お嬢様「貴女たちは私の大切な――――」 (105)

お嬢様「貴方は私の可愛いお人形なんですもの」の続き

百合、注意

>>1
早速ミスだよ……。正しくは

立て乙

――駅


メイド「来ない……」

メイド「何で時間なんてとっくに過ぎてるのに電車来ないのよ……」


ご令嬢「イタリアの電車は遅れるのが当たり前。そう言われるくらい時刻表は当てにならないものですよ」


メイド「ご令嬢……様」


ご令嬢「無理して様付けしなくて良いですよ。ご令嬢で良いです、昔みたいに。それにボク自身、敬称付けて呼ばれるのに慣れていないですから」


メイド「……成り上がりですものね。通りで庶民じみたことを知っているわけですわ。そうだ、どうせなら少ない金をがめつく遣り繰りするケチ臭い安上がり術でも教えてもらいましょうか」


ご令嬢「……さすが箱入り没落メイドは言うことが違うですね。半場常識の事実も知らないで当たり前。かばかりか無知を棚にあげて喧嘩腰なんですから。どうせなら深窓に放置されて埃被ったままでいれば良いのに。灰じゃなくて埃だから魔法使いが現れなくてお姫様になれず、精々ダニだけが友達の悲しい余生を過ごすですよ」


メイド「……ふ」


ご令嬢「……あは」


メイド「ふふふ、懐かしいわね、このノリ」


ご令嬢「あははは、そうですね。……座って話しましょうか」


メイド「そう、ね……」

ご令嬢「ふう……そうそう昔、出会った頃はお互いにお互いの事が気に入らなくって……」


メイド「そりゃ、お姫様がパーティーからお持ち帰りした女の子だもの。あの時は何よ泥棒猫って……」


ご令嬢「ジェラシー?」


メイド「ジェラシー」


ご令嬢「あの時ボク、はじめての社交界で不安で、でも周りの大人たちは容赦なしのひっきりなしに話しかけてくるから、怖くって。その時ですね、お姉様がボクのことをエスコートしてくれて……」


メイド「好きになった?」


ご令嬢「惚れたですよ」


メイド「私は元々、お嬢様とは幼なじみだったから、仲良くって。でも、ある時、両親の事業が失敗して文無しになって、明日からどうなるか分からなくなって、家族とバラバラになって……」

メイド「そのとき、お嬢様が私のことを拾ってくれて……その上、お父さんとお母さんを探し出して、仕事の面倒も見てくれて……」

メイド「それ以前からキスしたいって意味でお嬢様のことが好きだったけど、多分そのときからお嬢様に全てを捧げようと誓えるほど好きになったんです……」


ご令嬢「素敵なことです……」


メイド「だから、お嬢様と初めてエッチしたとき、選ばれた、結ばれたって思って、嬉しくなって、でも……」


ご令嬢「女奴隷ちゃん……?」


メイド「……ええ。お嬢様が奴隷が欲しいと言った時おかしいなって思ったの」

メイド「でも、まさか私より近い関係にはならないだろうってたかをくくって、結果――」

メイド「取られ……ううん、始めから私になびいてすらいなかったんだろうなって」


ご令嬢「そんなこと……」


メイド「――女同士だもの」


ご令嬢「――っ!!」


メイド「例え結ばれても、子供はおろか結婚すらできないの。そんな当たり前のことに気づかないふりして……そのツケが今になって廻ってきただけ」


ご令嬢「……子供がご出来ない、結婚ができない。だから、お嬢様のことはもう好きじゃな――」


メイド「そんな訳ないじゃない」バン

メイド「好きよ、大好きよ。拒絶されても性別の壁があっても強力な恋敵がいても、私はお嬢様のことが好き。この気持ちは変わらない」

メイド「だけど……だから――」ヒック


メイド「う、うぅ……好きなの。好きなの。なんで、ひっく、わたし……なんでぇ……」ポロポロ


ご令嬢「ボクも……お姉様――お嬢様の事が好き。優しくって、ボクの理想で……う……でも、相手にされなくて、ひっく……エッチだって一人だけされてなくて、おいてけぼりで……」スンスン

ご令嬢「嫌だよ……。仲間外れにしないでよう……」ポロポロ


メイド「ご令嬢……」


ご令嬢「ボク、メイドのことも好きだよ……だから、だからぁ」ボロボロ


メイド「私は―――― 電車「」ファアアアン 」


ご令嬢「電車……?」ポロポロ


メイド「……空気、読めよ」チラ

メイド「結局、一時間くらい遅れて……」


ご令嬢「……? その腕時計……」


メイド「これ? お嬢様に貰って――」


>お嬢様『――貴方のことが嫌いという訳ではないの。これからもよろしくしてくれたら嬉しいわ』


メイド「――――――」


>お嬢様『嫌いでは無いわ。身近にいて好意を寄せてきて、そんな貴方のことを私自身悪く思っていなかったから、都合が良かったわけだし』


メイド「嫌われては……いない」


ご令嬢「メイド……?」


メイド「――――」


>お嬢様『私ね、貴方たちが私に言う、好きって言葉……信じてないの』


メイド「嫌われていないのなら、信じて貰えるまで愛せばいい」

ご令嬢「……!?」


メイド「屋敷に戻ろう」


ご令嬢「……ちょっ…………」


メイド「私は、お嬢様のことが好き。その気持ちに嘘はない」


ご令嬢「――――――。ボクだって……ボクだってお嬢様に心奪われている。ボク自身も奪って欲しい」


メイド「そうよ。だから、その気持ちを分かって貰えるまで、何度だって愛を伝えよう」


ご令嬢「――――!? ……そう、ですね。屋敷に戻るです。そして、伝えるんです、ボクたちがどれだけ貴女のことを愛しているかを!」


メイド「確かに結婚も子供も出来ないのは当たり前だけど――」

メイド「――私たちがお嬢様のことを好きなのも、当たり前のことだから」


メイド「将来の不安も、愛への不信も、全部、全部ぜんぶっ、お嬢様と共に歩んで改善してくんだ。きっとどうにもならなお壁にぶち当たることがあっても、好きな人となら乗り越えることができる」


メイド「――私は、お嬢様のことが好き! この気持ちに嘘なんてないんだから!」


ご令嬢「ボクだって、お嬢様のことが好きです! それこそ、え……えっちしたいくらいに!」


メイド「……ふ、ふふ――ふふふ」


ご令嬢「は、はは――あはははは」


メイド「ふふふ…………ありがとね」ボソッ
   (あなたがいたから、自分の気持ちを整理できた。きっと感情に任せて電車にのってしまっていたら、後悔していたわ……)


ご令嬢「――? 何か言ったです?」


メイド「別に、公共の場で大声でエッチしたいとか言うのはどうかなのかなって思って」


ご令嬢「な、なっ――」ボッ

ご令嬢「それは……その、勢いに流されてですね」アタフタ


メイド「あらいいじゃない。私もしたいわ、お嬢様と」
   「それに自分の望むことを隠しても、良いことなんて何もないわ。考えが守り腰になってしまうもの」フフッ


メイド「行きましょう、お嬢様のところに」

ご令嬢「言われなくても、です」

今日はここまでで
>>7 ミス発見。×メイド「別に、公共の場で大声でエッチしたいとか言うのはどうかなのかなって思って」
        ○メイド「別に。ただ公共の場で大声でエッチしたいとか言うのはどうなのかなって思っただけ」

――屋敷、食堂

お嬢様「私の過去を聞いてどうするのよ……」


女奴隷「聞いて、から、考える……」


お嬢様「私に……話す理由は無いわ」


女奴隷「話さないと、前に進めない」


お嬢様「前に進んでどうなるって言うのよ! 信頼を裏切って、あの人と同じになって……これ以上私にどうなれって言うのよ!」


女奴隷「…………私の両親は死んでいる」


お嬢様「は――?」


女奴隷「目の前で殺されたらしい……」


お嬢様「突然、何を言って……?」


女奴隷「『相手に求めることを、まず相手にしてやれ。そうしたら相手は無償で自分が求めることをしてくれる』」

女奴隷「そう、教えられた。だから、私は、私の過去を言う」


お嬢様「……随分と的外れな事をするわね。そうしたからって本当に私が話すとでも思っているの……?」


女奴隷「『未来の事は分からない。だったら未来が今になったら、そのつど後悔しない行動を精一杯考えてすればいい』。今、私は、お嬢様のことを知りたいから、後悔したくないから、私の、今、出来ることをする。それだけ……」


お嬢様「そう……。良いわ、話しなさいよ。それで貴女が満足するならね」

お嬢様「どうせ、貴女に出来ることなんてそれくらいでしょ。話して、それで手詰まりになるなら、今後余計な詮索をさせないためにも、それが一番良いわ。精々、私の同情を買えるよう、お涙ちょうだいな思い出話をすれば良い。その話が私の過去より酷かったら、私の過去を話してあげる」

お嬢様「まあ……私が過去を話すことになるくらいの酷い過去を、貴女が持っているとは思えないけどね」ハッ


女奴隷「……私には名前が無かった」

女奴隷「正確に言えば、自分の名前を知らなかった……」

女奴隷「私の両親は、私が幼い頃……九年近く前に、殺された……らしい」


お嬢様「九年前……というと貴女が二歳くらいの頃ね。どう過ごしたのよ、それから。まさか、赤ん坊が自炊して、金稼ぎ出来るわけがないわ」

お嬢様「――! まさか……」


女奴隷「その反応は珍しい、と思う。……初めて話すからどういう反応されるか、普通どういう反応をするものなのか、分からないけど……。でも、多分、普通は親戚に引き取られたとか考える」

女奴隷「でも、多分、お嬢様の考えていることで、正解」


女奴隷「私は、私の両親を殺した男に拾われ、育てられた」


お嬢様「そんな……」


女奴隷「あの男は気紛れで通り魔殺人を起こして、気紛れで私だけを助けた。その時、財布や金目のものは持っていかなかったらしい」

女奴隷「だから、私の名前と分かるものが無くて、結局、私はこれといった名前をつけられることなく、約十年をあの男と共に過ごした」


女奴隷「おかしいと思わなかった? いくらなんでも先進国の子供が売り捌かれるなんて。ただでさえ、奴隷商は非合法で、影に潜むように活動しているのに、わざわざ、そんなリスクの高い真似するわけがない」


お嬢様「…………」


女奴隷「……日本では、失踪宣告っていうのが出されて、七年経つと死亡したのと同じ扱いになる。……つまり、私はもう、書類上では死んだことになっている」


お嬢様「……つまり、貴女は奴隷商に売られるまで、自分の親を殺した男と暮らしていたの? それも……貴女の社会的人権すらも殺した男と……」


女奴隷「……私にとって、物心ついたときに近くにいた大人はあの男だけだった。男はこの年まで私を育ててくれた。それに色々な知識を教えてくれもした」

女奴隷「まちがいなく、あの男は私の親だった」


女奴隷「でも……色々教えてくれたけど……男は愛だけは――人の熱のあつさだけは教えてくれなかった」


お嬢様「……はは……そう、よね。愛があったら貴女を奴隷商なんかに売らないわよね……。憎い、わよね……。そう、でしょう……そうだと言って」


女奴隷「憎んではいない、今も昔も……。それに、もうあの男は死んでいる、憎みようがない」


女奴隷「――重ねて言えば、あの男を殺したのは私。……だから、あの男に憎まれはしても、あの男を憎んではいけない……」

お嬢様「……貴女の言っている意味が分からないわ……。なんで……何で……憎んでいないのに、殺したのよ……」


女奴隷「正確に言えば、私が殺した様なもの。実際に、私自身が手をかけたわけではない。けど、私が居なかったら死ななかった……」


女奴隷「死んだ男があらかじめ手配していた奴隷商につれられて、私はここに来た」


お嬢様「女奴隷……貴女――」


女奴隷「……お嬢様、朝、言ってた。お母様って……」


お嬢様「……それがなに――」


女奴隷「そのお母様と何があったかは、知らない。でも、私の過去より酷いものではない、はず……」


お嬢様「――――。……その話、本当なのよね?」


女奴隷「『その場限りの関係なら嘘をついてやり過ごせ。一生をかけて付き合っていく相手には本心を晒せ』。……あの男自身は死んでいても、男の言葉は今でも私の中で生きている。生きている言葉を私は無視できない」


お嬢様「――――――――」



お嬢様「…………私はね、お母様に捨てられたのよ……」

早くエロシーンが書きたい……。今日はここまでで。

お嬢様「もう、十五年近く前のことになるわ。優しくて、笑顔が素敵で、美人で、……私を愛してくれて、自慢の母だった。いつも周りに、この素敵な人が私のお母様なんだぞ、良いだろうって誇らしく見せびらかしてね」

お嬢様「お母様は私のことなんて、見てなかったのに……」


お嬢様「そんなある時突然ね……。お母様が荷物を纏めた鞄を持って私に言ったの、家を出るからって……もう貴方のお母さんじゃないって……お父様のことが嫌いだったって……」


女奴隷「………………」


お嬢様「それでね、そのことが私、納得出来なくて……聞いたのよ、私のことは好きじゃないのかって……」


お嬢様「そしたら、何て言ったと思う? ――私のこと好きじゃないんだって、愛してくれていなかったんだって」


お嬢様「極めつけはこうよ――貴方なんて産みたくなかった。産むんじゃなかった。そう、言われたの……」

お嬢様「その時、私の中で何かが壊れたわ。他人の言葉、無償の愛が信じられなくなったの」

女奴隷「でも、少なくともメイドは……」


お嬢様「……あの子はいつも好きだって言ってきて……何でそういうことを私に言うのか分からなくって、信じられなくって……」

お嬢様「そんなある日ね。ある理由でメイドの身元を引き受けることになったの。同じ屋敷で住むことになって、そしたらより強く好意を向けてきてね」


お嬢様「その愛、私が何をしても冷めないか、試したの」


女奴隷「そして“した”ことが、エッチなこと……?」


お嬢様「ええそうよ……メイドに奉仕“させた”の」


女奴隷「……昨日も、そういうことをしてたから、愛はあったのでしょう」


お嬢様「嫌がらずに、私の望んだことをしてくれたわ。それが愛だと言うのなら愛なのでしょうね」


女奴隷「だったら……」


お嬢様「――お母様もね、私のために何でもしてくれたわ。愛をくれたお母様が私を裏切った」

お嬢様「人の愛の言葉を信じてはいけないってお母様の裏切りからの考えは、メイドの熱さから愛を思い出して、彼女からの愛に触れたせいで、どれだけ尽くされてもいつかは裏切られるかもしれない、そういう考えに変化していった……」


