男「ばあさん、ラムネー」 女「い、いらっしゃいませ!」 (45)


男「……あれ? 女の子? いつもの駄菓子屋のばあさんは? とうとうおっちんだか、あの糞婆」

女「はは……祖母は三日前に検査入院に……」

男「え、マジで!? 知らなかったわ……。祖母ってことはお孫さん?」

女「はい! 夏休みだったんで、家族で泊まりにきたんですけど……」

男「そうなのか……で、ばあさんのかわりで店番って所かい?」

女「そうなんですよ。元々、母がするっていってたんですけど、二日前に腰をやったみたいで……」

男「そっかー……あ、俺は男。この島の○○旅館の息子。よろしくね」

女「私は女っていいます。よろしくお願いします」ペコリ


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男「女ちゃんは……中学生くらい?」

女「高校生ですよ!! 高2!! 16ですよ!!」

男「え、マジ!? 身長ちっこいから中2ぐらいかと……」

女「気にしてるんだから言わないでくださいよ! そういう男さんは何歳なんですか!?」プンプン

男「俺? 俺は19。大学生ね。◯◯大学」

女「へー、◯◯大学……って、超有名大学じゃないですか!?」

男「そうでもないよ? 変人が多いだけだしね……っと、悪ガキ共のご登場だ」

小学生達「「「くーだーさい!!」」」

.

小学生A「あれ? 兄ちゃんじゃん、帰ってきてたの? おーす!」

小学生B「兄ちゃん今日こそ勝負だー!!」

小学生C「俺たちの成長した華麗なスティック捌きを見せてやるぜー!!」

男「おーおー、うるせえ。いっぺんにしゃべんな。昨日、帰ってきたんだよ。それよりも何か買うんだろ? 食ってからやろーぜ」

小学生A「あ、そうだった! 姉ちゃん、俺これくれー!」ラーメンババア

小学生B「俺はこれー」ベビードーナツ

小学生C「俺はこれねー」ガブリチュウ

女「え!? えーと……」

小学生達「「「姉ちゃん、まだ値段覚えてなかったのかよー」」」

女「ご、ごめんねー……えーと……」

男「ラーメンばばあとがぶりちゅうは32円。ドーナツは43円。あと俺ラムネね、100円」

女「あ、はい!!」

男「あー、やっぱラムネ最高。夏はこれだな」プシュ

小学生達「「「兄ちゃん、勝負ー!」」」

男「ああ、わかった! わかった! 奥電源つけるよ?」

女「え、あ、はい」

男「さーてと、てか何で今更餓○伝なんだよ」デンゲンツケ

小学生A「だって、兄ちゃん、テ○ー好きじゃん」

男「いや、まぁ好きだけど。どっちかというとサ○スピの方がー」

小学生B「どのみち古いじゃん」

男「うっせ! はよ、キャラ選べよー」

小学生C「まず俺からね。俺はー……」

.

期待



……………………
……………
……

男「はい、俺三回連続ウィナー!」

小学生達「「「大人げねー戦いしてんじゃねーよ! NEET!」」」

男「うるせーよ! NEETじゃねえし! 大学生ですけどー! ほら、三色ガブリチュウ買ってきな!」

小学生達「くそぅー!! 姉ちゃんこれー!!」

女「……え!? あー!えと?」

男「さっきと同じ32円だよ」

女「す、すみません!」

男「どいたま……って、ツ◯ンビーも入れやがったのか、あのババア……」

小学生達「ほらよ! 兄ちゃん! 」

男「お、さんきゅ! まぁ、出直してきな。一旦はこっちいるからな」

.

小学生A「くそぅ! その余裕がイラつく!」 ダダダ

小学生B「次はぜってえ勝つからな!」ダダダ

小学生C「首を洗って待ってろよ!」ダダダ

男「宿題ちゃんとしろよー!!」

ワカッテルヨー!

