男「学園戦争?俺が?」(358)

初スレです。

M&Bというゲームを元に勝手に妄想して書いて行きます。
俺TUEE系なので苦手な方はブラウザバック。

書き溜めはありますが更新頻度は今のところ未定です

友「男ってたしか入学の時測定した能力指数めちゃ高かったよな」

男「たしか2000ちょっと超えてるぐらいだったと思うが」

友「それだけ能力指数高かったら国王になれるぞ」

男「そんなもんなのか、でもなー」

友「いいから参加してみなって、死にはしないしいい運動になるぜ」

男「まあ考えておくよ」

5月4日 放課後

男「学園戦争か・・・ちょっとだけ行ってみるか」

男「たしか仮想空間の入り口は1階だったっけ」

学校の地図を頼りに入り口を探す

男「あった、ここか」

さすがに放課後になったばかりで混雑していた

その中に一人見知った顔を見つけた

友「お、男来てくれたのか」

男「ちょっと気になってな」

友「そうか、とりあえず登録済ませてこいよ」

男「ああ、そうする」

受付「初めての方ですか?」

男「そうです」

受付「お名前とクラスは?」

男「1年B組 男です」

受付「1年B組の男さんですね、少々お待ちください」

そういって受付の人は奥に行ってしばらくすると戻ってきた

受付「お待たせしました、男さんは指定の能力指数より高いので入場できます」

受付「これ入場証と学園戦争について書かれたパンフレットです」

男「ありがとうございます」

友「登録できたか?」

男「ああ、あっさりできるんだな」

友「入場証見せてくれるか?」

男「さっきのカードみたいなやつか」スッ

友「さすがにそれだけあるとゴールドか」

男「どういうことだ?」

友「入場証は能力指数の高さで色が変わるんだよ」

友「ブロンズ、シルバー、ゴールドだから男は一番高いランクだな」

男「なるほどな、友は?」

友「俺はシルバーだ」

男「ふーん」

友「それじゃ、俺は行くよ」

友「あと一つ忠告だが敵になったら容赦はしない」

男「ああ、わかってる」

そういって友は扉の奥の光に消えた

男「俺も行くか」

そして同じく俺も扉の奥の光に向かって踏み出した

男「んっ?ここは?」

「ようこそ、ここは学園戦争専用の仮想空間です」

男「なんだ?この声はどこから?」

「私はこの仮想空間のナビゲーションです」

「学園戦争のサポートをさせていただきます」

「まず能力について」

「能力はこの仮想空間でのみ有効で現実では反映されません」

「自分にある能力が分かるのは街に降り立ってからです」

「また仮想空間の時間経過は現実の一時間で1ヶ月です」

「それから仮想空間では何をされても骨折などの負傷や死亡は気絶に収まります」

男(なるほどということは一日で活動できるのは一ヶ月までか)

仮想空間の解放時間は毎週水曜日放課後の一時間だ

「もう一度説明を受けたい方は左手を、次に進む場合は右手を上げてください」

右手を上げる

「それではバーチャルネームを決めてください」

「バーチャルネームはこの世界で使われる名前です」

男(男でいいか)

「このバーチャルネームでよろしいでしょうか?次に進む場合は右手を上げてください」

右手を上げる

「はい、それでは降り立つ街を決めてもらいます」

http://s3.gazo.cc/up/55145.png
「ナヘロ、ジョチト、ピャケ、ラッヒ、スガーからお選びください」

目の前に仮想空間の全体地図が表示された

地図には街の名前と城の名前が色分けて表示されていた

男(国ごとに色分けされているわけか・・・友はどこの国に仕えてるんだ?)

悩んでいても仕方ないので真ん中ならどこにも行きやすいだろうということでスガーを選んだ

「それでは健闘を祈ります」

目の前が光に包まれ気が付くとかなりの人が行き交わってる街に立っていた

仮想時間1月7日 朝 スガー

男(これ・・・ここからどうすればいいんだよ!)

心に悲痛な叫びが響いた

男(そうだ、たしかパンフレットがあったよな)

思い出してから鞄からパンフレットを出そうとした時

男(あれ?制服じゃなくてボロい服になってる・・・鞄はちゃんとあるか)

パンフレットを取り出し一通り目を通した

南遠学園で起こる学園戦争

それは能力者の生徒同士が陣地を得るために争う戦争

入学式に能力指数を図られその数値が一定数を超えると能力を使えるようになる

一般的に能力者は"ロード"と呼ばれどこかの国に仕官することができる

さらにずば抜けた能力指数の持ち主は国王になり国を持てるようになる

もちろんほとんどが生徒だが一部の諸侯や生徒が率いる軍は人間ではない

人工知能、すなわちAIだ

また兵士は別空間で休息しているため戦闘前になれば呼び出せるようになっている

戦争を行うのは完全に仮想の空間

だが仮想空間でもAIが自ら動いて生活している

農作業をするもの、諸侯に仕えるものなど様々だ

学園戦争への参加は強制ではなく生徒が自由に決められる

そして肝心の目的、それは天下統一をすると貢献した者全てに報酬が与えられるという噂

その報酬自体は何かはまだわかっていない

開催期間は毎週水曜の放課後の1時間

男(今更説明か・・・でもこの情報は助かるな)

男(それよりここからどうすれば・・・あ、降り立ってからの手引きってのがあるな)


降り立ったらまずその街のギルドマスターに会ってみましょう

ギルドマスターからは依頼を受けたり各施設の場所、戦争の状況、交易や特産品などの情報を聞き出せます

とりあえずは一通り聞いてみましょう


男(大雑把だが助かるな)

とりあえず目標はできたのでギルドマスターを探すため街を歩き回った

仮想時間1月7日 朝 スガー ギルド

男「ここか」

ギルドマスター「こんにちは旅のお方、私はここスガーのギルドマスターです」

男「ああ、俺は男だ」

ギルドマスター「男さんですね、今日はどういったご用件で?」

男「戦争の状況は?」

ギルドマスター「クーゼ王国は現在ウニア王国、イフケ王国と戦争中でクーゼ王国が有利ではないかと思います」

男「あ、ちょっと待った、王国の説明はしてもらえるか?」

ギルドマスター「かしこまりました」

ギルドマスター「クーゼ王国は大陸の中央に位置する王国でクーゼ国王が統治しています」

ギルドマスター「イフケ王国は大陸の西に位置する王国でイフケ国王が統治しています」

ギルドマスター「グイド王国は大陸の北に位置する王国でグイド国王が統治しています」

ギルドマスター「ウニア王国は大陸の東に位置する王国でウニア国王が統治しています」

ギルドマスター「ウィレナ王国は大陸の南に位置する王国でウィレナ国王が統治しています」

男「なるほど、よくわかった」

やはり一番領地が多いクーゼ王国が有利か

男(交易や特産品は後ででいいか)

男「各施設の説明と場所を教えてくれ」

ギルドマスター「武器屋は武器、防具屋は防具、馬屋は馬、雑貨店は食料など、訓練所は兵士の訓練や能力の強化などができます」

ギルドマスター「武器屋が正面、防具屋が武器屋の角を曲がってすぐ、馬屋は門のすぐ傍、雑貨店は馬屋の隣、訓練所は武器屋の角をもっと行った所にあります」

男「ありがとう、それじゃ俺は行くよ」

ギルドマスター「はい、お気をつけて」

男(一通り聞いたがこれからどうすれば・・・待てよ?続きがあったっけ?)

一通り聞き終えたら訓練所に行って自分の能力の判別をして能力を使ってみましょう

男(とりあえず訓練所に向かうか、たしか武器屋の角の奥だったよな)


仮想時間1月7日 朝 スガー 訓練所

男「すいませーん」

訓練長「初めて見る顔だな、よく来た」

男「はい、俺は男と言います」

訓練長「男だな、俺は訓練長だ、何をしにここへ?」

男「能力の判別をして欲しいんです」

訓練長「ほう、わかった、付いて来い」

男「はい」

訓練長「ここだ」

男(なんだここ・・・)

街は中世の雰囲気だったが訓練長に連れてこられた所はまるっきり現代風の内装だった

訓練長「それじゃあまずは座禅を組んで頭の中を空にするんだ」

訓練長「できたら、何かをイメージする、最初にイメージされた物に関係するのがあんたの能力だ」

男「はぁ・・・わかりました」

男(そんなんで大丈夫なのか・・・)

訓練長「ちなみに能力を自覚した瞬間に使えるようになるから終わったらそこのカカシに試してみるといい」

訓練長「じゃあ俺は兵士の訓練をしてくるから終わったら呼んでくれ」

男「はい、わかりました」

訓練長が出ていったので座禅を組んで言われた通りにする

そして最初にイメージをした物は・・・

男(人形・・・?)

イメージした物が人形だと直感でわかった

イメージした瞬間にイメージがどんどん鮮明になっていく

「見える」レベルにまでなると目の前に光が弾けて...

男「!?」

???「...」

女の子が立っていた

男「・・・」

男「えぇぇ!?」

女の子はゆっくり目を開けて

???「初めましてマスター、私はノゼです」

しゃべった!?

男(それにこの子目が黄色と赤のオッドアイだ)

男「あ、あぁ、俺は男」

ほぼ唖然としたまま自己紹介をした

ノゼ「男さん...私のマスター」ダキッ

抱き付かれた

男「ちょっと待って!?どこから現れたの!?」

しかも色々当たってる!

ノゼ「...??マスターが呼んでくれましたが・・・」

男「よし、とりあえず離れよう、落ち着こう、深呼吸しよう」

男「で、君は何者なの?」

ノゼ「私はノゼ、マスターのドールです」

男「ドール?・・・まさか、そういうことか」

歳は俺とほぼ変わらない美少女、おまけに巨乳

男「ということは俺の能力は・・・人形使い?か・・・」

男「ってこれ大丈夫なの!?ちゃんと戦争できるの!?」

ノゼ「はい、お任せください、マスターのためならなんでもやります」

男「なんでも・・・?いやまて、とりあえずそこのカカシ思いっきり叩いてくれる?」

ノゼ「承りました」

ノゼがゆっくりカカシに近づいて...

バッゴォーン

男「・・・は?」

ノゼが放ったアッパーでカカシが宙に浮いて粉々になった

それだけならまだしも着ていた頑丈そうな鎧が割れてる

ノゼ「マスター!叩いてきましたよ!ご褒美にナデナデです!」ダキッ

男「あ、あぁ・・・よくできた・・・」ナデナデ

男「じゃなくて!なんて怪力!?」

男「あと腰が・・・離して・・・」

鯖折りの域に達しつつある

ノゼ「マスターは恥ずかしがり屋さんです」パッ

男(た、助かった)

男「と、とりあえず訓練長さん呼んでこないと・・・」

訓練長「ふむ、【人形使い】か・・・初めて見るな」

男「珍しい物なんですか?」

訓練長「普通は本人が直接使って発揮するからな、使い魔を召喚するタイプは珍しい」

男「そうですか、あともう一つ、この子・・・ノゼなんですけど人間の力を逸してるというか・・・」

訓練長「そりゃそうだ、主人を守るための使い魔だからな、まあ力の度合いは能力指数に影響されるが」

男(カカシ壊したこと言ったほうがいいのかな・・・)

訓練長「それにしても・・・この人形は男の趣味か?」

男「違いますよ!イメージがこの子だったんですよ!」

訓練長「そうか、まあそんな美少女でよかったじゃないか」

ノゼ「美少女だなんて!」バシッバシッ

男「ノゼ・・・背中の骨が折れる・・・」

訓練長「ははっ!まあその子がいたら大抵の追いはぎとかは大丈夫だ」

男「えっ?ここって追いはぎとかいるんですか?」

訓練長「海賊とか山賊もいるぞ」

男「物騒ですね・・・」

訓練長「ついでに言うとその子多分運動神経も人間を逸していると思うぞ」

男「と言うと?」

訓練長「例えば馬より早い速度で走れたり体術とかも普通にできたり」

男「それは・・・なんというか・・・」

訓練長「怖いか?」

ノゼ「(ピクッ)」

男(ノゼ・・・)

男「いえ、怖くはないんですけど、いざというとき頼もしいなと」

ノゼ「やだマスターったら!いつでも頼りにしてください」パァァ

男「うん、頼りにしてるよ」

男「それじゃあ俺はこれで、ありがとうございました」

訓練長「おう!能力を強化したくなったらまた来な!」

仮想時間1月7日 昼 スガー

男(しかし・・・)

隣を歩いてるノゼを見る

ノゼ「♪」ニコッ

目が合うと笑顔を返してきた

男(これなんてエロゲ!?これから何が始まるの!?)

男(いやまて、相手は人形だ、手を出したら人間じゃなくなる・・・そもそも手を出す予定もないが)

男「そうだ、能力はわかったがこれからどうすれば・・・」

パンフレットを取り出し続きを見る

能力がわかりましたか?では次は兵士を集いましょう

近くにある村から勇気溢れる物を雇いましょう

きっといい兵士になります、後はあなたの自由です

交易や依頼をこなしてお金を稼ぐもよし、戦争に参加するもよし、傭兵として転々とするもよし

あ、でも戦闘をするならば武器と防具は買っておいたほうが賢明です

それでは健闘を祈ります

男「とんだ投げやりだ・・・」

ノゼ「私達はどうしましょう?」

男「とりあえずお金が全然ないからお金を稼がないと」

ノゼ「さっき書いてた交易というのは?」

男「いや、交易をやるにも元手がない・・・からとりあえず酒場にゴーだ」

ノゼ「??わかりました」


仮想時間1月7日 昼 スガー 酒場

マスター「いらっしゃい、何にします?」

男「いや、今日は飲みに来たわけじゃないんだ、何か依頼はないか?」

マスター「ふむ、依頼ですか、この辺に出没している林賊を退治してほしいとの依頼が」

男「報酬は?」

マスター「500デルです」

男「わかった、その依頼受けよう」

マスター「はい、それでは終わったら報告してください」

男「わかった」

ノゼ「マスター?依頼ならギルドでも受けられるのでは?」

男「ギルドはこの街全体の依頼だ、だから難易度が高いと思って」

ノゼ「なるほど、さすがはマスターです!」ダキッ

男「うん、ありがとう、でも抱き付くのはやめようね」

ノゼ「むー」

男「怒らないの、ほら手繋いであげるから」ギュッ

ノゼ「マスターは優しいです」

男「そうでもないよ」

ノゼ「マスターの手、温かいです」

男「ノゼも温かいよ、でもドールなのに体温があるんだね」

ノゼ「いえ、私達は本当は体温はありません、マスターだけには伝わるんです」

男「へぇーそうなんだ」

ノゼ(マスターの手温かい・・・)

男「ノゼ、林賊退治だけど一人でできる?」

ノゼ「人数にもよりますがおそらく100人程度は相手にできるかと」

男「そんなに!?大丈夫なの?」

ノゼ「私は痛みも感じませんから、手と足がなくなるまでは戦えます」

男「・・・」

ノゼ「マスター?」

男「いや、ごめん、俺この恰好でお金もないから武器が買えないんだ」

ノゼ「そのための私ですよ!」

男「うん、ありがとう」


仮想時間1月7日 昼 スガー周辺

ノゼ「マスター!私の後ろに!」

男「??うん」

ノゼの後ろに移動した瞬間

シュンッ

足元の芝生に矢が刺さった

男「!!」

ノゼ「おそらく林賊です、人数は30人もいません、ご命令を」

男「・・・頼んだ」

ノゼ「はい!」

返事をしたノゼは目に追えない速度で林賊の集団に向かって走って行った

男(こんな子一人に相手させていいのか?それでも俺は・・・)

林賊の集団を見るとまだノゼが行ってから10秒もしない内に3人が倒れていた

男「こんな主人じゃだめだよな・・・!」

俺も遅れて走り出した

ノゼ「はぁぁ!」ドスッ

ノゼ「これで10人目でしょうか」

男「ノゼ!手伝うよ!」

ノゼ「マスター!?丸腰では危険です!」

男「危ない!」

間一髪ノゼを庇うように盾を構える

ノゼ「申し訳ありません!ってマスター?その装備は・・・」

男「倒れてた林賊から奪った!それよりまだ15人はいる!いくよ!」

ノゼ「はいっ!」

林賊から奪った剣と盾を構えて走る

男「くっ!」ガキンッ

男(弓持ちが多い・・・林賊の特徴か・・・)

男「ノゼ!弓持ちを頼む!」

ノゼ「承知しました!」

男(さて、俺は近づいてくる奴をやるか!)

男「ふんっ!」ザシュッ

男「これで終わりか・・・」

ノゼ「・・・(うっとり)」

男「ノゼ?どうしたの突っ立って」

ノゼ「ほへっ!?」

なんだほへっって

ノゼ「申し訳ありません、戦う凛々しいマスターに見とれていました」

男「ありがとう・・・?まあいいや、とりあえず酒場に戻ろう」

ノゼ「はいっ!」

仮想時間1月7日 夕方 スガー 酒場

マスター「はいよ、報酬の500デルだ」

男「ありがとう」

マスター「ほかの依頼はどうする?」

男「明日また来るからその時に」

マスター「はいよ」

男「それじゃ、また明日」

男「それじゃあ雑貨店に行こうか」

ノゼ「何か買いたい物でも?」

男「うん、夜ご飯買って行こうかなって」

仮想時間1月7日 夜 スガー 宿屋

男「(もぐもぐ)」

ノゼ「・・・(ニコニコ)」ジー

男「ノゼは食べないの?」

ノゼ「??無理ですよ」

男「えっ?」

ノゼ「だって私はドールですから」

男「あっ、ごめん・・・」

ノゼ「いえいえ、マスターの食べてる姿を見るだけで十分です」

男「そ、そう・・・」

男「(もぐもぐ)」

ノゼ「・・・(ニコニコ)」ジー

男「あのさ、そんなに見られると食いづらいというか・・・」

ノゼ「これだけは譲れません!」

男「そ、そう、なら仕方ない・・・のか?」

仮想時間1月8日 朝 スガー 闘技場前

男「ん?何かあるのかな」

闘技場がえらく混雑していた

ノゼ「さっき闘技場でトーナメントが開催されると聞きましたよ」

男「トーナメントか・・・」

どうやらまだ参加者を募ってるようだ

男「ちょっと行ってくるよ、戦闘も鍛えたいし」

ノゼ「かしこまりました、それでは観客席から応援しています」

エントリーが終わり出場まで5分になった

係員「さあさあ!みんなどんどん賭けて行ってくれ!上限は100デルまでだよ!」

男(賭けも行われてるのか・・・自分にも入れられるみたいだな)

正直に言うと運動神経は自信がない

男(でも昨日の林賊の時は俺が俺じゃないみたいだったな・・・)

男「とりあえず100デル賭けてみるか?)

そんな軽い気持ちで100デルを賭けた

司会「まもなく64名によるトーナメントが開催されます!」

司会「最初は8名4組によるチーム乱闘戦です!」

男(俺の武器は剣と盾か)

トーナメントは各自ランダムで武器を配られる

防具はトーナメント専用の防具で

武器はもちろん殺傷能力のないほとんど木でできた武器だ

司会「それでは、3・・・2・・・1・・・スタート!」

司会の声と同時に門が開いた

男「ふんっ!」ブンッ

敵「うぐっ」バタッ

男(思ったよりもいけるな)

敵「はぁぁ!」ブンッ

男「おっと!?」ガキンッ

いつの間にか後ろにいた敵に反応して盾を構える

司会「さあ!最後の二人が残りました!」

男(もう俺たちだけかよ!?)

観客「マスター!がんばってー!」

闘技場の歓声の中でもはっきり聞こえた

男(ノゼ・・・!頑張るよ!)

男(相手は大剣・・・隙を見ればいける!)

ブンッ

男「そこだぁ!」ブゥンッ

敵「ぐぅ」バタッ

司会「倒れました!この第1ラウンドを制したのは男選手です!」

男(な、なんとか勝った・・・)

その場で尻もちを付き呼吸を整える

司会「それでは第2ラウンドは一時間後です」

男(せっかく勝ったんだ!最後まで100デルで賭けて優勝してやる!)

その後も順調に勝ち進み決勝戦

司会「いよいよ決勝戦!トーナメントで連続優勝をしているメネバム選手に対するは期待の新人男選手!」

司会「それでは、3・・・2・・・1・・・スタート!」

男(俺の武器は寄りにもよって弓かよ!?使ったことないぞ!?)

弓を握りしめ歩き出す

男(待てよ?たしか短剣も支給されたな?)

男(これしか・・・いやとりあえず弓を使ってみよう)

弓に矢をつがえ構える

男(相手は剣と盾か!卑怯な!)

トーナメントの武器はランダムなため完全に言いがかりである

男(盾を構えて近づいてくるが足ががら空きだ!)

足に向かって矢を放つ、が足には命中せず足元に矢が刺さった

敵「!」

相手も気づいたようで背を低くして近づいて来た

男(くっ!あんだけ盾に覆われれば当てられない!)

男(やはり最初に思いついた作戦しかないか)

敵が近づきやがて剣が届く範囲まで来た

敵「ふんっ!」ブンッ

男「油断したな!」スッ

敵「!?」

敵が横に振った剣を避け後ろに回り

男「はぁぁ!」ブゥン

すばやく短剣に持ち替えがら空きの背中に叩き込む

敵「ぐふっ」

司会「おっと!?弓を持ちながら短剣をメインで戦う人は初めてだ!」

だがまだ敵は倒れなかった

敵「はぁぁ!」ブゥンッ

敵が回転しつつ剣で切り付けて来るが

男「くっ!」キンッ

短剣で弾く

男(俺運動神経よかったっけ!?)

敵「はっ!」スッ

男「うぉ!」ザッ

続けて敵が突き攻撃をしてきたのを屈んで避けると自然に敵の腹が目に入った

男「そこだぁぁぁ!」スッ

敵「ぐほぉ!?」

バタッ

突き攻撃が見事に腹に入り敵が倒れた

司会「敗れました!連続優勝を誇っていたメネバム選手が今倒れました!」

司会「優勝は新人、男選手です!」

観客「うぉぉぉ」パチパチ

観客の歓声と拍手が闘技場に響いた

男(正直に言うと優勝まで行けるとは思わなかった)

男「勝った・・・勝ったぞ!」

係員「はい、これは賭けた分の金だよ」

係員「しかしあんたも大したもんだよ、自分に賭けて優勝するなんて」

男「ははは、ありがとうございます」

袋の中を見ると軽く5000デルは超えるほどのお金が入っていた

ノゼ「マスター!やりましたね!」ダキッ

男「あぁ、ありがとう、それと抱き付かない」

こうして酒場のマスターの依頼をこなしたりトーナメントに参加したりして半月が立った

仮想時間1月22日 朝 スガー

男(今日で現実時間の30分か)

男「そろそろお金も溜まってきたなー」

ノゼ「えっと、昨日の依頼完了の時点で2万デルでしたか?」

男「うん、そのぐらいだね」

男「でも装備もかなりよくなったしノゼの分も装備も買ってるから実質これは兵を雇うためのお金かな」

ノゼ「私は別に装備はいらないんですが・・・」

男「でもあったほうが長く戦えるし剣持ってるノゼは・・・うん」

正直剣を持ったノゼに叶うやつがいるのかというほど、あれは化け物だ

ノゼ「私はマスターのために・・・」

男「うん、わかってる、いつもありがとう」ナデナデ

ノゼ「ほふぅ」

男「よし、それじゃあそろそろ兵を雇ってギルドマスターに会ってみようか」

ノゼ「わかりました」

それから順調に周囲の村から人を集め100人規模の部隊になった

仮想時間1月22日 朝 スガー ギルド

ギルドマスター「おや、男さん、今日はどういった用件で?」

男「依頼はないか?」

ギルドマスター「依頼ですか・・・今のところはないですね」

男「そうですか・・・」

ギルドマスター「ですが、クーゼ王国のワクス諸侯が捕虜に捕られた友人を助けてくれる人を探してるとか」

男「・・・そうですか、わかりました」

仮想時間1月22日 朝 スガー 城

男「ワクスさんですか?」

ワクス「おや?君は?」

男「俺は男と申します、以後お見知りおきを」

ワクス「おお男君か、噂は聞いているぞ、林賊を根絶やしにしているとか」

男「はは、お金が欲しかったんですよ」

ワクス「して私に何か用かな?」

男「ワクスさん、ご友人が捕虜に捕られているとか?」

ワクス「ああ、ウニア王国のケテ城に捕らわれておる」

男「そのご友人の救助を私に託してくれませんでしょうか」

ワクス「ふむ、男君は腕も立つと聞いておる、任せよう」

男「ありがたきお言葉、それでは行ってまいります」

ワクス「ああ、頼んだぞ」

男「よし、行こうか」

ノゼ「どちらに?」

男「ウニア王国の領地、ケテ城だ」

ノゼ「ワクスさんでしたか?あの方のご友人を?」

男「ああ、でも大勢じゃ行けないからノゼとしか行けないと思う」

ノゼ「私がマスターのお傍を離れるわけないじゃないですか」

男「それもそうだな、よしいこうか」

仮想時間1月22日 昼 ケテ城

門番「何奴?」

男「俺は男だ、ちょっと城の見学をさせてくれないか?」

門番「ふむ・・・よろしい、通るがいい」

男(よし、ここまでは順調だ)