女奴隷「……」


お嬢様「その二つの考えはね、似ているようで違うの」

お嬢様「前者の場合はね、愛を受けとることそのものを恐れてしまうのだけど、後者は――」


女奴隷「愛を――熱を求めてしまう。けど、お嬢様は相手からその熱が冷めてしまうのを、恐れてる」


お嬢様「そうね。そうよ、それであっているわ。だからね――女奴隷、貴女がいるの」

お嬢様「愛は欲しいけれど、メイドはいつか裏切るかもしれない。そこでね思いついたの。――私を愛することのみを目的とした人間をつれてくればいいって」


お嬢様「貴女は私だけを愛して、決して私に逆らうことのない、私だけで世界を構築する女の子。貴女には私だけいればいいし、貴女は私に愛を捧げるだけでいい。そうするだけで貴女は生活に困らないし、幸せになれる」


女奴隷「……私とエッチしたのは、私がメイドの代わりだったから?」


お嬢様「……は?」


女奴隷「ずっと続く愛が、欲しかったんでしょう? だから、自分が好き勝手操れる女の子――人形を求めた」


女奴隷「愛が欲しくて、でも嫌われたくはない。だったら、自分の方から拒絶すれば、されることはない、もしくは拒絶したんだから、拒絶されても仕方がないと納得できる」

女奴隷「そして、拒絶した後、人形に――私にその人を投影すればいい。そうしたら、見事自分を拒絶しない自分の好きな人の出来上がり……面倒くさい人……ねぇ、お嬢様――」



女奴隷「――本当はメイドのこと好きでしょ」



お嬢様「――――っ!?」


女奴隷「お嬢様は好きな人に……求めていた人に一度拒絶されて、その辛さを知ってしまったから、またその苦しみを味わいたくないと避けてるだけ。それじゃあ、誰も幸せにならない」


女奴隷「思春期の子供みたいに嫌なことから逃げて、殻に籠っても、前には進めない――そのままじゃ、本当の愛をアナタは誰からも貰えない!」

お嬢様「――――ッ」ギリッ

お嬢様「黙れッ! 何のための貴女よ……私に愛を与えるためだけに存在している性奴隷でしょ、貴女は! それなのに、分かったような口をきいて……ふざけんじゃないわよ調子に乗るんじゃないわよ!」ガッ


女奴隷「私を性奴隷にしたのは――――」


お嬢様「あぁ?」


女奴隷「――お嬢様がメイドとエッチなことしたから……。愛が欲しいだけなら、エッチなことする必要はない……。そもそも、そういうことするんなら同性より異性の方が都合がいい。お嬢様は私をメイドに見立てて使っていただけ。だって、お嬢様はメイドのことが好きだ――」グッ


お嬢様「まだ言うか――!」ジャラ


女奴隷「――っ――かぁらぁ――ぐっ……はぁ――く、くび……が…………」グググッ


お嬢様「仮に、私がメイドのことが好きだとしても……貴女は何も言わず私を愛すだけでいいのっ! 何でそれを分かってくれないの!!?」


女奴隷「ん……はぁ、あ――嫌だ!」グイッ


お嬢様「――――イタッ!!」バッ


女奴隷「く、はぁはぁ……はぁ……脇腹は、神経が集中してるから、軽くつままれただけで、痛みが走る……鎖を離したね……」


お嬢様「この――ッ!!」

女奴隷「私は! 私はアナタ――お嬢様を愛したい、好きになりたい、熱を共有したい。けど――」


女奴隷「――私の姿を見てくれない人を、私は本当の意味で愛せない」


お嬢様「――!?」


女奴隷「過去のトラウマが、女同士のしがらみが、メイドの心に近づけなくさせているのでしょう。もし、アナタが、自分を愛せと言えば愛しましょう。けど、私はメイドの代わりにアナタに好きだって言うのではないし、メイドの代わりになんかなりたくない」

女奴隷「代替行為で生まれた愛でアナタは幸せになれない! それ以前に…………もう一度言う、私を見てくれない人を、私は本当の意味で愛せない!」


お嬢様「……………………――ぃのよ」

女奴隷「はい……」

お嬢様「………………メイドがいつかお母様みたいに私を拒絶して、目の前から居なくなってしまうのが」

女奴隷「はい……」

お嬢様「…………ご令嬢が私を慕わなくなって、私に好意を向けていた過去を苦い思い出にしてしまうのが」

女奴隷「はい……」

お嬢様「……貴女が私に愛想を尽かして、世界に一人ぼっちになってしまうのが」

女奴隷「はい……」


お嬢様「恐いのよ」

女奴隷「誰だってそう、自分を拒絶されて、孤独にだけはなりたくない」


お嬢様「だけど、それと同じくらい好きなの……愛してほしいの」


お嬢様「メイドの、ご令嬢の、貴女の……愛が欲しいの」


女奴隷「誰だってそう、自分が好きな人に、自分を愛して欲しがってる」

女奴隷「誰だって思う当たり前のことなの……」


お嬢様「――――」ウルッ


お嬢様「こわい……すき……ぅ……私は、ひっ……すき、あいしてほしい……」ヒック


女奴隷「うん――うん」ギュッ


女奴隷「もし、拒絶されて傷ついたら、その傷が治るまでそばにいて癒すから……私はお嬢様の味方だから。だから、今はいっぱい泣いて……不安を涙に混ぜて流したら、メイドに謝りに行こう」ナデナデ


女奴隷「――そして、好きって言おう」


お嬢様「――――。……うん、うん。ぐずっ……ありがとう、ぅう――ありがとう……」ポロポロ


女奴隷「………………」ナデナデ


お嬢様「ぅうう……うわぁああん――。ごめんね……ごめんねぇ……めいどぉ……おんなどれい……ごれいじょぉ……」ボロボロ

女奴隷「誰だってそう、自分を拒絶されて、孤独にだけはなりたくない」


お嬢様「だけど、それと同じくらい好きなの……愛してほしいの」


お嬢様「メイドの、ご令嬢の、貴女の……愛が欲しいの」


女奴隷「誰だってそう、自分が好きな人に、自分を愛して欲しがってる」

女奴隷「誰だって思う当たり前のことなの……」


お嬢様「――――」ウルッ


お嬢様「こわい……すき……ぅ……私は、ひっ……すき、あいしてほしい……」ヒック


女奴隷「うん――うん」ギュッ


女奴隷「もし、拒絶されて傷ついたら、その傷が治るまでそばにいて癒すから……私はお嬢様の味方だから。だから、今はいっぱい泣いて……不安を涙に混ぜて流したら、メイドに謝りに行こう」ナデナデ


女奴隷「――そして、好きって言おう」


お嬢様「――――。……うん、うん。ぐずっ……ありがとう、ぅう――ありがとう……」ポロポロ


女奴隷「………………」ナデナデ


お嬢様「ぅうう……うわぁああん――。ごめんね……ごめんねぇ……めいどぉ……おんなどれい……ごれいじょぉ……」ボロボロ

――数分後。

女奴隷「落ち着いた?」


お嬢様「ええ……。ありがとうね」

お嬢様「……と、早くメイドとご令嬢を探しにいかないと」


女奴隷「私が、探してくる。お嬢様は――」

女奴隷「顔を洗ってきて、ひどい顔になっているから……」


お嬢様「あっ――/// 顔、洗ってくる――」タタッ


女奴隷「……さて――――」

――屋敷前

ご令嬢「どうしようです……とってもドキドキしてるです……あと、胃が……胃がぁ……」キリキリ


メイド「……その豆腐メンタルどうにかならないの? 好きな人に好きって言うだけのことじゃない」


ご令嬢「そんなあっけらかんと言われましても……。ああ、お友だちのままでいましょうと言われて拒絶されたらどうしましょう……」


メイド「思春期か!」


ご令嬢「バリッバリに花も恥じらう思春期真っ只中ですよ!」



女奴隷「……何、してる?」


メイド「――女奴隷…………」


ご令嬢「あの……お嬢様は?」


女奴隷「なんとか、落ち着かせた。今なら、理性的に話せる」


メイド「……そう」


女奴隷「ちょうど良かった。今から、アナタたちを探しに行くところだった」


ご令嬢「その、ありがとうね、女奴隷ちゃん」


女奴隷「礼はいらない……それよりも、今はお嬢様と話してあげてほしい……」


メイド「…………」キッ


女奴隷「何――?」


メイド「私は……はっきり言ってあなたの事が好きじゃないわ」

女奴隷「……………………でしょうね。それは分かったから……お嬢様に会って――」


メイド「――ありがとう」

メイド「お嬢様を落ち着かせてくれて……私じゃ出来なかった」


女奴隷「……礼はいらない…………ちがうな……――喜んで、貰っておく」

女奴隷「今度は、メイドの番。ちゃんと話し合って、互いの事をもっとちゃんと知って」


メイド「言われなくても」


ドア「」ガチャ、キィ


お嬢様「あ、女奴隷、……もう本当に一人で探しにいく人がありますか。少しぐらい待っててくれても――」ツカツカ

お嬢様「――メイド……」


メイド「お嬢様……」

お嬢様「あの、メイド……その……私…………」


メイド「――好きです、お嬢様」

メイド「愛しています。あなたの事を世界で一番愛しています。大好きです。大好きなんです……」


ご令嬢「――! ボクだってお嬢様の事が好き。大好き! 尊敬しているし、ずっと側にいたい――いさせて欲しい!」


お嬢様「…………」

お嬢様「その言葉、本当なのよね――?」


メイド「大好き、好き好き、愛して………………えっ!?」
ご令嬢「愛しています、好き大好き………………はい?」


お嬢様「嘘じゃないのよね?」


メイド「それはもちろん」


ご令嬢「ですです。私たちの気持ちに嘘偽りなしです」


お嬢様「そう――――ありがとうね」


メイド「――お嬢様……その言葉って――――」

ご令嬢「ひょっとして…………」



お嬢様「私も……貴女たちの事が好きよ」

メイド「――!」ウルッ


ご令嬢「え……――ええっ! 本当? 嘘じゃない!?」パチクリ


メイド「お嬢様っ!!」ガバッ


お嬢様「っ……と、とと……いきなり抱きついてきたら、危ないわよ」タタッ

お嬢様「――メイド…………」ギュッ


メイド「好きです」ボロボロ


お嬢様「――――――――」


お嬢様「私も……わたしも……好きよ」ポロポロ

お嬢様「ごめんなさい……今まで、っひ……ごめんなさい、酷いこと言って、して……う、うぅ――好きよ、大好きぃ」


メイド「わ、わたしも好きです……っ……嬉しい、うれしいよぅ……」ポロポロ


ご令嬢「……」
   (出遅れた……)


女奴隷「……出遅れたね」ボソッ


ご令嬢「………………。………………。………………。もう、言葉にしちゃダメですよ~」ボソボソ


女奴隷「……ごめんなさい」ボソッ


ご令嬢「謝られたら余計に……もう良いです。お嬢様の愛の強さでメイドに負ける気はありませんけど、お嬢様の事を思った期間は彼女の方が長いですから……。から、今だけは、ね?」コソコソ


女奴隷「大人……」ボソッ


ご令嬢「それほどでもないですよ」ニコリ


お嬢様「――――」

お嬢様「ねぇ、ご令嬢に女奴隷、貴女たちもこっちに来て」


女奴隷「はい。――……私たちの会話、聞こえてたっぽい?」


ご令嬢「……ぽいですね」


お嬢様「ご令嬢、貴女の気持ち嬉しいわ。私も貴女の事が好き」


ご令嬢「はい……。ありがとうです。嬉しい、うん、嬉しいです」


メイド「二股ですか?」


お嬢様「三股よ。女奴隷がいるわ」


メイド「…………」ムッ


ご令嬢「ボクは……ボクは、それでもかまいません――――」


お嬢様「……普通は、納得いかないわよね……」


メイド「はい……だから、約束してください」

メイド「私を一番にしてとは言いません、けど、ないがしろにはしないでください。私を二度と拒絶しないでください」


お嬢様「約束――いいえ、誓うわ。貴女が私を好きでいてくれたこれまでの分まで、貴女を愛すって。だから――私が言える立場じゃないのは分かっているけれど、約束して欲しいことがあるの――私を愛して、絶対に拒絶しないで」


メイド「誓います。どれだけ拒絶されても、私はあなたを諦めずに好きで居続けたんですよ。今更です」


お嬢様「ええ……ええ――ありがとう」


女奴隷「お嬢様、そろそろ屋敷に入ろう。……あと、私は、お母さんとの事を二人に話した方がいいと思う」


お嬢様「……そうね。とりあえず屋敷に入りましょうか」


お嬢様「――女奴隷の言った通り、貴女たちに話したいこと、話さなくちゃいけないことがあるの」

――お嬢様の部屋

お嬢様「――――ということがあったの」


メイド「な!? そんな……お嬢様のお母様が……そんなことを……」


ご令嬢「酷いです! 酷い人です! その人は!! それこそ水よりも濃い血が繋がっている、腹を痛めて産んだ実娘に向かって、産みたくなかったって……」


お嬢様「酷い人……そうね、お母様は酷い人だったわ。そのお母様の影響が私を強く蝕んで、私の心に深く根を張ったわ。だから――」


メイド「歪んで、しまったんですね……」


お嬢様「……ええ。けど、貴女たちに酷い態度をとったことを、そんな言い訳で濁して良いとは思っていない」

お嬢様「――ねえ、して欲しいこと何でも言って。それでチャラになるとは思っていないけど、それでも何もせずにはいられないわ」


メイド「して、欲しいこと……?」


ご令嬢「わ、私は――――」
   (お嬢様とエッチなことが……)


