二人とも準備は整い、馬に乗って定位置についた

小妙の合図で開始される




小妙が合図をだした

二人は構えて、馬を馬を走らせた

相手との距離は70m程だ

騎士アドリアン「………………………」ガシャッガシャッ

アドリアンは40mの時点でダミアンの盾を狙っていた

騎士ダミアン(頭を狙うか)

そして相手との距離が10mの時点

騎士アドリアン(今か!)


ドシャーン


アドリアンの狙い澄ました槍はダミアンにあたり、ダミアンの槍は、衝撃でアドリアンにあたることはなかった


そしてダミアンは衝撃で馬から転落した


マルチーヌ「やった…!」

騎士アドリアン(よし…)




騎士ダミアン「うあああ…………」

20㎏を超える鎧を着て
走っている馬から転落する衝撃は凄まじいだろう

騎士ダミアン(くそ……騎士は21歳からなれて…俺は今25歳で…4年だ…だがあいつはまだ騎士になったばかりだぞ………)

貴族「おい!ダミアン!あんな若いやつにまけたのかよ!」

騎士ダミアン(…糞野郎が……)

騎士ダミアン(……あいつは確かアドリアンと言ったな……この俺にこんな恥をかかせやがって)




騎士クリストフ(初めてにしてダミアンを破るとは、やはりバチストの息子か)

騎士クリストフ(だがあいつはプライドの高い男だ…次に一騎討ちする時には多分、殺すかも知らんな)

マルチーヌ「すごいじゃないですか!初めてなのに一騎討ちで勝つなんて」

騎士アドリアン「幼いときに父と馬に乗る練習等してたからな」

盾仲間のセヴラン「凄いじゃないか、アドリアン、一騎討ちは初めてなんだろ?」

マルチーヌ「此方は……?」

騎士アドリアン「盾仲間のセヴランだ」

マルチーヌ「此方の人の盾仲間でしたか、初めまして、マルチーヌと申し上げます」

盾仲間のセヴラン「此方も、初めまして」

盾仲間のセヴラン「美人じゃないか」

騎士アドリアン「……まあな」

盾仲間のセヴラン「まあ、それはいいが、ちょっと話があってな、ここでする話じゃないんだ」

騎士アドリアン「何の話だ?」

盾仲間のセヴラン「ここでする話じゃないって言ってるだろ」

騎士アドリアン「すまない、では、マルチーヌ、部屋に帰っていてくれ」

マルチーヌ「あ、はい、わかりました」



二人は人がいないパラスで会話をすることにした



騎士アドリアン「ここにいる貴族は皆庭に集まっているだろう」

騎士アドリアン「で、話というのはなんだ?」

盾仲間のセヴラン「逃亡騎士のフレデリックについてなんだが」

騎士アドリアン「聞いたことがある、元は名誉のある騎士だったが、ある日突然城にいる兵士18人と騎士6人、貴族5人を殺し、貴婦人は強姦した後殺した」

盾仲間のセヴラン「そうだ、それに死体は全て、頭が無かったそうだな」

騎士アドリアン「悪魔に取り憑かれたと言われていたな、8年前の話だ、それがどうかしたのか?」

盾仲間のセヴラン「それがな、最近それと同じ頭が無い死体が城下町で多数発見されてるそうだ」

騎士アドリアン「それは、大事だな、早く死刑にならないものか」

盾仲間のセヴラン「見たやつがいるそうなんだよ、真っ黒なフードを着て、左手が無かったってさ」

騎士アドリアン「左手が無いのはフレデリックとあてはまるな」

盾仲間のセヴラン「まあ、覚えといた方がいいぜ、じゃあな」








衛兵ドニ「騎士様、何故ここに鎧を着て、いるんですか」

騎士アドリアン「いや、何でもない、気づいたらここにいただけだ」

衛兵ドニ「あ、そうですか…」

馬に乗った騎士が、城門に近づいてきた

番兵シモン「誰ですか?」

騎士「…ブノワだ……」

番兵シモン「盾を見せてください」

騎士「…」

番兵シモン「確かに、ブノワ様です、通ってください」

番兵シモン「跳ね橋をあけろ!!」


ギギギギギギ……


騎士「……」ガシャガシャ

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