ケテ城内 牢獄前

男「あんたが看守か?」

看守「いかにも」

男「中には誰が?」

看守「ゲラーとかいうクーゼ王国の諸侯です」

男「面会はできるか?」

看守「それは城主の許可が必要です」

男「ここを仕切ってるのは君じゃないのか?」

看守「ですが城主の許可が...」

男「そういえばそこの道で100デル入った財布を見つけたんだが君のじゃないのか?」

看守「え?財布なんて・・・」

男「ほら、謝礼はいらない、俺は金をもらうより好奇心を取るんでね」

看守「ごほん...あなたはいい人のようなので通しましょう、でも内緒ですよ?」

男「ああ、わかってる」

ケテ城 牢獄内

男「ゲラーさんですか?今助けますよ」

ゲラー「あなたは?どうしてここに?」

男「ワクスさんの依頼であなたを助けに来ました」

ゲラー「おお!ワクスのつてか!だがここを抜けるには看守のカギがいるんだ」

男「ちっ、100デル無駄にしちまったか」

男「ちょっと待っててください、取ってきます」

看守「終わりましたか?」

男「すまんな、あんたに恨みはまったくないんだが」ブンッ

看守「えっ?」ズサッ

男「ノゼ!一緒に入るぞ!」

ノゼ「はいっ!」

男「ゲラーさん、後ろ向いてください」

ゲラー「ああ、わかった」

カチャカチャ

男「よし!これで自由に動けます」

ゲラー「それはいいんのだが・・・私は武器も持ってないし満足な食事もしてないんだ」

ゲラー「その辺の武器を持って戦ったとしても満足に武器を振れないぞ」

男「私が先行するので後ろで待っててください」

ゲラー「わかった」

男「くっ!やはり警鐘が鳴ってるか!」

ノゼ「どうします?マスター」

男「来る奴を片っ端からやっていくしかない!」

ノゼ「わかりました」

見張り「我らが城の捕虜の脱走を手伝うとは何奴!」

男「答える暇はない!」ザシュッ

見張り「うぅ...」バタッ

男「ノゼ!まだくるぞ!」

ノゼ「お任せください!」

男(あの数ならノゼ一人で大丈夫か、ゲラーさんを呼んでこよう」


男「ふぅ、なんとか脱出できたか」

ゲラー「男殿、恩に着る、あんたのおかげで助かったよ」

男「いえいえ、ゲラーさんは自由ですよ、どこへでも行くといいでしょう」

ゲラー「助かった!さらばだ!」

男「ふぅ、それじゃあ報告しに帰ろっか」

ノゼ「その前によくできましたのご褒美を要求します!」

男「はいはい、よくできました」ナデナデ

ノゼ「幸せです」

仮想時間1月22日 夕方 スガー 城

男「ワクスさん、ゲラーさんは救出しました」

ワクス「おお、ゲラーから聞いておるぞ、感謝する」

ワクス「これはほんのお礼だ」

男「えっ・・・こんなに?」

ワクス「何、友人を救出してくれたんだ、これぐらいの謝礼は当然だ」

男「ありがとうございます」

ワクス「それでは達者でな」

男「すげぇ、一回の依頼で1万5千デル・・・」

ノゼ「装備が10式ぐらい買えそうですね・・・」

男「よし、ノゼの装備も特注で作ってもらうか」

ノゼ「え?ですが・・・」

男「俺だけ特注っていうのもダメだろ色々と」

ノゼ「マスターが仰るのでしたら・・・」

男「うん、作ろう」
そして色々な諸侯の依頼や脱走手伝いをしているうちに半月

仮想時間2月6日 夕方

男「ふぅ、今日でとりあえずは一日終わりか」

ノゼ「マスター?どうしたんですか?」

男「ノゼ、今日が現実の1時間後なんだ」

ノゼ「ということはこれから現実に戻るんですか?」

男「そうだね、でもまた来週も来るよ」

ノゼ「そうですか」シュン

男「大丈夫だよ、来週も絶対に来るから」ギュッ

ノゼ「はい、お待ちしております」


「今日の学園戦争は終了です、10秒後に現実世界へ戻ります」


男「それじゃあまた来週ね」

ノゼ「はいっ!」

視界が光に包まれ気づいたら仮想世界入り口に立っていた

5月4日 夕方

友「お?男ー!」

男「ああ、友か」

友「お前えらい噂になってるぞ」

男「え?なんで?」

友「だってお前諸侯の依頼むちゃくちゃこなしてただろ?」

男「ああ、ギルドの依頼とかより報酬出るしな」

友「一部では脱走の神様とか呼ばれてるぞ」

男「それは・・・なんか嫌だな」

友「でも一時間でそれだけ名が知られてるってお前どうやって序盤乗り切ったんだよ」

男「え?最初の半月は普通に賊退治で稼いでたけど」

友「一人でか?」

男「それより友の能力ってなんなんだ?」

友「なんだ急に?それは言えねえよ」

男「どうして?」

友「戦争で会ったら不利だろ」

男「それもそうだな・・・」

友「で、話は戻すけど一人でやったのか?」

男「まあそうだな」

友「お前・・・実は運動神経よかったんだな」

男「うるせーな!」

男「あ、そうだ仮想世界って開いてる時以外は時間進まないのか?」

友「ああ、進まないぜ」

男「そうか、ならよかった」

友「なんだ?戦闘中に戻ったのか?」

男「いや、そういうわけじゃない」

友「ふーん、まあいいや」

男「あ、あと友ってどこの国に仕官してるんだ?」

友「俺はイフケ王国だよ」

男「イフケ王国か・・・」

友「お前は・・・どこにも仕官してないよな」

男「ああ、そうだな」

友「それじゃ、俺はこっちだから」

男「ああ、また明日な」

男(友はイフケ王国か・・・たしかクーゼ王国と戦争中だったよな)

男(うーん・・・どこかに仕官するのもいいがしばらく傭兵でやってみるか)

眠いから今日はお終いです
明日の夜また書きます

http://s3.gazo.cc/up/55193.png

マップにどの色がどの勢力か書くの忘れてた

5月11日 放課後

友「よし!今日も行くか!」

男「俺も行くかな」

友「おお、男は珍しくやる気だな」

男「色々あってな、やる気が出てるんだよ」

友「しかし統一した時の報酬って何なんだろうなぁー」

男「俺も気になるな、それ」

友「過去に統一した奴いないみたいだしな、こればっかりは統一してみないとわからないだろうな」

男「そうだな」

友「それじゃお先ー」

そういって友は仮想世界に入って行った

男(俺も行くか)

一週間前と同じように扉の向こうの光に踏み出した

「おかえりなさい、男様」

男(こんな仕掛けもあるんだな)

「最後にいた場所にテレポートします」

光が視界を包み段々と見慣れた景色が見えてくる


仮想時間2月7日 朝 スガー 宿屋

ノゼ「マスター!待っていました!」ダキッ

男「ノゼ!ストップ!粉砕骨折する!」

ノゼ「嫌です!離しません!」

男「ギバーップ!ギバーップ!」

男「死ぬかと思った・・・」

ノゼ「取り乱したのは認めますがマスターが14時間ほどもいないとなればこうなるのは当然です、お察しください」

男「14時間?あれ?今日何日?」

ノゼ「現在2月7日の午前7時です」

男「あれ?ちょっとは進んでるのか」

ノゼ「そんなことより今日はどうするおつもりですか?」

男「うーん・・・とりあえず訓練所に行くかな」

ノゼ「能力を強化するんですか?」

男「うん、そんなとこ」

ノゼ「これでまた私が強くなってマスターをお守りできる・・・ウフ、ウフフ」

男(これ放っておいて大丈夫かな・・・)

仮想時間2月7日 朝 スガー 訓練所

訓練長「能力の強化か、いいだろう、付いて来い」

しばらく歩いて来た所は

男(先週来た所か)

訓練長「能力の強化は実に簡単、能力の判別と同じだ」

男「え?それでいいんですか?」

訓練長「ああ、それで浮かんできたイメージの力なりがまた身につく」

男「わかりました」

訓練長「それから能力の強化は一度やると1ヶ月から2ヶ月ほどできなくなるのと強化には上限があるから注意しろよ!」

男「はい」

訓練長「あとは・・・男、能力強化の間お前のとこの兵士を鍛えてやろうか?」

男「あ、はい、お願いします」

訓練長「よし、じゃあ強化の料金もまとめて7000デルだ」

男「はい、わかりました」

訓練長「それじゃあ俺は外で訓練してるぞ」

男「ノゼもちょっと離れててくれる?」

ノゼ「はい、わかりました」

座禅を組み頭を空にする、そしてイメージを始めて

男(また人形と・・・剣が二本・・・?)

一度イメージが浮かぶとどんどん鮮明になり

前と同様「見える」レベルになり光が弾けた

と同時に思いっきり後ろに倒れた

ノゼ「マスター!?大丈夫ですか?」

男「いてて・・・大丈夫だよ」

それより・・・

???「...」

やはりまた女の子が立っていた、ついでに剣も二本床に落ちていた

男「ノゼ、ちょっと下がってて」

ノゼ「かしこまりました」

男「・・・」

背は俺の腰よりちょっと高いぐらいか?胸は・・・貧乳だ

男(ってそうじゃなくて!)

女の子が目を開くまでその場で待つ、やがて目が開いて

???「ユルをよんだのは・・・」オロオロ

女の子がおろおろし始めた

男「初めまして、俺は男、君のマスターだよ」

前に一度経験しているから冷静に言葉を選んで

???「おとこ・・・?」

男「(コクッ)」

???「わたしは・・・ユル」

ユルと名乗った女の子は泣きそうな顔ですり寄って来た

男「大丈夫だよ」ナデナデ

そっと抱きしめながら頭を撫でる

しばらくして落ち着いてから剣の事を思い出した

男「ユル、ちょっとごめんね」

離そうとしても接着剤みたいにくっ付いて離れない

男「ユル?」

ユル「・・・」

どうやら離れたくないらしい

ノゼ「マスター!いい加減に離れてください!」

男「いやだってユルが離してくれない・・・」

ノゼ「わかりました!私がマスターにおんぶしてもらえばいいです、それで万事解決です!」

男「いや、それ解決になってない気がする!?」

とりあえず無理やりにでもユルを引きはがした

ユル「(ぷくっ)」

あ、膨れた

男「とりあえずだ・・・」

床に落ちていた剣を取ってみる

男(これは・・・何かの力が溢れてる?)

男(とりあえず訓練長に聞いてみるか)


訓練長「ふむ・・・これはおそらく後ろの嬢ちゃん達の武器だろう」

男「そうですか、何か力のような物を感じたんですが」

訓練長「能力者だとそういうのがわかるようになるんだ」

男「なるほど、それで訓練のほうはどうですか?」

訓練長「ああ、訓練は終わったよ、お前の所の兵士はもう立派な精鋭だよ」

訓練長「それじゃあ俺はまだまだ訓練しないといけない兵士がいるからな」

男「あ、ちょっとカカシを使ってもいいですか?」

訓練長「おう、いいぞ」

男「ありがとうございます」

男「ノゼ、この剣でカカシ攻撃してみてくれる?」

ノゼ「はい、わかりました」

ザシュッ

ノゼ「なんでしょう・・・この剣何か違います」

男「どう違うんだろう・・・?」

ノゼ「何か・・・こうですか?」

ドシュゥン

男「!?何今の!?」

ノゼ「わ、わかりません!こうしたら何かなるかと思いまして」

ユル「それはしょっくうぇーぶをうてるけん」

男「えらい詳しいね!?」

ノゼ「ショックウェーブということは・・・剣気ですか?」

ユル「たぶんそういうこと」

男「急に大雑把だね!?」

ノゼ「ということは今までの剣はどうしましょう?」

男「俺が使うよ」

ノゼ「でもマスターの剣のほうが・・・」

男「こういうこと」

剣を両手で持って構える

ノゼ「二刀流ということですね?まぁかっこいい」

後半は小声で聞こえたが聞こえてない振りをしとこう

男「よし、それじゃあ依頼受けにいこうか」

ノゼ「はいっ」

ユル「(こくこく)」

仮想時間2月7日 昼 ナヘロ周辺

男「そろそろ着くね」

スガーに諸侯は滞在してなかったから

ギルドマスターから依頼を受けてナヘロへやってきた

ノゼ「あれがナヘロですか?」

男「そうだと思うけど」

ユル「おとこ、あれ」

ユルが指さした方向から馬に乗ったフードを被った人物がこちらに向かってきた

ノゼ「マスター、後ろに」

男「二人とも待って」

ノゼ「ですが・・・」

男「多分敵ではないと思う」

フードを被った人物は馬を降りるとこちらに近づいて来た

???「男様でよろしいですか?」

男「ああ」

???「私はイフケ王国の伝令です、国王様から伝令を預かって来ました」

男「伝令?国王様直々のか・・・」

伝令から差し出された手紙を受け取る

伝令「それではこれで」

男「一体何の手紙だろう・・・」

ノゼ「たしかイフケ王国は現在クーゼ王国と戦争中でしたよね?」

男「そのはず・・・」

手紙を開封して目を通した

男殿へ


    急な手紙で申し訳ない

    男君の名声はこの私にも耳に入っている

    腕も立つとの噂だな

    そこで提案だが私の諸侯になってみないか?

    もし決心が付いたなら私の所に来て忠誠を誓ってくれ

    誓ってくれたならばヨル城下の村の一つを君の領土として約束しよう


                        イフケ王国 国王より

男「なんてこった、こんなのもあるのか」

ノゼ「どうするんです?マスター」

ユル「ことわるとこくおうのきげんをそこねる」

男「まだフリーランスで行きたいが・・・」

男(たしか友もイフケ王国の諸侯だったな)

男「とりあえずナヘロへ行って依頼を終わらそう」


仮想時間2月7日 昼 ナヘロ

男「依頼も終わったし・・・後は手紙の件だな」

ノゼ「私はマスターのドールですのでマスターのお心には従います」

ユル「ユルもだいたいおなじかな」

男「うーん・・・」

???「あれ?もしかして男か?」

男「え?」

???「やっぱり!男じゃないか!」

男「あっ!友!」

友「どうしたんだ?こんなとこで」

男「これって話していいことなのかな・・・実はこんな手紙が」

友「後ろの女の子達も気になるけどまずはそっちか」


友「・・・お前すごいな」

男「え?なんで?」

友「学園戦争参加して2週間で諸侯の誘いが来るとか・・・」

男「そんなもんなの?」

友「ああ、普通だったら仕官しようと思ったら1ヶ月ぐらいかかるぞ」

男「そうなのか」

友「で?どうするんだ?」

男「まだ決めてないんだけど、友もイフケ王国の諸侯だしなってみようかなとは思ってる」

友「そうか、それならお前と一緒に戦えるから俺としても気が楽だよ」

男「ふむ・・・わかった、それじゃあ俺はこれで行くよ」

友「おう、気をつけてな」


ノゼ「さっきの方は?」

男「友、俺の学園の友達でイフケ王国の諸侯だ」

ノゼ「ということはやはり彼も勧めて来たんでしょうか?」

男「いや、友はどちらかと言うと中立だったな」

男「まあ俺がいると一緒に戦えるから気が楽だとは言ってたけど」

ノゼ「そうですか」

男「ノゼとユル、門で待っててくれる?」

ノゼ「どこに行かれるんですか?」

男「ちょっと・・・ね」

ノゼ「嫌です、私はマスターから離れません!」

男「・・・そうか、わかった行こう」


仮想時間2月7日 昼 ナヘロ 城

男「すいません、イフケ国王の所在を知りませんか?」

???「む?私がイフケ国王だが」

男「そうでしたか、実はこの手紙なんですが」

イフケ「ということは君が男君だね?」

男「はい、そうです」

イフケ「決心は付いたかな?」

男「はい、私、男はイフケ王国の諸侯になります」

イフケ「では、忠誠を誓ってもらう、私に続いてくれ」

イフケ「私はあなたをイフケ王国の正当なる国王として認め、忠誠を誓います」

男「私はあなたをイフケ王国の正当なる国王として認め、忠誠を誓います」

何回かの誓いを経て...

男「そしてあなたの大義を掲げあなたの世継ぎも主と認め、献身します」

イフケ「よろしい、今日この日をもって男は我が家臣であることを宣言する」

イフケ「私は男を庇護し、私の名において武器を取ることを許し」

イフケ「法を反しなければ男の命と財産は奪わないことを誓おう」

イフケ「その上で私は男にヨル城下の村の一つを領土として授け」

イフケ「その地から得られる収入はすべて男のものとする」

イフケ「私に仕えてくれてうれしいぞ、心して励んでくれ」

男「もったいないお言葉です」

「男様がイフケ国王に忠誠を誓いました」

イフケ「さて、私はそろそろ行かねばな、それじゃあ男君また会おう」

男「はい、陛下」

仮想時間2月7日 昼 ナヘロ

男「ごめんねノゼ、退屈だったでしょ?」

ノゼ「いえ、マスターに関係あることは私にも関係がありますので」

ユル「おとこ、よかったの?」

男「うん、しばらくイフケ王国の諸侯として活動してみるよ」

ノゼ「マスター、そういえば旗はどうするんですか?」

男「そういえば旗も持てるんだね、適当に選んで掲げるよ」

男「でも諸侯になると戦争に関するアナウンスが聞こえるのか」

「トア城がクーゼ王国によって包囲されました」

男「あれ?たしかトア城ってイフケ王国の領土だったよな?」

ノゼ「そうですね、どうしましょう?」

男「ちょっと様子見をして勝てそうなら戦ってみようか」

ノゼ「わかりました」

仮想時間2月7日 夕方 トア城周辺

男「あれが包囲した軍か・・・」

ノゼ「おそらく部隊は1部隊、兵力は150ほどかと」

男「ノゼの洞察力と視力には驚かされるよ・・・」

ノゼ「どうします?マスター」

男「俺の部隊は騎兵5割 歩兵2割 弓兵3割だから野戦は得意だ」

ユル「やる?」

男「ああ!」

大きく頷き部隊に近づいた

???「剣を持ち俺の前に立ちはだかるのは誰だ!名を名乗れ!」

男「俺は男、イフケ王国の諸侯だ!」

???「イフケ王国とこの諸侯か・・・何の用だ?」

男「まず、そちらも名乗ってもらおうか!」

???「俺はクーゼ王国の諸侯、ヌハフだ!」

男「ヌハフか、それでイフケ王国の城になんの用だ?」

ヌハフ「くっ!調子に乗るなよ!」

ヌハフ「全員戦闘態勢!」

男「話を聞く気はなさそうだな、ノゼ、ユル」

ノゼ「はいっ!」

ユル「(こくっ)」

男「全兵士!出てこい!」

丸い光から兵士がどんどんと出てくる

ヌハフ「ほとんどが騎兵・・・分が悪いな」

男「戦闘開始を宣言した以上逃げられはしないぞ」

諸侯や国王と戦闘する場合戦闘宣言をすると

結界のような壁で仕切られ決着が付くまで出られないようになっている

男「全員戦闘態勢!弓兵はここで待機!歩兵は20歩前進して弓兵を守れ!騎兵は歩兵の斜め後ろで待機!」

結界が張られると自分と友軍の指示は敵には聞こえない

ノゼ「私たちはどうすれば?」

男「待ってくれ、敵の動きを見る、それに敵の諸侯の能力もわからない」

男(あの陣形はおそらく「待ち」の陣形か)

男「ノゼ、ユル、無理はしない程度に敵の騎兵を削ってきてくれ」

ノゼ「承知しました!」

ユル「(こくっ)」

二人が物凄いスピードで走って行った

男「全員!ゆっくり前進!」

男(くそっ!どうなってるんだ!遠くて見えない!)

[マスター!聞こえますか!]

男「この声は・・・ノゼか?」

そうか・・・俺は【人形使い】だからドールとの意思疎通はできて当たり前か

男[聞こえるぞ!そっちの状況は?]

ノゼ[騎兵は半分ぐらい削りました!ご命令を!]

男[二人とも下がってきてくれ!追っ手をこちらで迎撃する!]

ノゼ[かしこまりました!]

ノゼ「はぁはぁ・・・ただいま戻りました」

男「早い!ショックウェーブは使っちゃった?」

ノゼ「はい、撤退の前に撃ったら騎兵が8割ほど戦闘不能になっていました」

男「ユル、ショックウェーブの撃てる間隔はわかる?」

ユル「たぶん1ぷんぐらい?」

男「そうか、二人ともよく頑張った」

そうこうしてる内に騎兵部隊がこちらに向かってるのが見えてきた

男「騎兵!あの数なら死傷者なしで蹴散らせる!突撃!」

騎兵「うぉぉぉ!」

男「二人とも敵の大将の能力はわかったか?」

ノゼ「おそらくあれは水の使い手かと思われます」

男「水か・・・」

ザボォーン

男「何の音・・・騎兵!?」

騎兵が全員落馬していた

男「くっ!水でバランスを崩したか」

男「歩兵は騎兵の援護!弓兵は狙撃できそうなところから歩兵と騎兵の援護を!」

男「ノゼとユルは俺に付いてきてくれ!」

全力で馬を走らせて敵の大将を探す

男「いた!ノゼ!敵の大将の足止めを頼む!」

ノゼ「はい!」

ユル「ユルはどうすれば・・・」

男「ユルは俺と奇襲に来てくれ」

おそらく俺と同じぐらいの能力指数ならノゼだけではやりきれないはずだ

それぐらいの力はあると自分で使っていたらわかる

ノゼ「はぁぁ!」ブンッ

ヌハフ「くっ!」ガキンッ

ヌハフ(剣の速度が速すぎる!防御だけで精一杯だ!)

男「そこだっ!」ブゥンッ

ヌハフ「!?後ろか!」

奇襲の一発が当たって敵がバランスを崩した

男「ユル!」

ユル「・・・」ザシュッ

ユルが足元を切って

男「ノゼ!頼んだぞ!」

ノゼ「へやぁぁ!」ドンッ、ザシュッ

回し蹴りからの切り上げが見事に決まった

男「気絶したか、俺らの部隊は・・・」

振り返ると敵の部隊がほぼ壊滅している状態だった

男「もう敵の部隊は指揮もいないし士気も落ちてるだろう」

ユル「おとこ、だじゃれ?」

男「いや、たしかに今のはそう聞こえても仕方ないな」

「おめでとうございます、戦闘に勝利しました」

男「こんなのもアナウンスであるんだな」

兵士たちの勝利の歓声が聞こえる

男「なんだか心地いいな」

男「あ、そうだ、忘れてた」

男「おい?立てるか?」

ヌハフ「あぁ、どうやら逃げられないみたいだな」

ヌハフ「煮るなり焼くなり好きにしてくれ」

男「いや、その必要はない、自由に行ってくれ」

ヌハフ「え?いいのか?」

男「そもそも捕虜に捕ってもメリットはお金ぐらいだろう」

ヌハフ「お前がそういうなら、恩に着る・・・それじゃあな」

男「ああ」

ノゼ「よかったのですか?」

男「いいんだよ、捕虜に捕っても入れる牢獄とか持ってないし」

男「どうせ連れまわしてるうちに脱走されるのがオチだ」

男「みんなお疲れさま、死者はいないみたいだからゆっくり休んでくれ」

兵士達が別空間に入って行った

ノゼ「それよりご褒美はないんですか!」

ユル「(こくっ)」

男「なんだって?」

ノゼ「だからご褒美はないんですか!」

ユル「(こくこく)」

男「あぁ、ほら、おいで」

ノゼ「それではお言葉に甘えて」ダキッ

男「ノゼ!抱き付くのはストップ!俺が死ぬ!」

ユル「よいしょ、よいしょ」

男「ユルも背中をよじ登らない!」

こうして初めての正規軍との戦闘は終わった

仮想時間2月7日 夜 ナヘロ 酒場

男「疲れたー」

酒場に付くなりテーブル席に突っ伏した

ノゼ「今日は一段とお疲れですね」

男「ノゼとユルは疲れ感じないんだもんなー」

ユル「つかれはかんじないけど、あまえたいとしごろ」

男「それは遠回しにナデナデしてほしいって言ってるの?」

ユル「(こくっ)」

頷いた!

男「今日は二人とも頑張ったからね」ナデナデ

ノゼ「マスター!私だけ撫でてもらえないのはドール差別です!」

男(なんだドール差別って)

内心笑いながらもノゼの頭を撫でる

友「あー今日も疲れたー」

男(タイミングがいいんだか悪いんだか)

店内に入ってきた友にそう思いながらも

男「おーい!友ー!」

友「おっ!男じゃん!」

友に声をかけた

友「へー、それじゃあその子達は人形なのか」

男「そういうことになるな」

友が「お前の能力結局なんなんだ?」と言ってきたので答えた

男「それで友の能力は?」

友「俺は氷を扱う能力かな」

男(待て、今日同じような能力の奴と戦ったぞ)

男(まあでも水よりかは強そうだな)

男「ふーん」

友「そっかー、それじゃあ最初の半月賊退治できたのはその子達がいたからなのか」

男「最初はノゼしかいなかったけどな」

友「そういえばお前今日トア城包囲してたクーゼ王国の諸侯蹴散らしただろ」

男「何で知ってるんだよ!?」

友「いやぁ、また噂になってるよ」

男「してそれはどんな噂なんだろうか」

友「150名いる部隊をわずか10分で蹴散らした化け物がいるとか」

男「なんで皆俺の事持ち上げるの!?好きなの!?」

ノゼ「それは当然です、唯一無二の天才、敵う者なしのマスターですから」

しゃべったと思ったらすごい持ち上げ方だった

男「それはさすがに・・・」

友「一部では敵う奴いないんじゃないかって言われてるけどな」

男「ノゼ?諸侯さん達に変なこと吹き込まないの」

ノゼ「??私何も言ってませんよ?それ所かマスター以外の方としゃべったことはほとんどありませんし」

男「てことは・・・なんか嫌な予感がするんだが、まさか友」

友「俺も何にも言ってねえよ!」

友「あと一部では超人姉妹が目を光らせながら息ピッタリで部隊の半数を蹴散らしたとかなんとか」

男「それどう考えてもノゼとユルだよね、あと目は光らないから」

友「お前のあだ名【超人姉妹を使役してる化け物】だからな」

男「とりあえず人の事を化け物と呼ぶのはやめようか」

友「いや、どう考えたって化け物だろ」

男「いやそんなことは・・・それじゃ明日ノゼと手合わせしてみるか?」

友「え?俺がか?」

男「ああ、ちなみに俺はやってないけどボロ負けすると思う」

男「でも友なら能力者だしもしかしたらと思って」

友「いいけど・・・俺死なないよな?」

男「仮想世界では死なないだろ、行って気絶までだ!」

友「気絶も相当だよ!」

おまけ

男「ちょっとトイレ」

友「おうよ」

酔っ払い「嬢ちゃんちょっと俺たちと飲まない?」

ノゼ「??お断りです」

酔っ払い「そんなこと言わずにさぁ」

ノゼ「それ以上近づくと顔の中心を7割の力で叩きますよ」



男「ただいま」

ノゼ「マスター、先ほど悪漢が来て怖かったです」

友「お前の使い魔7割の力で顔の中心を叩くとか言ってたぞ」

男「ノゼ?出しても3割の力でしか人の顔を叩いたらダメだよ?顔に穴開いちゃうからね?」

仮想時間2月8日 朝 ナヘロ 闘技場

友「よろしくお願いします」ペコッ

ノゼ「よろしくお願いいたします」ペコッ

男(さて・・・ノゼの力はどこまでなんだろうか)

審判「それでは、3・・・2・・・1・・・スタート」

スタートコールがあった瞬間に地面を蹴ったノゼが

ノゼ「ふんっ!」ブンッ

目に見えない速さで友の目の前まで移動して剣を振った

友「あぶね!」ガキンッ

友は寸前で盾を構えたが

ノゼ「はぁっ」ドンッ

ノゼの渾身の回し蹴りからの

ノゼ「やぁっ!」ブゥンッ

斬撃、だが友はギリギリ避けた

友「くっ!」パッ

友が突然左手を前に突き出した

ノゼ「!?」

男(あれは・・・足が凍ってる?)