>メイド『私セックスどころか、お嬢様の唇にキスしたこともないんです。ていうかキスされたこともないんですね』

>メイド『だから、お嬢様と初めてエッチしたとき、選ばれた、結ばれたって思って、嬉しくなって、でも……』


ご令嬢「………………」

ご令嬢「――私のお願いは、メイドの後でいいです」


お嬢様「それでいいの?」


ご令嬢「はい――」

ご令嬢「じゃあメイド、ボクちょっと外出てくるから……女奴隷ちゃんも一緒に来てくれる?」


女奴隷「お嬢様、いい?」


お嬢様「いいけど……あまり変なことはしないでね」


ご令嬢「分かっていますよ……じゃあメイド、頑張って」


メイド「良いんですか? 本当に? 私だけで独占しちゃって……」


ご令嬢「今回だけですよ。それに言ったですよ、ボクはお嬢様も好きだけど、メイド――貴女のことも好きだって。好きな人の喜ぶこと、したいじゃないですか」

ご令嬢「じゃあ、夜までには戻りますね。後始末はそれまでに――」ガチャ


女奴隷「お嬢様、行ってくる」


お嬢様「ええ、行ってらっしゃい」

メイド「その……二人っきりですね」


お嬢様「気を使われた……ってことになるのかしら」


メイド「そう、ですよね……やっぱりそういうことですよね」

メイド「お嬢様――」


お嬢様「はい……」


メイド「好きです」


お嬢様「――はい」


メイド「十数年あなたのことをずっと思ってきました」

メイド「エッチな奉仕をするたびに、次の段階に進みたかった」

メイド「私は女奴隷がうらやましいです。あんなにお嬢様に求められて」

メイド「――だから、私を抱いてください。それが私のしてほしいことです」


お嬢様「――――――――」


Rに来てからついにか


ベッドに腰掛ける二人。
メイドは緊張や、興奮、不安といったものを押さえつけるように己の手を握る。


鼓動の音を聞かれてしまうんじゃないか。
そう思えてしまうほど、メイドは自身の心の高鳴りを全身で感じていた。


となりを見る。

メイドの視線に気づき、気恥ずかしそうに破顔するお嬢様。彼女の頬には朱が差している。
視線を交わらせ、幸せそうに微笑みあう二人。

お嬢様「メイド……」

お嬢様は透き通った碧眼を瞼で隠し、唇をメイドにさしだした。
メイド「――お嬢様……」

メイドはおずおずと赤く染まったお嬢様の頬に触れる。
熱い。
溶けてしまいそう。そう錯覚してしまう程の熱さに恍惚とする。


熱に浮かされとろけ、幸せに満ちた脳でお嬢様の事だけを考える。お嬢様だけを見つめる。
お嬢様の薄ピンク色した綺麗な唇に、だんだんと自身のそれを近づけた。

メイド「――――ん……」
吐息が掛かる。近く密な距離。

メイドも瞳を閉じる。呼吸を一つした後、唇に柔らかい感触が――。


お嬢様「――ん、ぁ――――」
メイド「――あっ――――」
互いの唇が触れた。熱が溶け合う。思いが――ひとつになる。

お嬢様とメイド。


初めて二人はキスをした。

 ξ          ゞシヾ"  ヽ         ,,,....,,,、、...,,,....,,

  !           彡       ヽ:::     ..i'´.        ヾ'''、、、,,,

   シ          彡       ,j:::   ..,/ヾ,            ヽ

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     し { !⌒- ヽ! j     ‐-‐'j ヽ、...'       '  .,_//,        !;::

     ヾ丶`-'  ! !        {__,__,!'         -‐' ヾ       ノ:::

      ,ヾ  '  、       ,'  ....,)        ::     ヽ     ノ::::::

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唇の熱さを、思いを共有する。

まるで、時間が止まったのではないかと錯覚してしまうほどの幸福感に包まれるメイド。
鼓動のみが耳朶を打つ。最愛の人の匂いが鼻孔を塞ぐ。身近に感じる最愛の人。
鼓動の音は混ざり合い、お嬢様の物なのかメイドの物なのかは、もはや二人には分からない。

互いを感じ幾ばくか経った後、どちらともなく唇を離した。

メイドは唇に残るお嬢様の残滓を確かめるように人差し指でそこに触れ、余韻に微笑む。
確かに、お嬢様と――長年思い続けた人とキスをした。


お嬢様は、目を開きその碧眼でメイドの存在を見つめ、今しがた行なった事実を認めると、嬉しそうに気恥ずかしそうに微笑み、照れから頬をより一層赤くした。

お嬢様「好きよ」
メイド「はい――」

すぐさまメイドの胸中は溢れ出る激情で一杯になった。
思い人と結ばれる。ああ、これ以上に幸せなことがあるだろうか。

メイド「では、その……脱がしますね?」

お嬢様「そ、そうよね。これから、すっするのだから、当たり前よね」

あたふたと緊張からかテンパるお嬢様。その姿を妙に思い、首をかしげる。
メイド「お嬢様、いつもやっていることですよ?」

お嬢様「確かにそうだけど……違うの、いつもと同じじゃない。これから、その……好きな人と初めて最後までするって考えると、恥ずかしい……」

思わぬ純なお嬢様の反応に面喰い、次いでその初々しさを愛おしく感じる。
いままで散々、その好きな人に好き勝手奉仕させてきた人の発言とは思えなかった。

お嬢様の普段とは打って変わった弱弱しい姿を見て、メイドは己の口端を一つ嗜虐的に舐めた。それをきっかけに彼女の中で切り替わる、スイッチ。

メイド「では、脱がしますね」
お嬢様「待って、自分で脱ぐから――」
メイド「却下。待ちません」
言うが早いかメイドはブラウスの一番上のボタンを外した。

メイド「ふふふ、お嬢様の鎖骨……」
まずボタンを一つ外したところで襟を捲り、首筋をさらす。


メイド「ここにホクロがあるってセクシーですよね、しかも二つ」
人差し指で鎖骨の上をなぞり、息を吹きかける。

お嬢様「う、あぁ――――」
お嬢様はメイドのなじりにゾクゾクと感じ、目を閉じてされるがままになる。

メイド「お嬢様、かわいいです」

それだけ言うと、お嬢様の鎖骨に舌を這わせた。
キスし、ホクロを舐めあげ、ついばんだ。

お嬢様「――んっ……――」
吐息を洩らして、こそばゆいキスに身をよじる。けれど拒絶はしない。そのことがメイドには堪らなく嬉しかった。

お嬢様「メイド――」
愛しい人の名前を呟き、その最愛の人の美しい栗色髪の頭を撫でた。
メイドは頭を撫でられ心地よさに目を細めながらも、粘質的な口撫を止めはせずに、次々とブラウスのボタンを外していった。


メイド「お嬢様……」
下まで全て外しきると、口撫を止めて顔を上げ、お嬢様の瞳を見つめて、微笑んだ。



今度は何の言葉もなく、どちらともなく唇を近づけた。

メイド「ん――」
お嬢様「……ぁ――」


二人、唇の柔らかさを堪能する。ついばむように、吸い付くように――。
互いを受け入れ、互いを感じ、愛おしむ。

そうしてしばらく経った後、メイドはおずおずと舌をお嬢様の中に差し入れた。

お嬢様「――! ん」

お嬢様は突然口内に侵入してきた独特のヌメりけと柔らかさを持つそれに驚いたが、すぐさまそれがメイドの舌だと理解すると、舌先で侵入してきた彼女を迎え入れる。


最初は互いを確かめ合うような軽い触れ合いだったが、次第に思い人の奥深くに入り込もうとする激しい交わりへと変わっていった。


くちゅくちゅと粘膜同士が擦れ合い、唾液は混ざり合う。
相手の口内を蹂躙し、積極的に深く結びつく。


二人は深く唇を交わらせながら、離さないとばかりに強く抱きしめあった。


一通りキスを堪能すると唇を離した。
唾液が糸を引いた。二人が混ざった透明な糸。繋がりの名残。


メイド「お嬢さまぁ――」
お嬢様「メイド――」


メイドは舌を這わせながら玉のようなお嬢様の肌を下降し、胸の谷間に顔をうずめた。
二、三回ブラに包まれた胸を揉みしだく。
そのままの手つきでフロントホックをはずすと、何の逡巡もなくそれをはぎ取った。

メイド「わぁ……やっぱり大きい……」


解放されると同時にぷるんと跳ねた彼女のおっぱいをうっとりと見つめての一言。

いやらしい目つきをしたまま、双丘を見つめ犯し、一呼吸ついてからその頂点の綺麗な桜色した突起に吸い付いた。

お嬢様「ひゃ――っんぁ……」
メイド「ふへへ、ふぁわいい、おしょうしゃま」

乳首を咥えたまま、器用に話すメイド。
彼女は乳首を咥えたまま、左手で真白く染み一つとて無いお嬢様のお腹を撫でる。

お嬢様はゾクゾクと体を震わせるのみで大した抵抗をしない。
恥ずかしくて何もできないということもあるが、それ以上にメイドがするなら酷いことにはならないという信頼もあったからだ。


メイドの指が次第にお嬢様の良い所に近づいていく。
スカートの中に手を差し入れ、恥丘に軽く触れ、遂には割れ目へと――


メイド「お嬢様も……私のを触ってください」

メイドは手元の湿り気を帯びた感触に満足すると、いったん手を引き抜いて、乳首から口を離し顔を上げ、小悪魔めいた笑みを浮かべながらお嬢様にお願いした。


お嬢様「あっ……その、上手くできるか分からないけども……」
メイド「別に、上手い上手くないじゃないです、こういうのは。好きな人にしてもらえる、それだけで満たされるものですよ」

メイドの言葉におずおずと手を伸ばす。

お嬢様「服、脱がすわね」

メイド「はい――あ、お嬢様は脱がないで下さいよ、その崩れた半脱ぎ加減がエロいので」

お嬢様「分かったわ」


軽口に微笑み、そのせいか先程よりは幾分か落ち着いた面持ちでメイド服に手をかける。

メイド「すみません。まず、エプロンから脱がしてもらわないと……」

お嬢様「えっ……あっ!! そうね、まずエプロンからよね……」

指摘された通り彼女の背に手を回し、普段の凛とした姿とは違いテンパっているお嬢様の姿を見てくすくすとおかしそうに笑うメイドを無視しながら、蝶々結びに手をかけた。

ついで黒地のワンピースの襟裏のホックを外して、ファスナーを下ろしていった。

だんだんと外気にさらされていくメイドの陶磁器めいたきめの細かい、かつてお嬢様が褒めたとおりの美しい肌。
袖から腕を引き抜いた。


お嬢様「――――」
お嬢様の視界には、黒のブラを残して上半身裸のメイドの姿が――。

お嬢様「下も……」
お嬢様はもっとメイドの全てが視たいと渇望し、半ば無意識にスカート部分に手を伸ばした。


メイド「下は自分で脱ぎます。バニエもありますし、さすがに他人が脱がすのは難し――――」

お嬢様「いいえ私が脱がすわ」

メイド「きゃ――」

言うとすぐにメイドを無理やり万歳させ、剥ぎ取るように脱がした。

お嬢様「バニエは……なんだホックで止まっているだけじゃない」

メイドを今度は四つん這いにさせて、手際よく身ぐるみを剥いでいくお嬢様。

そして、ついにメイドが身に着けている物は上下合わせて二枚の黒色の布きれのみとなった。


お嬢様「ふふふ……」
メイド「ううぅ……」

裸同然の姿を見て満足げに笑みを浮かべるお嬢様と、じろじろと柔肌を視姦されて恥ずかしがるメイド。


すっかり攻守は逆転していた。


お嬢様は口端を舐ると、メイドの背のすべすべとした肌に指を這わせ、黒いブラのホックに触れた。そして器用に片手でそれを外すと同時にはらりと落ちるブラジャー。


メイドの二つの小さなさくらんぼが外気に触れた。

半ばのしかかるように四つん這いのメイドに後ろから抱きつき、メイドの胸を揉みしだくお嬢様。

メイド「おじょうさ――ひゃあ……」

先程までされるだけだったお嬢様の豹変に、メイドはたじろぎ、突然の事に手が打てず今度は彼女が受けにならざるを得なかった。


意識の外の性感にメイドは思わず艶のある声を漏らしてしまう。

そのことがお嬢様を喜ばせ、自身の手でよがるメイドのことをより一層愛おしく思う。


お嬢様(メイドも私にしてくれたとき、こんな気持ちだったのかしら)

もしそうなら――

お嬢様(もっと気持ちよくさせたい)


愛しいが故に尽くしたい。今まで感じたことのない類いの欲求がお嬢様の心中を埋め尽くす。


メイド「あっ、ああああんぁ」

メイドは乳首を扱かれ、たまらず大きく嬌声を洩らして快感に耐える。

お嬢様はメイドの想像以上の反応に気を良くすると、左手で勃起した乳首を弄ったまま、空いた手を乙女の芯へと近づけた。


もうすでにそこは下着の上から触れても分かるくらいしとどに濡れている。

メイド「ああぁ、お嬢様おじょうさま……そこはぁ――」


下着の上から割れ目を撫でてやると、メイドは甘い声を洩らしながらビクンビクンと腰を躍らせよがる。



お嬢様はメイドの最後一枚の下着に手をかけ、一気に下ろした。
正真正銘生まれたままの姿になるメイド。

着々とメイドを攻略していく。胸への愛撫を止めると、今度は突き出されたメイドの尻に愛撫の矛先を変えた。


柔尻を揉みしだきながら、蜜に濡れぼそった開いた二枚貝を見つめる。

愛液を垂らしヒクつくそこ。

乙女の濃くむせ返るような性の匂いが、お嬢様の鼻いっぱいに広がる。


お嬢様「――――――んく」
お嬢様は生唾を呑みこんで、決心すると――

メイド「んんぁあああああっ!!!」

メイドの蜜壺に吸い付いた。


ひときわ強い性による快感に甲高く絶叫するメイドを無視して、お嬢様はそのまま小唇口をついばみメイドを堪能する。

まるで別個の生物の様にヒクつくヒダ。
膣前庭からは壊れ狂った蛇口のようにラブジュースが漏れ溢れている。


メイドの上半身から力が抜け、もはや力なくベッドに倒れこみ、けれども下半身はお嬢様に押さえられているせいで、お嬢様にもっとしてくれと良い所を差し出しているような、そんな格好になった。


メイドは羞恥で押し潰されそうになるが、次々にやってくる快感に流され、お嬢様が自身の大事な場所を舐めるのを感じるしかなくなっていった。


メイド「ううう――くうぅ、ああんああああぁぁぁ」

お嬢様はぴちゃぴちゃとわざと下品に音を立てて女性器を舐める。
その淫らな音は二人の情欲を加速度的に掻き立てる。


お嬢様は耳で目で舌で鼻で、メイドがよがっているのを認識する。

絶え間なく腰を躍らせるメイドの反応を楽しむ。

お嬢様(ここでこんなに反応してくれるのなら、一体ここなら――――)