男「ったく……騒がしい奴らだわ」

女「元気ですね……」

男「あの頃ってんなもんよ……。まぁ、あの歳で格ゲーにはまってるのが、ちょい心配だが……」

男「っと、もうこんな時間か……。店仕舞い手伝おうか?」

女「あ、じゃあよろしくお願いします!」




男「……さて、と、鍵鍵、と」

女「何から何まですみません……」

男「いんや、別にいいよ。俺が好きにやってるだけだしね」

女「あ、明日からちゃんと頑張ります!!」

男「ん、頑張りな……」

男「……もう、大分暗いな……。送っていくよ」

女「え! いや悪いですよ! そこまでしてもらうなんて……」

男「いいよ、坂下のばあさんちまで結構道入り組んで、しかも暗いから迷うよ?」

女「む、むぅ……確かに……」

男「ちょっと、自転車とってくるから待ってて!」

女「あ!…………行っちゃった……」

女(初めてかもしれない……男の人と二人っきり何て……。男さん、顔は濃いけどイケメンだよね……それに優しいし……)

女(子ども好きで……しかも、頭もいい……そして、旅館の息子か……。女友ちゃんが聞いたら優良物件!! とか言うんだろうなぁ……)

女「まぁ、私には関係ないか……」

男「何がだ?」

女「わ!? もってきたんですか、自転車!」

男「お、おお。とりあえず後ろ乗りな」

女「し、失礼します」

男「しっかりつかまっときな、よっと!!」

女「は、はい」

女(お腹の方に手を回してみたんだけど、男さんって細いけど、腹筋がすごいな……)

男「女ちゃん……」

女「……(触り触り) ふぇ!? 何ですか!」

男「ちょっと、くすぐったいから、腹筋触るのはちょっとやめてー」

女「す、すみません……」

.


男「それにしても、久しぶりにこっち帰ってくると暗いね、この島は」

女「そう、ですね。でも、星……綺麗ですよね……」

男「まぁ、都会じゃこんなのは見れんだろうよ……星、好きかい?」

女「大好きです。……実はこれ目的でこっちに帰ってきたというのもあるんです…。私、高校では写真部入ってるんですよ」

男「へー、ということは、星の写真撮りにきたんだ」

女「当たりです。まぁ、夏休み中はこっちにいるので、とりあえずこの一週間はポイント探しに行こうと思ってるんです」

男「へー…………うぇ!?……」

女「どうしたんですか?」

男「……い、いや、もう女ちゃんちが見えてきたんだけど、あの家の前にいんのは……!」

女「え? あ、お爺ちゃんだ! おじいーちゃん!!」フリフリ

女祖父「……」フリフリ

男(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ)ブレーキ

女「お爺ちゃんただいま!」ピョン、シュタ

.


女祖父「ああ、おかえり、女。んで…………◯◯さん所の倅か」

男「ご、ご無沙汰してます」

女祖父「でこーなったな……」

男「え、ええ」

女祖父「で、……何で、ぬしが女ば送って来たとかば教えてくれるな?」笑顔

男「は、はい。お安い御用で……」


男(茶の間に通され、必死に説明した結果わかってもらえたんだけど)

女祖父「なんや、女ば送ってくれたとか。感謝せないかんな」

男「あ、あはは……いえいえ」

男(早く帰りたい……ッ!)

.


女祖父「にしても、あげん悪ガキだった男がこげんなっとわのー」酒飲み

男「は、はぁ……」

女祖父「時の流れっちゅーのは早いのー。ほら、お前も飲め……」

男「あ、いえ、自転車で来てますし、女ちゃんを送りに来ただけなんで、もうそろそろ失礼しようかと……」

女祖父「ふむ……そうか。なら今度楽しみにしとるよ」

男(マジかよ……)

女祖父「女ー! 女ー!! 男が帰るいっちょるけん、見送りばせい!」

ハイハイー! いまいくー!

女祖父「ほんならば、また来なっせ」

男「は、はい!」

.