友の能力は氷を扱う能力だから足を凍らすこともできる

友「ノゼ・・・お前化け物だよ・・・」

男「友!その間合いはまずいぞ!」

友「え?」

本来はノゼの味方のはずなのに思わず忠告してしまった

なぜなら...

ノゼ「おんどりゃぁ!」ブォン

友「!?なんだそれ!?」

ドシュゥン

友は吹っ飛んで倒れた

審判「勝負あり!」

試合時間は1分もなかった・・・と思う

男「大丈夫か?」

友「あぁ、今のすっげえ効くわ・・・やばい」

友に肩を貸してベンチに座らせた

友「ノゼの身体能力はやばい・・・本当に化け物だ」

友「あれは戦ったやつしかわからねえな・・・」

ノゼ「すいません・・・?」

疑問形が付いてるから!

友「いや、大丈夫、本気で戦ってくれた方がこっちも救われるからさ」

友「それより最後のあれなんなんだ?」

男「あれはノゼが持ってる剣に宿った力、ショックウェーブだ」

友「そういうことか、あんなの撃たれたらお手上げだよ」

友「男の能力指数は知ってたが・・・これだけ能力が強いとほんとに敵わない」

男「でも俺は何も能力を持ってない...」

友「それでもだ、使い魔としてもすごく強力・・・もしかしたら最強かもしれない」

友「戦った俺が保証するよ」

友「逆にこれだけ強い能力者がいたらこの国は勢力がすごい勢いで伸びると思う」

友「それこそこの国が天下統一できるぐらいに」

男「そんなにか・・・」

友「ノゼもだけどおそらくユルのほうも相当だと思う」

友「同じ能力者から生まれた使い魔だから性能はそこまで変わらないはず」

男「そうなのか・・・そうだ、ノゼとユルで手合わせしてもらうか」

友「それもいいかもしれないな、どちらが強いか知っておくと戦略に幅が出る」

男「ということでわかった?二人とも」

ノゼ「それは構いませんがそれだと手と足が取れるまで続きますよ?」

男「それじゃあ先に倒れたほうが負けでいいんじゃない?」

ノゼ「そういうことなら、承知しました」

ユル「おとこがいうなら・・・」

男「うん、友はどうする?」

友「俺も見学していくよ」


ノゼ「よろしくお願いします」ペコッ

ユル「よろしく」ペコッ

審判「それでは、3・・・2・・・1・・・スタート」

スタートと同時に二人が目に見えない速さで走り

ガキンッ

剣が交わる音と共に二人の位置が入れ替わった

男「は・・・?今何が起こった・・・?」

友「わからねえ・・・あの一瞬の間に攻防があったの・・・か?」

ガキンッ、ガキンッ

男「早すぎてろくに目で追えない・・・」

ドンッ、ガキンッ

ノゼが体術を繰り出したため一瞬見えた

友「ノゼの回し蹴りを軽々流してるな・・・」

何回かの攻防を繰り返した後...

ユル「ふんっ!」ブォン

ノゼ「きゃっ!?」

ユルが攻防してる中にショックウェーブを混ぜてノゼのバランスが崩れた

ユル「!」ドンッ

そのチャンスをユルは見逃さずノゼに足払い

ノゼ「あっ」バタッ

審判「勝負あり!」

男「・・・(ポカーン)」

友「・・・(ポカーン)」

ユル「おとこ、かった」ダキッ

男「あ、あ、あぁ、頑張ったね」ナデナデ

ユル「おねえちゃん、だからね」

男(ノゼより生まれた時間も後だし身長も低いし胸も・・・)

男(いや胸は関係ないか)

友「はっ!?何をポカンとしてるんだ俺は」

男「友、これってさ、もう・・・」

友「どっちが強いとかの次元じゃないな」

男「だよな・・・」

ノゼ「ユルさんには敵いません」

ユル「えっへん」

男(なんか本当に姉妹みたいになってるし)

友「そうだ、唐突で悪いんだが男、名声と名誉いくつあるよ?」

男「どこで見れるんだ?」

友「入場証に書いてる、行動によって変化するからたまに確認しとくといいよ」

男「どれどれ?」

名声 2073 名誉 67

友「名声はまあ納得だ、名誉は?」

男「昨日敵将を解放したからそれでか?」

友「そうだろうけど、それだけじゃないと思う」

男「で、名声はわかるけど名誉ってなんだ?」

友「名誉を重視してる諸侯もいるんだ」

友「そいつらの印象がよくなるな」

男「ふむふむ...」

友「それじゃあ俺はもう行くよ、体も大分楽になったし」

男「わかった、それじゃあまた」

友の背中を見ながら思った

男(ノゼとユルを怒らせたら俺の命が危険だな・・・いや死なないけど)

ノゼ「マスター、今日のご褒美もらっていませんよ!」

男「はいはい」ナデナデ

ユル「ユルがないがしろにされてるきがしなくもない」

男「そんなことは・・・」

ユル「かなしい」

男「はい!ユルもお疲れさま!」ナデナデ

ユル「♪」ニコッ

男(さっき撫でなかったっけ?)

そんなこんなで仮想時間一週間後

仮想時間2月15日 昼 ナヘロ周辺

http://i.imgur.com/XV5AiMZ.png

男「イフケ王国もかなり勢力を伸ばしたな」

地図を見ながら思わず言ってしまった

男「キャマーとニレシラ城が領土になったのか」

ノゼ「これもマスターのおかげですね」

男「いや俺実際ほとんど何もしてないけど」

そんなことを話してるとナヘロから伝令らしき人物が出てきた

伝令「男様、国王様から伝令を預かってきました」

男「あぁたしかに、ありがとう」

伝令「それでは」

男「今度はなんだろう?」

手紙を開封して読むと...

男「えぇぇぇ!?」

思わずそんな声が出た

要約すると実に簡単、ニレシラ城を授けるという手紙だった

男「なんで俺が・・・?」

ノゼ「でももらえるものはもらっておいたほうがよろしいのでは?」

男「そうだけど・・・」

手紙にはもし必要ないならほかの者に譲渡するとも書かれてあった

男「でも俺が城主・・・?」

ノゼ「むしろ街のほうを収めるべきかと私は思います」

男「いや、それは国王が決めることだから」

男「まあもらって悪いこともないだろうしもらっておくか」

手紙にサインをすると

「男様がニレシラ城を与えられました」

男「このアナウンス恥ずかしいな」

男「よし、それじゃあニレシラ城を訪問しようか」

ノゼ「はい!」

こうしてニレシラ城へ向かったのだが...

仮想時間2月15日 昼 草原

男「あれは・・・友?」

ノゼ「友様と相手はもしかしてクーゼ王国の国王ではないですか?」

男「クーゼ国王!?」

ユル「へいりょくはともは100から130にたいしてこくおうは300ちかく」

男「ノゼ、ユル、増援にいくよ!」

ノゼ「わかりました!」

馬を走らせ友の軍に近づいて

「イフケ王国の援軍が到着しました」

男「友、援護する!」

友「男か!助かる!」

男「戦況は?」

友「相手はご覧の通りクーゼ国王、戦況はこちらが押されてる」

男「能力はわかるか?」

友「クーゼ国王の能力は・・・治癒能力だ」

男「てことは兵士は倒しても復活するわけだな」

友「でも国王に近づけないんだよ」

男「俺の部隊は増援に当たらせる、俺とノゼ、ユルは敵将を奇襲する」

友「わかった、こちらも頑張って食い止める」

男「全員戦闘態勢!指揮は友に合わせてくれ!」

男「ノゼ、ユル、いくよ!」

馬を走らせて敵軍の後ろ側に回り込む

男「敵将は・・・いた!」

男「ユル、こちら側と反対側・・・正面から気を引いてくれる?」

ユル「(こくっ)」

ユルが正面に回り込んで国王と対峙した

男「ノゼ!いくよ!」

ノゼ「はい!」

馬を降りて国王の背後を取った

男「ぜぁぁ!」ブゥンッ

剣を振ったが避けられた

クーゼ「くっ!後ろからもか!」

ノゼ「へぁぁ!」ブンッ

クーゼ「もう一人!?」ザッ

男(ノゼの剣を交わしたか・・・さすがは王様というところか)

クーゼ「まさか・・・貴様【超人姉妹を使役してる化け物】か!」

男「なんで国王がそのあだ名を知ってるんですか!?」

思わず叫んでしまった

ノゼ「はぁっ!」ブンッ

ユル「っ!」ブンッ

二人が国王に切りかかる

男(チャンスか!)

後ろに回り込んで

男「どりゃぁぁ!」ブゥンッ

避けられた、が

男「剣は一本だけじゃないんだよぉぉぉ!」ブゥンッ

鞘に納めてたもう一本の剣を構えつつ切りかかった

クーゼ「うぐっ!」

男(怯んだか、こうなるともう・・・)

ノゼ「ふんっ!」ザシュッ

ユル「・・・」ザシュッ

クーゼ「くっ!」バタッ

男「気絶したか・・・戦闘が終わるまで国王は起きないと思う、援護に行こう!」

ノゼ「はいっ!」

その後はまさに怒涛の反撃だった

ノゼとユルが参戦した乱戦は5分で決着が付いた

「おめでとうございます、援護に成功し戦闘に勝利しました」

「クーゼ国王は逃げ延びました」

男「逃げられたか・・・これってどういう判定なんだ?」

友「戦闘が終わったら70%の確率でワープして逃げれるんだよ」

友「それより男、ありがとう、男が来てなかったら負けてた」

男「俺たち同じ国のロードだろ、それより国王にしてはそこまで強くなかったような・・・」

友「バカ!それクーゼ国王とクーゼ王国の諸侯の前で言うなよ!」

友「まあでも実際、お前たちの部隊だけでも勝っていたと思うがな」

男「治癒能力ってそこまで強いのか?」

友「そりゃ国王倒さなきゃゾンビみたいに復活してくるからな」

男「それはなんというか・・・怖いな」

友「クーゼ国王は長期戦になるとやばいな」

友「男みたいに短期決戦で決着を付けるタイプだと案外行けるかもしれないけどな」

男「でもノゼとユルは手と足が取れるまで戦い続けるからある意味長期戦でも行けるが・・・」

友「・・・つくづくお前は化け物だよ」

友「それよりニレシラ城を与えられたんだってな」

男「ああ、訪問する所で友が戦ってるのを見てな」

友「そうか、よかったな、城主なんて滅多になれるもんじゃないぞ」

男「まあ数自体が少ないからそらそうだろうけどなんで俺?」

友「おそらく名声と・・・実力だろうな」

友「お前が参戦した野戦は10回もないと思うがその少ない数でも実力が認められたってことだよ」

友「でも気をつけろよ、普通は城を攻め落とした本人がもらえるようになってる」

男「逆恨みか・・・」

友「まあそんなとこだな、とりあえず俺は兵を失ったから集ってくる」

男「わかった、またな」

仮想時間2月15日 昼 ニレシラ城

友が戦ってた場所がニレシラ城から近かったためすぐに着いた

門番「ようこそ、我が城主男様」

男「ありがとう、一つ聞きたいんだが城の運営は誰に相談すればいいんだ?」

門番「城の中にこの城の指揮を執る司令官がいるのでそちらで」

男「わかった」


仮想時間2月15日 昼 ニレシラ城内

司令官「これはこれは、城主様、今日はどういったご用件で?」

男「城の守備兵の報告をくれないか?」

司令官「ここ、ニレシラ城の守備兵の数は50人です」

男「ふむ・・・兵を集ってこの城の守備兵に当てることはできるか?」

司令官「この城で募兵、募兵官を雇って近くの村から直接募兵することもできます」

男「どちらも頼む」

司令官「城で募兵するためには一日当たり100デル」

司令官「募兵官を雇う場合50デルと兵士一人につき20デルが必要です」

男「城の募兵に1000デル、募兵官で集ってくる兵士に2050デルを用意する」

男「あと守備兵の訓練もこの城で行えるか?」

司令官「もちろんです、訓練官を雇うのに週間30デルかかります」

男「なるほど、それじゃあ訓練官も雇ってくれ」

司令官「かしこまりました、すぐに手配します」

男「しばらくこの城を拠点として活動しようか、調理場もあるみたいだし」

ノゼ「それではそろそろ昼食にしますか?」

男「ノゼ料理できるの?」

ノゼ「はい、心得ています」

男「それじゃあお願いしようかな」

ノゼ「それではしばらくお待ちください♪」

男(ノゼ、すごい機嫌がよかったな)

ユル「ここまでユルのでばんがすくないきがする」

男「何かいった?ユル」

ユル「おとこはもうちょっとユルにかまうべき」

男「・・・??」ナデナデ

とりあえず撫でておいた

仮想時間2月15日 昼 ニレシラ城周辺

ノゼが作った料理は普通においしかった(二人に見られて食べづらかった)

男「それじゃあ俺達の部隊員も募兵しようか」

ノゼ「はいっ」

さすがに100人じゃ不安だと言うことで募兵することにした


仮想時間2月15日 夕方 ニレシラ城周辺

男「こんなもんかな?」

近くの村から募兵しておよそ200人の規模になった

ノゼ「それではそろそろ城にお戻りになりますか?」

男「そうだね、そろそろ戻ろう」


「ニレシラ城がクーゼ王国によって包囲されました」


男「は?」

ノゼ「マスターのお城にちょっかいを掛けるとは・・・許しません」

男「ノゼ!ちょっとまって!」

ノゼ「おそらく部隊数は2、兵力は300ほどです、ご命令をマスター」

男「こちらの兵力は数は多いが・・・半分が新兵だ」

男(どうする・・・)

???「今度は俺が助ける番だな」

男「・・・友」

友「いやー兵も回復したし男の城がどんなもんか見に来たらさ?」

友「アナウンスが流れてこれは行くしかないだろって思ってな」

男「友、お前の兵力は?」

友「150ってとこだな、訓練も済ませてるから精鋭だ」

男「俺は200だが半分が新兵」

友「大丈夫、これだけ数がいれば押せるさ」

男「そうか、ならやるしかないか、どうせ見てても陥落するのは見えてるしな」

男「俺の城を包囲してるのは誰だ!」

クーゼ「おやおや、これはこれは城主様が自ら出てくるとは」

ヌハフ「この前のリベンジ、させてもらうぜ」

男「これはまた顔見知りが勢揃いで」

クーゼ「全兵士戦闘態勢!」

友「話し合いをする雰囲気じゃないのは確かだな」

男「そうだな」

男&友「全員戦闘態勢!」

友「弓兵はここで待機!騎兵は30歩前進!歩兵は弓兵の20歩先で待機!」

男(友の戦略は騎兵を突撃さして敵の陣形をバラバラにするつもりか)

男「弓兵はここで待機!騎兵は友の軍の突撃に合わせろ!歩兵は弓兵の20歩先で待機」

男「友、俺は敵将をやってくる」

友「俺も騎兵を突撃させたら敵将をやりにいく、っていっても必要ないかもしれないがな」

男「ノゼ!ユル!行くよ!」

男(おそらく前の戦闘で後ろから来るのはばれてるはずだ、なら)

男「ユルとノゼ!二人で敵将の左右に回って合図があったら奇襲を頼む!」

ノゼ「承知しました!」

ユル「(こくっ)」

馬を走らせ敵将の後ろに回ってから降りる

男「はぁぁ!」ブゥン

クーゼ「ふんっ!」ガキンッ

両手で持った剣で攻勢に出るが

ヌハフ「はっ!」スッ

男「!」ザッ

横からの突き攻撃を後ろに避ける

男(まだだ!まだひきつける!)

クーゼ「はぁ!」ブゥン

男「くっ!」ガキンッ

男[いまだ!二人とも奇襲をかけてくれ!]

ヌハフ「ヘアッ!」ザシュッ

男「ぐっ」

ヌハフの横からの一撃をもらったが

ノゼ「ヘァァァ!」ブォン

ユル「フンッ」ブォン

二つのショックウェーブが

クーゼ「くっ!」ザッ

ヌハフ「!?」

ドシュゥーン

ヌハフに命中し、吹っ飛んだ

クーゼ「貴様ら・・・!」

ノゼ「マスター!?その傷は!?」

男「大丈夫、それより」

ノゼ「許せません、マスターを傷つけた責任、その身で取ってもらいますよ」

クーゼ「ひっ!?」

男(ノゼのオーラが・・・こ、怖い!)

ノゼ「はぁぁぁ!」ブゥン、ブゥン、ブゥン

目にも止まらぬ速さで剣が何回振られたのかもわからなかった

最後には

クーゼ「うっ!?」バコォン

盾が剣の斬撃に耐えれず割れた

ノゼ「終わりです!」ブゥンッ

クーゼ「うぐっ」バタッ

最後の一振りでクーゼ国王が倒れた

友「おーい!来てやったぞ!」

友「って・・・やっぱり俺いらねえじゃん!」

男「あ、友・・・すまん」

男「あとノゼ、俺に一撃を食らわしたのはヌハフだ」

ノゼ「まあ、そうでしたか」

男(ていうか最後の一撃どう見ても首に入ってた・・・)

男「・・・!友!あぶない!」

友「!?」

ザッブゥーン

男「国王め、最後にヌハフを治癒したか!」

ノゼ「まあまあ、丁度いいところに復活してきてくれましたね」

ヌハフ「ひぅっ!?」

あ、ヌハフも国王と同じような声出してる

ノゼ「私のマスターを傷つけた責任、その身で取ってもらいますよ」

さっきと同じようなこと言ってるし!

そのあとはあっけなく決着が付いて

ヌハフ「くっ・・・!」バタッ

ノゼ「ふぅ、気が済みました」

男(完全に私怨だ!)

「おめでとうございます、戦闘に勝利しました」

男「ありがとう、友」

友「同じ国のロードだろ・・・ってこの前男も言ってたな」

友「まあ俺はもっとピンチな所を助けてもらったしな」

男「死傷者は・・・死者が30人も・・・」

友「・・・彼らはよくやってくれたよ、彼らのためにも祈ろう」

男「そうだな・・・」

男「俺は城に戻るが友はどうする?」

友「俺もちょっと見学してナヘロに戻るかな」

仮想時間2月15日 夜 ニレシラ城内

男「はぁー・・・」

ノゼ「まだ気にしていらっしゃるのですか?」

男「心を見ているかのようなことを言うね、ノゼは」

ノゼ「私は自分の部下を失った悲しみはわかりませんが・・・」

ノゼ「それでもマスターの悲しいお顔を見るのは辛いです」

ノゼ「何かいい方法は・・・そうです!マスターご自身が兵士を作ればいいんです!」

さも名案かのように言うノゼ

男「作るって・・・どうやって?」

ノゼ「マスターは【人形使い】です、ならドールを兵士にすればいいんです」

ノゼ「ドールに死という概念は存在しませんから」

ノゼ「そのためには・・・」

ノゼ「まず独立しましょう!」

男「は?・・・独立?俺が?」


傭兵~イフケ王国諸侯編 完

見てくれた人がいるのかわかりませんが
とりあえず第1部完です。
ここから書き溜めがほとんどないのでスローペースになります。

乙 
楽しみに待ってます

仮想時間2月15日 夜 ニレシラ城内

ノゼ「まず独立しましょう!」

男「は?・・・独立?俺が?」

ノゼ「自分で作った兵を雇うには独立し国王になるのが一番手っ取り早いかと」

男「でも俺が国王なんて・・・」

ノゼ「マスターには十分国王の素質があるはずです」

ノゼ「ですが決めるのはマスターです、私はマスターのお心に従います」

ノゼ「それでは今日は夜も遅いので私は休ませて頂きます」

話は終わりとばかりにノゼは自分の寝室に向かった

男「独立・・・か・・・」


ノゼの独立しましょう発言から約3週間後

仮想時間3月8日 夕方 ニレシラ城 倉庫

男「よし、こんなもんか?」

自分の兵士となるドールを作るのは簡単だった

だが数が多いとなると簡単でも時間がかかる

ニレシラ城の倉庫にはパンパンに詰まったドール

数は・・・100ぐらいだろうか?

男(自分の兵士が死ぬのが耐えれなくてドールを兵士にする・・・変だよな)

大体兵士も全部AIだ、人間が死ぬわけではない

男(でもそのAIも全然AIに見えないからなぁ・・・こうしかない気がする)

男(まぁ独立してみたいって思いもあったし、結局はそうなんだよな)

「今日の学園戦争は5分後に終了します」

男「よし、現実に戻る前にノゼ達に会うか」

男「ノゼ、ユルー?」

ノゼ「はいっ!」

男「うお!?びっくりした」

ノゼはすぐ隣にいた

くいくい

男「あぁ、ユルもノゼといたんだ」

ユル「(こくっ)」

男「今日で今週の学園戦争は終わりなんだ」

男「来週も絶対に来る、だけど来週は本当に辛くなるかもしれない」

ノゼ「私はどんなことがあってもマスターに付いていきます」

ユル「(こくっ)」

「今日の学園戦争は終了です、10秒後に現実世界へ戻ります」

男「ありがとう、それじゃあまた来週ね」

戻る寸前に二人を抱き寄せたが光で見えなかった

5月11日 夕方

男「そういえばまだこっちは1日どころか1時間しか経ってないんだよな」

友「よう、男」

男「あぁ、友か」

友「お前半月ぐらいどこにいたんだ?野戦でも見ないしアナウンスで何も告知されないし」

男(友には言いたいが・・・密告でもされたら独立する前に潰されるしな、ごめん)

男「そうか?色々やってたけどな」

友「たまたま見なかっただけかねー」

男「そうだろうな」

5月18日 放課後

男(先週から今日まで全然授業に集中できなかった・・・)

友「男ー、一緒に行こうぜー」

男「ああ、今行くー」

友「しかしイフケ王国も大分勢力伸ばしたよなー」

男「そうだな・・・」

友「俺もそろそろ城の一つぐらい持ちてえなぁ」

男「国王に相談してみれば?」

友「そう・・・だな」

友「それじゃ、俺は行くわー」

男「俺も、また後で?な」

おそらく激戦になるであろう扉の向こうの光に足を踏み出した


「おかえりなさい、男様」

「最後にいた場所にテレポートします」

仮想時間3月9日 朝 ニレシラ城内

ノゼ「待っていました、マスター」

ユル「おかえり、おとこ」

男「あぁ、ただいま」

ノゼ「今日にも行動に移すおつもりですか?」

男「今日でできたらいいんだけど、とりあえずキャマーに行って訓練所に行く」

男「独立前にできるだけ力を付けたいからね」

ノゼ「わかりました」

男(ドール兵士は独立してからじゃないと使えないから今までの兵士を連れていくしかないか)

厄介なことになりませんようにと祈りながらキャマーに向かった

仮想時間3月9日 昼 キャマー 訓練所

訓練長「おう、男じゃないか」

男「あれ?なんで知ってるんですか?」

訓練長「なんでってスガーでも会っただろう」

男「同じ人なんですか!?」

訓練長「それどころかこの大陸全土の訓練長は俺だぞ」

男「AIってすごいなぁ・・・」

訓練長「また能力の強化か?」

男「はい、お願いします」

男「ユル、ノゼ」

ノゼ「はい、わかっています」

二人が下がったのを確認して座禅を組む

男(また剣が2本と・・・防具?が2着・・・)

パチンッと光が弾けた

金属の音と共に剣と防具が地面に落ちた

男「これは・・・」

剣の一本はレイピア?

男(いや、レイピアは刃が細長いはず)

男(鍔がレイピアで刃が普通の剣・・・?聞いたことないな)

もう一本は大剣

男(先端の真ん中がヘコんで尖りが二つ?見たことない)

普通の剣は先端の中央が尖っているはず

ノゼ「マスター、それは?」

男「今回の能力強化の成果みたいだけど」

男「防具はまったく同じだけど剣は特徴が違うから、二人で相談して決めてほしい」

ノゼ「では私は重い剣は苦手なのでこちらを」

どうやらノゼはレイピアソード的なやつがいいらしい

男「普通逆だと思うんだけど・・・」

ユル「だいじょうぶ」

ユル「このけんはおとこがかさをもつのと、おなじぐらいかるい」

男「えらい力持ちだね・・・ユル」

男「防具もそっちのほうがいいだろうね、俺は出てるから着替え終わったら言って」

ノゼ「私達はマスターのドールなのですから見ることに不都合は・・・」

男「俺がだめなの!」


ノゼ「着替え終わりました」

男「どう?何か違う?」

ノゼ「重量が軽いです、後は・・・力がみなぎってきます」

男「やっぱり何かの力があるのか、感じてた通りだな・・・」

男「それじゃ武器を試してみようか」

ノゼ「はいっ!」

ノゼが剣を構えて...