お嬢様は期待を胸に、そっとそこを――ことごとく勃起したクリトリスを――舌先でつついた。


メイド「――――っっっッツ!!?」

快感はもはや声にならず、だらしなく口端から唾液を垂らし、腰を上下に跳ねさせる。

ぷちゃっという水音と共にメイドの奥からあふれ出た淫液によってお嬢様の顔が汚された。

けれどお嬢様は顔が淫らな汁に汚されるのを厭わず――むしろ、淫らな汁に汚されることにも興奮を覚えた――、決して陰核への攻めを止めることは無い。
クリトリスに吸い付き過度な刺激を与える。

メイド「ひっ――あ、あああああ、っふく……ああんんぁな」

メイドは上からも下からも汁を洩らし、これでもかというほどよがり狂う。
お嬢様は陰核を甘噛んだ。


メイド「ああああアッ!! お嬢様ぁあ!! 気持ちぃ、クンニ……自分でするより――ああぁぁあっんんんん、ぁもう、もううぅぅっっっ」


メイドの性の絶叫を聞き、ヒクつきうねるヒダを見て、お嬢様は彼女の限界が近いことを知る。

お嬢様「イクのね、いいわ、そのいやらしい花びらから噴き出るエッチな蜜で私を汚して!」


言い終えると、クリへの口撫を激しくし、メイドの絶頂に備えた。

高められていくメイドのリビトー。花弁の熱は収まることを知らずにどんどんと性的荒ぶりを白熱させ、膣の奥――子宮からその性による熱を発散させようと何か熱いものがこみ上げる。


駄目押しとばかりにお嬢様はクリトリスに吸い付いた。


ひりつくような陰核への刺激に遂に絶頂へと――

メイド「あ、ああああっぁぁあああああああ!!!!」

メイドの花びらが蜜をまき散らして爆発した。
腰が痙攣し上下に揺れ、お嬢様の顔にべったりと淫蜜をなすりつける。


メイド「あああ、あへぁ……お、お――おじょうさまぁあ――」

あまりの快感にとろ顔となり恍惚とお嬢様を見つめるメイド。
そのお嬢様もメイドのエッチな汁で汚されたことで、顔を恍惚に溶かしていた。


お嬢様は頬についたメイド汁を指ですくうと、そのまま口に含んだ。

お嬢様「……これがメイドの味――――」

知らず口角を上げるお嬢様。

お嬢様「もちろん、もっと舐めていいわよねぇ? もっと貴女を味わいたいわぁ」


お嬢様の問いかけにメイドはただ、

メイド「は、はいぃ……」

と答えるのみだった。
味気ない返事とは対比して、その顔は期待に染まっていた。

メイド「私も……」

メイドはそう言うと、お嬢様の花園へと手を伸ばす。

メイド「さっきより濡れてる……」
細指で触れたそこは、蜜で溢れていた。


お嬢様「当たり前よ。だって――」

お嬢様はメイドを押し倒し、先ほど達したばかりの彼女の秘裂に手を這わせた。

お嬢様「貴女がこんなにも感じてくれたんですもの」


お嬢様の手をまた淫液で濡れていた。
艶かしく動く指先に達したばかりの花弁は敏感に反応し、連鎖的にメイドは甘い声を漏らした。


メイド「ぁ……っ、わ……私だって――」

メイドはお嬢様に負けじと繊細な指使いで、最愛の人の良いところを愛撫した。


お嬢様「ええ、――いっしょに――――」


お嬢様は悠然と微笑むと、肥大化しとっくに皮がズル剥けとなっているクリを指の腹で押し潰した。


メイド「ひゃぁ――ぁっ……ん」


メイドは甘い声を漏らしながらも、これまでに何度も奉仕したことのあるお嬢様の割れ目に手を這わせた。


お嬢様「んっ……」

くぐもった声。感じているのだ。


メイド「お嬢さまぁ――」

お嬢様「めいど――」


互いに指を淫液で汚しながら、秘所を刺激しあい、熱に浮かされた声音で互いを呼びあうと、どちらともなくキスをした。

メイド「はぁ――んあ……んん……」

お嬢様「んあぁ……れろ――んぁ」


唇を貪りあい、汁を垂れ流している蜜壺をその溢れ出る蜜を潤滑油にして刺激しあう。


もはや、二人の耳には互いの息づかいと、上下からの粘膜を刺激したとき特有の水音しか聞こえない。


もうそこはとっくに二人のみで出来た世界だった。


メイド「お嬢様……お願いが――」


お嬢様「なに?」


唇を離し、潤んだ瞳でお嬢様を見つめる。


メイド「私の――」


メイドはお嬢様の秘裂から手を離すと、今度は自身のそこを左右に押し広げた。


メイド「私の処女膜を破ってください」


お嬢様「えっ――!?」


メイド「お嬢様の手で私の破瓜を奪ってほしいんです」

予想外のメイドのお願いに面食らうお嬢様。


お嬢様「本当に良いの?」

メイド「はい。お嬢様だからいいんです」


メイドの言葉に覚悟を決め、行きを吸い込むと――


お嬢様「いいわ――だけど、一つだけ私からもお願い」

メイド「――? 何ですか?」


お嬢様「私のも破って」

静かな、けれども確かな意思の籠ったお嬢様のお願いに、メイドは息を飲んだ。

メイド「本当に私でいいんですか?」

お嬢様「貴女だからお願いしているのよ」


顔を赤くし、恥ずかしげにそう言うお嬢様の言葉を聞いて――


メイド「――――」


お嬢様「メイド――ーっ!?」


メイドは涙を流していた。

お嬢様「え、え? その……嫌だった……?」


メイド「嫌なんかじゃありません!」

メイド「逆です――嬉しいんです」


お嬢様「――――。私も、嬉しいわ」

メイド「はい」

お嬢様「メイド――」


愛しい人の名前を呟くと、彼女の頬を伝う一筋の涙を舌ですくった。


メイド「ひゃ……お嬢さ……」

お嬢様「動かないで」


お嬢様に言われた通り、身じろぎ一つせず、メイドは彼女の舌を受け入れる。


メイド(何だか、こそばゆいわ……)


ちろちろと動く舌先にくすぐったさを感じ、幾ばくか経った後、彼女の舌は頬を離れた。

そして続けざまに唇へと――


二人は軽く唇を重ね合った。

続きキター

メイド「っはぁ――そ、それじゃあ、お嬢様」

お嬢様「ええ。一緒に」

二人は互いの『女』に指をあてがった。


メイド「痛いって言っても、止めないでくださいね」

お嬢様「そっちこそ」


数本の指が束になって、中に入っていく。
入れるのも入れられるのもキツく、二人が二人苦悶の表情を浮かべ、そして――――

お嬢様「この血はね、私たちの赤い糸」


お嬢様とメイド。
二人は生まれた姿のまま、向い合わせでベッドに横になっている。


優しげに目を細めメイドを見つめるお嬢様。メイドもまた然りだ。

二人は小指を指切りの様に結んでいる。
その指には二人の混ざった証が、赤い糸のように巻き付いていた。


お嬢様「私たちの愛の証明。例え、消えてしまっても、今日したこと――貴女と結ばれたことは嘘にはならない」

ジンシンと下半身の痛み。
その痛みが今日のことは嘘じゃないと教えてくれる。


お嬢様「だって、これは指に巻き付いているのではなくて、貴女と私の心を結びつけているものなんですもの。見えなくなっても、結び付いているわ」


きっとこの痛みを、この幸福感を生涯忘れる事はない、そうメイドは思う。


メイド「愛しています、お嬢様」

メイド「何年経っても私のこの思いは本物のまま、変わらない」

それはメイドの心の底からの思い。
離さないとばかりに、結んだ小指の力を強くする。

お嬢様も結び返して、

お嬢様「私もよ――」

そう答えた。



二人の小指を結ぶ赤い糸が消えてしまっても、それはただ見えなくなっただけ。

二人の思いは決して切れやしない。赤い糸は繋がったまま、生涯二人を結ぶだろう。


メイド「――――」

お嬢様「――――」


二人はキスをし、鈍い痛みと愛しい人を抱きながら、心地よさに沈んだ。

――数時間後、屋敷


ご令嬢「そろそろいいですよね」


女奴隷「良いと思う。流石に、こんな時間までしてはいないと思う」


ご令嬢「もう夕日も沈みかけてるですしね」


女奴隷「うん。――会ったら、何て言う? お楽しみでしたね?」


ご令嬢「それは些か……」


女奴隷「イヤミくさい?」


ご令嬢「ですよ」

ご令嬢「さてと、お嬢様は何処に居るんですかね」


女奴隷「部屋じゃない?」


ご令嬢「ですかね~~」


女奴隷「……行こう」


ご令嬢「ですです!」ぎゅ


女奴隷「……抱きつかれたら、歩きづらい」


ご令嬢「良いじゃないですか。ごーごー」


女奴隷「」ムッ


ご令嬢(むくれちゃって――)

ご令嬢「かわいい♪」ギュウ


女奴隷(なつかれた……)

――お嬢様の部屋の前


女奴隷「お嬢様、入ります」コンコンガチャ


ご令嬢「入るですよ」

ご令嬢「あっ――」


女奴隷「寝てる」


ご令嬢「……もう、裸で寝たら風邪引いちゃいます」パサッ

ご令嬢「ささ、出ましょうか。起こしちゃったら悪いです」


女奴隷「うん」

女奴隷「――幸せそう」


ご令嬢「そう、ですね……」

ご令嬢「良かったです」


女奴隷「良かったの?」


ご令嬢「ええ。実際、ボク自身不思議です。悔しさだったり羨ましさだったり有りますけど、それら引っくるめて良かったと思えるんです」


女奴隷「……たぶんそれは、それら以上に二人への好意が上回っておるから」


ご令嬢「……ですかねぇ」


女奴隷「それに次はアナタの番」


ご令嬢「……ですね」

ご令嬢「…………お休みです。お嬢様、メイド」

女奴隷「おやすみ」


ドア「」パタン

――夜

メイド「――ん。ふぁ…………ん? 窓の外が暗い? それにここは……?」


お嬢様「すうすう」


メイド「お……嬢様? あっ!! そっか、私……」

メイド「ふふっ」ニコニコ


お嬢様「ん――メイド?」


メイド「あっ、ごめんなさい、起こしてしまいましたか?」


お嬢様「いいのよ、気にしないで」

お嬢様「――そうだわ、お風呂に入りましょう」


メイド「――!? はいっ!!」

メイド「えへへ」


お嬢様「嬉しそうね」


メイド「はい!! ……お嬢様は嬉しくないですか?」


お嬢様「いいえ、そんなことないわ。……でも、少し恥ずかしいかも」


メイド「あんなことまでしておいてですか?」クスクス


お嬢様「それとこれとは話が別よ」


メイド「そうですか。……ふふっ」

メイド(エッチの時もそうだったけれど。お嬢様って案外……)

――脱衣場

メイド「ふぅ……ここまで来る途中で同僚に会わなくてよかった。今、腰がガクガクしてるから、もし見つかってたら訝しまれてたかも」


お嬢様「別に良いんじゃない? ご令嬢に聞いたけど、貴女が私のこと好きだってこと、屋敷のみんな気づいているみたいだし」


メイド「……えっ!?」


お嬢様「それじゃあ、さっと入りましょうか」


メイド「えっ? ちょっと待って!?」


お嬢様「何? もしかして今さら一緒にお風呂に入るの恥ずかしかったり?」


メイド「そうではなくて……屋敷のみんなが私の気持ち知ってるって……」


お嬢様「まあ、でもご令嬢の言うことだしね、大げさに誇張されてるわよ、きっと」


メイド「で、ですよね」


ご令嬢「そうですよ、正しくは、お父様を除いた屋敷の人間です」


メイド「結局、同僚にはバレてるじゃない!! ……って、あれ?」


お嬢様「ご令嬢、それに女奴隷、貴女達もお風呂?」


女奴隷「うん、――お疲れ様? おめでとう?」


お嬢様「あ、はは……ありがとね」

ご令嬢「あの……なんだったらボクたち、お風呂入るの後にしましょうか?」


お嬢様「どう、メイド?」


メイド「私は構いません」


お嬢様「本当に良いの?」


メイド「はい。私は言いましたよ、私を一番にしてくれとはいいませんと。それに、ご令嬢は私のこと好きだって言ってくれたんですよ。それなのに無下に出来る訳ないじゃないですか」


お嬢様「そう! そうなの!! なんだか妬けるわね。でも、メイドが拒否しないのなら良いわ。女奴隷、ご令嬢、一緒に入りましょうか」

【キャラ】

・お嬢様:大学生。お金持ちのお嬢様。美人。メンヘラ。ボダでもある。母親からしてアレな人。
     幼少期に受けた母親からの「お前なんか産むんじゃなかった」発言がトラウマ。
     そのせいで絶対に裏切られない愛を欲しがる。
     ロリコン。


・女奴隷:十一歳幼女。奴隷。可愛らしい顔立ち。好きなことは読書、ピンクローターを使ったアレ。
     義父に実母実父を殺されてる。拾われた日を二歳として、その日を誕生日にしている。
     義父が死んだ後は、彼のつてで奴隷商(女)の元へ行き、みっちりいろんなことを教えられたあとお嬢様に売り飛ばされる。
     台詞に句読点が多いのは、イタリア語に慣れていないことを表現したかった。(読みづらい)
     感じやすい。


・メイド:お嬢様とは幼なじみ。没落メイド。幼い頃からお嬢様のことが好き。大人びた顔立ち。
     お嬢様のことになると頭がおかしくなる。が、ドン引き赤い糸(血液)で結ばれたことにより、心に余裕が出来る。
     お嬢様の専属メイド。
     一時期、お嬢様に性玩具にされてた。


・ご令嬢:ピカピカの高校一年生。ボクっ娘(よく忘れる設定)。成り上がり令嬢。「です」を多用した口調。
     父親が夢追い人。起業しては失敗を繰り返すが、ここ数年で運が良いことに、一発当てる。
     その為、他の金持ちからは元貧乏人と笑われ、貧困層からは嫉妬を受けている。
     数年前、社交界でお嬢様と出会いそのかっこよさに一目惚れ。後に、ケンカしたりしながらも、メイドのことも気になり始める。
     座右の銘「金は使えば無くなるもの」