なにこれすごくいい


女「っと、と男さん行きますか?」

男「うん、行くかな! じ、じゃ、失礼します」

女祖父「ん……」酒飲み





女「今日は本当にありがとうございました。色々とフォローしていただいて……」

男「いや、本当、俺が好きでやったことだから、ね」

女「はい、ありがとうございます!」ニコ

女「そういえば、聞きたいことがあるんですけど、男さんえらくおじいちゃん怖がってませんでした?」

男「あ、ああ……これには色々あってね……」

男「あー、女ちゃんのお爺ちゃんは、俺たち、地元のガキ達からは坂の下に住んでる爺さん……坂下の爺と言われ恐れられていたんだよ」

女「へー……じゃあ、男さんも」

男「ああ、昔よく怒られてたよ」

女「今の男さんみると、信じられないなぁ……」

男「いやはは、マジで恐れ知らずの糞悪ガキでしたから」

.



女「ふふ、後でおじいちゃんに子供の頃の男さん聞いてみようっと!」

男「いや、女ちゃんそれは……」

女「冗談ですよ! 今度、男さんが聞かせてくださいね!」

男「あはは、気が向いたらね。うん、本当……」トオイメ

女「はい!」

男「……じゃ、俺は行くね」

女「今日はありがとうございました! ……また、明日会えますか?」

男「ああ、暇だと思うからいくよ。それに、後からガキどもから宿題手伝えっていわれと思うから先手うっとかねーと」

女「あはは、あの子たちはー。わかりました! また明日待ってますね」

男「うん、また明日。……おやすみ、女ちゃん……」

女「……はい、おやすみなさい
、男さん」

女(そう言って男さんは黒い自転車を漕いでいった。私は男さんの背中を見ながら、今年の夏はきっといいものになると思いながら家に入り、寝床についたのだった)


.

登場人物紹介

男 19歳の大学生。島の旅館の次男。結構頭いい大学の経済学部に行っている。顔は濃いが二枚目で背が高い。兄がいるらしいが……。テリーが好き。

女 16歳の高校生。小柄でよく中学生に間違えられる。祖母と母の代わりに、祖母の切り盛りする駄菓子屋を手伝っている。写真部で星が好き。

女祖父 女の祖父。坂下の爺と言われ昔から島の子供達からは恐れられてる。初孫のため女に気をかけており、幸せになってもらいたいと思っている

小学生ABC 島の小学校に通う悪ガキ三人集。男を兄ちゃんと言って慕っており、昔から格ゲーで勝負をしかけている。戦歴は307戦中46勝248敗13引き分け。好きなキャラは左からモリガン、覇王丸、ブリジット

とりあえず最初の投下終了。
え?時期早くねって?
まぁ、初夏だしね、いいよね。
今後の投下については告知、そして投下とさせていただきます。
三回ぐらいに分けて投下できたらいいなーって。
次回は
夏休みってこんなんだね
明日星を見に行こう
思ったより人の傷は深いの三本をお送りしたいと思います
ちなみに>>1 はノエルが好きです

.

夏いいよ
この雰囲気最高

>>5 >>13

期待ありがとうございます。
ご期待にそって頑張りたいと思います

>>21
夏いいですよね。
そこまで言っていただけてとても嬉しいですw

おいちゃんを泣かせちゃだめよ

とりあえずトリップつけるの忘れてたので、一応つけときますね

>>21
泣いたらダメですよ!
今年の夏にはいいことありますように!

さて、とりあえず明日は早いのでお休みです!!
では!

五島列島のイメージ

田舎の駄菓子屋にいけば素敵な出会いがあるのか……

トリップかぶっていたのでこちらにしますね
またトリップの確認忘れていた……

>>25
五島いいですねー。
同じ九州在住なので一度行って見たいです

>>26
はっは、それだったら私がもう出会っているでしょうが…………ちくしょう

なかなか面白い

覇王丸が睾丸にみえた

久々に九州帰りたいな………
乙乙!期待するよ!

続きまだですかね…?

気長に待つよ

すいません、>>1です。
感染性胃腸炎にかかってウボァ状態でした。
なので1つずつ投下していこうかと。
まず今回一本……
短いしですが、お付き合いくださいませ



……………

女「男さん、ここってー……」

男「えーと、あー、ここはね、この公式に当てはめると……」

小学生A「兄ちゃんこっちはどういう意味なの?」

男「そこは、この時の少年の心情がこの文の前に……」

小学生B「兄ちゃん、直列と並列ってー?」

男「直列はこう、並列はこう」カキカキ

小学生C「いい国作ろうか!」

男「ヘイ!」


.