ノゼ「はぁぁ!」スッ

突き攻撃を繰り出した瞬間

ドゴォーン

男「なんだ今の!?雷!?」

ノゼ「雷ですね」

煙が晴れてカカシを見ると丸焦げになっていた

男「ユルは・・・」

ユル「こう・・・かな?」スッ

ユルが剣をカカシに突きつける形で構えて

ドシュゥーン

二つの尖りから剣気が飛んで行った

ガシャッ

男「しかも普通の大剣に変形した!」

ユル「オォ...」

それに前の剣のショックウェーブよりはるかに速度と威力が高い

男「前の剣どうしようか」

ノゼ「ユルさんと1本ずつ予備として持っておきます」

男「そうだね、それがいいか」

訓練長「男、丁度こっちの訓練も終わったぞ」

男「ありがとうございます」

男「それじゃあニレシラ城に戻ろうか」

ユル「(こくっ)」

仮想時間3月9日 昼 草原

男「あれはイフケ王国の遠征軍?」

男「俺達は元帥から招集命令を受けてないはず・・・」

ノゼ「こちらに向かって来ますよ」

先頭にいた元帥と思われる人が近づいて来た

???「男君かな?」

男「はい、そうですが」

???「私はラゴ、イフケ王国の諸侯にして元帥だ」

ラゴ「単刀直入に申そう、君は王国の忠誠を捨てるのだね?」

男「!?なぜそのことが・・・」

ここで前に言ってた友の言葉を思い出した

『でも気をつけろよ、普通は城を攻め落とした本人がもらえるようになってる』

ラゴ「ほう、やはり独立を考えていたようだな」

ラゴ「ならばここを通すわけにはいくまい」

ラゴ「こちらも数が数だ、降伏しても恥ではないぞ?」

ノゼ「マスター・・・」

男(軽く見ても部隊数は7ぐらいか?兵力は1000近く・・・)

対してこちらの兵力は200

男(・・・だがここで降伏したらニレシラ城の所有権がなくなるだろうな)

男「いいだろう、通してくれないのなら武力で切り開くまでだ」

男(こういうことになるなら先に独立しておけばよかったな)

ラゴ「全員!戦闘態勢!」

男「全兵士!出てこい!」

ノゼ「マスター、私はいつ如何なる時もマスターの味方です」

ユル「ユルも、そう」

男「ありがとう、二人とも」

男(敵の数が多すぎる・・・あれは攻めの陣形か・・・)

男「弓兵!ここで待機!歩兵は弓兵の30歩先を密集隊形で守れ!絶対に通すな!」

男「騎兵は先に突撃、敵の陣形が崩れたら戻って弓兵の横で待機し敵が歩兵に衝突したらもう一度突撃!」

騎兵「うぉぉぉぉぉ!」

男(だがこちらの士気は高い、もしかしたら行けるかもしれない)

男「敵将は・・・7人か?いや・・・8人か」

男「ノゼ、ユル!付いてきて!」

馬を走らせ大きく回り込んで敵将の側面で馬を降りた

男「おそらくあれだけ数がいると奇襲も通用しない、俺と一緒に突撃してほしい」

ノゼ「かしこまりました!」

男「いくよ!」

男「うぉぉ!」ブゥンッ

敵将の一人に向かって切りかかった

ラゴ「ふんっ!」ガキンッ

男(ノゼとユルは別々に3人を相手にしてるか・・・)

横目でノゼとユルを見ながら

ラゴ「はぁ!」ブゥン

男「くっ!」ガキンッ

???「へあっ!」スッ

男「くそっ!」ザッ

横からの突き攻撃を避け

男「っ!」ブゥンッ

???「ふっ!」ガキンッ

ラゴ「はっ!」パッ

元帥が左手を突き出した

男(何の能力だ!?)

そう思った瞬間足に違和感が

男(草が巻き付いてる!そうか、自然か!)

???「はぁぁ!」ブゥン

男「!」ガキンッ

間一髪斬撃を受け止めた

男(まずい!二人で挟まれた!)

ノゼ「へぁぁぁ!」スッ

ドゴォーン

レイピアソードから放たれた雷が相手にしていた敵将の一人に直撃した

???「ぐっ...」バタッ

男(ノゼ・・・ありがとう!)

ラゴ「っ!」ブゥン

男「はぁ!」ガキンッ

斬撃を受け流して

男「ふんっ!」スッ

もう一本の剣で突き攻撃

ラゴ「くっ!」ザッ

避けられたが

男「邪魔だ!」バサッ

足元の草を切り裂いた

何分攻防しただろうか、敵将も残り3人になっていた

ラゴ「どうやら勝負は付いたみたいだな」

男「は?何を・・・」

不審に思い後ろを見ると

敵騎兵「うぉぉぉぉぉ!」

敵の騎兵がこちらに向かってきていた

男「くそっ!全滅したか!」

おそらく半分も減らしていたらいい方だろう

物凄い数の敵兵士がこちらに向かってくる

ラゴ「ふんっ!」ブゥン

男「っ!」ガキンッ

ラゴ「ぜぁぁ!」ザシュッ

男「うぐっ!」

斬撃を流しきれずにもろに食らった

男「くっ...」バタッ

男「ぅぅ...」

ノゼ「マスター!大丈夫ですか!」

男「ノゼ・・・?」

涙目でノゼが覗き込んでくる

男「大丈夫、ちょっと気絶してただけだよ」

ラゴ「さあ男君、どうする?まだ戦うというのなら戦うが」

男「・・・」

ノゼとユルを交互に見た

ノゼ「私はまだ戦えます!」

ユル「(こくこく)」

続けて敵の兵士の数も

最後に見た時は500近くいたのに320人に減っていた、おそらくノゼとユルが削らしたんだろう

だが精鋭正規軍があれだけいたらさすがのノゼとユルも無理だったみたいだ

ノゼ「マスター!ご命令を!」

男「ふぅ・・・降伏しよう」

ノゼ「マスター!」

男「ノゼ、右腕」

ノゼの右腕は力なくぶら下がっていて今にも取れそうだった

ノゼ「これぐらいなんとも...」

男「ごめんね、すぐに直すから」

男「ユルも、ごめん」

ユル「(ふるふる)」

???「まったく、お前らしくないな」

男「この声は・・・友!?」

後ろを振り返ると友が立っていた

友「水臭えよ、言ってくれたらよかったのに」

男「・・・でも、お前はイフケ王国の諸侯だ」

友「だからなんだ?俺はそんなに頼りなかったか?」

友「大体俺はもう散々なんだよ、この国にはな」

ラゴ「貴様も忠誠を撤回するつもりか?」

友「ああ、俺は今日この時を持って忠誠を撤回する!」


「友様がイフケ王国の忠誠を撤回しました」


ラゴ「貴様・・・!」

友「男、ここは任せてお前は城に戻れ」

男「でも・・・」

友「お前はお前の目的があるだろ」

友「でも独立したら俺を諸侯1号にしてくれよ!」

男「あぁ・・・恩に着る!」

男「ノゼ!ユル!」

ノゼ「はい!」

ユル「(こくっ)」

ゆっくり立ち上がり馬に乗ってニレシラ城に向かって走り出した

友「おっと、悪いがここは俺を倒してから通ってもらおうか」

ラゴ「邪魔ばかりしやがって・・・!」

友(男、絶対に独立を成功させろよ!)

仮想時間3月9日 夕方 ニレシラ城内

男「よし、これで大丈夫だ」

ノゼ「ありがとうございます」

男(まったく、あいつもいいとこばっかり取っていくな)

男「ノゼの腕の修理も終わったし、後は城の守備兵と俺の部隊員を集めるか」


男「よし、みんな集まったな」

男「これより私、男はイフケ王国の忠誠を撤回し独立を宣言する」

男「これからの道は長く険しい物になる」

男「帰りたい奴は今の内に帰ってほしい」

男「もし、俺に付いてきてくれるならば・・・」

男「王として全力を尽くして保護する!」

兵士「帰れるわけがありません!」

兵士「男国王万歳!」

男「みんな・・・ありがとう」

「男様がイフケ王国の忠誠を撤回し独立しました」

「王国の名前を決定してください」

男「みんな国王の名前から取ってるし男王国でいいか」


「男様が独立し男王国が誕生しました」


「イフケ王国が男王国に対して宣戦布告をしました」

ノゼ「マスター、早めに兵士の準備を」

男「わかってる、倉庫から全員出してくる」

男「よし・・・みんな動け!」

ドール達に向かって叫ぶとドールが動き出した

男「成功だ!」

男「後は・・・ノゼ、この本読んでてくれる?」

ノゼ「これは・・・」

男「気絶するのはこれからの戦闘でもあると思う」

ノゼ「わかりました、10分ですべて頭に入れます」

男「焦らなくていいからね!?」

ノゼ「大丈夫です、10分あればすべて完璧に覚えられます」

男(大丈夫かなぁ・・・)

「クーゼ王国が男王国に対して宣戦布告をしました」

男「やはりきたか」

聞こえてきたアナウンスにやはりと思ってしまう

見張り「国王様!イフケ王国によって城が包囲されています!」

男「わかった、すぐに迎撃する」

男(男王国兵士のお披露目かな)

腰を上げて城門に向かって歩く

男「イフケ国王が直々に包囲ですか」

イフケ「男君、君には本当に残念だよ」

イフケ「君がいれば天下統一できそうだったのにね」

男「手紙が来た時は驚きましたよ、ですが後悔はしていません」

男「城を譲渡してもらったことにも本当に感謝しています」

イフケ「皮肉で言っているのかな?」

男「いえ、これは本心ですよ」

イフケ「君の兵士は先の戦闘でかなり消耗したはずだ、降伏したらどうだ?」

男「消耗?とんでもない、もっと強力な兵士が集まりましたよ」

イフケ「たった100人ちょっとの部隊で何ができる!全員戦闘態勢!」

男「野戦で片を付ける、全ドール出てこい!」

男「弓兵ドールはあそこの丘で待機!騎兵ドールは横一列になり突撃!歩兵ドールは騎兵の後に突撃!」

男「あの程度の数で負けるはずがない、ノゼ!ユル!行くよ!」

男「いた!ノゼとユル!先に突撃してくれ!」

二人が返事もなしに駆けていく

男「あの二人で大丈夫な気もするけど・・・俺は後ろに回るか」

ノゼ「はぁ!」ブゥン

イフケ「ふんっ!」ガキンッ

ユル「・・・」ブゥン

イフケ「!」ザッ

イフケ「やはり化け物・・・か」

イフケ「はっ!」パッ

ブゥン

ノゼ「きゃ!?」

男(風・・・か)

男「はぁ!」ザシュッ

イフケ「っ!」

不意打ちが成功して斬撃は当たったがまだ立てるみたいだ

男(だが敵は俺だけじゃない)

ユル「ふんっ!」スッ

男(あれは・・・まずい!俺も巻き込まれる!)

ドシュゥーン

イフケ「ぐっ!?」バタッ

男「あぶな!ユル考えて撃って!?」

ユル「あのままあのいちにいてもあたらなかった」

男「そ、そう(どう見ても当たってた気がするけど)」

「おめでとうございます、戦闘に勝利しました」

「イフケ国王は逃げ延びました」

男「死傷者は・・・やはり0か」

ノゼ「当然です、私達より耐久力が脆いと言ってもあの数なら」

男「それじゃあ城に戻ろうか、国王が負けたからしばらく攻めて来ないだろう」


仮想時間3月9日 夜 ニレシラ城内

見張り「国王様、友という人物が入城を要求しています」

男「入れてやってくれ」

見張り「はっ!」

しばらくして...

友「おっす、どうよ?」

男「イフケ国王が攻めて来たけど追い返した」

友「さすがだな、それより・・・」

男「あぁ」

男「友、お前を今日この時を持って男王国の諸侯とする」

友「喜んで」


「友様が男国王に忠誠を誓いました」


友「そういえばお前の国の兵士ってどうなってるんだ?」

男「国王と呼べ、兵士は・・・」

ノゼ「言ってもよろしいのでは?」

男「そうだな、俺の国の兵士はドールだ」

友「てことはノゼとかユルみたいなやつが・・・」

男「いや、そこまで強くないけど力は人間超えてるな」

男「ただ作るのに時間がかかるからドール兵士を作るためのドールを作ろうかと思ってる」

友「もうそこまで行くとなんでもありだな・・・」

友「それで国王様?これからどうするつもりだ?」

男「やっぱ普通に男でいい、これから夜の間に兵士量産体制を立てて」

男「明日にはイフケ王国かクーゼ王国の城に攻城を仕掛ける」

友「俺はどうしたらいい?」

男「兵力は?」

友「一応補充をしてついでに訓練もして100ぐらいだが」

男「明日の攻城戦で付いてきてくれ」

友「わかった」

男「そういえばあの後大丈夫だったのか?」

友「相手の兵士死傷者多数で士気がた落ちだったから勝ったよ」

男「そうか、よかった」

友「それじゃあ今日はそろそろ休むよ」

男「あぁ、おやすみ」

仮想時間3月10日 朝 ニレシラ城内

男「よし、兵士量産体制が整った」

男「ノゼ、これを持っててくれ」

ノゼ「これは・・・私使える自信がないです」

男「いや、でも持っててくれ」

ノゼ「わかりました」

友「男、そろそろ・・・」

男「わかった、そろそろ出発するか、でもその前に」

男「おーい!」

ドールの兵士が光からぞろぞろ出てくる

男「半分をお前に」

友「え、でも・・・」

男「大丈夫、倉庫にまだ余ってるから」

友「そうか、なら遠慮なく俺の部隊に組み込ませてもらう」

男「よし、出発だ!」

友「ああ!」


男部隊:100人(体?)前後 友部隊:200人前後

仮想時間3月10日 朝 ヘツガン周辺

男「まずはここだ」

友「イフケ王国の領地にしなかったのか?」

男「イフケ王国は昨日でかなりの被害が出たはず、ならこっちを攻めたほうがいい」

友「でもそれだと弱ってるイフケ王国を攻めたほうがよくないか?」

男「あっちを攻め続けると休戦協定がこないだろう、それにイフケ王国もグイド王国と戦争中だ」

友「なるほどな、なら攻める国を絞って落としていくってことか」

男「そういうこと、それじゃあ包囲しますか」

仮想時間3月10日 夕方 ヘツガン周辺

ノゼ「マスター、攻城の準備が整ったようです」

男「わかった、攻城梯子を城壁に立てろ!」

兵士が攻城梯子を城壁に立て...

「ヘツガン攻城戦を開始します」

男(アナウンスがあった後に守備兵が出て来るのか)

城壁から弓兵がこちらに向かって矢を放ってくる

男「陣形を整える!全弓兵!撃ち方やめ!」

男「弓兵ドールはここで待機!歩兵ドールと騎兵ドールは20歩前進し密集隊形で盾を構えろ!」

友「全員!指揮は男に合わせろ!」

男「全弓兵!撃ち方始め!」

弓兵が一斉に矢をつがえ城壁に向かって攻撃を始めた

友「男の兵士すげえな・・・ほぼ頭しか出てない敵兵をバタバタ倒してるぞ」

男「これでもドールだからな、命中精度は高いはず」

友「そろそろいいんじゃないか?」

男「そうだな、行くか!」

男「全弓兵!撃ち方やめ!」

男「ノゼ、ユル!攻城梯子を上って先に突撃してくれ!」

ノゼ「はい!このための投げ斧ですね!」

ユル「ユルのほうがうまく・・・」

男「後でユルにも持たしてあげるよ、二人とも頼んだよ」

ノゼ「へぁぁ!」シュッ

投げ斧が城壁に向かって飛んで行って

ザシュッ

梯子の近くにいた敵の頭に突き刺さった

男(今日の朝、ノゼに持たせて置いて正解だったな)

男(梯子周辺は確保したか・・・)

男「歩兵と騎兵!突撃!」

友「俺らは一番最後に乗り込むか?」

男「弓兵の先頭で入ろう」

友「それがいいか」

歩兵と騎兵(馬を降りてるのでほぼ歩兵)が梯子を上って突撃していく

男「よし、弓兵!付いて来い!」

友「俺も行くか!」

はしごを上って城壁に降り立った

男「ノゼとユルがかなり減らしてるな、このまま一気に取るぞ!」

男「弓兵!この位置で待機!撃ち方始め!」

弓兵を敵が見えやすい位置で待機させた

友「これさ、俺ら何もしなくてもいいんじゃね?」

男「ごもっともだな」

あっという間に城壁を制圧した

「城壁を制圧しました、残りの敵兵は城の中で抵抗を続けています」

友「後は城の中を制圧すれば陥落だ」

男「どれぐらいいる?」

友「いても10人かそこらだから俺達とノゼとユルでなんとかなる」

男「そうか、わかった」

男「ノゼ、ユル!突撃準備!」

男「友も合わせてくれ」

男「それじゃ合図を取るぞ!、3・・・2・・・1・・・突撃!」

城の扉を開け中に入ると同時に

ノゼ「ふんっ!」シュッ

ノゼの投げ斧が奥の方にいた弓兵に命中した

ユル「っ!」ザシュッ

男「はぁぁ!」ザシュッ

友「はっ!」パッ

全員違う敵を相手にしながらも

男「これでラストだ!」ザシュッ

最後の一人を倒して

「おめでとうございます、ヘツガンの攻城に成功しました」

「ヘツガンが男王国によって攻略されました」

兵士「いぇぁぁぁぁぁ!」

外にいる兵士達の歓声が聞こえてきた

男「ふぅ、攻城戦より攻城準備のほうが時間長かったな」

友「そんなもんさ」

男「さてと、この領地の所有権だが」

男「友、お前に任せた」

友「え?俺が?」

男「友、城が欲しいって言ってなかったか?街になっちゃったけど」

友「いや街のほうがありがたいんだが、いいのか?」

男「友は俺に付いてきてくれた、それだけで理由は十分だ」

友「ありがとう、男・・・」


「友様がヘツガンを与えられました」


男「友はここで少し休んでてくれ、守備兵も整ないといけないだろうし」

友「ああ、本当にありがとう」

男「死傷者もいないみたいだから俺はもう一つぐらい落としてくる」

友「わかった、気を付けてな」

ノゼ「わかりました、ですがその前に」

ノゼ「ご褒美を要求します!」ダキッ

男「はいはい」ナデナデ

ユル「・・・」

男「ユルもお疲れさま」ナデナデ

男「そういえば最近してなかったね」

ノゼ「マスターのやろうとしている事に水は差せません、我慢も大事です」

男「そっか、ありがとう」

男(しかしノゼの力強い抱擁に慣れてる自分が怖い・・・)


その後、マーレラ城だけでなく勢い余ってスガーも攻略した

おつおつ
あいかわらず面白い

これは面白い。
けどノゼが何故唐突に男に独立勧めたかがわからん。
ドール兵創ってもイケフにはいられたはずなのに

読んでくれてる人がいるみたいで嬉しいです

>>163
男自身、独立意欲があったのと
国ごとに国王がどのような兵士か決めているためです。
(イフケ王国は歩兵の能力と装備が強く、弓兵と騎兵が標準に設定されている、など)

後は国に仕えながら自分独自の兵士を持つには手続きが面倒ということなんですが
セリフが抜けてました、すいません。

余談ですが元ネタのModでカスタム兵と言う自分の兵士を持てるんですが
それが独立してからじゃないと使えないと言うのも関係してます。
(Modに寄りますけど)

仮想時間3月11日 夕方 スガー

男「マーレラ城は友に譲るかな」

ノゼ「それではマスターがスガーを収めるのですね」

男「あぁ」

「男様がスガーの所有権を得ました」

男「ここまで派手にめちゃくちゃにしたらクーゼ王国の被害は相当なはずだ」

男「そろそろどこかしら包囲されてもおかしくないな」

ノゼ「もしあちらが何もしてこない場合は?」

男「その時は領土を奪い続けるまでだよ」

友「おーい!男ー!」

男「友?ヘツガンは大丈夫なのか?」

友「一日で守備も大分固くなったから大丈夫だ」

友「それよりお前寝てないだろ?」

男「ぶっ続けで攻略したからな、でも眠らなくても問題はないだろ?」

友「そりゃ仮想世界だからな、でも疲れが取れないぞ」

男「それじゃちょっと仮眠を取るかな、でもその前に」

男「マーレラ城を友に授ける」

友「え?俺は攻城戦に参加してないぞ?」

男「そりゃ俺だけで落としたからな、でも配分を考えたらこうなるからさ」

友「わかった、ありがとう」

「友様がマーレラ城を与えられました」

男「よし、俺は守備兵を付けてから仮眠を取るけど友は?」

友「俺はマーレラ城を寄って守備兵を集ってからまたスガーに戻ってくる」

男「わかった、それじゃあそのタイミングでまだ寝てたら起こしてくれ」

友「了解、それじゃ」

仮想時間3月12日 早朝 スガー

男「完全に寝すぎたな」

ノゼ「おはようございます、マスター」

ユル「おはよう」

男「おはよう、二人とも」

http://i.imgur.com/DFqdFSR.png
持ち物から電子地図を取り出して見る

男「結局寝てる間も攻めて来なかったか」

ノゼ「どうやらあちらもウニア王国との戦争で手が回らないようです」

男「油断して宣戦布告してきたのが仇になったな」

ノゼ「今日はこれからどうされるんですか?」

男「まずニレシラ城に戻ってドール兵士の補充」

男「終わったら友と合流してクーゼ王国の最後の街、ドガを攻城する」

ノゼ「それでは今からニレシラ城に向かうのですね」

男「だね、出発しよう」

仮想時間3月12日 朝 ニレシラ城内

兵士「それじゃあんたも大変だなぁ!」

ドール兵士「まあそん時はそん時さ、でも人間も大変だろ?」

兵士「そりゃな、でもドールよりかはましかもしれねえな」

ドール兵士「そういうもんかー」

男(そういえばニレシラ城の守備兵は人間とドールが半々ぐらいだったな)

仲が良さそうで何よりだ


無事に兵士の補充も終わり友とも合流した

友「でもなんでドガなんだ?」

男「あそこを潰すとクーゼ王国は街がなくなることになる」

男「つまり大元の資金源と周囲にある村がなくなるってことだ」

友「それで兵士自体を雇えなくするのか・・・えげつねえな」

男「まあそれでも城がある以上収入は途絶えることはないだろうがな」

仮想時間3月12日 昼 ドガ周辺

男「ふむ・・・守備兵が300で中にいる諸侯の部隊が100か」

友「俺達の部隊は合わせて300ってとこか?」

男「だな、ノゼとユルがいることを考えると余裕すぎるな」

友「それにこっちの兵士は普通の兵士とは違うしな」

男「それじゃ包囲して攻城梯子を作り始めるか」


仮想時間3月12日 夕方 ドガ周辺

男「よし、攻城の準備が整ったな」

男「攻城梯子を城壁に立てろ!」

城壁に梯子が立てられた

「敵兵が迎撃のため城門を開けて突撃してきました」

男「なんだと!?」

友「こういうこともあるんだよ!全員!戦闘態勢!」

男「くっ!弓兵ドールは後ろで待機!歩兵ドールと騎兵ドールは20歩先で密集隊形で待機!」

友「全員!男に指揮を合わせろ!」

男「ノゼとユル、歩兵の負担を減らすためにできるだけ削らしてきてほしい」

ノゼ「承りました!」

ユル「(こくっ)」

友「俺達はどうするよ?」

男「俺は行っても歩兵以下の活躍しかできない、友は行っても活躍できると思うが」

友「それじゃ一丁行きますかね、国王様直々の指名だしな」

「敵軍の特攻は失敗に終わりました」

男「ふぅ、死傷者もなしだ、今の特攻で100ってとこか?」

友「そんなもんだな、俺の部隊は人間の兵士がちょっと負傷してるな」

男「彼らには休んでもらって・・・と、改めて攻城開始だ!」

友「ああ!」

「ドガ攻城戦を開始します」

友「全兵士!男に指揮を合わせろ!」

男「全弓兵ここで待機!歩兵と騎兵は20歩前進し密集隊形で盾を構えろ!」

男「全弓兵!撃ち方始め!」

弓兵が矢をつがえ一斉射撃を繰り出す中

???「俺の街を攻撃するのは誰だ!」

敵の領主が自ら城壁に出てきた

男&友(あ、アホだ)

シュンッ

???「っ...」バタッ

見事なまでに頭に矢が刺さった


「城壁を制圧しました、敵兵は街の路地で抵抗を続けています」

男「しぶとい奴らだな・・・」

友「まぁここを取られたらあっちも相当な痛手だろうしな」

男「ノゼ、ユル!歩兵の先行を頼む!」

ノゼ「はいっ!、皆さん!私に続きなさい!」

兵士達「うぉぉぉぉ!」

男「なんかノゼが指揮を執ったほうがいいような気がしなくもないが・・・」

友「まったくだな・・・」

その後は路地の敵を蹴散らし、城内で抵抗していた敵もあっさり制圧し

「おめでとうございます、ドガの攻城に成功しました」

「ドガが男王国によって攻略されました」

男「ふぅ、終わったな」

友「お疲れさん」

男「友もお疲れ」

友「ここの領主は誰になるんだ?」

男「もし他国の諸侯がこっちに亡命とか寝返ったりした時に渡したいんだ」

男「だから保留、と行きたい所だけど絶対に取り返しに来るだろうし」

男「うーん・・・とりあえず俺が領主になるよ」

友「わかった」

「男様がドガの所有権を得ました」

男「それじゃあ俺はここの守備兵に当てるための兵をニレシラ城から連れてくる」

友「俺はヘツガンに戻って兵の補充とか色々してくるよ」

男「わかった、それじゃあまた後で」

仮想時間3月12日 夜 ニレシラ城

男「これだけドガの守備兵に回せば大丈夫かな?」

とりあえずニレシラ城の守備兵から100ほどを割いて自分の部隊に組み込んだ

「クーゼ国王の命によりヌハフ様は王国を追放されました」

「彼は男王国に亡命したとの噂です」

男「俺んとこかよ・・・しかも顔見知りだし」

これまでにも亡命のアナウンスはちらほらあったが

自分の国に亡命してきたのは初めてだ

ノゼ「どうします?とりあえずあちらの主張だけでも聞いてみますか?」

男「俺の国には圧倒的に部隊数が少ないからできれば引き入れたいが・・・」

見張り「国王様、ヌハフという人物が入城を要求しています」

男(さっそくか・・・)

ノゼ「マスター、ご安心を」

ノゼ「私はドールですから、人の目を見れば信用できるかわかります」

男「すごい微妙にチートな能力だね・・・」

ヌハフ「久しぶりかな?男国王」

男「あぁ、そうだな」

ノゼ「それで?マスターにどのような御用でしょうか」

男「ノゼ!」

ノゼ「・・・(こくっ)」

男「・・・ごめん」

男(一応信用はできるか・・・そうだ)

男「とりあえず名誉値見せてもらっていいか?」

ヌハフ「??わかった」

男(名声はいいとして・・・名誉値137か)

名誉は高ければ高いほど善良ということ

男(裏切りはほぼ無いと考えていいな、ノゼも信用できるって言ってるし)

男「よろしい、あなたの忠誠を受け入れよう」

ヌハフ「ありがとう、男国王」

「ヌハフ様が男国王に忠誠を誓いました」

男「堅苦しいのはなしだ、俺はあんたが忠誠に背かない限り保護する」

ヌハフ「わかった」

男「そうだ、ヌハフ」

ヌハフ「なにか?」

男「おーい!」

兵士を呼び出す

男「こっちの100人を授ける」

ヌハフ「いいのか?」

男「ただし、これは野戦用の兵士じゃない」

男「ヌハフにドガを授ける」

ヌハフ「えっ?」

男「いらないなら俺が引き続き収めるが」

ヌハフ「とんでもない、ありがたい」

「ヌハフ様がドガを与えられました」

男「その100人をドガの守備兵に回してくれ」

ヌハフ「わかった」

男「それじゃあ俺は今日は休むよ」

ヌハフ「はい、それじゃあ」

去っていくのを待ってから...