使用人他にもいたんだな
ってメイド1人だけの方が不自然か

お嬢様「うふふ~メイド~」


メイド「きゃっ!? お嬢様、そこ触っちゃ……」


お嬢様「良いじゃない良いじゃない。ふふ、すべすべな肌、良いわぁ」


メイド「ひゃあ……」


女奴隷「……」


ご令嬢「あ、あの……御姉様……」


お嬢様「貴女たちもこっちにいらっしゃい。良いわよね、メイド?」


メイド「ええ。ご令嬢、おいで」


ご令嬢「はい……女奴隷ちゃんも」


女奴隷「ん……」


お嬢様「うふふ~」ナデナデ


女奴隷「……私の髪、撫でるの好き?」


お嬢様「ええ、私にはない綺麗な黒髪なんですもの」

メイド「むう……」


お嬢様「妬かないの。貴女にはきめ細かい肌があるでしょ。女奴隷にはない貴女だけのものだわ、勿論触るの好きよ」サワサワ


メイド「んっ……いえ、妬いた訳ではないんですよ……」


お嬢様「じゃあどこに?」


メイド「いえ……」


お嬢様「……?」


ご令嬢「ねぇ、女奴隷ちゃん、ボクも頭撫でてみていい?」


女奴隷「好きにしたらいい」


ご令嬢「なら……おお、さらさらしてるです。それに吸い込まれるようなブルネット。まるで芸術品!」


女奴隷「……見慣れてないだけ」


ご令嬢「むふふぅ、照れてますねえ」


メイド「………………」


女奴隷「………………」


メイド「――――――」サワッ


女奴隷「……触りたいなら、もっとちゃんと触ればいい」


メイド「そういうわけじゃ――!」


ご令嬢「そりゃ、興味はあっても女奴隷ちゃんのこと面と向かって嫌いと言ってしまったですしね、手を出すのは憚りますよ」

お嬢様「そうなの?」


メイド「いや……はい……」


お嬢様「どうして……いえ、私のせいよね」


メイド「それは……」


女奴隷「私は、もう気にしていない」


メイド「――!」ハッ


女奴隷「それに、アナタは私に『ありがとう』と言ってくれた。私のことを慮って手紙もくれた」

女奴隷「そうしてくれるくらいには、私のこと認めてくれているのでしょう?」


メイド「――――」

メイド「」

メイド「…………」ナデナデ


女奴隷「……ぎこちない」


メイド「慣れて……ないからね」ナデナデ


女奴隷「今後に期待しとく」


メイド「そう……なら、また気が向いたら、撫でさせてもらうわ」

メイド「……本当に綺麗な髪ね……」ナデナデ


女奴隷「ありがと」フッ

お嬢様「ふふっ」ナデナデ


ご令嬢「あ、ならボクも」ナデナデ


メイド「」ナデナデ


女奴隷「…………」


お嬢様「」ナデナデ


ご令嬢「」ナデナデ


メイド「」ナデナデ


女奴隷「……鬱陶しい」ガバッ


お嬢様「きゃー女奴隷ちゃんが怒ったわぁ」


女奴隷「……流石に三人同時に撫で回されるのは、うっとい……」


ご令嬢「ですよね~」


メイド「ふふふっ」

お嬢様「ほら女奴隷ちゃん、私が髪洗ってあげる、こっちにいらっしゃい」


女奴隷「ん……」


お嬢様「メイドは――」


メイド「分かっています。お嬢様の髪を洗えばいいんですよね」


お嬢様「うん、お願いね」


ご令嬢「ボクは……」


女奴隷「……嫌じゃなかったら、私がやる。良いよね、メイド?」


メイド「私にお伺い立てなくても良いわ」


メイド「いくらご令嬢が私のこと好きだと言っても、最後に誰に頭を洗ってもらうか、誰の頭を洗うかを、決めるのは彼女だわ」


女奴隷「だ、そうだけれど……どうする?」


ご令嬢「それじゃあ、女奴隷ちゃんにお願いしようかな……」


メイド「」ムスッ


ご令嬢「べ、別にメイドのことが嫌いって訳じゃなくてですね……」


メイド「ふふっ、冗談よ。分かっているわ」

メイド「知り合ったばかりの女奴隷と仲良くなりたいんでしょ?」


ご令嬢「はい! もうメイドとは、仲がいいって言える間柄だと自負していますからね!」

ご令嬢「という訳ですから、よろしくです! 女奴隷ちゃん!」


女奴隷「ん……。私の前にどうぞ」


ご令嬢「えへへ~」

ご令嬢「女奴隷ちゃんは頭洗うの上手いですね~」


女奴隷「ん、どうも」


ご令嬢「ふへへ~、……メイドも髪洗うの上手いんですか?」


お嬢様「ええ、上手よ。流石は私の専属メイド」


メイド「お褒めいただきありがとうございますっ、お嬢様っ♪」


女奴隷(テンション高いなぁ……)


メイド「では、頭お流ししますね」


お嬢様「あっ、流し終わったら、私に貸して。女奴隷ちゃんのを流してあげなきゃ」


女奴隷「その次、私で」


ご令嬢「うふふ~」ニコニコ

お嬢様「さてと……」

お嬢様「メイドの頭、洗いましょうか」


メイド「いいんですか!?」パアッ


お嬢様「ええ、嫌じゃなければ、喜んで」



ご令嬢「じゃあ女奴隷ちゃん、ボクたちは体洗いっこしちゃいましょう」


女奴隷「う、うん」

お嬢様「痒いところとかない?」ワシャワシャ


メイド「無いですよ。……いいですねぇ、髪を洗ってもらうのって」


お嬢様「そう? なら私が毎日でもしましょうか、楽しいですし」


メイド「ふふ、約束ですよ。明日も私の髪、洗ってくださいね」


お嬢様「喜んで。――泡流すわよ」


メイド「はい、どうぞ」目ツブリ


お嬢様「――――」シャー

お嬢様「――ありがとう、受け入れてくれて。好きよ、メイド」ギュ


メイド「――――」フッ

メイド「はい、私も大好きです」ソッ


お嬢様「うん……ありがと」

ご令嬢「えっへへ~、じゃあ体洗っちゃいますですよう~その柔肌をボクの前に晒せい!」ワキワキ


女奴隷「え? 本当に洗いっこするの?」


ご令嬢「いいじゃないですか~。ほらほら」ワキワキ


女奴隷「……まあ、いいけど……」


ご令嬢「むふふ、スポンジだと肌が荒れちゃうので、手で直接――」


女奴隷「えっ!? ちょっと!」


ご令嬢「やっぱり、若いと肌の張りが違いますねぇ」モミモミ


女奴隷「いや、いやいや! 私の胸には張りはあっても膨らみがない。触っても、お嬢様のみたいに母性を感じられるわけではない。ので、そんなに熱心に揉まれてもですね……」アタフタ


ご令嬢「焦ってますねぇ」

ご令嬢「――お嬢様ともこんなことしたんですか?」


女奴隷「――……」


ご令嬢「いえ、それ以上のことしてましたね」


女奴隷「……ごめんなさい。私には、今のアナタの気持ちが理解できない。怒ってる? 悲しんでる? ひょっとして嬉しい?」


ご令嬢「どうなんでしょうね……。自分でもよく分からないんです……」

ご令嬢「二人のことも、もちろん女奴隷ちゃんのことも好きですけど、独占欲なんてものはボクの中にはないですし……たぶん」

ご令嬢「むしろ、ボクもお姉様たちの中に入れて嬉しいくらいなんですけれど……」


女奴隷「けれど?」

ご令嬢「お嬢様とメイド、それに女奴隷ちゃんたちは深く繋がっていて、ボクだけ置いてけぼりなんです。そのことが悲しかったり、不安になったりするんです」


女奴隷(えっちのことか……)


ご令嬢「今日のは、ボクからメイドに譲りましたけど……いいえ、違いますね」

ご令嬢「譲ったんじゃなくて、逃げたんです」

ご令嬢「ねぇ女奴隷ちゃん。えっちってどんな感じですか? 気持ちいいんですか? してて不安になったりしませんか?」


女奴隷「えっちは……気持ちいい。でも、気持ちよすぎて自分が自分じゃなくなるように感じる時もある。私は別に、お嬢様のことを何年も想ってきた訳じゃないから、気持ちよさで一杯になっちゃう」

女奴隷「もちろん、お嬢様のことが嫌いってわけじゃない。近い将来、ちゃんとした意味で好きになるんだろうと思う」


ご令嬢「そう、ですか……」


女奴隷「怖くっても、興味はあるんでしょ」


ご令嬢「そうですね……」


女奴隷「はじめての相手は、絶対にお嬢様とがいい?」


ご令嬢「え?」


女奴隷「えっちすることに不安が有るのなら、私と練習してそれを払拭すればいい」


ご令嬢「それは……」


女奴隷「私には、アナタの初めてがお嬢様じゃないといけない必要性は感じない」


ご令嬢「でも……」


女奴隷「多少抵抗があってするよりも、それを無くしてからするほうが私にはいいように思える」


ご令嬢「……」


女奴隷「強制はしない」


ご令嬢「」チラッ


お嬢様「――――」キャッキャ

メイド「――――」ウフフ


ご令嬢「――――――」
   「ですね……」ボソッ

ご令嬢「置いてけぼりは嫌ですから」

女奴隷「そう……なら――」


ご令嬢「」パシッ


女奴隷「えっ」
   (手首を掴まれた?)

女奴隷「ご令嬢!?」


ご令嬢「シャワー失礼」シャー

ご令嬢「きてください」グイッ


女奴隷「――――! そっちは……」


ご令嬢「お嬢様、メイド――!」


お嬢様「ご令嬢? 何かしら? ひょっとして背中流してくれるとか?」


メイド「……まあ、今日は昼間譲って貰ったし、私がお嬢様のお背中流したかったけど、あなたに譲ってあげるわ」


ご令嬢「――お嬢様、メイド、女奴隷」


お嬢様「? どうしたの」


メイド「……!」ハッ


女奴隷(まさか――)


ご令嬢「――――――…………」


ご令嬢「――ボクとえっち、してください!」

生存報告

――数年前

ご令嬢「はぁ……帰りたい」

誰にも聞こえないようにため息をつき、独り言ちた。
あたりにいるのは、めかしこんだ令嬢やら社長婦人、燕尾服をきっちりと着こんだ金臭い男等々。
そういう人らは、愛想笑いを仮面のように張りつけながら、世辞を言い合っている。とても白々しい。

華々しい社交場。
ここに詰められたのは、動く大金、醜い自尊心、厚化粧にも程がある見栄で化粧した上っ面。

ご令嬢(なんて素敵なところでしょー……)

冷めた目で場景を俯瞰する。

そうしていると、不意に若作りの男に話しかけられた。

男「――キミは……そうか、○○産業のご令嬢ですか。……いやしかし、庶民からの成り上がり企業の娘にしては、思ったより可愛らしい顔立ちをしているね」

ご令嬢「…………」

所詮は成り上がりのドブ生まれ。見た目も下の下と決めつけられていたか。

ご令嬢「何かご用でしょうか?」

早くどこかに行って欲しいという思いを隠すことなく、冷たい態度で向き合った。
だというのに、男はヘラヘラと笑って、

男「なに、こんな華やかな場にアンニュイな雰囲気の美少女がいたら声をかけるというのが礼儀でしょう?」

ご令嬢「そうですか」

――安いナンパ。

男「実際、そこいらの男が君に話しかけようとしていてね。いやいや、この世界は狭いからね、見知らぬ顔に話しかけるのは戸惑われるんだよ」

ご令嬢「そうですか」

――つまらない話。

男「そこでボクさ。独り寂しそうな美少女をそのままにしておくのはジェントルの名折れだからね。いやなに感謝は要らないよ。路傍に咲いている花でも美しかったら愛でることのできる器の大きい男だからね、ボクは」

ご令嬢「そうですか」

――くだらない男。

その男はつれない態度のご令嬢を見ても、依然として気持ちの悪くニヤニヤ笑いながら、グイグイと体を彼女に押し付けた。

ご令嬢「は? ちょっと!?」

男「いいだろう? 二人で会場を抜け出そう。近くに美味しいお肉が食べれるホテルを知ってる」

ご令嬢「困ります――!」

親は今挨拶まわりをしていて近くにはいない。助けてくれる人が近くにいない。

男「本当はそんなこと思ってないくせに……」

ご令嬢「そんなわけ――」

男「退屈そうな顔をしている」

ご令嬢「――――!」

男の言ったことを咀嚼し飲み込み、そのあとじろりと男を睨んだ。
視界に映るのは、気持ちの悪い男と、色の無い本当は美しいであろう会場。

白々しさしか感じない大人同士の付き合い。
親の都合で連れてこられた興味の無い社交場。

――そうか……この気持ちが、退屈なのか……。

男「いいじゃないか。キミの顔は美しい。そして、自分で言うのもなんだが、ボクはイケメンだ。それに××カンパニーの一人息子――次期社長でもある」
男「このボクがキミのつまらない日常に変化をあげよう。キミにとって損なことではない。そうだろう?」

気持ち悪い言葉。
欲望を隠そうとしない顔。
発達途中の体を舐め回すように見つめる視線。

助けが来ないかあたりを見渡しても、逃げるように会場の隅にいたせいでまともに人がいない。先程までいるにはいたのだが、この男が来ると同時に何処かへと行ってしまった。きっと、こうなることを予測して、面倒ごとには関わらないようにしようと逃げたのだ。

男が、ご令嬢の腕を握った。

嫌悪感が、蛆虫が這うかの如く広がる。

ご令嬢「――嫌です。退屈でしょうが、なんでしょうが、ボ……私は好きでもない人と一緒に寝たくありません!」

男「へぇ……いいね、キミ。キミのそれは処女の反応だ。処女だろ、キミ?」

ご令嬢「へ……変な事を言わないでください!!」

男の気持ち悪さについぞ耐えきれず、腕を思い切り振り払った。

男「イタっ!」

男は払われた腕を祈るように抱え、ご令嬢のことを睨み付けた。

男「おまえッ! 自分の立場が分かっているのかッ?! この世界は狭いって言ったろ! 少なからず資金援助もある! それなのに××カンパニーの次期社長であるこのボクの誘いに喜んで乗らないばかりか、暴力だなんて!」