B「ラーメンズかよ‥…。つーか、Cーちゃんとしろよー。兄ちゃんふざけ始めたらめんどくせーし」

男「めんどくさいって何だよ! 絡みがか!? この絡みがか!?おい!!」コチョコチョ

B「ぬはははwwwwww ちょ! 兄ちゃんやめ!!!」

男「てめぇ、俺が大人しく教えると思ったら大間違いだからなー!!!」

女「……フフ」クスクス

……………
………



男「そろそろ、一回休憩するかー」

A「さんせー!! 母ちゃんにスイカ持ってきてもらうねー!」ガチャ バタン ダダダダダ


.


C「Zzz……」

B「後半こいつずっと寝てやがったな……」

男「ほっとけ馬鹿は」

女「にしても、男さんいてよかったー。宿題のわかんない所ほとんど終わっちゃった!!」

男「まぁ、これでも現役大学生ですから」

B「でも、ウチの母ちゃんびっくりしてたぜ、兄ちゃんが◯◯大学入った時ー。『あの男君があそこまで頭良くなるなんて思いも寄らなかった』って!」

男「おばさんひでー、この島の出世頭の俺に向かってー」


.



女「そんな、昔の男さんってひどかったんだー。島一の悪ガキってのは聞いてたけど……」

B「そりゃそうさ。だって、小学校の先生とか親が『こういうことしちゃいけないよ』って、兄ちゃんの武勇伝話すんだもん」

男「え、ウソ、マジ?」

ガチャ

A母「ほんとよー。はいスイカ」カシャ

男「あざー、ってウソ。冗談抜きで?」

A母「抜き抜きよー。元々は坂下のおばさんが言ってたんだけどねー」

男「坂下のおばさんって、駄菓子屋のクソババアじゃねーか」

女「お婆ちゃん……」

A母「あ、そっか。お孫さんかー」

男「実際、あのクソババアのせいでどんな悪評が反面教師に使われてんですか?」

.

A母「えーっとね、高田のお爺さんの植木禿事件とか二宮金次郎改造事件とか」

A「植田山炎上事件とか川の主様殺人事件とかねー。スイカーついかじゃー!」カシャ

B「ほか何があったっけ?」

A「えーとね……」

C「鮫事件と猿蟹合戦事件…とか」フアーヨクネタ

A&B「そうそう!! あとはやっぱり坂下抗争だよねー!!」

女「坂下抗争ってまさか……」

A母「まさかのそのまさかよ……。あなたのお爺ちゃんと男さんのお爺ちゃんに将棋でボロ勝ちして島中追いかけっこの事件」

女「お爺ちゃん……」

.



A母「あれって最後確か、山下さんのところの船使って逃げたんだっけ?」

男「…………田中の兄ちゃんの船………」

A母「よくあんた動かせたわねー」

男「田中の兄ちゃん、えらく自慢して操作方法まで教えてくれたから……。鍵差しっぱだったからさ……」

A母「とまぁ、この島じゃ伝説なのよ、この子。自治会の会長の息子でもあるし、唯一の宿泊施設の息子でもあるし」

女「あはは………」

男「あーもう!!! この話、終わり!! クソー!! あのクソババア退院してきたら、ぜってえ文句言ってやるからなぁ!!」


女(そう言った男さんは縁側に座ってスイカをかぶりついていた。顔の回りを汁で真っ赤にしてたけど、顔も真っ赤にしてたのが、子供みたいで、初めてあった時の男さんとは別の面を見れて少しうれしかった。
その後、どこかの家の風鈴の鈴の音と一緒に流れる波の音を聞きながら私は今日も楽しかったと思いながら、帰路へと着いたのでした)

.

とりあえず、今回の投下は終了。
島成分まったく見当たらないけど、
>>1のお祖父ちゃんちの回りってこんな感じだったんだよなー…
駄文失礼しました!

おつううう

いいねぇ、夏って感じだねぇ

期待乙

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