──それはとても、素敵で贅沢なことだけど……

凛「凛……先帰るね　寄るところあるし」

真姫「りーん、顔が怖いわよ？あっ、ちょっと!」

───凛は、凛は……!

凛「ことりちゃんとかよちんに挟まれてキャッキャウフフしたいんだにゃぁぁぁー‼」

海未「人ん家まで来て何叫んでくれてんですか」

凛「だってだって、二人ともずるいよぉ　凛も仲間に入れて欲しい!イチャイチャ脳トロボイスを端から聞くぐらいなら、いっそ二人の真ん中で髄まで溶かされる方が本望にゃ！ 海未ちゃん何か良い考えないのー？」

海未「本望ってあなた……良い考えも何も、あの二人のことなら穂乃果に尋ねれば良いじゃないですか ユニットも同じなんですし」

凛「穂乃果ちゃんには、『ファイトだよっ！』て言われたにゃ 食い下がったら、『うんっ！ ファイトだよ！』って」

海未「穂乃果……しかし、いつも通りなら二人とも良くしてくれるでしょう？」

凛「あの感じがいいのー 凛もことりちゃんの妹みたいになりたい 」

海未「はぁ、そんなものでしょうか」

凛「そんなもんなの それに、ことりちゃんもかよちんも、ふわっふわで、あっまあまでさ……ねぇ海未ちゃん」

海未「はい？」

凛「お膝……いい？」

海未「はいはい しょうがないですね」

凛「んー」

海未「もう……」

凛「女の子らしくなって、二人にお似合いの妹になるんだー」

海未「しかしですね、凛 今はことりも衣装作りで忙しいでしょう？ 仲良くなろうとするのは止めませんが、程々にしましょうね」

凛「んぅ　そうだよねぇ……わかった! 凛ちょっとずつ頑張るよ」

海未「ふふ、良い子です 明日は学校がお休みですが、練習はちゃんとありますからね そろそろお帰りなさい？ 」

凛「うん！ありがとう！ じゃあまた明日ね お邪魔しました！」

翌日

ゴスロ凛「今日もよいお天気ですこと 絶好の 告白日和、ですわね？おーっほっほっほ!!」

海未「」

海未の部屋

海未「少しずつって言ったじゃないですか」

凛「はい」

海未「典型的なお嬢様口調とゴスロリって安直すぎませんか？妹ってなんでしょうね」

海未「しかも結局普段の練習着に着替えたものだから、日傘閉じて口調も戻したら……」

凛「いつもの凛でした」

海未「ことり引いてたじゃないですか 第一声が『し、紫外線対策もばっちりだね』って」

凛「かわいいって言ってくれたよ？」

海未「可愛くないなんて言ってません 唐突過ぎてついてけいてないんです」

凛「はぁぁ……」

海未「もう、どうせならことりや花陽に似合う服を選んで貰えばよいでしょうに 妹って感じですよ」

凛「……それじゃ今までとおんなじなんだもん」

海未「同じとは？」

凛「一方的にしてもらうだけじゃ嫌なの かよちんはさ、お菓子作りとかお絵描きとか上手だから、ことりちゃんも一緒にいてすっごい楽しそうなんだ 最近は小物のデザインも手伝ってるみたいで」

凛「女の子らしくなれば、凛でも何か出来るようになるんじゃないかって思ったんだけど 今の凛じゃ、二人にいろいろして貰うことはあっても、喜んで貰えないよ」

海未「……」

凛「ミューズで役に立ってないの
は 海未「そこまでです」

海未「まったく、自分を卑下するのはおよしなさいと言っているでしょう」

凛「だってぇ」

海未「だってじゃありません 」

海未「わかりました 私とお菓子をつくりましょう」

凛「お菓子？凛お料理下手だよ？」

海未「シンプルなものなら大丈夫です キチンと分量さえ守れば 素朴なチョコレートケーキくらい簡単に作れるんですよ？ 」

海未「明日ことり達は衣装作りで学校にいくそうじゃないですか」

海未「差し入れでも持っていきましょう？女の子は甘いものが大好きなんですから」

凛「うみちゃん……」

海未「ほらほら、材料はありますから行きますよ」

凛「……うん！」

翌朝　部室

凛「お、お邪魔しま～す」

花陽「あっ、凛ちゃ…あれぇ？そのリボンどうしたのぉ？」

ことり「ふぁあああ！かわいいいぃぃぃ！やっぱり凛ちゃん黄色がぴったり！」

凛「う、海未ちゃんが結んでくれたんだあ」

海未「姉のお下がりですが、ふふ、思った通りよく似合っています」

花陽「制服とよく合うんだねぇ　みんなでリボンもすてきかも……」

凛「へへ、そうかな　あのね、差し入れでチョコレートケーキもあるんだよ？」

ことり「そうなの？ありがとっ‼　もうっ、凛ちゃんもことりの妹にしちゃいたいですっ！」

凛「‼　にゃー‼　ねね、早く食べてほしいにゃー　かよちんもほらっ　早くー」

凛「へへへっ、色々ありがとっ　海未おねえちゃんっ‼」

了

良

ん？

ん？

……ん？？

う
み
り
ん
編
は
よ