ご令嬢「ちょっと――!?」

溢れでる激情に身を任せた男は、ご令嬢を押さえつけ、抱き抱えた。

男「来い! お前は黙って俺に股を開けばいいんだ。どうせ女なんて子供を孕んで産む、それだけしか脳の無い木偶なんだから!」

ご令嬢「ひっ、いやぁ――」

抵抗しようとしても、男の力にかなう訳もなく……

ドアまでもう少ししかない。会場から出てしまったら、車に連れ込まれてしまうだろう。そうしたら、完全に助けてくれる人がいなくなる。

男「暴れるな! ちゃんと気持ちよくさせてやるからよ。なんだったら、終わった後服でも宝石でも買ってやる」

ご令嬢「いやっ、いやぁ――嫌っ嫌っ、だれか――」

助けを求めてあたりを見渡すも、知らぬ存ぜぬを決め込まれ誰も助けに来ない。

――もうダメだ。

諦めかけた、そのとき――



?「少し、見苦しいんじゃなくて?」

――今でもそのときの事を思い出す。

堂々とした立ち居振る舞い。
凛とした表情。
憧れたその姿。

男「お前は――」

?「その子に振られているの、貴方分からない?」

男「なにを!」

?「……面白い話があるのだけど、貴方知ってる? ロリコンの男が、年端もいかない少女を無理やりホテルに連れ込んで、いやらしいことしてるって話。被害にあった女の子は部屋から出なくなり、男性不振になったっていうおまけ付きの」

男「はっ、世の中には酷い男も居たもんだな。――そうだ、なんなら、お前もその話の女みたく引きこもりにしてやってもいいんだぜ」

?「そう焦らないの……この話にはね、続きがあるの。加害者の父親はその話を聞き、先ず息子のことを信じたわ。自分の子に限ってそんなことするはず無いって」
?「だけど、心のどこかで疑っていたのでしょうね。来る予定の無いパーティー会場に、電話一つですぐ来るなんて」

男「…………え」

男父「お前は……ッ」

男「パパ――?! いや、ちょっと待ってくれ。この女の言ったことは全て出任せで……」

ボイスレコーダー『どうせ女なんて、子供を孕んで産む、それだけしか能の無い木偶なんだから!』

?「ごめんあそばせ、ちゃんと証拠はありますので」

男「な……」

男父「男……お前は私の恥だ。それ以外のなにものでもない。……少し話そうか。私も信じたくはなかったのだがな」

男「そんな……」

男父「申し訳ありませんでした、お嬢さん方。息子の不始末については後日正式に謝罪いたします。今はこの年老いの頭一つしか用意できませんが、ご容赦くださいませ」

男の父親はご令嬢に頭を下げると、茫然している男をつれて会場を後にした。

?「良い気味ね」

ご令嬢「……ありがとうございます」

?「いいのよ、感謝なんて……それよりもごめんなさいね、もっと早くに助けてあげられれば良かったのだけれど、あの男の父親を連れてくるのに手間どっちゃって」

ご令嬢は改めて自分を助けてくれた女性を見る。

不純物が一切混じっていない綺麗な金髪。
華美な服装に見劣りしない美しい顔立ち。
男性――いや、女性の視線さえも奪ってしまいそうな完成されたプロポーション。

ご令嬢「きれい――」

知らず口から本音がこぼれ落ちた。
突然の賛辞に女性は呆気にとられた表情をすると、

?「ふふ……」

背景に暖色の花々が咲き誇るのを空目するほど、優雅美麗に口元を綻ばせた。

見とれた。見惚れた。――惚れた。

自分のピンチを救ってくれた、まるで可憐な花のような女性を基点にして、退屈で冷めた世界が、色とりどり目に映えて――。

?「ありがとうね。――そうだわ、少しお話ししない?」

ご令嬢「はい! 喜んで!」

もっとこの女性と話したかったご令嬢にとって、彼女からの提案はまさに渡りに船。喜んで即答した。


ご令嬢「あの、ボ……私の名前はご令嬢です」

?「分かったわ、ご令嬢ね。……もし、言いづらいのなら、私じゃなくてボクでいいわよ」

女性は続けて、

お嬢様「それと、私の名前はお嬢様。よろしくね」

ご令嬢「はいなのです! お姉様!」

お嬢様「お嬢様なのだけれど……」

困った顔のお嬢様を見て、そんな顔でも彼女は美しいと知り、心が弾んだ。

運命の出会い。
そんなフレーズが、ご令嬢の中で両手を挙げてはしゃぎ踊った。


――今でもその感情を覚えている。

――――。。。


 ――お姉様とメイド。二人の腰が砕けているのを見た。

そのときご令嬢のなかに渦巻いたものは、名状しがたい黒い感情。

あえて言葉にするのなら、嫉妬、羨望、疎外感などがない交ぜのぐちゃぐちゃになって心中を席巻した。


 ――ベッドで寝息をたてていた二人。手に赤い糸……血がついているのをみた。

つまりは、そういうことをしたのだろう。

疎外感がよりいっそう強くなる。


お嬢様とメイド。
二人の気持ちの方向は、仲良くなるにつれて分かってしまったから――


置いていかれたくない。
ずっと心中にくすぶっていた思いが、ついに爆発してしまった。



えっちして、と言ったとき、三人の顔が固まるのを見た。

お嬢様とメイドに限っては疲れているということもあるのだろうし、まさかこのタイミングで言うとは思ってもいなかったのだろう。


それでもお嬢様はニコリと毅然と笑って……

お嬢様「とりあえず、体を洗いましょう?」

そう言った。



そのときの顔も綺麗で、惚れてしまった時のようにやっぱり目を奪われ――そして、どうしようもなく泣きたくなった。

――――。。。


 ――お姉様とメイド。二人の腰が砕けているのを見た。

そのときご令嬢のなかに渦巻いたものは、名状しがたい黒い感情。

あえて言葉にするのなら、嫉妬、羨望、疎外感などがない交ぜのぐちゃぐちゃになって心中を席巻した。


 ――ベッドで寝息をたてていた二人。手に赤い糸……血がついているのをみた。

つまりは、そういうことをしたのだろう。

疎外感がよりいっそう強くなる。


お嬢様とメイド。
二人の気持ちの方向は、仲良くなるにつれて分かってしまったから――


置いていかれたくない。
ずっと心中にくすぶっていた思いが、ついに爆発してしまった。



えっちして、と言ったとき、三人の顔が固まるのを見た。

お嬢様とメイドに限っては疲れているということもあるのだろうし、まさかこのタイミングで言うとは思ってもいなかったのだろう。


それでもお嬢様はニコリと毅然と笑って……

お嬢様「とりあえず、体を洗いましょう?」

そう言った。



そのときの顔も綺麗で、惚れてしまった時のようにやっぱり目を奪われ――そして、どうしようもなく泣きたくなった。

――風呂からあがり……。


お嬢様「とりあえず部屋にいきましょうか」


全員が着替え終わったところで、お嬢様はそう言った。

四人連れだって、廊下を歩く。


ご令嬢はお嬢様から少し離れて歩いた。
なにも言わず、目を伏せ静かに歩く。


風呂場でえっちしてといってしまった事に、後悔に近い感情が泡のように湧いたが、あくまで『近い』感情だ――心のそこから後悔はしていない。


お嬢様「……えっと……私の部屋はあれだから……そうね、ご令嬢の部屋で話しましょうか」

お嬢様の部屋につき、中を見たときの彼女の言葉。
何故そう言ったのかご令嬢は得心し、ズキリと心が痛んだ。

行為後からそのままなのだろう。


ドアを閉め、彼女達はとなりの部屋に移動した。

お嬢様「少しお話ししましょうか」

お嬢様は真剣な面持ちでご令嬢を見つめる。

その瞳の真剣さに、どんなことを言われるのかと身構えた。
何を言われても受け入れる。そんな心構えで見つめ返した。


お嬢様「私のこと……好きだから、ああ言ったのよね」

ご令嬢「はい」


当たり前だ。
好きでもない人にそんなこと言うはずない。


お嬢様「そう――」


そうだ。これは……この感情は好きという感情だ。

それは決して間違いじゃない。そうだ……そのはずだ……。


 ――お嬢様に憧れているし、惹かれている。

ご令嬢(だったらどうして……)


お嬢様のことを考えると、胸が痛い。

好きだ。好きなのだ。
ずっと――ずっと、思ってきた。
それこそ、えっちなことをしたいと妄想するくらいに……。

それでも――


お嬢様「ご令嬢――!?」

突然、耳朶を打った想い人の声。


ご令嬢「え――?」

どうしてだろうか。
名を、呼ばれた。


お嬢様「貴女……泣いて……」


そう言われ、ご令嬢は自分の指で目元を探る。

涙で濡れた指先。


その事実を認めてしまうと、もう制御など出来なくなり、止めどなく涙が溢れ出た。


ご令嬢「あ、れ……? おかしいな……。好きなんですよ、お嬢様のこと……好きなん、ですよ……」

拭っても拭っても、溢れ出てくる。きりがない。


自分の気持ちに偽りはない。
間違いない。間違いなくお嬢様のもとが好き。

なのになんで……?


お嬢様「――――」

お嬢様は手を伸ばし、ご令嬢の涙をすくう。
ご令嬢はそれを何の抵抗もなしに受け入れた。

目元をくすぐるお嬢様の指。

心配そうなお嬢様。


いや、お嬢様だけじゃない。

メイドも女奴隷も、心配そうにご令嬢を見つめた。


ご令嬢(――ああ……そっか)

ご令嬢「お姉様――」


お嬢様「なに?」


ご令嬢「お姉様は、ボクのこと好きですか?」


お嬢様「ええ――。友人としても、人としても――恋愛、という意味でも」


ご令嬢「本当ですか?」


お嬢様「本当よ」


ご令嬢「……それは――」


奥にいるメイドと目があった。

強い意思を持っている彼女。

長年、想い人を一途に想い続けた彼女。


ついで、女奴隷と視線を交わらせた。

誰よりも早くお嬢様と体を一つにした少女。

お嬢様の心を開いた少女。

ご令嬢「――ボクだけじゃないでしょ? メイドのことも――ご令嬢のことも――」


お嬢様「それは……そうね。私はメイドのことも女奴隷のことも好きよ」


とんだ最低女ねと自嘲し、けれども視線は落とすことなかった。


ご令嬢「ボクは……」

それでも、お嬢様のことが好き。

例え、二号さんでも三号さんでも、それでも……憧れて、惚れてしまったから……。


盲目的なのは自分でも理解していた。

それでも、どうしようもないのだからしょうがない。


でも……

ご令嬢「ボクの存在っていらないんじゃないですか……?」


お嬢様「なっ!? ――突然なんてこと言い出すのよ!」


ご令嬢「だってお嬢様にはメイドがいて、女奴隷がいて……ボクの価値って一体なんでしょう……?」


お嬢様にはもう、メイドも女奴隷もいる。

お嬢様の心の隙間を埋めるのは二人で十分だろう。


ご令嬢「ボクっていなくていいんじゃ……?」

二号さんでも三号さんでもいい。


けれど、二号さんになれるのも、三号さんになれるのも、必要にされてこそ。


駅でメイドが分かってもらうまで好きって伝えようと言っていたが、分かってもらえても、受け入れてもらえないかもしれない。


所詮は貧乏生まれの元根なし草。ひょっとしたらお嬢様も心の内ではご令嬢のことを疎ましく思っているかもしれない。


そんなのがお嬢様に必要とされるのか。


必要とされていないのに、ご令嬢だけが一方的に求めることほど悲しいものはない。


そうならば、ご令嬢は誰にも受け入れられずに一人ぼっち。貧乏だったころの自分と変わらない。


――お嬢様にとってボクは……。


お嬢様「ば――メイド「馬鹿なこと言わないでっ!!!」」


ご令嬢「メイド……?」


メイド「――」


お嬢様の言葉を遮ってご令嬢を怒鳴り付けたメイド。
彼女にベッドへと押し倒された。


メイド「何でそんなこと言うのよ……」


覆い被さってきたメイドは、ともすると怒気ともとれる悲しげな目をこちらへと向けた。

そんな視線を向けられて、居心地が悪くなりながらも、負けじとばかりに口を開いた。


ご令嬢「……ボクはね、お嬢様のこともメイドのことも好きですよ」

 でもね……


ご令嬢「気づいたんです。一人になりたくないから、昔の自分に戻りたくないから、好きって言ってたんです……」


憧れの人に拒絶されるのが嫌で、

初めて出来た友達が遠ざかるのが嫌で、

仲良くなった子がこちらを見なくなるのが嫌で、


結局のところ一人になるのが嫌なだけ。


思えば女奴隷はそのことを見通していたのかもしれない。

だから、初めてはお嬢様とじゃなくてもいいと言ったのだろう。



お嬢様に助けられた時から、恋い焦がれ続けて……。


ご令嬢「その感情の中に、本当に好きって感情はあるのかな……」

ご令嬢「ボクの中の好きってこの感情、嘘なのかな……」


メイド「そんなわけないっ!!」


ご令嬢「メイド……」


メイド「一人になりたくない? そんなのみんな思うことじゃない!」

メイド「ご令嬢、アナタはね純粋なのよ。好きって感情に夢見すぎ! アナタが思っているものよりも自分勝手なものよ!」


メイド「私もね、アナタのことが好きよ」

メイド「一緒にいて楽しいし、気心も知れてるから……」

メイド「そんな中に一人になりたくないからってのもあるのよ!」


メイドは依然ご令嬢のことを見つめ……


メイド「ああ、もう! うまく言えないけど、アナタのそれはみんな普通に思うことなの!」

メイド「私達はアナタのどんなところも受け入れるから――絶対に一人にはしないから!」

メイド「だから、自分が必要ないとか言わないで!」


ご令嬢「メイド――」

お嬢様「そうよ、メイドの言う通りだわ」


お嬢様はご令嬢の手を取ると、彼女の横に寝転んだ。

メイドもそれにならって、お嬢様とは反対側――ご令嬢を挟むように寝転んだ。


お嬢様「ご令嬢、そんなこと言ったら、私のも恋愛感情じゃないわ」

お嬢様「一人が嫌だというのなら私がそばにいる。」

お嬢様「もう貴女を――貴女たちを拒絶したりなんてしないから」


ご令嬢「これが依存だとしても?」


お嬢様「大丈夫よ。私のも依存型の愛だから」

メイド「言ったでしょ。アナタのどんなところも受け入れるって」


あっけらかんとして言う二人。

憧れの初恋の人と気心知れた初めての友達。


そして――


女奴隷「――――」


いつの間にかご令嬢の頭上に回り込み、彼女を膝枕した少女。


女奴隷「風呂場では、変な事言って、ごめん」


ご令嬢「――――」

ご令嬢「いいですよ、気にしないで。ボクを思っての言葉だったのでしょう。むしろ、ボクの方からありがとうというべきですよ」


女奴隷「ありがとう……そう言って、貰えると、ありがたい」


ご令嬢「いえいえ……でも、そっか……」


一人ぼっちが嫌だから、そんな理由で他人を求めてもいいんだ。

ご令嬢の心が軽くなった。

お嬢様「その……ご令嬢……」


ご令嬢「なんです?」


お嬢様「貴女が言っていたことだけれど……」


ご令嬢「えっちのことです?」


お嬢様「そう! そのことなんだけれど……」

お嬢様「メイドと、その……結構激しいことをしたから、今からハードなことするのは難しいけれど……」

お嬢様「で、でも、出来ないってわけじゃないの」

お嬢様「貴女が望むのなら、今から――」


ご令嬢「……メイドはどうです?」


メイド「したいならすればいいわ。分かりやすい繋がりがあった方がアナタにはいいでしょ」

メイド「……じゃあ、わたしは女奴隷つれて出ていくから…………」


ご令嬢「なんでです?」


メイド「なんでって……アナタ……」


ご令嬢「メイドも一緒にしよう」


メイド「は……?」


ご令嬢「女奴隷ちゃんも一緒に……」


女奴隷「私も……?」


ご令嬢「いいですよね、お嬢様?」


お嬢様「――――」


お嬢様は驚いた顔をしたものの、すぐに得心し、そして、なにも言わずに頷いた。


夜が深い。遠くでその深さをより一層なものにするようにフクロウが鳴くのをお嬢様は聞いた。
月はきっと綺麗に光輝いていることだろう。

だが、そんなある種寂寥としている外の風情など、この場において誰一人として興味を示していなかった。

眼前に広がる光景が、それだけ官能的で魅惑的だったから……。


お嬢様はベッドに寝かせた身を起こし、視界に入った夢のような光景にごくりと唾を飲み込んだ。


ベッドに横になりながら誘うような視線を送るそれぞれに違った魅力のある女の子たち。
お嬢様を迎え入れるように手を伸ばした彼女らは、お嬢様の肩を、腕を、それぞれとり、ベッドへ押さえつけた。