男「ノゼ、さっきなんであんなことを・・・」

ノゼ「マスターを傷つけた方を快く思うなんて無理です」

男「・・・大丈夫だよ、ありがとう」

ノゼ「マスターの重荷にならないためにも今後は気を付けます」

男(本当に領土与えて大丈夫かな・・・?)

心配しつつも

男(まあ寝返られたらまた取り返せばいいか)

完全に脳筋思考である

仮想時間3月13日 朝 ニレシラ城

http://i.imgur.com/lRL2oFB.png
男「ふむ・・・」

地図を見る限り寝ている間も包囲されてないみたいだ

男(いくらなんでも動きが鈍すぎだ・・・どれだけ兵士不足なんだ・・・)

ノゼ「マスター、あの方たちは誰でしょう?」

男「ほんとだ、いつの間にいたんだろ?」

城の中に見知らぬ二人の人が立っていた

???「これは・・・男国王様、初めまして」

男「あなたたちは?」

???「私はこの国の大臣です」

男「大臣・・・そうか、独立してから城に入ってなかったか」

独立してから今までずっとクーゼ王国の侵攻に集中していたため城に入る機会がなかった

???「私は財務官でございます」

男「そうか、大臣は何をしてくれるんだ?」

大臣「私は他国の王に特使を送る、元帥を変更、拠点の移動、祝宴の開催、諸侯様の領土の割り当て」

大臣「考えたくもないことですが裏切りそうな諸侯の追放等ができます」

男「ふむ・・・財務官は?」

財務官「国庫の管理、領土の税率の変更等です」

男「国庫もあるのか、助かるな」

男「それじゃあ国庫にこれだけ預けて置いてくれ」

全財産の半分、約10万デルほどを財務官に渡した

財務官「かしこまりました」

男「後は・・・元帥は誰になっている?」

大臣「特に変更がないので男国王様自身でございます」

男「元帥を友に、それから拠点をスガーに移してくれ」

大臣「かしこまりました、すぐに支度いたします」

「友様が新たな元帥に任命されました」

仮想時間3月13日 昼 スガー 城

男「よし、こっちにドール兵士の生産体制を移したし後は・・・」

特使「失礼します、男様、クーゼ国王からの特使です」

男「クーゼ国王から?なんだ?」

特使「クーゼ国王が30日の休戦を求めています」

男(やはりあちらは相当辛いか・・・)

男「ふむ・・・よろしい、30日の休戦に同意しよう」

手紙にサインをして

特使「確かに、それでは」

「クーゼ王国と男王国が休戦協定を結びました」

ノゼ「これで少しは負担が減りますね」

男「そうだといいけど・・・」

ノゼ「??どういうことですか?」

男「俺達の国が隣接してるのは二つだけじゃない、ウィレナ王国も隣接してる」

ノゼ「もしかしたら宣戦布告を・・・ということですか?」

男「そういうこと」


「友様が男様に招集命令を出しました」

男「どこか攻めるのかな、とりあえず出発しようか」

ノゼ「はい!」

仮想時間3月13日 夕方 キャマー周辺

男「おーい!友ー!」

友「お、来てくれたか」

友「しかしなんで急に俺が元帥なんだ?あとヌハフが忠誠を誓ったとか」

男「俺国王だからさ、元帥だったとしてもそこまで手が回らない」

男「ヌハフに関しては名誉値も高いしノゼが信用できるってことで迎え入れた」

友「ノゼってそういうの見抜けるのか・・・」

男「ドールだから、らしい」

友「なるほど・・・な、でここだが」

男「攻城するんだろ?」

友「まあそうだな」

男「守備兵は?」

友「ざっと見て守備兵に300、諸侯の部隊で200ってとこか?」

男「そうか、それじゃ、行きますかね」

仮想時間3月13日 夜 キャマー周辺

友「よし、攻城準備ができた」

友「攻城梯子を立てろ!」

「キャマー攻城戦を開始します」

男「全ドール!指揮は友に合わせろ!」

友「弓兵は横一列でここに待機!歩兵と騎兵は30歩前進し盾を構えろ!」

友「全弓兵!撃ち方始め!」

友「ふぅ、よかったのか?男」

男「今の元帥は友だからな」

友「そういうことか」

男「ノゼ、ユル!先行お願い!」

ユル「(こくっ)」シュッ

こっち見て頷きながら投げ斧を投げた!

ザシュッ

しかも敵の頭に当たった!

男「ユル・・・なんかの芸みたいだ・・・」


「城壁を制圧しました、残りの敵兵は城の中で抵抗を続けています」

男「ここに滞在してる諸侯が出てこなかったってことは・・・」

友「気を付けろよ、城の中で戦う気だ」

目で皆に確認を取る

男「(3・・・2・・・1・・・)」

指で合図を取り

バンッ

勢いよく城の扉を開けた

ノゼ「はっ!」シュッ

ユル「っ!」シュッ

二人の投げ斧がそれぞれ別の敵兵にヒットした

???「くっ!またお前らか!」

男「誰だお前!?」

???「失礼な!ラゴ元帥と一緒に居ただろ!」

男「ん?・・・あぁ!独立前にノゼのレイピアソードで焦がされた奴か!」

友「ルロ!?」

ルロ「焦がされてない!って友!?」

男「なんだ友知り合いか?」

友「あぁ、俺の数少ない親友だ」

男「そうなのか」

周りを見回してみるといつの間にかノゼとユルが敵兵を殲滅していた

友「悪い、男、こいつとタイマンさせてくれ」

男「俺はいいが、負けたらどうするんだよ?」

友「負けたら男が頑張ってくれ」

男「お、おう」

ルロ「お前が忠誠を撤回してたのは知ってたが・・・」

友「イフケ国王には幻滅したからな」

ルロ「友の気持ちもわかるな」

友とルロがお互い剣を構える

友「はぁ!」ブゥン

ルロ「くっ!」ガキンッ

ルロ「へぁ!」ブゥン

友「ふっ!」ガキンッ

友「はっ!」パッ

友が能力発動の構えを取る

友「ふんっ!」ザシュッ

ルロ「ぐっ!?」

なぜかルロが盾を構えない

男(そうか、盾を持つ手を凍らせたか)

友「ルロ、すまん」

ルロ「ふっ、一思いにやってくれ」

友「・・・」ザシュッ



「おめでとうございます、キャマーの攻城に成功しました」

「キャマーが男王国によって攻略されました」

ルロ「ふぅ、逃げられないか」

友「捕虜に捕る気はまったくないがな」

男「もちろん俺もだ」

ルロ「恩に着る、それでは私は行くよ」

ルロ「それから友」

友「ん?」

ルロ「また一緒に戦えるといいな、今度は味方でな」

友「・・・その時が楽しみだよ」


仮想時間3月13日 夜 キャマー

男「ここの領主誰にしようか」

友「俺はもういいよ、というか領土3つ以上は税金取りすぎって理由でマイナスされるし」

男「俺も2つ持ってるからヌハフに...」

「ルロ様がイフケ王国の忠誠を撤回しました」

友「・・・あのバカ」

ルロ「何か言ったか?友」

友「・・・お前はどこまでもお人好しだよ」

ルロ「何言ってるんだ、自分の領土が奪われたから撤回するには十分だろ」

友「普通それだけで忠誠を撤回しねえよ!」

ルロ「まあまあ、それで男国王」

友「男、こいつは見ての通りお人好しだから名誉値200は超えてるぞ」

男「ふむ」チラッ

ノゼ「(こくっ)」

ユル「(こくこく)」

どうやらユルはえらく信用してるみたいだ、二回頷いてる

男「わかった、あなたの忠誠を受け入れよう」

「ルロ様が男国王に忠誠を誓いました」

男「領土を奪って早々悪いんだがもう一度キャマーを授ける」

男「というか返すのほうが近いか」

ルロ「ふふっ、よろこんで」

「ルロ様がキャマーを与えられました」

男「それじゃあ今日はここの宿屋に泊まるかな」

友「俺は一旦ヘツガンに戻る」

ルロ「私は近くの村から募兵して守備兵に回すかな」

男「それじゃみんなまた今度」

仮想時間3月14日 朝 キャマー

http://i.imgur.com/s8Ko6Rm.png
男「ふぁぁぁ~」ノビー

地図を取り出して見ると...

男「うわー、ひでぇなこれ」

あれだけ領土があったクーゼ王国が今や二つの城しかなくなっていた

男「休戦が手遅れだったな」

男(ここまで来ると寝返り、亡命する諸侯が多くなるな)

ノゼ「マスター、今日はどちらに?」

男「うーん、トア城辺りを落としに...」

「キャマーがイフケ王国によって包囲されました」

男「そうも行かないみたいだな」

ラゴ「国王自らが出てきたか」

男「それでイフケ王国の元帥さんが何をしにここへ?」

ラゴ「減らず口を叩けるのも今の内だぞ」

男「ふむ・・・一つ聞くが、あんたはイフケ国王より上か?」

ラゴ「は?」



「おめでとうございます、戦闘に勝利しました」

「ラゴ様は逃げ延びました」

男「ふぅ、ノゼ、今の時刻は?」

ノゼ「11時40分です」

男「こりゃ今日は攻城は無理だな」

ノゼ「ではスガーに戻りますか?」

男「うーん・・・何をするにしても微妙な時間だなー」

考えていると伝令らしき人物がナヘロの方向から向かってきた

特使「男様、イフケ国王からの特使です」

男「・・・用件は?」

特使「イフケ国王が30日の休戦を求めています」

男(クーゼ王国の二の舞にならないように早めに来たか)

男「わかった、同意しよう」

手紙にサインをする

「イフケ王国と男王国が休戦協定を結びました」

男「一気に手持ち無沙汰だ・・・」

ノゼ「どうしましょう?」

男「うーん・・・」

しばらく考えて

男「よし!ノゼ、ユル、そろそろ家を持とうか!」

ノゼ「!?そ、そそ、それはつまり私とマスターの愛の巣ということでしょうか!?」

ユル「・・・」ゴゴゴ

男「いや愛の巣って何!?しかもユルもいるから!」

ユルが珍しくご立腹だった

仮想時間3月14日 昼

建設業者「ここでいいですか?」

男「はい、大丈夫です」

家の立地はスガーとマーレラ城の間

建設業者「それでは5万デルでどうでしょうか」

男「はい、きっちり5万デルです」

建設業者「それでは約1週間で建設が終わるので終わったら連絡いたします」

男「わかりました、ありがとうございます」

ノゼ「マスターと私の・・・」ボー

ユル「・・・はぁ」ふるふる

男(なんだユルのあの呆れきった表情は)

仮想時間3月14日 夕方 スガー

男「ノゼ、ユル、装備なんだけど」

男「今持ってる投げ斧と剣だけで大丈夫?」

ノゼ「私はこれだけあれば・・・強いて言えば投げナイフを」

ユル「ユルはやりがほしいかな」

男「槍と投げナイフね?わかった」

いつかの時に聞いた説明を思い出して武器屋に向かって歩き出した

武器商人「いらっしゃい、何をお探しだい?」

男「特注の槍と後は・・・ラウンドシールドと弓も作ってもらえるか?」

武器商人「全部特注だと1万ほどだがいいかい?」

男「ああ、後矢と投げナイフはどこだ?」

武器商人「矢はそこの棚、投げナイフはそっちの棚だ」

男「ふむ、これを」

武器商人「全部まとめて1万1300デルだ」

男「はいよ」ドサッ

武器商人「それじゃ一週間後にまた来てくれ」

男「わかった、ありがとう」

男「でもなんで槍なの?ユル」

ユル「このまえいっぱいのきへいにふみつぶされた」

男「あぁ、独立前のあれか」

ユル「それからきへいのことをらいばるし、してるところがあるかな」

男「たしかに騎兵は歩兵の槍に弱いし」

ユル「おとこはなんでたてとゆみ?」

男「攻城戦だと二刀流は使い勝手が悪いし、1対多数になると盾があると便利なんだ」

ユル「なるほどね」

男(しかしこんな小さい子が槍振り回してるの想像すると可笑しいな)

それからは宣戦布告されることもなく、まさに何事もなかった

そして一週間後...

仮想時間3月21日 朝 スガー

男「さて、まずは武器屋に行こうか」

ユル「・・・(ふんっふんっ)」

男(うん、鼻息に期待と気合がみなぎってる)

武器商人「お、丁度できた所だよ、ほら槍と盾と弓だ」

男「ありがとう」

弓と盾だけを受け取って

ユル「オォ・・・」

男「ユル、訓練所のカカシで試してみる?」

ユル「(こくっ)」

男「ノゼはどうする?」

ノゼ「私も付いていきます」

仮想時間3月21日 朝 スガー 訓練所

訓練長「おう、よく来たな」

男「カカシを使わしてもらってもいいですか?」

訓練長「好きにしてくれ」

男「それじゃあまずは俺の弓の腕を鍛えないと・・・」

弓を構え矢をつがえる

シュンッ

男「Oh・・・これは相当練習が必要だな」

狙ったのはカカシの頭、当たったのはカカシの手

男「ユルも試してごらん?」

ユル「(こくっ)」

ユルが槍を構え

ユル「ふんっ!」スッスッ

刺すのが早い!しかも的確に鎧の隙間を狙ってる!

ユル「これであのいまいましいきへいを・・・」

的確に鎧の隙間を槍で突いてくる兵士・・・

男(敵に居たら怖いなこれ)

仮想時間3月21日 昼 スガー 訓練所

男「ふぅ、こんなもんかな?」

10発中6発は狙ったところに大体当たるようになった

建設業者「男さん、ここにいましたか」

男「あ、どうも」

建設業者「建築が終わったので報告に来ました」

男「わかりました、それじゃ行こっか」

ユル「(こくっ)」

仮想時間3月21日 夕方 家

男「すげえ広いな・・・現実で買ったら5億以上しそうだな・・・」

ノゼ「掃除だけでも大変そうですね」

友「いやー、男いい家建てたなー」

男「ああ、奮発した甲斐があった・・・って友!?」

友「驚くことないだろ、マーレラ城からスガー行くときに通るんだよ」

男「そりゃそうだがよく見つけられたな」

友「俺も驚いたよ、こんな森の中に誰が建築するんだろうってな」

男「戦争してる時にバレたらまずいしな」

友「まあここならそうそう見つからないだろ」

男「だから選んだんだけどな」

友「それじゃ俺はこれで行くよ」

男「何しに来たの?」

友「男の新居を見に来ただけ、それじゃあな」

男「台風みたいな奴だな」

ノゼ「ここの家何部屋あるんでしょう?」

男「たしか9部屋ぐらいって言ってた気がするけど」

ノゼ「それでは十分ということですね」

男「そうだね、俺達が暮らすには十分すぎる広さだ」

男「それじゃあ部屋の割り当てをしようか」

男「2階のこっちがノゼの部屋、こっちがユルの部屋ね」

男「俺の部屋はここ」

男「食堂とか風呂は1階みたいだね」

男「1階の余ってる部屋は適当に書斎とかにしようか」

仮想時間3月21日 夜 家

男「それじゃ新居祝いにカンパーイ」

ノゼ「カンパーイ」

ユル「かんぱい」

男「って言っても二人は飲み物飲めないか」

男「それじゃ、頂きまーす」

ノゼ「はーい♪」

ユル「・・・」ジー

男「??ユルどうしたの?」

ユル「ふんっ」チョコン

ノゼ「ユルさん!?マスターのお食事の邪魔をしてはいけません!」

ノゼ「ズルゥイ!そんな・・・ユルさんだけマスターの膝に丁度よく収まるサイズだなんて・・・」

男「それは俺に言わないでくれ・・・」

あっという間に寝る時間になった

ノゼ「マスター、今日こそは一緒に...」

ユル「ノゼはこっち」

ノゼ「あぁ!?マスタぁぁぁー」ズルズル

男「それじゃおやすみ」フリフリ

一応引きずられていくノゼに手を振っておく

男(しかしあの体でノゼを引っ張っていけるとは・・・中々にパワフルだ)


仮想時間3月22日 早朝 家

ガチャッ

ユル「おとこ、あさ」

男「ぅぅん...」ユサユサ

ユル「・・・おとこもいろいろあってつかれてる、かな」

カチッ(目覚ましを止める音)

ユル「きょうはもうちょっとやすませる」

ユル「(こくっ)」

コンコン

ノゼ「マスター、起きてください、ユルさんいつまでかかってるんで...」ガチャッ

ユル「すぅ...すぅ...」

ノゼ「な、な、なななな、何をしてるんですかユルさん!起きてください!」

ノゼ「私でさえも一緒に寝てもらったことなんてありませんのに!」

ノゼ「そんなに気持ちよさそうに・・・」

ノゼ「・・・そっちがそのおつもりなら知りませんからね!」



男(暑い!死ぬ!風呂の湯が重い!上がれない!)

男(はっ!?)

今すごく暑くて苦しい夢を見ていたような気が・・・

男(ってあっつ!しかもおっも!)

・・・重い?

ノゼ「ふふっ、マスターったら...」

ユル「...すぅ」

男「だぁぁぁ!?何やってんの二人とも!?」

とりあえずノゼの体を揺する

ノゼ「...??マスター?」ユサユサ

男「マスター?、じゃない!起きて!」

ノゼ「そうでした!ユルさんいつまで寝てるんですか!」

枕に顔を埋めながら言うことじゃない!

ユル「うるさい・・・まだねむい・・・」

男「だめ!起きる!長く寝すぎるとリズムがずれてくるよ!」

大体ドールって睡眠必要なんだろうか?食事はしないのに

男「ノゼ、朝食お願い」

ノゼ「はいっ!」

ユル「・・・」チョコン

男「ユル、そこの位置気に入ったんだね」

丁度いいところにある頭に顎を置きながら

男「とりあえず地図を見てみるか」

地図を見てみると...

ノゼ「マスター、朝食はベーコンエッグか卵焼きどちらに...」

男「ちょっと待って!?俺が見ていない1週間で何があった!?」

http://i.imgur.com/XenMQH1.png
ノゼ「まぁ、クーゼ王国が虫の息ですね、あとユルさんマスターの膝に乗ってはいけません」

男「あのクーゼ王国の領土が城一つ・・・滅亡するかもしれないな」

ピンポーン

男「誰だこの朝から・・・」

男「ユル、ちょっと降りてくれる?」

ユル「(こくっ)」スタッ

玄関に向かいドアを開けた

友「おっす」

男「お引き取りください」バタン

友「おい!ちょっと待てよ!」

男「ノゼ、友の分もお願い」

ノゼ「かしこまりました」

男「友、地図見たか?」

友「あぁ、クーゼ王国がそろそろやばいな」

男「これって滅亡したらどうなるんだ?」

友「わからないな、今まで一度も王国が滅亡したことないらしい」


「ブソナ城がウニア王国によって包囲されました」


男「本格的にまずいんじゃないか?クーゼ王国」

友「俺らが心配しても仕方ねえ、敵同士なんだからさ」

男「そうだな・・・」

仮想時間3月22日 朝 家

男「コーヒーうめぇ」

友「こういうのもいいな」

朝食を済ませてゆっくりしていると


「ブソナ城がウニア王国によって攻略されました」


男「ブーーーーーッ」

友「うわ!?きたねえ!」

男「いやだって...」

「クーゼ王国は活動できる諸侯がいなくなりました」

「もはやクーゼ王国は存在しません」

友「もはやって・・・たしかに滅亡だけど」

ノゼ「マスター!クーゼ王国が滅亡したとの知らせが!」

男「うん、今聞いてたよ」

男(こうも簡単に滅亡するのか・・・)

「クーゼ王国滅亡によりクーゼ様は国王から旅人になりました」

友「そうか、普通に考えたら国王じゃなくなるな」

男「てことはクーゼ元国王は普通の諸侯として活動するわけか」

友「だろうな」

それからは何もなく学園戦争終了の日


仮想時間4月8日 夕方 家

男「そろそろだね」

ノゼ「マスター、できるだけ早く戻ってきてくださいね?」

男「それは俺がどうこうできる問題じゃないけど、なるべく早く来るよ」

ユル「(くいくい)」

男「ユルも、戻ってくるから待っててね」

ユル「(こくっ)」

「今日の学園戦争は終了です、10秒後に現実世界へ戻ります」

男「それじゃ、また来週、じゃなくて明日かな?」

ノゼ「はいっ!」

5月18日 放課後

男「ふぅ、この1時間で独立して、大分伸ばしたな」

友「本当にな、男王国の軍事力には驚かされるよ」

男「お、友か、まぁ俺合わせて4人活動できる諸侯がいるしな」

友「でも最初はほぼお前1人だったろ」

男「友も手伝ってくれたじゃん」

友「そうか?俺ほとんど何もしてない気がするけど」

男「それでも最初の攻城戦は友と二人でしたからな」

友「まあどっちにしても俺は満足してる、領土もあるし」

男「そうか、それはよかった」

5月19日 朝 昇降口

男(なんか今日はやけに指差されることが多い気がするな)

それだけじゃなく何かコソコソと話してる奴もいる

男(言いたい事があれば言えばいいのに)

そう思いながら靴箱を開けると...

男(・・・こういうことか)

画鋲トラップじゃないだけまだマシである


5月19日 朝 教室

男「友、お前は大丈夫か?」

友「・・・男もか?」

男「多分同じだと思うが」スッ

靴箱に入っていた物を見せる

友「まったく同じだな」

『男王国許さない』と赤文字で書かれた紙を友も見せてくる

男「やっぱバーチャルネーム別にしたほうがよかったな」

友「まったくだよ」

友「大体よ、俺達はクーゼ王国を滅ぼした訳じゃねえ、止めを刺したのはウニア王国だ」

男「ごもっとも、ていうか部活より気軽な活動になんでここまでマジなんだよ」

友「知らねえ、連中相当イラついてたんじゃねえの?」

男(宣戦布告したのはあっちなのにな・・・)


5月25日 放課後

あれからも嫌がらせは受けた

男(しばらく経ったら嫌がらせは収まるだろう、それより・・・)

友「男ー、行こうぜー」

男「あぁ、そうだな」

「おかえりなさい、男様」

「最後にいた場所にテレポートします」

仮想時間4月9日 朝 家

ノゼ「おかえ...」グイッ

ユル「おかえり、おとこ」

ノゼ「ユルさん酷いです!・・・おかえりなさい、マスター」

男「あ、あぁ、ただいま」

男(ユルの自己主張が激しいけど何かあったのかな)

ノゼ「今月はどうされるんですか?」

男「うーん、完全にやることが...」


「ウニア王国が男王国に対して宣戦布告をしました」


男「そうでもないみたいだな」

ノゼ「まぁ、ウニア王国もどこぞの国のように戦バカでしょうか?」

クーゼ王国って戦バカだったっけ?

男「でも都合がいい、あちらの事情は知らんがこっちが見たら油断してるもいいとこだ」

ノゼ「と言いますと?」

男「つい最近までクーゼ王国と戦争していた、尚且つ領土を大量に得たことで起こる問題」

男「しかも諸侯が大量に詰めかけてる最後の城を無理やり落としたんだ」

ノゼ「守備兵と精鋭兵士の不足ですね?」

男「頭が回るね、そういうことだ」

「友様が男様、ヌハフ様に招集命令を出しました」

男「元帥様からの招集命令も出たし、行こっか」

仮想時間4月9日 昼 ブソナ城

友「よし、みんな集まったな」

男「っていっても3人だけだけどな」

ヌハフ「これから攻めるのか?」

友「まずは元クーゼ王国の領土、ブソナ城だ」

男「守備兵の数は?」

友「聞くまでもないだろ、100ぐらいだ」

男「余裕だな、行くか」


仮想時間4月9日 夕方 ブソナ城

友「来たか、男、どうする?」

遠目にウニア王国の旗を掲げてこちらに向かう部隊が見えた

男「遠征軍か、だがあっちの兵士は精鋭がほぼいないはず」

ヌハフ「やるのか?」

男「そうしないとあっちは話聞く気なさそうだしな」

先頭に立っていた人物がこちらに向かってくる

???「これはこれはお揃いで」

友「そっちは顔を知ってるかもしれないが俺達は知らない、名を名乗ってもらおうか」

???「俺はザロ、ウニア王国の元帥だ」

ザロ「話す気はないぞ、降伏か気絶かだ」

友「まったく・・・どいつもこいつも戦バカかよ」

男「それ朝に似たようなことをノゼから聞いたよ」

ザロ「全員!戦闘態勢!」

数はこちらが500に対してあっちは大目に見ても800か

男&友&ヌハフ「全兵士!出てこい!」

男&ヌハフ「全員!指揮は友に合わせろ!」

友「弓兵はそこの丘で待機!歩兵は弓兵の20歩先でカバー!騎兵は今すぐ突撃!」

男「俺は敵将の一騎打ちに行くよ」

友「俺は兵士の指揮をする」

ヌハフ「俺は敵の騎兵を全員下してくるよ」

男「そういや水だっけか、助かるな」

ヌハフ「どうも」

男「ノゼは先行で適当に投げ物まき散らしながら気を引いて」

男「ユルはノゼが気を引いたと思ったら奇襲して一人を集中しててほしい」

男「俺はユルが一人倒したタイミングで奇襲する」

ノゼ「仰せのままに!」

ユル「(こくこく)」

馬を走らせて敵の諸侯を探す

男(あれか、人数は・・・6か?)