お嬢様「えっ――?」

予期せぬことに三人に押し倒されたお嬢様は、間の抜けた声をあげる。


体の自由がきかない。

右腕はメイドが。
左腕は女奴隷が。


そして、ご令嬢が――


ご令嬢「脱がしますね」

陣取るように腰の上へ。


ご令嬢はお嬢様の寝間着代わりに使われているゆったりとしたシャツをたくしあげ始めた。
じわりじわりと露出していく肌。

お嬢様「えっ……きゃあ!?」


突然のことに驚き、目を見開くばかり。


ふくりと健康的に肉のついた丹田、上下する腹部、うっすらと骨の浮いたあばら、そして薄ピンク色の突起が主張している豊かな双丘。
だんだんとご令嬢の手によって曝されていく。


ご令嬢「ブラ……着けてないんですね」


お嬢様「えっ!? それは……お風呂上がりだし……夜は着けない派だし……」


混乱してか検討違いなことを口走っている間にも、服は脱がされていく。
襟から頭を抜かせ、適当な所で脱がすのを止めると、ご令嬢ははあはあと興奮を隠しきれずに息を荒くし、夢にまで見たそこへ手を伸ばした。


ご令嬢「これが、お嬢様のおっぱい……」

ごくり、と音をたてて唾を飲み込み、対になっている至宝の果実へと触れた。

ご令嬢「んっ……」

柔らかい、それに熱い。それにトクントクンと鼓動が伝わってくる。

お嬢様の鼓動に混ざって溶けてしまいそうなほど、自身の胸の高鳴りも強く、強く――


ご令嬢 (これがお嬢様の―― )
確かめるように優しく、けれど確かに揉む。


お嬢様「……もっと、乱暴にしていいのよ」

攻められてばかりから一転、余裕を取り戻したのかお嬢様は挑発的な視線を向けた。


年上として、また、経験者として余裕があるように見せ、無垢なご令嬢を安心させるため。
そして、主導権を握るため。

お嬢様は包み込むように微笑んだ。


けれど、そんな心算はもう二人の大切な人の手によって、いともたやすく崩された。


メイド「そうですか――」


女奴隷「じゃあ――」


女奴隷の挑発に笑みを浮かべた従者と奴隷は、中途半端に腕に引っ掛かっているシャツを半場強引に剥ぎ取り、メイドは腋を、女奴隷は耳を、それぞれぴちゃぴちゃといやらしく音をたてて口で愛撫し始めた。


お嬢様「ひへぁ――?!」


敏感なところへの不意打ちに、思わず高い声を漏らしてしまう。

その声を聞きメイドは面白そうに口角を上げて腋に吸い付いた。女奴隷も言わずもがな耳を甘噛んだ。


メイド「ほら、ご令嬢も……」

腋への舌憮をいった止めると、お嬢様の胸を揉んでいるご令嬢の手、その甲を撫でた。

メイドの言葉に一層呼吸を荒げ、そろりと手を離した。


お嬢様のさくらんぼが惜しげもなく露出する。

そのピンクの突起を目に焼き付けるように凝視。


お嬢様「っ――……」


恥ずかしそうに顔を赤らめるも、二人に腕を押さえつけられているため隠すことができない。もっと言えば、耳を女奴隷によって舐められているため頭も自由に動かせない。

先程まで余裕ぶっていた分、余計に顔を赤くした。


リフレインするメイドの言葉。部屋に満ちるむわっとした熱。好きな人の恥態。

ブツッッ! ご令嬢の中で何かがちぎれる音がした。


ご令嬢「おじょうさま――!!」


ほとんど叫ぶように名を呼び、乳首へと吸い付いた。


お嬢様「ひうっ!?」

ご令嬢「おひょうひゃま……っん、ちゅぱ……ちゅう――おひょう……ひゃまぁ……」

一心不乱に吸い付く。ずっと求めていた。ずっと好きだった。ずっとこうしたかった。
そんな思いをぶつけるように、激しくおっぱいを吸った。
吸うだけには飽きたらず噛み、舐め、自分に出来ることを全てぶつけた。


お嬢様「……っくんんっ! あっすご……きもち……ひいいぃんんっ!!?」

今まであまりされてこなかった乱暴な愛撫に絶叫。乳首はビンビンに勃起し、唇の端からは唾液がつうっと垂れる。
耳、腋、そしておっぱいから甘いけれども痺れるような電流が身体中を這いずり回り、快楽の嵐が理性を蹂躙する。

お嬢様の喘ぎ声に興奮して、三人は愛撫する口に熱が入る。
特にご令嬢は赤ん坊のように夢中になって乳を吸う。が、誰一人その事を指摘しない。

三者三様に余裕がないからだ。

メイドは腋を喰むだけには飽きたらず、お嬢様の腕に舌を這わせて手まで到達すると、指の一本一本を丁寧にしゃぶり奉仕し始めた。

女奴隷はというと、彼女も彼女で丹念に耳の溝に舌を往復させひとしきり舐め回すと、耳の穴に舌先を固くして差し込んだ。


お嬢様「っひぃぃいっ!! くぅっふぁああ……ぁっぁあっ、っあん……だ……めぇ――ん――!」


そんな舌技の応酬を一身に受けているお嬢様はひとたまりもない。体をびくつかせ、焦点のあってない目はどこを見ても空回る。弛んだ口元からダラダラと唾液を漏らして快楽に耐えるのが精一杯だった。


ご令嬢「――んっ……んはあ――!」

お嬢様「あああぁあぁ! だめ――そりぇだめぇ!」

ご令嬢はちゅぱちゅぱと乳首を吸い、もう片方の空いている乳房を乱暴に掴んだ。

つねるように乳首をつまみ、乳輪に痛いくらい噛みつく。

いぢめていぢめて、お嬢様のかわいい声を絞り尽くす。
足りない。こちらの愛はもっと濃くてもっと深い。思い続けた年数分積み重なっている。
もっとしたい、もっとよがらせたい、もっと、もっと――


お嬢様「んっ……ああっ! ……っくふぅ――ぃやああぁ!!」


愛しい人艶声を聞くと、乙女の芯が潤うのを奉仕している全員が感じた。だけれど、まだ満たされない。もっとお嬢様に自分がどれだけ思っているか教えたい……自分の愛を刻み込みたい。
そんな欲求を伴って愛撫が加速した。


いったん乳首から唇を離し、まだ口をつけていないほうの乳首に狙いを定めた。
狙うと早い。先程まで食べていた乳首との間にかかる唾液の糸などお構いなしに、空いてる片方の乳首へとむしゃぶりついた。

唾液のせいでてらてらと艶かしい唇が離れたばかりの乳首を、その唾液を潤滑油にして指でこねくりまわす。


お嬢様「っぁ――ひっふぅ、んんっ! ……ぃッ!」


メイド「んくちゅ、ろぉっ……お嬢さまぁ……」


女奴隷「んはぁ……れろぉ、ん、すき……大好き、です……おじょうさまあ」


ご令嬢「はあぁん……んちゅぱ、ちゅう――っん、お嬢様お嬢様……おじょうさまぁ――」

三人はお嬢様に群がり、好きなように舌と唇で蹂躙する。
蹂躙するとともに、口の端からは愛しい人の名前を漏らす。あたかもあふれでる愛を表すように。


脳が焼け焦げてしまいそうな一方的な攻め。けれども渇望していた疼きが満たされお嬢様はよがり狂う。

お嬢様「ん――ぁあっ、ふっ……あっあ……」

性の捕食に抗うすべはない。甘い声を我慢なんてできない。それほどまでの刺激。
お嬢様の艶かしい声に煽られ、舌による愛撫はより過激に。


女奴隷はわざと音をたてて耳の穴を征服し、メイドは二の腕に吸い付き花びらのようなキスマークをいくつも作った。

そんななかでご令嬢はおっぱいに噛みつき吸い付きいぢめ続ける。

お嬢様「ああん……っああぃぃぃぃいいいい!!」

噛みつかれた痛みに電流が走る。いや、もはや痛いは気持ち良いだった。


愛されている。自身に刻まれる痛いも気持ち良いも全てが彼女たちの愛。そう考えるだけで、全ての刺激が快楽になって仕方がなかった。

ご令嬢「――おじょうさまぁ……」

熱烈な乳首への口淫を続けたまま、乳首を弄っていた手をそっと滑るように降らせた。

その手の動きはぎこちなく不慣れなものだったが、そのことが逆にこそばゆさを与え焦らすことに……。


上下に動くなだらかで健康的にふっくらした腹部を撫で、ゆっくりと足の付け根へ。

下着は着けられていない。手の先に整えられた陰毛の感触。そのさらに奥へと――


触れたのはしとどに濡れてぐちょぐちょな割れ目。
乙女の肉花はすでに綻んでいて、甘い声を漏らすたび、妖しく官能的にひくついた。


ご令嬢「お嬢様……いっぱい、濡れてるです……」


お嬢様「んっ……あぁあっ! そんな……指……」


お嬢様は恥ずかしそうに顔を赤らめ、足をくねらせた。
が、そんなものお構いなしにご令嬢は蜜の溢れた秘裂に手を這わせた。
ヌメついた粘膜に指を押し付ける。

熱い。まるで別の生き物みたいに妖しくうねるヒダが指に吸い付いてくる。

そのまま軽くかき回した。


お嬢様「んっ、ひっ――!?」


ご令嬢はお嬢様の声が遠く感じた。それほどまでに甘く浮かされ、愛しい人の体に夢中になっていた。

少し指を離すと、ネチョリと淫らな液が糸を引く。

そこではたと思い出した。以前メイドがお嬢様は太ももが弱いと言っていたことを。

悪巧みを思い付いた子供のような笑みを浮かべる。
そして、手についた淫液を、お嬢様の太ももに塗りたくった。

お嬢様「んひゃああ!」

そのままなじませるように優しくなで回す。


お嬢様「ひょ……んひっ、ご……ごれひじょう!? しょこは……」

ご令嬢「――ふふ、ここが、弱いんですかぁ?」


乳首から口を離し嗜虐的な笑みを浮かべながら、手を休めずにせめる。

かわいい顔。切なそうに息を吐くお嬢様。もっともっといぢめたい。

鼓動が激しくなり、もう我慢できなくなって……体をお嬢様の足の間に割り込ませた。


ご令嬢が口を離したことで剥き出しとなったお嬢様の乳首。

今度はそこにお嬢様のもう二人の大切な人――メイドと女奴隷の唇が……。


彼女らは左右から貪るように乳首をくわえ、舌先を丸くしてねぶった。
女奴隷は脇目も振らず乳首をなぶり、メイドは乳輪をなぞってねちっこく吸い付いた。


それだけには飽きたらず、メイドはお嬢様の口に自身の指をねじ込んだ。


お嬢様「んっっっ――!? ……れろぉ、んふう」


突然口内に指を差し込まれ、最初は驚いたものの、それがメイドの指だとわかると舌で舐めて迎え入れた。

女奴隷はというと、ねっとりとした舌撫で乳首を虐めながら、お嬢様のお腹をさすりヘソを指で弄んだ。


そして、ヘソを愛でている女奴隷の下。お嬢様の足の間に身を割り込ませたご令嬢。
お嬢様の荒い息と一緒になってピクピクと痙攣する蜜壺。あまりに情欲を掻き立てられる光景に、思わずごくりと唾を飲み込む。


そうっと、まさに恐る恐るといった感じで、メスの匂いのする愛液でてらった肉壺へと顔を近づけた。
むせかえるような濃いメスの匂い。その中に混じっている鉄の匂い。

匂いにあてられて頭がおかしくなりそう。お嬢様を気持ちよくさせられたという悦びも、メイドの痕跡に対する嫉妬も、全てが全てご令嬢をおかしくする要因にしかならない。


生暖かく濡れている肉壺にキスを――。
キスしたと同時に我慢ができなくなり、


ご令嬢「おじょうさま――!」


肉壺へと吸い付いた。

お嬢様の腰を両の腕でしっかりと押さえつけ、ともすれば食べてしまいそうな勢いで充血した肉貝にむしゃぶりつく。
止めどなく溢れる淫液をすすり、ひだを啄み、ついで穴に舌先を固くして差し込んだ。