ノゼが一気に4人ほどの相手をしているのが見えた

男(よく見ると2人が倒れてるということは8人か・・・俺いらなくないか)

馬を降りてユルが相手をしている敵に狙いを定めて

シュンッ

???「!?」

敵の背中に矢が突き刺さった

その直後

ユル「ふんっ!」ザシュッ

???「ぐほぉ!?」バタッ

ユルの薙ぎ払いがもろに入り吹っ飛んだ

敵が倒れたのを確認して剣と盾に持ち替える

男「はぁぁ!」ザシュッ

???「...」バタッ

ザロ「新手か!」

ノゼ「あなたの相手は私です!」ザシュッ

ザロ「くっ...!」

男「へぁぁ!」ブゥン

???「!」ガキンッ

ユル「んっ!」スッ

男(ユルはショックウェーブ体制か、なら)

男「ふんっ!」スッ

突き攻撃を入れ

???「ぐっ!」ザッ

敵が後ろに避けたのを確認して素早く後ろに下がる

ドシュゥーン

???「っ!?」バタッ

1人を狙ったみたいだが巻き添えで2人が倒れた

男「チェックメイトだっ!」ザシュッ

???「うぐっ...」バタッ

ノゼが相手にしていた残りの1人を後ろからの斬撃で倒す

男「ふぅ、これで敵将は全滅か」

ノゼ「あちらの援護に行きますか?」

男「行ってもすぐ終わりそうな気もする、でも一応」

案の定援護に向かっても数十人しか敵兵は残っていなかった

「おめでとうございます、戦闘に勝利しました」

「ウニア王国の諸侯達は逃げ延びました」

男「人数が多くて一まとめにされたな」

友「まったく、お前はなんでこうも敵将を全滅させるんだ」

男「やっぱり指揮を先に潰した方が戦いやすいだろ?潰してる間に敵兵大半いなくなるけど」

ヌハフ「噂に違わぬ化け物だったか・・・攻城はどうするんだ?」

友「もちろん攻める、ウニア王国の諸侯はほとんど潰したからしばらく動けない、今が攻めるチャンスだ」

友が言った通り諸侯の動きが鈍い、というかほとんどなかった


「おめでとうございます、ブソナ城の攻城に成功しました」

「ブソナ城が男王国によって攻略されました」

男「よし、ここはヌハフに授ける」

ヌハフ「ありがたきお言葉!」

「ヌハフ様がブソナ城を与えられました」

友「ヌハフはこのまま待機、男は俺と一緒に城を荒らしまわってくれ」

男「了解、元帥様」

ウニア王国の諸侯が動きに出ない、ブソナ城の攻城成功等の理由で男王国は勢いに乗った

勢いに乗った者は凄まじい、と言うがまったくその通りで

リア城、ケテ城、パーゼ、ピャケを次々に落としていった

前の戦争で消耗していたウニア王国に回復する機会も与えない大打撃を食らわした

仮想時間4月11日 昼 ピャケ

男「とりあえず領土の配分はリア城をルロに授ける、後は一旦俺が全部収める」

「ルロ様がリア城を与えられました」

「男様がケテ城、パーゼ、ピャケの所有権を得ました」

友「しっかしこれだけ派手に暴れたらあっちも反撃してくるだろうな」

男「だろうな・・・ふぁぁ~」

友「仮眠全然取れなかったか?」

男「そりゃ包囲中に仮眠とか・・・正直寝れんよ」

友「俺も全然寝付けなかった、とりあえず仮眠取るか」

「ウニア国王の命によりザロ様は王国を追放されました」

「彼は男王国に亡命したとの噂です」

男「なんで元帥様が追放されてんだ・・・」

友「多分戦争の被害を回復もしてないのに宣戦布告した国王に不満爆発したんじゃねえの?」

男「とりあえず俺はスガーに戻る、信用できそうなら引き入れる」

友「わかった、俺はピャケで仮眠取るからこの辺なら包囲されても大丈夫だ」

仮想時間4月11日 夕方 スガー 城

男「ザロか?」

ザロ「あぁ、男国王、どうも」

ザロ「ウニア王国にはもううんざりだ、国王の考えなしには耐えられない」

男(こりゃ相当不満が溜まってるな・・・)チラッ

ノゼ「(こくっ)」

ユル「(こくっ)」

男(二人共信用できるか)

男「名誉値を見せてくれ」

ザロ「あぁ、はい」

男(名誉値・・・500!?)

てっきり戦バカかとばかり思ってたので驚いた

男「あ、あぁ、ありがとう」

ザロ「私、ザロは男国王に忠誠を誓う」

男「よろしい、受け入れよう」

「ザロ様が男国王に忠誠を誓いました」

男「ザロ、パーゼとケテ城を授ける」

ザロ「二つも・・・ありがとう」

「ザロ様がパーゼとケテ城を与えられました」

男「それじゃあその二つの管理、任せた」

ザロ「もちろん、お任せあれ!」


男「あー、どうしよう」

ノゼ「どうかされました?」

男「家に戻って寝るかここで寝るか迷ってる」

ノゼ「家も近いですし家に戻られた方がよいのでは・・・?」

男「うーん・・・そうだね、そうしよう」

本当は今すぐにでも寝たい

仮想時間4月12日 早朝 家

男「完全にデジャヴだな、これ」

いつかのぶっ続けで城を落とした時の事を思い出した

http://i.imgur.com/vhcvy6k.png
持ち物から地図を出して見る

男「ふむ、いつの間にかミニナ城も落ちてる、誰が落としたんだ?」

とりあえず...

男「ノゼー、朝食お願いー」

2階から食堂に向かって叫んでおいた

ノゼ「かしこまりましたー!」

仮想時間4月12日 朝 家

男「よし、そろそろ出発しよう」

ノゼ「今日のご予定は?」

男「友に合流した後残りの二つの城に一気に畳みかける」

ノゼ「もしかしたら今日がウニア王国の滅亡に・・・」

男「そうだね、さっさと決着を付けたい」


仮想時間4月12日 昼 タンユ城

友「お、男か、寝れたか?」

男「ぐっすり寝れた、包囲してるのか?」

友「あぁ、ルロもいる」

ルロ「やぁ、男国王」

男「あぁ、あと準備どれくらいだ?」

友「もうすぐ終わるよ」

しばらくして

友「よし、終わった、攻城梯子を立てろ!」

「敵兵が迎撃のため城門を開けて突撃してきました」

友「しぶとい連中だ!全員!戦闘態勢!」

男&ルロ「全員!指揮は友に合わせろ!」

友「弓兵は10歩後退、位置に付いたら撃て!歩兵と騎兵は20歩前進し密集隊形!」

友「あれは・・・敵の諸侯も出てきやがったか!」

男「城の中に何人いた?」

友「・・・5人」

男「この狭いところで5人か・・・」

男「ノゼ、ユル!先に剣の能力で減らしてほしい!」

ノゼ「はぁぁ!」スッ

ユル「んっ!」スッ

二人が剣を突き出す

ドシュゥーン

ドゴォーン

剣気と雷が敵将に向かって飛んで行った

男「よし、2人も削らせれば十分だ!突撃!」

ノゼ「へぁぁ!」ブゥン

ユル「っ!」ブゥン

二人が戦ってる間に側面を走り敵将の横まで行って狙いを定める

シュンッ

???「くっ!?」

胴体を狙ったつもりが思いっきり足に当たった

ノゼ「ふんっ!」ザシュッ

???「...」バタッ

男(まあ結果オーライか)

友「男!援護する!」

男「友、敵兵は?」

友「ほぼ壊滅、後はそこの諸侯だけだ」

ルロ(【超人姉妹を使役してる化け物】か・・・)

ルロ「友が言ってた事って本当だったんだ」

男「??何のことだ?」

ユル「よいっしょっ!」ザシュッ

ユルの大剣振り下ろしがもろに入った

男(あれ食らったらえげつないな・・・)

友「はっ!」パッ

友「ノゼ!後は任せた!」

ノゼ「どりゃぁぁ!」ドン、ザシュッ

足が凍った敵にノゼの回し蹴りコンボが入った


「敵軍の特攻は失敗に終わりました」

男「今ので150ぐらいか」

友「残りの守備兵400もいるんだぜ・・・まあやるけど」

友「それじゃ気を取り直して梯子を立てろ!」

「タンユ城攻城戦を開始します」

友「全弓兵ここで待機!歩兵と騎兵は10歩前進し盾を構えろ!」

友「撃ち方始め!」

ノゼ「ふんっ!ふんっ!」シュッ、シュッ

男「ノゼ・・・命中精度どれだけ高いの・・・」

ノゼが次から次へと投げナイフを投げ始めた

ちなみにすべて鎖骨から上に当たってる

友「撃ち方やめ!」

友「男、頼む」

男「あぁ、ノゼ!ユル!先行で梯子を上って!」

ノゼ「ふんっ!」シュッ

男(こりゃ投げナイフと投げ斧代が高く付きそうだ・・・)

友「弓兵!ここで待機!」

男「いつも通り俺達何もしなくても取れそうだな」

友「弓兵とノゼユルが強すぎるんだよ」

男「逆に歩兵と騎兵は耐久力があるだけで攻撃力はそこまでないけど」

友「耐久力があるってあれ壊れるのか?」

男「首もげたら多分動かなくなる」

友「そこまでしないと動くのかよ・・・」

男「でもウニア王国も弓兵強いよな、クロスボウだけど」

友「命中精度がやべえな、ドールの頭にしかボルトが刺さってねえ」


「城壁を制圧しました、残りの敵兵は城の中で抵抗を続けています」

男「(いくぞ?3・・・2・・・1・・・)」

指で合図を取って

バンッ

ノゼ「はぁ!」シュッ、シュッ

2本の投げナイフが一番奥にいた敵兵にヒットした

男「邪魔だっ!」ザシュッ

手前で盾を構えていた敵兵を切り

ユル「んっ!」ザシュッ

皆が突撃し数十秒で片が付いた

「おめでとうございます、タンユ城の攻城に成功しました」

「タンユ城が男王国によって攻略されました」

男「タンユ城は俺が収める」

「男様がタンユ城の所有権を得ました」

男「よし、ラストの城を落としにいくぞ!」

友「おう!」

仮想時間4月12日 夜 ミア城

文字通りウニア王国最後の砦を包囲して数時間

男「攻城梯子の準備ができたみたいだ」

友「それじゃ、ウニア王国との最後の攻城戦だ!いくぞ!」

男&友&ルロ「うぉぉぉ!」

若干ハイになり気味でミア城の攻城戦を開始してあっさり

「おめでとうございます、ミア城の攻城に成功しました」

「ミア城が男王国によって攻略されました」

「ウニア王国の諸侯達は逃げ延びました」

兵士達「うぉぉぉぉぉ!」

男「よしっ!」

友「終わった!」

攻城戦に勝ったはいいが色々とおかしいことがある

男「でもさ、なんでこの城全然諸侯滞在してなかったんだ?」

友「確かにおかしいよな、なんでだ?」


「キャマーがウニア王国によって包囲されました」


男「Shitとはこういうことか!こっちの城は囮だ!」

友「最後の悪足掻きか・・・男、行こう、決着だ」

男「もちろんだ、このままみすみす回復させてたまるか!」

仮想時間4月13日 朝 キャマー周辺

「キャマーがウニア王国によって攻略されました」

男「ちょっと遅かったな」

友「だがここで決着だ」

???「ずいぶん遅いご到着じゃないか、男国王」

男「誰だ?(女の人って珍しいな)」

???「私はウニア王国の国王、ウニアだ」

男(ウニア王国の国王って女王だったのか・・・)

ウニア「こちらも口を挟む気はない、決着を付けよう」

男「あぁ!望む所だ!」

友「全兵士!戦闘態勢!」

ウニア「全員!戦闘態勢!」

友「弓兵はここで待機!騎兵はそのまま突撃、陣形を組む暇を与えるな!歩兵は騎兵の後に突撃!」

男(敵の部隊数は7か?、兵力は900近く、ウニア王国がこれに負けたら後はないか)

友「男、何ボーっとしてんだ!敵将の奇襲頼んだぞ!」

男「悪い、ノゼ!ユル!行くよ!」

ユル「(こくっ)」

馬を走らせて敵将の側面で降りた

男「ノゼは前回同様気を引いてくれ」

男「ユルは俺と一緒に隙を見て奇襲を頼む」

ノゼ「はいっ!」

男(さてと・・・国王の能力がどんなものか・・・)

ノゼが投げ物を投げたり切りかかったりして気を引いている

男「今だ!一番端の奴を奇襲する!」

ユル「ふんっ!」ザシュッ

男(よし、決まった)

ウニア「はっ!」パッ

ドゴォーン

ノゼ「うぐぅっ!?」バタッ

男「ノゼ!?」

一瞬光った後雷がノゼに直撃した

男「くっ!まずいな!」

男「はぁぁ!」ブゥン

ウニア「ふんっ!」ガキンッ

ルロ「男国王!手伝うよ!」

ルロ「はっ!」パッ

ウニア「なに!?」

男「は!?」

ウニア国王が宙に浮いた

ルロ「ユル!宙に浮いてる奴をジャンプして叩きつけるんだ!」

ユル「んっ!」ザッ

ジャンプ力が高い!

ユル「ふんっ!」ザシュッ

ユルがジャンプをしてからの振り下ろしで地面に叩きつけた

男「へぁぁ!」ザシュッ

それを横目で見ながら敵将に切りかかる

ルロ「はぁ!」ブゥン

???「くっ」ガキンッ

男「後ろががら空きだ!」ザシュッ

ユル「おとこ!」ガキンッ

後ろからの攻撃をユルが大剣で弾いた

男「ユル、ありがとう!」

ユル「へぁ!」ザシュッ

ルロ「ふぁぁ!」ザシュッ

男「終わりだ!」ザシュッ

ルロの相手をしていた一人を後ろから切った


「おめでとうございます、戦闘に勝利しました」

「ウニア王国の諸侯達は逃げ延びました」

ウニア「はぁっ、降伏だ」

男「戦勲見事でありました、解き放ちましょう」

ウニア「ふっ、本当に騎士道精神溢れる男だな」

ウニア「キャマーは好きにしてくれ、どうせ防衛した所で取られるのは目に見えてる」

男「友、どうする?」

友「まあ一応手順に乗っ取って攻城梯子立てて攻城するか」

男「そうか、でルロ、さっきのは?」

ルロ「私の能力だ、重力操作っていうのかな?」

ルロ「だが一回使用したら大体1日使えない」

男「なるほど、強力だがその分気軽に使用できないってことか」

男「そうだ、ノゼ、大丈夫?」

ノゼ「はい、ちょっと足が動き辛いですが」

男「ノゼは休んでていいよ、攻城戦はあってないような物だろうし」

ノゼ「ですが...」

男「こんな時くらい休んでて」

ノゼ「わかりました・・・」

その後攻城梯子を作り攻城戦をしたが守備兵がいなかった

「おめでとうございます、キャマーの攻城に成功しました」

「キャマーが男王国によって攻略されました」

男「ルロ、もう一度キャマーを返す」

「ルロ様がキャマーを与えられました」

ルロ「守備兵勿体ないなぁ」

男「すまん、ここが攻城されると思わなかった」

ルロ「いやいや、戻ってきただけで十分だよ」

男「そう言ってもらえると助かる」

「ウニア王国は活動できる諸侯がいなくなりました」

「もはやウニア王国は存在しません」

「ウニア王国滅亡によりウニア様は国王から旅人になりました」

友「今度こそ終わりか・・・」

男「ふぅ・・・俺は家に戻ってノゼの調整をしてくる」

友「あぁ、しばらく休めるといいな」

ルロ「それじゃあ、また今度」

男「あぁ、また」

仮想時間4月13日 昼 家

男「ノゼ、これで大丈夫?」

ノゼ「はい、不自由なく動きます」

「イフケ王国と男王国の休戦協定が失効しました」

男「そっか、あれから1ヶ月か」

ノゼ「長いようで短かったですね」

男「また宣戦布告してくるかな・・・」

ピンポーン

男「また友か?まったく、しばらく休めるといいなって言ってたのどこのどいつだよ」

文句を垂れながら玄関のドアを開けた

男「友、今日はゆっくり...」

伝令「男様、スガーに客人がいらしてます」

男「・・・え?誰が?」

伝令「元クーゼ王国のドダという人物です」

男「用件は・・・直接会えばいいか、ありがとう」

伝令「それではこれにて」


仮想時間4月13日 昼 スガー 城

男「ドダさん?何の御用で?」

ドダ「私をあなたの諸侯にしてほしい」

男(えらい単刀直入だ)チラッ

ノゼ「(ふるふる)」

ユル「・・・はぁ」ふるふる

どうやら信用できないらしい

男(しかもユルに関しては呆れのため息付きだ・・・)

男「すまない、あなたの忠誠を受け入れる余裕がない」

ドダ「何?あんたを誤解してたよ、じゃあな」

去っていく背中が見えなくなった所で

男「あの態度なら引き入れなくて正解か」

ユル「ユルのめにくるいはない」

ノゼ「私の目もです!」

男「そうだね、ユルの目に狂いはない」

ノゼ「私の扱いが・・・あんまりですぅ!」

仮想時間4月14日 朝 家

男「いたちごっこだな・・・」

http://i.imgur.com/UlCm0tX.png
地図を見ながら呟いた

男「ケカムヤ城がイフケ王国になって、パリス城がグイド王国、ホソナ城がウィレナ王国か・・・」

コンコン、ガチャッ

男(領土を1つ失ってるイフケ王国が不利か・・・)

ここに来て領土の取り合いが激しくなったのはおそらく2つの国の滅亡が影響している

男「宣戦布告・・・か、正当な理由がないしなぁ」

ノゼ「もう少ししたらどこかの国から宣戦布告をされるのでは?」

男「うわぁ!?びっくりした・・・ノックしてよ・・・」

ノゼ「ノックは致しましたよ?」

男「あれ?そうなのか、ごめん」

男「話を戻すけど宣戦布告してくるのはあっちが休戦してからだと思う」

男「俺の国以外は激しい領土争奪戦で消耗してるはず・・・」

男「それで宣戦布告をされたら逆に驚く」

「イフケ王国とグイド王国が休戦協定を結びました」

ノゼ「噂をすれば、ですね」

男「これは面倒臭いことになりそうだな・・・両国とも完全に隣接してる」

それを言ったら全部の国が隣接してるけど

男「俺の国は領土が急激に広がったおかげで守備兵が若干足りない」

男「兵士はほぼ壊れないし、今はストックがあるからなんとかなるけど」

男「守備兵にまで回してる暇がないしなぁ・・・」

ノゼ「まあ、それはあちらの動き次第でしょうか」

男「そうだね、よし、朝食お願いできる?」

ノゼ「はいっ」

ピンポーン

男「はいはーい」ガチャッ

友「よう」

男「当家は朝の7時~9時と夜の8時以降の来客はお断りしています」バタン

友「おい!男!」ドンドン

うるさいので結局家に入れた

男「ノゼー、友の分もお願い」

厨房にいるノゼに声をかける

友「すいませんねー、あ、俺卵焼きは甘いのでお願いします」

男「ナチュラルに厚かましいなお前」

男「ていうかこれから朝ご飯ここで食べる気かよ」

友「いやーせっかく近いんだから行かないと損かなって」

男「むしろこっちが損なんだが」

男「で?本音は?」

友「イフケ王国とグイド王国が休戦しただろ?そのことについてな」

さっき言ってたのが本音かと思ったので正直驚いた

ノゼ「お待たせしました、朝食です」

男「ありがとう」

友「ありがとうございます!」

なんで改まってるんだあいつは

男「んでなんだっけ?休戦協定か」

友「あぁ、もしかしたらこっちに宣戦布告してくるかもしれないから、一応確認ってとこだな」

友「この国の城に駐屯してる兵士と部隊が率いてる兵士の数はどれくらいだ?」

男「城に2300前後、野戦に配備されてる兵が1000前後ってとこか?」

友「さすがにどこがどの兵士使ってるとかはわからないよな」

男「俺んとこは数は130ちょいだが全部ドール兵だな、友のとこは?」

友「数は150で7割がドール兵ってとこ」

男「いよいよお前もこの国に染まってきたな・・・」

友「だってお前の国の兵士異常だからな」

男「それはまあ置いといて、さっきの話がどう繋がるんだ?」

友「んー、まあ各城に100以上いる計算だから大丈夫か」

男「あぁ、もし宣戦布告されたら守備兵いなかったら取られるってことか」

友「そういうこと、あと野戦用の兵がなくなった時の予備もいるから、できるだけ大目に欲しいってことだ」

男「ふむ・・・今の所ドール兵のストックは一応200ぐらいある」

友「それだけいたらあの耐久力だ、十分だろ」

友「しかしここまで戦ってきてわかったのは・・・」

男「ん?うん」

友「この国は負ける気がしねえ」

男「今のとこ全部優勢で進めて来たしなぁ、相手が弱ってたっていうのもあると思うけど」

友「それでも連戦で体制を崩してない、ほかじゃあり得ねえ」

男「たしかに、体制は崩れてないな、むしろ兵が増えてる」

友「味方でよかった・・・」

友「ご馳走様、それじゃ俺はそろそろお暇するよ」

男「あぁ、気を付けてな」


仮想時間4月14日 昼 スガー

忘れかけていた能力強化をしようとした所何もイメージが浮かばなかった

訓練長「なるほど、男、お前は能力強化の限界に達した」

男「そうですか、わかりました」

訓練長「兵の訓練はしてやるからいつでもこいよ!」

男(兵の訓練はドール兵になったからいらないんだけど・・・)

それからは一応身構えつつ兵を増やしながら過ごした

一週間後...


仮想時間4月21日 朝 家

男「ご馳走様でした」

ノゼ「お粗末様でした」

ノゼ「お下げします」

男「いつもありがとう」

「グイド王国が男王国に対して宣戦布告をしました」

男「来たか・・・」

「友様が男様、ザロ様に招集命令を出しました」

ノゼ「ゆっくりもしていられませんね、すぐに支度します」

仮想時間4月21日 昼 ネサ城

友「よし、来たな」

男「悪いな、遅くなって」

友「大丈夫だ、それより聞いてくれ」

友「今日の学園戦争中にグイド王国を滅亡させる」

男「・・・できるのか?」

友「今までの具合で行くと余裕で行ける、むしろ1週間あれば十分だ」

ザロ「だけどそれだと犠牲者がすごいことになるんじゃ...」

友「こっちは壊れねえ頑丈なドール兵だ、そこは大丈夫」

友「問題は俺達の睡眠時間だ」

男「そこ!?」

友「男も経験しただろ、包囲中に仮眠取っても全然寝れないんだよ」

男「まあそりゃそうだけど・・・」

友「おっと、話は後だ、攻城梯子ができた」

友「攻城梯子を立てろ!」

「ネサ城攻城戦を開始します」

男&ザロ「全員!指揮は友に合わせろ!」

友「弓兵は20歩前進!歩兵と騎兵は弓兵の10歩後ろで待機!」

男「強気の配置だな」

友「弓兵を前に出したらどれだけ活躍できるのか試したかった」

グイド王国の弓兵は強めだ、それに対してもドール弓兵は全然引けを取っていなかった

粗方の弓兵を倒した所で

友「撃ち方やめ!、2分か・・・」

男「ちゃっかりタイム測るんじゃねえ!」

「おめでとうございます、ネサ城の攻城に成功しました」

「ネサ城が男王国によって攻略されました」

友「よし、まずは1つだ」

男「いい機会だ、今余ってる領土の割り当てをする」

男「ピャケは友、ミニナ城は俺、ミア城はザロ、タンユ城はルロ」

男「ここ、ネサ城はヌハフに与える」

「友様がピャケを与えられました」
「男様がミニナ城の所有権を得ました」
「ザロ様がミア城を与えられました」
「ルロ様がタンユ城を与えられました」
「ヌハフ様がネサ城を与えられました

友「いいのか?俺街2つ目だけど」

男「友は元帥として頑張ってるからな、それ相応の報酬だ」

友「そうか、ありがとう」

男「全部隊の負傷者合わせても10行かないか?」

友「おそらく一桁だと思う、このままの勢いで落としまくる!」

「おめでとうございます、ヒネル城の攻城に成功しました」

「ヒネル城が男王国によって攻略されました」


「おめでとうございます、ルメートの攻城に成功しました」

「ルメートが男王国によって攻略されました」


仮想時間4月23日 昼 キミネ城

「おめでとうございます、キミネ城の攻城に成功しました」

「キミネ城が男王国によって攻略されました」

男「ここまであちらの反撃は一切なしか」

友「びびってるだろうな、2日でここまで取られると」

ザロ「ね、眠い・・・」

友「すまんなザロ、そろそろ戻ってもいいぞ」

ザロ「わかった、帰らしてもらう」

男「今考えたらこれ学園戦争に命かけてるな」

友「まったくだ、もう疲れたよ」

キミネ城でしばらく話していると

伝令「男様、スガーに客人がいらしてます」

男「またか・・・誰が来ている?」

伝令「ウニア元国王です」

男「ウニア元国王が・・・まじかよ」

友「あれぐらいの能力者がいるとすげえ心強いが」

男「まぁ会ってからだ、友、すまんがお先」

友「あぁ、俺はルメートに行って仮眠取ってくる」

男「あぁ、わかった」


仮想時間4月23日 夕方 スガー

ウニア「ご無沙汰している、男国王」

男「ウニア元国王、ご用件は?」

ウニア「単刀直入に申そう、私をあなたの諸侯にしてくれないか」

男(やはりか)

男「名誉値を見せてもらえるか?」

ウニア「はい」スッ

男(名誉値214か、なんで皆こんなに高いんだ)チラッ

ノゼ「(こくっ)」ジトー

ユル「(こくっ)」

男(なんでジト目なんだ?)

男「わかった、あなたを諸侯として迎え入れよう」

「ウニア様が男国王に忠誠を誓いました」

男「ウニア元国王・・・は呼びにくいからウニア」

男「ルメート、ヒネル城、キミネ城を授ける」

「ウニア様がルメート、ヒネル城、キミネ城を与えられました」

ウニア「どこまでもお人好しだな、男国王は」

男「俺の国で活動してもらう上での当然の事だ」

ウニア「そうか、ありがとう」

男(しかしザロは良くは思わないだろうな、あいつなら裏切ることはないと思うが)

仮想時間4月23日 早朝 家

男(もはや夕方に寝て早朝に起きるのが習慣になりそうだ)

http://i.imgur.com/jxMGI2I.png
地図を取り出して見る

男「グイド王国もなんで宣戦布告したんだろうな」

おそらく理由は他国の勢力の伸びを抑えるためだろう

そして地図を見てもどこも取られていない

男「このまま一気に行ければいいが」


「イフケ王国が男王国に対して宣戦布告をしました」


男「そうも行かないか・・・イフケ王国もしつこいな」

仮想時間4月23日 朝 ジョチト

男「相変わらずこっちのほうは寒いな」

友「雪降ってるもんな」

男「イフケ王国も邪魔ばっかしてくるしな」

友「あっちもあっちで他国の勢力が伸びたら都合が悪いんだろ」

友「でもここまで伸びたらもう止められねえよ」

男「それは言えてる」

男「それで、元帥様の考えてる作戦は?」

友「イフケ王国は無視だ、先にグイド王国を潰す」

男「なるほどな、イフケ王国もそこまで軍事力が高いわけではないだろうしな」

友「そういうこと、攻城準備整ったな、攻城梯子を立てろ!」

「ジョチト攻城戦を開始します」

「城壁を制圧しました、敵兵は街の路地で抵抗を続けています」

友「やっぱり抵抗してくるか」

男「ここ最後の街だっけ?」

友「あぁ、そうだ」

友「弓兵は城壁の上から撃て!歩兵と騎兵はここの通りで守れ!通すな!」

男「なるほど、歩兵で食い止めて城壁から弓で撃たせるのか」

友「これだと被害も少なくて済むしな、何より弓兵の上から一斉射撃は見てて気持ちいい」

男(ノゼとユルも頑張ってるな)

歩兵の最前線で戦ってる二人を見ながら敵兵に狙いを定める

シュンッ

矢は敵兵に刺さって敵兵が倒れた

友「お前弓買ったのか」

男「あぁ、練習大変だった」

友「でもそこまで当てられたら大したもんだよ、俺全然使えねえ」

「路地を制圧しました、残りの敵兵は城の中で抵抗を続けています」

男「(よし、3・・・2・・・1)」

バンッ

ノゼ「ふんっ!」シュッ

扉が開くと同時に投げ斧が飛んだ

???「ぐっ」

敵将にヒットした

男(ノゼの投げ斧を食らってまだ立てるか・・・)

男「はぁぁ!」ザシュッ

周りにいた敵兵を削らして

???「ふんっ!」ブゥン

男「はっ!」ガキンッ

男「ふんっ!」ザシュッ

不意打ち気味に敵将の足元を切った

???「くっ...」バタッ

ノゼ「へぁぁ!」ザシュッ

最後の一人がノゼの斬撃で倒れた

「おめでとうございます、ジョチトの攻城に成功しました」

「ジョチトが男王国によって攻略されました」

男「そういえば前から聞きたかったんだが」

友「なんだ?」

男「なんで敵国全然城を落としてこないんだ?」

友「おそらくそこまで手が回せないのと回ったとしても俺らの国の諸侯が野戦で片づけてる」

男「そうか、そういうことだったのか」

友「実際深夜に何回か包囲されても全部包囲解けてたからな」

男「俺が寝てる間にそんなことが・・・」

友「正直この人数がいればもう統一できる、強力な能力者もいるし」

男「そうか、とりあえずジョチトは俺が収めてミニナ城を友に譲る」

「男様がジョチトの所有権を得ました」

「友様がミニナ城を与えられました」

友「こんなに領土持てるなんて夢だったよ」

男「よかったな、夢が叶ったぞ」

友「まったくだな」


仮想時間4月23日 昼 ロヨタ城

ロヨタ城の攻城準備が進む中

「ニレシラ城がイフケ王国によって包囲されました」

友「男、大丈夫なのか?」

男「友は知らないかもしれないが」

男「ニレシラ城の守備兵は500、半数はドール兵で半数は普通の人間の兵士」

友「あそこ250体もドール兵いるのかよ・・・」

男「遠征軍でも絶対に落とせない、包囲させるがいいさ、時間の無駄だ」

男「それに俺の国の諸侯はそんなに少数じゃない、もしかしたら追い返すかもしれないしな」

男「それより攻城準備できたみたいだぞ」

友「あぁ、そうだな」

友(前に男が言ってたのは人間が死ぬのが嫌ってことだったような)

友「攻城梯子を城壁に立てろ!」

男「友、安心しろ、あそこの兵士にはドール兵を優先的に防衛させるように言ってある」

友「顔に出てたか・・・なら全損壊するまでに追い返せるか」

「ロヨタ城攻城戦を開始します」

友「全弓兵、10歩後退し待機!歩兵と騎兵は20歩先で密集隊形、盾を構えろ!」

友「撃ち方始め!」

見慣れた攻城戦の様子を見ていると

???「くっ!また貴様らか!」

男「あれ?この声って・・・」

友「完全にクーゼ元国王だな」

クーゼ「この城は渡さないぞ!この私がいる限り!」

声だけしか聞こえないが城壁にいるようだ

男「さすがに元国王だけあって顔は出してこないな、ハチの巣だろうし」

友「でもどうする?クーゼ元国王がいる限り兵士復活するぞ」

男「ノゼ、攻城梯子上ってクーゼ元国王だけ倒してきてくれる?」

ノゼ「承知しました」

ノゼがぐんぐん梯子を上っていく

クーゼ「!?弓兵!奴を撃て!」

無数の矢がノゼに向かって放たれる

防具のおかげもあってか弾いてる矢もあるがほとんど刺さってる

クーゼ「ひっ!歩兵!」

ノゼ「はぁぁぁ!」スッ

ドゴォーン

男「あ、終わったかな?」

友「お前軽すぎ・・・」

男「いやだって矢だけじゃ頭飛ばせないし、歩兵にそんな力あるわけないし」

ノゼ「よいしょっ」スタッ

城壁から飛び降りて来た

友「10M近くある壁を悠々と飛び降りたぞ・・・」

男「ノゼ、お疲れ様、後でまた上ってもらうけど」

ノゼ「これぐらいは造作もありません」


「おめでとうございます、ロヨタ城の攻城に成功しました」

「ロヨタ城が男王国によって攻略されました」

男「ふぅ、終わったか、クーゼ元国王がグイド王国に居たのは意外だが」

友「俺も知らなかった・・・ていうか諸侯として活動してることも知らなかった」

男「ノゼ、お疲れさまね」ナデナデ

ノゼ「はふぅ」

ユル「・・・」ジー

男「ユルも!」ナデナデ

友「お前も大変だな・・・」

「ニレシラ城の包囲が解かれました」

男「やっぱりか、あそこ俺でも攻城できねえ」

友「自分で攻城できない城を作るのもどうかと思うぞ」

男「だって取られたくないし」

友「それもそうだが・・・」

男「それじゃぱっぱとパリス城攻城して終わりにしよう」

友「あぁ、そうだな」


仮想時間4月23日 夕方 パリス城

友「攻城梯子を城壁に立てろ!」

「敵兵が迎撃のため城門を開けて突撃してきました」

友「やっぱりか!男、気を付けろ!」

男「わかってる!、全兵士!指揮は友に合わせろ」

友「弓兵はここで待機、今すぐ撃て!歩兵と騎兵は20歩前進し全力で食い止めろ!」

友「敵の諸侯全員ここにいたからな・・・10ってとこか?」

男「きついものがあるな、ノゼ、ユル!剣の能力を!」

ノゼ「はっ!」スッ

ユル「っ!」スッ

ドシュゥーン

ドゴォーン

男「3人削れたか、二人とも突撃!」

友「男、気を付けろよ、グイド国王がいる」

男「まじかよ・・・能力は?」

友「俺と同じ、氷の能力だ、だけどグイド国王のほうが能力指数が高い」

男「わかった、行ってくる」

ノゼ「はぁぁぁ!」ブゥン

グイド「ぐっ!」ガキンッ

男(ノゼはおそらく国王と交戦中か)

グイド「はっ!」パッ

ノゼ「ぐぅっ!?」

足を凍らされたみたいだ

グイド「ふんっ!」ブゥン

ノゼ「へぁ!」ガキンッ

男「はぁぁ!」ザシュッ

グイド「くっ!後ろからもか!」

もろに斬撃が入ったがまだ動けるようだ

ユル「ふんっ!」ザシュッ

グイド「ぐほぉ!?」バタッ

ユルの薙ぎ払いがまともにヒットした

男「ユル!ナイス援護だ!」

ノゼ「マスター、足が・・・」

男「そこで適当に投げ物なげといて!」

雑な指示をしつつ

男「っ!」ブゥン

???「ふっ!」ガキンッ

???「へぁ...」

ザシュッ

???「...」バタッ

映画みたいに剣を振ろうとしたら倒れた、背中には斧が刺さってた

男「(ぐっ!)」

グッジョブサインを出して置いた

???「はぁぁ!」ブゥン

男「おっと!」ガキンッ

男(明らかに凍ってる時間が長い、きついか・・・?)

男「へぁぁ!」ブゥン

???「ぐっ!」ガキンッ

友「男!手伝う!」

友「はっ!」パッ

男「そこだ!」ザシュッ

???「ぐふっ...」バタッ

盾を構えて来なかった所を見ると手を凍らしたのか

突き攻撃をまともに受けた敵は倒れた

友「ふんっ!」ブゥン

???「くっ!」ガキンッ

男「こっちだ!」ザシュッ

敵に真後ろからの斬撃が入った

ユル「ふんっ!」ガキンッ

後ろからの攻撃をいつかのようにユルが弾いた

ユル「よいっしょっ!」ザシュッ

そしてこれまたいつかのように振り下ろしがもろに入った

男「これで終わりか?」

周りを見回した後

友「・・・そうだな、これで全員だ」

男「兵士は?」

友「来るときは粗方片付いてたからそろそろ...」


「敵軍の特攻は失敗に終わりました」


男「死傷者・・・じゃなくて損壊数か、10体か」

友「今の出てきた数で200ってとこか、それで10体しかいないのはすげえな」

男(守備兵は残り500か・・・)

友「それじゃあ気を取り直して、梯子を城壁に立てろ!」

「パリス城攻城戦を開始します」

男「指揮は友に合わせろ!」

友「弓兵は20歩前進、歩兵と騎兵は弓兵の10歩後ろで待機」

友「撃ち方始め!」

今回は強気の配置らしい

4分後...


男「なぁ友、おかしいよな?」

友「おかしいな、ここまで時間がかかるはずがない」

男「ノゼ、ユル、梯子を上って敵将潰してきてほしい」

ノゼ「はいっ」

ユル「(こくっ)」

二人が梯子を上がっていく

クーゼ「やはり上ってきたか!」

男&友「あ、やっぱり」

ノゼ「しつこいお方です!はぁぁ!」スッ

ユル「んっ!」スッ

ドシュゥーン

ドゴォーン

男「終わったな・・・」

友「ああ・・・」

ノゼ「ふぅ」スタッ

ユル「・・・」スタッ

男「ありがとう、二人とも」

男「しかしこんなところでタイムを計っていたのが役に立つとはな」

友「ほんとだよ、俺もなんとなく測っただけなのに」

男「逆に何の考えもなしに測ってたのか・・・」

「城壁を制圧しました、残りの敵兵は城の中で抵抗を続けています」

男「(いくぞ!3・・・2・・・1・・・)」

バンッ

ノゼ「はっ!はっ!」シュッ、シュッ

二つの投げ斧が飛んで行った

男「ふんっ!」ザシュッ

友「男!グイド国王だ!」

男「くっ、またか」

グイド「ここを渡す訳にはいかない!」

男「グイド国王、もう休まれたらどうですか?」

グイド「まだだ!まだ我が国は...」

友「あれは聞く気はないぞ、男」

グイド「はっ!」パッ

グイド国王の能力が発動した

男「友か!?」

友「俺じゃねえ!」

ノゼ「!マスター、両手足が凍りました!」

ユル「っ!」

ノゼとユルの両手足が凍ってる

男「そういうことか!」

グイド「ふんっ!」ブゥン

男「くっ!」ガキンッ

友「はぁぁ!」ブゥン

グイド「ふっ!」ガキンッ

男(劣勢でも二人を相手にできるか・・・さすがだな)

男「へぁぁ!」ブゥン

グイド「ぐっ!」ガキンッ

ノゼ「マスターに手出しはさせませえぇぇん!」ブゥン

ドシュゥーン

グイド「!?」バタッ

剣気が飛んできたと思ったらグイド国王に直撃した

男「そうか・・・予備の剣の能力を使ったのか」


「おめでとうございます、パリス城の攻城に成功しました」

「パリス城が男王国によって攻略されました」

「グイド王国の諸侯達は逃げ延びました」

男「でもよくあの状態から使えたね」

ノゼ「それはもうマスターが危機的状況にあるのに私が傍観なんてできません、と申しましょうか」

男「やっぱり持っててよかったな・・・予備」

「グイド王国は活動できる諸侯がいなくなりました」

「もはやグイド王国は存在しません」

「グイド王国滅亡によりグイド様は国王から旅人になりました」


友「終わり・・・か」

男「早かったな、1週間もかからなかった」

友「俺もびっくりした、1週間以内でここまで勢力を伸ばせるか・・・」

「スガーがイフケ王国によって包囲されました」

友「どうやらゆっくりもできないらしいがな」

男「友、大丈夫だ」

友「なんで?」

男「あそこ、守備兵350だけど全員ドール兵だからニレシラ城より硬い」

友「あっ・・・なんか・・・うん、イフケ王国ご愁傷様です」

男「パリス城はザロ、ロヨタ城はヌハフに授ける」

「ザロ様がパリス城を与えられました」

「ヌハフ様がロヨタ城を与えられました」

男「俺は一応スガーに様子見をしに行って家に戻るが友は?」

友「俺はほかの諸侯集めてケカムヤ城落としに行く、けどスガーの様子も見に行くから」

友「男は戻ってていいぞ、多分そこまで手こずらないと思うし」

男「いや、一応一緒に見に行くよ」

友「わかった、男も頑張れよ、ここまで来たなら」

男「わかってる、統一を目指すよ」


仮想時間4月23日 夜 スガー周辺

「スガーの包囲が解かれました」

男「ここまで来てかよ・・・」

友「俺は包囲してた奴らに止めさしにいくよ」

男「俺も付いていく」

ウニア「男国王も散々だな」

男「ウニア、来てくれたのか」

ウニア「元帥から招集命令が出されたのでな」

友「それじゃ、行きますか」


イフケ「くっ!城主が来たか!」

包囲してたのは遠征軍、部隊数は5

部隊数さえ多いが攻城戦で消耗しているため兵力は300ほど

対するこちらは部隊数3だが兵力500

友「さて、そちらに勝機があるとは思えないが、どうする?」

イフケ「徹底抗戦だ!全員!戦闘態勢!」

友「ふぅ、全兵士!戦闘態勢!」

男&ウニア「指揮は友に合わせろ!」

友「弓兵はそこの盛り上がっている所で待機!騎兵は突撃して敵騎兵を蹴散らせ!歩兵も騎兵の後に突撃!」

男「さてっと、俺は一騎打ち?に行ってくる」

ウニア「私も行こう」

友「おう!俺は兵士の指揮をしてる!」

ウニア「男国王、何か策はあるのか?」

男「ノゼ、ユル!先に行って暴れてきて!」

男「俺達は二人が気を引いたら一人ずつ出て奇襲する」

ウニア「わかった」

ノゼとユルが敵将達がいる所のど真ん中で暴れている

男「よし、行こう」

剣と盾を持ち敵将の一人に向かって走り出した

男「はぁぁ!」ブゥン

ラゴ「くっ!」ガキンッ

男「元帥様もいたか!」

ラゴ「遠征軍は元帥の命令でしか起こせない!」ブゥン

男「それもそうだなっ!」ガキンッ

ウニア「はっ!」パッ

ウニアが能力を発動した

男(あれは・・・敵将の1人は確実に戦闘不能だな)

ドゴォーン

???「...」バタッ

イフケ「はっ!」パッ

ウニア「くっ!」

風でウニアの動きが止まる

男(まずいな)

男「ユル!ウニアのカバー!」

言う前から剣を構えていた

ユル「ふんっ!」スッ

ドシュゥーン

イフケ「ぐっ!」ザッ

イフケ国王が剣気を避けたが

イフケ「くっ...」

どうやら避けきれず足にヒットしたみたいだ

ウニア「そこだ!」ザシュッ

イフケ「...」バタッ

男「はぁぁ!」ブゥン

ラゴ「ふっ!」ガキンッ

ノゼ「邪魔です!」ザシュッ

ラゴ「ぐほぉ!?」バタッ

ノゼの後ろからの一撃でラゴが倒れた

男「ふぅ・・・これで終わりか」

ウニア「男国王、君達の連携は見事だ」

男「3ヶ月も一緒にいればな」

友「おーい!ってやっぱ終わってんじゃねえか!」

男「おう、友、あっちはどうだ?」

友「そろそろ終わる頃だと思うが」

「おめでとうございます、戦闘に勝利しました」

「イフケ王国の諸侯達は一部逃げ延びました」

ラゴ「好きにするがいい」

イフケ「・・・」

どうやら顔見知り2人だけが逃げそびれたらしい

男「両方とも解放だ、帰るがいい」

ラゴ「・・・そうか」

イフケ「貴様・・・!」

ウニア「黙ってもらおうか!」スッ

ノゼ「あなたに感謝はされても何か言われる義理はありませんよ?」スッ

ウニアとノゼがイフケ国王の喉に剣を突き出す

イフケ「くっ・・・」

男「ウニア、その辺にしておけ、ノゼも、帰るよ」

ウニア「わかった」

ノゼ「はい」

友「・・・イフケ国王は変わらねえな」

イフケ「絶対に後悔させてやるぞ!」

捨てセリフを吐いて去って行った

男「ずっとあんな感じなのか?」

友「あぁ、そうだよ、だから俺は亡命してきた」

男「なるほどな」

男「あの感じなら現実で起きた『アレ』もイフケ王国の仕業かもな」

友「・・・その可能性が高いかもしれねえ、クーゼ国王はあれでも騎士道精神だからな」

男「それじゃ、俺は家に帰る」

友「あぁ、俺はケカムヤ城をウニアと攻城する、おやすみ」

男「おやすみ」


仮想時間4月24日 朝 家

男「ふぁぁぁ~、っと」

http://i.imgur.com/qZeDUQq.png
地図を取り出す

男「うん、ケカムヤ城が落ちてる」

2階の自分の部屋から1階に降りて食堂に向かう

男「ノゼ、おはよう、朝食お願いね、食べたらすぐに出発するよ

ノゼ「かしこまりました」

仮想時間4月24日 昼 トア城

男「おーい!」

友「あ、男か」

男「お前大丈夫か?顔色すげえ悪いぞ」

友「全然寝れなかったからか」

ルロ「やっ、男国王」

男「ルロもいたか、友、休んで来い」

友「だけど...」

男「いいから、変わりに俺が頑張る」

友「わかった、ありがとう」

男「ルロ、攻城準備どうなってる?」

ルロ「んー、あともうちょっとで終わるかな」

男「わかった」

男「あ、それからルロ、ケカムヤ城を授ける」

「ルロ様がケカムヤ城を与えられました」

ルロ「おぉ、ありがとう」

男「よし、攻城準備ができた、梯子を立てろ!」

「トア城攻城戦を開始します」

ルロ「全兵士!男に指揮を合わせろ!」

男「弓兵は20歩前進!歩兵と騎兵は弓兵の10歩後ろで待機!」

男「撃ち方始め!」

ルロ「強気な配置だね」

男「それ俺も前に言った、元々友がしてたんだけど案外強くてね」

ルロ「敵兵バッタバタ倒れていくな・・・」

「おめでとうございます、トア城の攻城に成功しました」

「トア城が男王国によって攻略されました」

男「諸侯が滞在していなかったら楽々落とせるな」

ルロ「そうだね」

男「トア城は・・・ウニアに授ける」

「ウニア様がトア城を与えられました」

ルロ「男国王はいらないのか?」

男「俺より俺の国の諸侯が頑張ったほうが色々楽なんだよ、領土はやる気に繋がるし」

ルロ「なるほど」

男「ルロはどうする?」

ルロ「私は一旦ケカムヤ城に戻るよ、守備兵も付けないといけないし」

男「わかった、それじゃ」


仮想時間4月24日 夜 ナヘロ

男「そろそろ攻城準備が整うかな」

友「男!帰って来たぞ!」

男「友か、もう大丈夫なのか?」

友「ぐっすり寝たからな」

男「お前ここでの生活逆転してるぞ・・・」

友「んなことはいいんだよ、攻城準備は?」

男「そろそろ終わるとこ」

「ニザーがウィレナ王国によって包囲されました」

友「ウィレナ王国は漁夫の利か・・・」

男「いいんじゃないか?どうせウィレナ王国とも決着を付けないといけないし」

友「男がいいんだったらいいんだけどな」

男「敵国の領土が敵国に奪われただけだし、結局攻城することに変わらないからな」

友「それは言えてるな」

男「よし、攻城準備が整った、梯子を立てろ!」

「ナヘロ攻城戦を開始します」

男「全員!指揮は友に合わせろ!」

友「弓兵ここで待機!歩兵と騎兵は20歩前進し盾を構えろ!」

友「撃ち方始め!」

弓兵が一斉に構えて矢を放ち始めた

男「ここを落としたら後はヨル城のみか」

友「だな、とっととこの戦いを終わらせる」

飛んでくる矢が少なくなってきた

友「撃ち方やめ!、3分だ」

男「やはり前に出た方が早いか、ノゼ!ユル!先行頼む!」

ノゼ「皆さん!続きなさい!」

兵士達「おぉぉぉ!」

男「やっぱりノゼに指揮任せたほうがいい気がする・・・」

「城壁を制圧しました、敵兵は街の路地で抵抗を続けています」

友「弓兵はそのまま城壁に待機!歩兵と騎兵は城壁階段で食い止めろ!」

路地から奥の方を見ると遠くにある城のドアが開いて中から...

男「友!諸侯が出てきた!」

友「くっ!男!頼んだ!」

男「ああ!、ノゼ、ユル!敵将の相手を!」

ノゼ「はぁぁ!」スッ

ユル「ふんっ!」スッ

ドシュゥーン

ドゴォーン

雷は当たったが剣気は敵将の横を掠って行った

男「外れたか・・・ノゼはそのまま突撃!ユルは俺と一緒に行動!」

ノゼが敵将に向かって走り一瞬で距離を詰めた

男「いくよ!ユル!」

ノゼの後を追い

男「ふんっ!」ブゥン

ラゴ「くっ!」ガキンッ

男(ここに滞在していたか・・・)

ラゴ「はっ!」パッ

イフケ王国の元帥が能力を発動して足に草が巻き付いて来た

ラゴ「はぁぁ!」ブゥン

男「っ!」ガキンッ

横目でノゼを見ると2人目を倒す所、ユルは2人を相手にしている所だった

男(出てきたのは5人だったか・・・)

男「へぁぁ!」ブゥン

ラゴ「ぐっ!」ガキンッ

ノゼ「はっ!」シュッ

横からラゴの足元に向かって投げナイフが飛んできた

ラゴ「くっ!」ザッ

避けられた、だがその隙を見逃さない

男「はぁぁ!」ザシュッ

ラゴ「...」バタッ

男「ノゼ!ユルのカバー!」

男「この草邪魔だ!」バサッ

ノゼ「ふんっ!」ザシュッ

ユル「っ!」ザシュッ

二人が同時に剣を振り残りの2人が倒れた

男「城壁階段まで戻るよ!」

急いで来た道を引き返す

男「あれ?このまま行くと敵の真後ろか?」

ノゼ「そのようですよ!」

城壁階段に向かう敵の後ろ姿が見えた

男「丁度いい!このまま突撃!」

ノゼ「はいっ!」


「路地を制圧しました、残りの敵兵は城の中で抵抗を続けています」


男「ふぅ、なんとかなった」

友「お前よく頑張ったな」

男「敵が来る前に行動してよかった、おかげで後ろも取れたし」

男「それじゃ、行くぞ?」

友「あぁ」

男「(3・・・2・・・1・・・)」

バンッ

ノゼ「はっ!」シュッ、シュッ

ユル「ふんっ!」シュッ、シュッ

4つの投げ斧が一気に飛んで行った

ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ

男(一発外れたか投げた相手が被ったか)

どちらにしても残り3人だけだ

ノゼ「ふんっ!」ザシュッ

男「はぁぁ!」ザシュッ

友「へぁぁ!」ザシュッ


「おめでとうございます、ナヘロの攻城に成功しました」

「ナヘロが男王国によって攻略されました」

男「後はヨル城ともし攻城できてなかったらニザーも...」

「ニザーがウィレナ王国によって攻略されました」

男「その必要はないみたいだな」

友「本当に漁夫の利だったな・・・」

男「いいさ、宣戦布告の口実もできた、イフケ王国をまず滅亡させる」

友「最後の城か・・・ヌハフとザロに招集命令を出す」

「友様がヌハフ様、ザロ様に招集命令を出しました」

男「ナヘロだがザロに授ける」

「ザロ様がナヘロを与えられました」


仮想時間4月25日 早朝 ヨル城

友「攻城準備がもうすぐで整う、皆集まってるな?」

友「ここがイフケ王国最後の城、つまりこれがイフケ王国との最後の戦闘になるはずだ」

ザロ「止めを刺す、か」

ヌハフ「元帥、守備兵は?」

友「諸侯の部隊も丸々合わせて600ってとこだ」

友「よし、攻城するぞ!梯子を立てろ!」


「敵兵が迎撃のため城門を開けて突撃してきました」


友「どこまでもしつこい連中だ!全員!戦闘態勢!」

男&ザロ&ヌハフ「全兵士!指揮は友に合わせろ!」

友「弓兵は10歩後退、位置に付いたら撃て!歩兵と騎兵は10歩先で待機、弓兵に敵を通すな!」

友「諸侯も一緒に出てきやがった、数は11だったはずだ」

男「ノゼ!ユル!剣の能力で何人かいける?」

ノゼ「お任せください!」スッ

ユル「んっ!」スッ

ドシュゥーン

ドゴォーン

敵将11人の内3人が戦闘不能になった

男「行くぞ!突撃!」

ザロ「俺は男国王の援護に行く」

ヌハフ「俺も行くか」

男「ふんっ!」ブゥン

イフケ「ぐっ!」ガキンッ

ノゼ「へぁぁ!」ザシュッ

イフケ「ぐっ...」バタッ

ザロ「男国王、援護する!」ザシュッ

ヌハフ「俺も来たぞ!」ザシュッ

ザロとヌハフが奇襲で1人ずつ倒した

ザロ「はっ!」パッ

能力発動の構えをしたザロの目の前にナイフが5本ほど浮いている

男(まさか・・・)

それが敵の諸侯に向かって飛んで行った

ザシュッ、ザシュッ

男「なんつう能力だ!」

ザロ「男国王に言われたくはないセリフだ!」


「敵軍の特攻は失敗に終わりました」

友「お疲れ、皆」

男「損壊数・・・7体か」

友「このまま一気に行くぞ!」

男「あぁ!」

その後は諸侯も傷を負っていなかったためスムーズに進み


「おめでとうございます、ヨル城の攻城に成功しました」

「ヨル城が男王国によって攻略されました」

「イフケ王国の諸侯達は逃げ延びました」

友「終わった、な」

男「あぁ」

「イフケ王国は活動できる諸侯がいなくなりました」

「もはやイフケ王国は存在しません」

「イフケ王国滅亡によりイフケ様は国王から旅人になりました」

自分が一時期お世話になった国を滅亡させた気分はなんとも不思議だった

男「ヨル城は俺が収める」

「男様がヨル城の所有権を得ました」

友「ふぅ、すっきりしたぜ」

男「そんなに嫌いだったのか、イフケ王国」

友「あぁ、話すと長くなるがな」

男「また今度時間がある時に聞くよ」

友「それじゃあ、遠征軍は解散、各自の持ち場に戻ってくれ」

ザロ「わかった、それじゃ」

ヌハフ「またなー」

二人が去っていくのを見ながら

男「後はウィレナ王国、か・・・」

約2週間後...