お嬢様「――!? ぁ……くっ、んぁ、はぁん!」


くぐもったあえぎ声。口内がメイドの指に犯されているため。

焼けそうになる快感に耐えるため身をくねらせる。


そのさまは見るものすべての情欲を煽り立て、愛撫をしている三人をより発情させた。


ご令嬢「お嬢様ぁ……んにゅ、はぁん――」


メイド「ちゅ、れろぉ……はあはあ、お嬢様ぁ……」


女奴隷「お嬢様、ん……お嬢様ぁんっ……おじょうさまぁあ……」


ただ一人の女性を捕食する。愛する人たちに捕食された幸せ者は、ただ顔を快楽に溶かすのみ。


ご令嬢「ぺちゃぺちゃ……ずずずっ――くちゅ……ああ――」

――愛しい人が自分の奉仕でよがっている。

その事実に恍惚とし、三人はより奉仕に熱中した。


そのなかでもとりわけお嬢様の具合が分かったのは、溢れる蜜に溺れそうになっているご令嬢。

彼女は舌先を固くして花弁の奥へと差し込みながら痛々しいほどに充血し勃起した肉豆を右手でいじくった。


――すごい……。お姉様のが、いっぱい……溺れそう……。

顔がお嬢様の淫液によって汚される。が、そのことがこれ以上なく嬉しい。
お嬢様に染められている。そんな気分。

ご令嬢「はぁん……んむぅ……っん」


頭を前後に動かして舌を出し入れする。ぐっちょっぐっちょっと卑猥な音が四人の耳を犯した。


お嬢様「ん……はぁ……もぅ、ふぁ……ぁっぁっ、ん――はああぁ!」

口内を好きに蹂躙しているメイドの指のせいで声がくぐもり、切なさを深くした喘ぎ声。
小刻みに震える膣壁。

お嬢様「ふへぇ――ふぃクッ! ひっ……ィク……っっううぅう――!?」

お嬢様は足を回して、ご令嬢を逃がさないとばかりにホールドした。
したと同時に、快楽の防波堤が決壊。氾濫する性感はお嬢様の身体中を駆けずり回って……

ご令嬢が驚いた次の瞬間――


お嬢様「――っあああああぁあぁぁぁぁっっっ!!?」


花がはじけ、お嬢様は絶頂の波にさらわれた。その波に溺れないよう、ホールドした足に力を入れる。

絶叫が三人の耳に届くのと同時に、電撃が走ったかのように腰がビクンビクンと跳ねた。
胸から上はメイドと女奴隷によって押さえつけられているため腰だけをくねらせ、ご令嬢の顔に肉壺を押し付けながら、艶かしく腰だけを躍らせる。

お嬢様の分泌した愛液によってご令嬢の顔は犯される。


お嬢様「はぅう、ぁああ……はぁはぁ……」


ひとしきり痙攣したあと、腹腔を上下させ呼吸を整える。

メイドは嬉しそうに笑うと、乳首から唇を離し、口から手を抜いた。
そのまま引き抜いた手を、同じく乳首から口を離したばかりの女奴隷の口へ。

トロンと熱に浮かされた目をした女奴隷は、何の抵抗もなくそれを口にふくみ、ゆっくりと頭をピストンさせ、お嬢様の唾液がねっとりとついた指を楽しんだ。
ひとしきり舐めまわすと、その指との間に自身の唾液を引かせながら唇を離した。



お嬢様「ご令嬢――」

ご令嬢「お嬢様――」


解放されたお嬢様は口元を拭い、顔をあげた。

見つめあって互いの名前を呼び会う。


メイドと女奴隷も視線を合わせて頷くと、お嬢様から離れた。


ご令嬢の目の前には、肌を赤く上気させ熱びた目でこちらを見つめてくるお嬢様の姿が。


ご令嬢「――え? きゃっ――」


お嬢様は蠱惑的な笑みを浮かべると、腕を伸ばしてご令嬢を抱き寄せた。

ひしっと力強く抱き締めてくるお嬢様。


驚くも次の瞬間には――

ご令嬢 (やわらかい…… )

女体の柔らかさにうっとりとした。


お嬢様は蠱惑的な表情を崩さないまま、ぼうっとしているご令嬢に口づけた。

ご令嬢「――んっ?!」

キス。
念願の、夢にまで見た、お嬢様との、キス。

彼女のキスを受け入れる。
もっと感じたい。もっと唇で触れあいたい。もっと深く繋がりたい。

気づけば、ご令嬢はお嬢様の唇を求めて、強く自分のを押しつけていた。


柔らかさに酔いしれる。歯が当たることなど気にせず夢中になってお嬢様を求めた。


キスに溺れるご令嬢。不意に、そんな彼女の天地がぐるりと逆転した。
お嬢様がご令嬢を押し倒し返したのだ。


上になったお嬢様は、ご令嬢の鼻を鼻で擽ると、頬を撫で、キスをより深く……。

ご令嬢の口内をまさぐるように舌でかき乱して蹂躙する。
くちゅくちゅと粘膜同士で擦りあい卑猥な音を鳴らして舌と舌とを絡ませる。

ご令嬢はうっとりとした目をして……。


お嬢様「むふぅ……ちゅう、ちゅっ……ぁ」

にわかにお嬢様は唇を離すと、名残惜しげにつうっと透明な糸が引いた。



お嬢様「するわね……ご令嬢……」

ご令嬢「はい……」


ご令嬢の期待に染まった返事を聞いたお嬢様は、彼女を横向きに寝かせて足を割り、彼女の片足を上げて自身の肩にかける。
そして、待ちきれないとばかりにご令嬢の足の間に足を割り込ませ――。

お嬢様「この体位がね、一番深く繋がれるの……」


そう言いながらヴァギナを押し付けた。
エッチなお口でのキス。二人の肉壺はすでに乙女の蜜がだらだらと溢れていた。


松葉崩しの体位はお嬢様がいった通り、肉貝同士が深く擦れあった。
お嬢様が主導権を握り、淫らな唾液が溢れた口をズリあう。


ご令嬢「あぁあっ……お嬢様、そこぉ……」

お嬢様の蜜壺がグリグリと押し付けられ、二人の蜜は混ざりあい、そのたびに酷く淫猥の音を響かせた。

お嬢様はクリトリスをこすりつけるように腰をくねらせる。


お嬢様「ぁは……んっ、ご令嬢ぅ……ご令嬢ぉ……!」

ご令嬢「はぅわ……ぁっぁっぁ……こりぇ、ひもちいぃれふぅ……」


上からも下からも締まりなくダラダラと唾液を漏らしているご令嬢は、ベッドシーツをぎゅっと握りしめ快楽に耐える。
そうしないと、あまりの快楽に意識を飛ばしてしまいそうだったから。

勃起した肉豆が、同じく勃起したご令嬢の突起に重なった。


ご令嬢「んひぃっ――!?」

瞬間、体がビクンと跳ねた。びりっと電流が走りもした。
乙女の腑がキュンキュンと締め付けられ、エッチな汁が過剰に分泌される。

ご令嬢の反応を見たお嬢様は、蠱惑的に舌舐めずりを一つすると腰の動きを速めた。
ご令嬢に快楽を刻むために……。


ご令嬢「ぁ、あっあっ……はあぁん、んん――っ!!」

ぐちゅぷちゅと粘膜の擦れあう音を伴いながら、腰を押し付けるたび角度を変え、ご令嬢のよがり具合を見る。
ある部分を刺激したとき、ご令嬢がひときわ甲高く鳴いたのを見逃さなかった。

ご令嬢がひときわ甲高く鳴いた部分――それはグロテスクなくらい濃く赤く充血したクリトリス。


断続的に訪れる性の甘美な刺激に高ぶりは収まることはなく……。
お嬢様は勃起している自身の淫核を、ご令嬢が一番悦ぶ場所に押し付けた。


お嬢様「ひっ、はぁくぅうぅ……きもちいい……ねぇ、んっひ……ごれいじょぉ……きもち、いい?」

ご令嬢「ふ、ふぁい……きもちいい……きもちいいですぅ……はあああぁん!!!」

お嬢様「ぁああ……いった、ばかりだから、はあ……ん、敏感になって……もう……だ、め」

ご令嬢「ボクも……んんっ! そんなにくりと、りす……いぢめられたら、いっちゃ……ぅで、す……」


腰の動きが加速する。お嬢様はご令嬢の足を抱きしめた。

お互いの切ない息づかいが混ざりあう。あふれでる分泌液は、二人を、ベッドを、ぐちょぐちょに汚した。


お嬢様「ご令嬢――! ごれいじょごれいじょうっ!?」

ご令嬢「お嬢様ぁ――!! クルですっ、キます! きもちいいのが、もうっ!!」

お嬢様「わたしも――わたしもよ! ご令嬢、いっしょに――」


お嬢様は手を伸ばし、ご令嬢はそれに返す。指を絡ませあい強く握りあった。あたかも繋がりの深さを表すように。


その瞬間――ついに快楽による電流が爆発的に二人の体を飲み込んだ。


お嬢様「あっ! ああああああぁぁぁぁぁあああっっ――!!」

ご令嬢「ぁ……ああぁああああぁあんんっっっ――!!!!!」


同時に果てる。絶頂による絶叫。
ぎゅっと手を握りあい快楽の暴力が過ぎ去るまで耐えた。

腰の痙攣が収まると同時に、お嬢様の体から力が抜け、ベッドに倒れこんだ。

息をきらして倒れたお嬢様は、同じく息絶え絶えなご令嬢の横にピタリとくっつく。
触れあう、互いの体温。

ご令嬢「お嬢様――好きです」

握った手を離さずに相手のみを見つめて告げる。

お嬢様はその言葉にはっとし、目元にうっすらと涙を浮かべると……


お嬢様「私もよ」

その答えを聞いてご令嬢の心の中は幸福感で一杯に。
ご令嬢は手をほどくと、今度は抱きつき、甘えるように胸へ顔をうずめた。


愛しそうにご令嬢の頭を撫でるお嬢様の耳に、不意に――


女奴隷「やっ……ん、めいどぉ……」

メイド「変態め。お尻を舐められて、そんな気持ちいい?」


もう二人の発情しきった会話が入ってきた。

きょとんとしてご令嬢を見ると彼女も呆気にとられたような顔をして、けれど、次の瞬間には笑みを湛え……。


ご令嬢「ふふっ……まだ、できますよね? ねえ、お嬢様?」


お嬢様「……出来れば今日はもう休みたいところなんだけど……そんな野暮なことは言えないわね」

肩をすくませ苦笑いを一つすると、ご令嬢と一緒にすっかりメイドの玩具になっている女奴隷で遊ぶことに決めた。



外では月明かりが闇夜を照らしているのだろう。きっと深い夜なのだろう。
だが、その部屋にいる乙女たちには関係ないこと。

大切な人たちがそこにいる。
触れあい、心を通わせることができる。
それだけで十分――。


その部屋は、甘い女の喘ぎ声といやらしいメスの匂いで満ちている。

互いに互いを思いあっているもの同士の長い夜。


少女たちは深く、強く、互いの思いを交わらせ、確かめあうように熱を共有する。
そんな濃い夜を過ごすのだろう。


――長い夜は始まったばかり。




――――――
――――
――



女奴隷が目を覚ましたのは、日がとっくに天高く上り、時計の針も両方揃って天辺を指す、そんな時間だった。


えっちな匂いが鼻につく。
つい先日知ったばかりの匂い。
その匂いが熱の熱さを連想させる。知らず頬が弛む。

独特な匂いだが、嫌いではない。


あたりを見渡す。

彼女以外の三人もベッドの上で横になっていた。
メイドとご令嬢は生まれたままの姿で抱き合い、落ち着いた寝息をたてている。


残りの一人。女奴隷の所有者であるお嬢様は――


お嬢様「あら、女奴隷……起きたのね、おはよう」

女奴隷「うん、おはよう、お嬢様」


お嬢様の姿を認めるとほっとした。
お嬢様もお嬢様で穏やかな顔をしている。
……その姿からは昨夜の乱れっぷりを想像できない。が、やれ連続絶頂だ、やれ強制クンニだなどとそれはそれは激しい乱れっぷりだった。

くすっと思わず笑みが洩れる。

女奴隷「よかったね」

自分を受け入れてもらえて。


お嬢様「――――。ええ……ほんとうに」


女奴隷「ここにいる、みんな、お嬢様のことが、好き」

お嬢様「ええ――ええ。私はとっても幸せ者だわ」


お嬢様に抱きしめられ、ベッドに倒れこんだ。

お嬢様のものだという証――鎖は今、女奴隷の首につけられていない。
それでも――


女奴隷「お嬢様……」

お嬢様「女奴隷……」

互いに呼びあい唇を重ね――

不意に、

ご令嬢「ぁ……ずるいですよ、女奴隷ちゃん」

メイド「まったくね。……お嬢様、おはようのキス、私たちにもしてください!」


いつの間にか目を覚ましていた二人は、抱き合っているお嬢様と女奴隷を挟むように左右に寝転ぶと、それぞれ唇をお嬢様へとつきだした。


お嬢様「甘えんぼさんね……」

呆れたように肩をすくめて見せても、嬉しいのだろうということが伝わってくる。
お嬢様は請われた通りに交互に軽いキスをした。


言いようのない充足感。
みんな穏やかな表情を浮かべている。


女奴隷「ねえ、お嬢様――」

お嬢様「なにかしら?」



女奴隷「お嬢様にとって私たちってどんな存在?」

問われ――

お嬢様「……」

お嬢様は思わず黙り混む。
彼女のなかで答えは決まっている。
だけど、一度否定してしまった手前、臆面もなく口に出していいことなのか憚られ戸惑いを浮かべた。

そんなお嬢様を見てメイドとご令嬢――二人は彼女の気持ちを察したのか、お嬢様を安心させるため女奴隷ごと彼女をぎゅううっと抱きしめた。


メイド「私たちは気にしていませんから」

ご令嬢「むしろ、どう思ってるのか、ちゃんと言ってくれないと許さないですよ……ふふっ」

お嬢様「――――。」


二人の言葉を聞き、意を決して言葉を紡ぐ。

お嬢様「貴女達は私の大切な――――」

――それは……その言葉は、今までしてきた酷い仕打ちへの償い。そして、これまで見放さないで慕い続けてくれた彼女達への――。

お嬢様「愛しい人よ」

そう告白した。


それを聞いた三人は嬉しさを一杯にして、


ご令嬢「はい! ボクもお嬢様のことが大好きです!」

メイド「嬉しい! 嬉しいわ――お嬢様! 大好き! 愛してる!」


賑やかで、そして幸福に溢れた声を聞き、女奴隷は目を閉じるとお嬢様の手をしっかりと握った。

女奴隷「……大好き。本当の意味で……やっと、言えた……」


女奴隷は静かな笑みをそっと湛えて――。



四人は裸のまま抱き合う。

混ざりあった熱のなかに、繋がりは確かにあって――


彼女達は抱きあったまま、眠りについた。

おわり

始めがミスで依頼もミスか!!
通信簿に落ち着きが無いって書いちゃうぞ

たいへんよくできました@

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