仮想時間5月9日 夕方 家

食堂でコーヒーを飲みながらくつろいでいる所に

「今日の学園戦争は5分後に終了します」

男「もうそんな時間か」

友「この1ヶ月でいくつ滅亡させた?」

男「3つ・・・か?」

友「えげつねえな・・・」

男「残り1つか、圧倒的にこちらの軍事力が上だが」

友「今の兵士の状況は?」

男「城に3500、野戦軍に1200ほどだったはず」

友「やべえな、前聞いた時より増えてる」

男「俺がいなくても正直ウィレナ王国滅亡させそうな気がする」

友「それは一理あるな、ここの国の強さは半端じゃねえ

男「それじゃあ俺はノゼ達に会ってから現実に戻るよ」

友「わかった、それじゃまた後で」

2階のそれぞれの部屋にいた二人を呼んで

男「二人共今週はお疲れ」

ノゼ「・・・」

男「ノゼ?どうしたの?」

ノゼ「いえ、ちょっと考え事を、今週は大変でしたね」

男「そうだね、二人共よく頑張ってくれた」

二人の頭をくしゃくしゃに撫でる

「今日の学園戦争は終了です、10秒後に現実世界へ戻ります」

男「じゃあまた明日ね?」

ノゼ「・・・はい」ニコッ

ユル「(こくっ)」

ノゼの顔は笑っていたけどなぜだかその笑顔に寂しさを感じた

5月25日 放課後

男「学園戦争に参加してから3週間か・・・」

友「3週間しか経ってないのか、1ヶ月で統一しそうな勢いだな」

男「これさ、統一したらどうなるんだ?」

友「報酬が与えられたら、ってことか?」

男「あぁ、仮想世界はどうなるんだろう」

友「さぁな、存在し続けるのか消滅するのか誰にもわからねえよ」

男「そうか・・・」

男(消滅・・・か)

6月1日 放課後

男「それじゃ、行くか」

友「おう、俺は先に行ってお前ん家で待ってる」

男「そういや友は俺の家で現実に帰ってきたっけ」

友「あぁ、それじゃ行くよ」

男(俺も行くか)

仮想世界の入り口に足を踏み入れた


「おかえりなさい、男様」

「最後にいた場所にテレポートします」

仮想時間5月10日 朝 家

ノゼ「おかえりなさい、マスター」

ユル「おかえり、おとこ」

男「ただいま」

男「帰ってきて早々だけど支度してほしい、スガーに向かう」

ノゼ「わかりました」

二人にそう言い伝えると玄関に向かった

男「友、手が空いてそうな奴に招集命令を出しててくれ」

友「わかった、やるんだな?」

男「ここまで来たらやるさ」

仮想時間5月10日 朝 スガー

男「大臣、いるか?」

大臣「はい、国王様」

男「ウィレナ王国に宣戦布告を宣言する」

大臣「本当によろしいのですね?」

男「あぁ、宣言してくれ」

大臣「かしこまりました、勝利の女神が微笑みますように」


「男王国がウィレナ王国に対して宣戦布告をしました」


男「友、作戦は?」

友「まずニザーを落としに行く、あそこは取ったばっかりだから守備兵が少ないはず」

友「それからついでにホソナ城も落としてザアン、ラッヒを落とす」

男「わかった、それじゃ出発だ」

仮想時間5月10日 昼 ニザー

ウニア「元帥、来たぞ」

友「ウニア、来てくれたか」

男「友、攻城梯子ができたみたいだ」

友「わかった、梯子を立てろ!」

「ニザー攻城戦を開始します」

男&ウニア「全員!友に合わせろ!」

友「弓兵は20歩前進!歩兵と騎兵はここで待機!」

友「全弓兵!撃ち方始め!」

弓兵が一斉に矢をつがえ始めた

男「ウィレナ王国の特徴ってなんだ?」

友「詳しくは知らないけど騎兵が強かった気がするが」

ウニア「ウィレナ王国は歩兵は弱いが弓兵と騎兵が強い設定だ」

男「なるほど、野戦で当たったら厄介だな」

「おめでとうございます、ニザーの攻城に成功しました」

「ニザーが男王国によって攻略されました」

諸侯もいなかったためスムーズに攻城できた

友「まずは先制攻撃成功だな」

男「ニザーはヌハフに授ける」

「ヌハフ様がニザーを与えられました」

友「よし、このままホソナ城を落としにいくぞ!」


仮想時間5月10日 深夜 ホソナ城

「おめでとうございます、ホソナ城の攻城に成功しました」

「ホソナ城が男王国によって攻略されました」

男「ホソナ城は友に授ける」

友「ありがとう」

「友様がホソナ城を与えられました」

男「俺は家に戻って休む、二人は?」

友「俺は引き続き攻城を続ける」

ウニア「私も攻城を続けようと思う」

男「わかった、それじゃあまた明日」


仮想時間5月11日 朝 家

男「ふむ・・・」

http://i.imgur.com/okBMQdn.png
地図を見ながら...

男「予定通りザアンが落ちたか」

男(俺も友に合流するか)

仮想時間5月11日 昼 ラッヒ

男「友、やっぱりここだったか」

友「男か、おはよう」

ウニア「男国王、おはよう」

男「おはよう、攻城準備は?」

友「たった今できたとこ、梯子を立てろ!」

「敵兵が迎撃のため城門を開けて突撃してきました」

友「またか!全員!戦闘態勢!」

男(来て早々か・・・)

男&ウニア「全兵士!友に合わせろ!」

友「弓兵はここで待機、撃て!歩兵と騎兵は20歩前進して密集隊形!」

男「おい、あれ敵の諸侯じゃないか?」

友「たしか滞在してた諸侯は4人だったはずだ」

ウニア「あれは・・・ウィレナ国王か」

男(ウニアだけじゃなくてウィレナ国王も女王だったのかよ!?)

ウィレナ「はっ!」パッ

ウィレナ国王が左手を出した

男「何の能力だ!?」

ウニア「確か・・・炎だったか」

前線を見てみると

男「まずい!ドールは火に弱いんだ!」

燃えてる兵士がいた

男「さっさと片づける!ノゼとユル!」

ノゼ「わかっています!」

駆けていくノゼを追って

男「へぁぁ!」ブゥン

???「ぐっ!」ガキンッ

男「あれ、どこかで見たことあるようっな!」ブゥン

ワクス「男か!」ガキンッ

最初の週の学園戦争で救出依頼を頼んできた人だった

ワクス「あの時は助かったぞ!」ブゥン

男「それはなによりで!」ガキンッ

ゲラー「男か!いつかの時の事は感謝しているぞ!」ブゥン

男「おっと!それはありがたいお言葉で!」ガキンッ

後ろから昔助けた張本人が切りかかってきた

ユル「っ!」スッ

男「話は終わりです!」ザッ

ユルが構えたのを見て後ろに下がる

ドシュゥーン

ワクス「ぐふっ...」バタッ

ノゼ「はぁぁ!」ザシュッ

ゲラー「ふっ...」バタッ

男「ふぅ、しかしあの人達がいるとは驚いたな」

元々クーゼ王国の諸侯だったはずだ

男「ウィレナ国王ともう1人は?」

ノゼ「ウニア様が倒されました」

男「そうか、これで全員か」


「敵軍の特攻は失敗に終わりました」

男「さすがに燃やされたから・・・損壊数15か」

友「火に弱いとは初耳だ、意外だな」

男「そりゃ欠点がなかったらただのチートだろ」

友「それでもチートにちけえから!」

友「ごほん・・・それじゃ気を取り直して梯子を立てろ!」

「ラッヒ攻城戦を開始します」

その後の攻城戦は何事もなく

そのままの勢いでヘカ城、ペモマ城も攻略した

仮想時間5月12日 朝 ペモマ城

「おめでとうございます、ペモマ城の攻城に成功しました」

「ペモマ城が男王国によって攻略されました」

男「ザアンをルロ、ラッヒをウニア、ヘカ城を友に授ける」

男「ここ、ペモマ城は俺が収める」

「ルロ様がザアンを与えられました」
「ウニア様がラッヒを与えられました」
「友様がヘカ城を与えられました」
「男様がペモマ城の所有権を得ました」

友「遠征軍は一旦解散、各自兵を補充してくれ」

友「今日の夕方、最後の城を攻城する」

男「わかった、それまで待機する」

ウニア「了解だ、それでは」

仮想時間5月12日 昼 ペモマ城

スガーまで戻って兵を補充した後ペモマ城で待機した

男「そろそろ出発しようか、今からだと丁度いいぐらいだろうし」

ノゼ「はい、わかりました」

「友様が男王国の諸侯全員に招集命令を出しました」

男(最後の戦いだもんな)

仮想時間5月12日 夕方 マサ城周辺

遠くにマサ城が見えて来た所で友は立ち止った

友「全員揃ってるな、今から本当に最後の戦いを始める」

友「皆全力を出し切って気持ちよく終わろう」

皆が大きく頷いた所で...



「男王国統一寸前のため仮想世界妨害システムが作動しました」



男「は・・・?」

あまりに突然のアナウンスに絶句した

友「なんだ、よ・・・それ」


「マサ城が何者かによって包囲されました」

友「俺達の最後の城を・・・」

男「おい!友!あれ!」

友「なんだ?・・・ってウィレナ王国が野戦で戦ってる?」

男「ここに全員集まってるよな?」

皆を見回しても来ていない人はいない

ウニア「これは・・・どうする?元帥」

友「とりあえず近づかないとわからねえ、行くぞ皆」

マサ城に近づいて行くにつれて敵の姿が見えるようになってきた

男「おい、あれってもしかして・・・」

友「どう見たって骨だよ・・・」

骨が動いて戦っていた

ウニア「骨?・・・待ってくれ・・・」

ウニア「思い出した、たしか噂で聞いたことがある」

ウニア「統一寸前になると何者か分からない部隊が妨害をしてくる、と・・・」

男「なんだよそれ・・・」

友「ともかく数は・・・600!?」

男「遠征軍並みの兵力だな・・・」

友「しかもウィレナ王国の精鋭が簡単にやられてる所を見ると...」

友「もしかして俺達のドール兵と同じぐらいの強さじゃないか?」

全員「!!」

男「おいおい、それじゃあ・・・」

友「あのままじゃウィレナ王国は滅亡する、確実に」

友「俺達が傍観してマサ城を取らせても勝てる気がしない」

友「・・・くそっ!敵だからと四の五の言ってられねえよ!」

「ウィレナ王国の援軍が到着しました」

ウィレナ「男王国!?なぜここに!」

友「あんたらだけじゃ無理だろ!この数であの強さなら!」

ウィレナ「だが敵の助けをもらうなど...」

男「ウィレナ国王、ここは一時休戦と行きましょう」

男「このままではあなたの国は滅亡するはずです」

ウィレナ「くっ・・・どちらにしても厳しいな」

ウィレナ「わかった、一時休戦だ」

全員「全兵士!戦闘態勢!指揮は友に合わせろ!」

友「弓兵は丘で待機!騎兵はあの骨どもをぶっ潰せ!歩兵は弓兵の20歩先で密集隊形!」

友「俺は弓兵の横で兵士の指揮を執る!皆頼んだぞ!」

男「あぁ!ノゼ!ユル!行くよ!」


ユル「ほねは・・・だげきでくずれる?」

ノゼ「そうなんですか?、剣は役に立つのでしょうか」

砂漠を見渡す

物凄い数のスケルトンがこちらに向かってきていた

男「今前線でいる分で200ほどか?俺達は増援の分を潰そう!」

男「ノゼとユルは無理しない程度に削ってきてほしい!」

ノゼ「承知しました!」

駆けていくノゼを見ながら馬を走らせ増援部隊の側面に降りた

男「へぁぁ!」バキッ

剣を振ってスケルトンの腕に当てたがヒビが入っただけでピンピンしていた

男「どんな耐久力だ!」ガキンッ

振り下ろしてきた剣を盾で受け止める

男(スケルトンの装備は剣一本か・・・盾が無い分当てやすいが)

男「くっ!」バキッ

今度は胸に当てたがヒビさえ入らない

男「っ!」ガキンッ

男(埒があかない・・・待てよ、もしドールと同じなら・・・!)

男「どりゃぁぁ!」バキッ

頭に向かって剣を振った

スケ「...」ゴロゴロ

頭蓋骨に剣がめり込んでそのままスケルトンが崩れた

男「やっぱり!皆!頭を打撃で狙え!うまくいけば倒せる!」

ノゼ「はぁぁ!」バキッ

ノゼを見るともはや剣を構えずに体術で頭を割っていた

男(俺も刃を使うより柄を使ったほうがいいか?」

男「ふんっ!」バキッ

スケ「...」ゴロゴロ

男「やはり打撃が一番効くか・・・」

スケ「...」ブゥン

男「あぶね!」ガキンッ

後ろからの斬撃を間一髪盾で防いだ

何分か増援部隊との戦闘を続けた所に

友「男!前線がやべえかもしれねえ!」

男「何?押されてるのか!?」

友「いや互角ってとこだ、あいつらも怪力でドール兵の頭が吹っ飛びまくってる」

友「おそらく前線の敵全部倒して残る兵士は400ちょっとだ」

男「うそだろ!?こっちの兵力1000以上あったよな!?」

友「それでも人間も交じってるしドール兵と互角じゃそんなもんだよ!」

シュンッ

男「!?」

どこからか矢が飛んで来て足元に刺さった

友「男!?・・・まずいぞ!弓兵も出て来た!」

男「まじかよ・・・くそっ!」

友「おそらくそろそろ前線の敵が倒れる頃だと思う、俺は兵士の指揮に戻る!」

男「わかった!こっちはこっちでなんとかする!」

男「ウィレナ王国の兵士は何やってるんだ!?」

前線の方を見たがウィレナ王国の兵士が見えない

男「まさか・・・全滅・・・か?」

シュンッ

男「くそっ!余計な事を考えてる暇はないか!」

盾を構えできるだけ体を低くした

ノゼ「マスター、弓兵が!」

男「あぁ、くそっ!どうする・・・!」

男「とりあえず状況整理だ!男王国の諸侯達は!?」

ノゼ「現在倒れてる諸侯はザロ様、ヌハフ様です!」

男「てことはこっちにいるのは俺とノゼユルを合わせて5人しかいないのか!」

男「くっ!皆!そろそろ前線の兵士がこちらに援護に来る!それまで耐えろ!」

ウニア「男国王、それは無茶にも程がある!弓兵も出てきて耐えれるかどうか・・・!」

男「やるしかない!じゃないとここで俺達が倒れたら・・・負ける!」

ルロ「へぁぁ!」バキッ

ウニア「はっ!」パッ

ドゴォーン

雷がスケルトン軍団に向かって放たれた

ウニア「あれだけの雷でも1体しか倒れないか!」

男(考えろ・・・!)

頭をフル回転させて作戦を考える

男「ユルはルロのカバー!ノゼと俺、ウニアは3人で陣形を組む!」

ユル「(こくっ)」

男「はぁぁ!」バキッ

ウニア「ふんっ!」バキッ

横からウニアの打撃が頭に入った

スケ「...」ゴロゴロ

ノゼ「へぁぁ!」バキッ

スケ「...」ゴロゴロ

ルロ「はっ!」パッ

ルロの能力で複数体の弓兵が浮いた

ルロ「ユル!全員叩き落とせ!」

ユル「はっ!」ザッ

ユル「ふんっ!」バキッ

スケルトンが勢いよく地面に叩きつけられた

男「あっちはあっちで行けるか、こっちの弓兵はどうする!?」

ウニア「盾を構えながら近づくしか・・・」

ノゼ「ふんっ!」シュッ

バキッ

ノゼの投げた斧がスケルトンの頭に直撃した

男「ノゼ、それだ!投げ物を頭に向かって投げまくれ!」

ノゼ「はいっ!」シュッ

友「男!待たせた!」

声に振り返ると兵士を引き連れて友が向かってきていた

男「来たか!男王国の底力見せてやる!」

男「友!敵の弱点は頭だ!」

友「わかった!弓兵はここで待機!歩兵は20歩前進し密集隊形!騎兵は突撃!」

友「全兵士!優先的に頭を狙え!」

友が指示した通り兵士達が優先的に頭を狙い始めた

男「あと200ってとこか?」

友「そんなもんか!厳しいが勝てるぞ!」

男「へぁぁ!」バキッ

友「ふんっ!」バキッ


それから数で有利になった男王国はスケルトンの部隊を次々倒していった

だが被害は決して少なくはなかった

「おめでとうございます、戦闘に勝利しました」

「妨害部隊全滅により妨害システムは無効化されます」

男「お、終わった・・・」

友「あぁ・・・」

男「損壊数、死傷者数合わせて・・・800・・・か」

友「負傷した諸侯が3人か・・・」

友「だが、こっちよりあっちのほうが・・・」

男「そうだ、忘れてた、ウィレナ国王、俺達はマサ城を攻城するがどうする?」

ウィレナ「待て、話がある」

ウィレナ「降伏する、マサ城ごと」

男「それは・・・マサ城を譲るということか?」

ウィレナ「そうだ、もうこの国に勝ち目も回復する時間もない」

男「そうか、わかった」

「ウィレナ王国がマサ城を男王国に譲りました」

「ウィレナ王国は活動できる諸侯がいなくなりました」

「もはやウィレナ王国は存在しません」

「ウィレナ王国滅亡によりウィレナ様は国王から旅人になりました」

男「終わった・・・か」



「大陸は男王国により統一されました」



「男王国の国王、全諸侯様は1分後にテレポートします」

男「1分後か・・・悪い、友、ちょっと外す」

友「わかった」

男「ノゼ、ユル、今までお疲れさま」

ノゼ「・・・私はマスターのお役に立てていたでしょうか」

男「むしろ役に立ちすぎだよ、ありがとう」

ユル「・・・」

男「ユルもありがとう」

ノゼ「マスターとはこれでお別れなんですね・・・」

男「何言ってるんだ、また会えるよ」

ノゼ「ですが統一された後は仮想世界は消滅してしまうかと・・・」

男「・・・消滅するかわからないよ、いつか必ず会える、たとえ消滅したとしても、だ」

「テレポートまで30秒です」

二人を抱き寄せながら

男「今まで本当にありがとう、感謝してもしきれないよ」

ノゼ「うぅ・・・ぐすっ・・・」

男「ノゼ、泣かないの」

ノゼ「ですがっ・・・」

ユル「おとこ、またあえる?」

男「あぁ、絶対に、だ」

「テレポートまで10秒です」

男「ノゼ、ユル、また会える日まで」

ノゼ「はい・・・必ずまた会えると信じてその日まで...」

ノゼの声が途中で途切れ光が視界を覆った

テレポートされた先は始めて参加した時のような白い空間

「おめでとうございます、あなたは国王として大陸を統一しました」

「統一により仮想空間は消滅します」

男(・・・消滅・・・か・・・)

「また、大陸統一による報酬は・・・」

ここまで頑張って来てもらえる報酬とは一体何なのか


「あなたがお望みの願いを一つ叶えます」


男「は?」

耳を疑った

唖然としているのもお構いなしにアナウンスは続けた

「それでは願い事を発言してください」

男(本当な訳ないよな・・・あり得ない)

でも、どんなに起こり得ない事でも、もしここで願い事をするとしたら

男「願い事は...」

6月1日 放課後

気が付くと仮想世界の入り口に立っていた

男「本当に終わった・・・か」

友「あ、男・・・」

空を見ると仮想世界に行ってからそこまで時間は立っていないみたいだ

男「友、報酬もらったか?」

友「・・・あれはもらったって言っていいのか・・・?」

男「もしかして友の報酬も・・・」

友と見合った

友「あり得ねえよな・・・」

男「普通に考えればそう思う・・・」

男「だけどあの空間が存在してること自体があり得ないことだからな・・・」

友「それはそうだけどさ」

こうして学園戦争は男王国の天下統一という形で幕を閉じた

現実でわずか1ヶ月、時間にすると3時間とちょっとという速さで天下統一を果たした

次の週からは仮想空間の入り口は立ち入り禁止になった

学校側が統一したことを確認しての事らしい

それからしばらくしても報酬である『願い事』が叶うこともなく、きっぱり諦めていた

友に聞いても「『願い事』は叶ってねえな」と顔を暗くして言われるだけだった

その後の生活は退屈で胸に穴が開いたようだった、時々夢にノゼが出てくるぐらいに

それを紛らわすためにもあの空間であったことはすべて夢の中、もしくは一時の幻だった

これからの生活はいつも通りに戻ったんだと思うようにした



統一してから約1ヶ月後...

7月5日 朝 教室

友「男、お前学園戦争終わってからずっとそんな感じだな」

男「ん?うーん、なんか毎日が退屈になってな」

男(それだけじゃないんだけどな・・・)

さすがに友にそれを話すと引かれそうなので控えた

友「なんかわかる気がする、あそこの生活はいつも刺激的だったしな」

女「何してるんだ?お前たち」

男「女か、俺達は見ての通り、ボーっとしながらしゃべってる」

現実でもウニアは相変わらずの男気のある口調と性格で

女「・・・男、元気出しなよ、もうすぐ先生も来るし」

男「あぁ、わかってる」

友「おっと、そろそろ席に着くか」

そういうと友は隣の席に座った

男(はぁー・・・いつからこうなったんだろうな・・・)

担任「皆ー、席に着けー」

担任「急だが転入生を紹介する」

担任「二人共、入ってくれ」

男(この時期に転入か、大変だな)

ほとんど興味がないので窓の外をボーっと見ていた

担任「自己紹介を」

???「はい、ノゼ=シュトルーヴェと申します」

友「(ぽかーん)」

友「はっ!?おい!男!」

男「なんだよ?」

友「前見ろ!前!」

小声で友に言われ黒板の方を見た

一瞬、目を疑った

あまりに疑いすぎて目を擦った後二度見した

友「あれってどう見ても・・・」

男「あ、あ、ああぁ」

どっからどう見てもノゼとユルだった

男「いや、まぁ他人の空似だよ、うん、名前も一致してるのは偶然だね」

友「バカ!んなわけあるかよ!」

ノゼ「こちらは双子の姉のユルさんです」

ユル「いごよろしく」ペコッ

ノゼ「姉妹共々、よろしくお願いします」ペコッ

どう見てもユルがお姉さんには見えない(体系的な意味で)

男「いやー名前まで一致してるなんてスゴイナー」

友「とぼけてる場合かよ!」

女を見ると口を開けたまま固まっていた

担任「聞いての通り日本語は上手だがこの時期に転入だ、何分苦労もあるだろう、皆よろしくな」

担任「それじゃあ二人の席は・・・」

ノゼ「席ということでしたら、あちらがいいです」

完全に隣の席だった

友「おい、どうするんだよ」

男「俺に聞くなよ・・・友が一つ左へずれろ」

友「えぇ・・・」

俺の右隣と友の左隣は空いている、友がずれると

友 空 俺 空

となる

担任「・・・適当に折り合いを付けてくれよ」

ノゼ「マス・・・男さん、よろしくお願いします」

ユル「よろしく?」

なんで疑問形?

男「あぁ、二人共よろしく・・・」

男(転入生なら名前わからないんじゃないのか・・・)

内心では喜んでいるのか驚いているのか自分でもよくわからなかった

それから昼休みまでの授業は二人に気が行ってまったく頭に入らなかった


7月5日 昼休み

友「おい、男!帰りに話は聞かせてもらうからな!」

男「わかったよ・・・って俺も何を把握してるのかよくわからないけど」

ノゼ「マ・・・男さん、お昼は・・・」

男(ノゼ、隠しきれてないぞ・・・)

男「1階に購買があるんだよ、案内する」

それから購買に案内してパンを買って屋上に来た

男「相変わらずここは誰もいないな」

ノゼ「いいんでしょうか?」

男「うん、いいんだよ、それより・・・」

男「ノゼ、なんでこっちの世界に来れたんだ?」

ノゼ「(びくびくっ)」

ユル「・・・ノゼはかくしごとがへた」

男「いや、隠し事も何も同じ名前で同じ容姿なら普通気づくでしょ」

男「話して?ノゼ、なんでこっちの世界に来れたのかを」

ノゼ「・・・わかりました」

渋々?ながらも頷いた

ノゼ「私は元々仮想世界でマスターに作られたドールです」

男「それは知ってる」

ノゼ「ある時、マスターの中で作られ呼び出され、その時から私はマスターのお傍にずっといました」

ノゼ「それはもう幸せでした、いつまでもこの時間が続けば、と」

男「・・・」

ノゼ「ですがその幸せは長く続かない事はわかっていました、誰かが統一すればこの仮想世界は消滅してしまう」

ノゼ「消滅しなかったとしても3年が経つと学園を卒業してしまう」

ノゼ「そしてマスターは統一を目標に頑張っていました」

ノゼ「私はそれを使い魔として全力で支える、たとえ別れが早くなる物だとしてもそうするべきだと」

ノゼ「私が現実世界に来れた理由はわかりません・・・」

ノゼ「ですが・・・統一した後、一番最後に願ってしまいました」

ノゼ「もっとマスターのお傍に居られたら、と」

ノゼ「それが現実の男さんに迷惑をかけることはわかっていました、それでも...」

男「ストップ」

ノゼ「・・・」

男(俺はいつからこの子を守りたいって思ってたんだろうな)

不安そうなノゼを見ながらそう思った

男「とりあえず一つ言えることは」

男「俺は迷惑なんて思ってない」

男「なぜなら、俺も願ったからだ」

男「あの後ね、テレポートした先で言われたんだよ」

男「願い事を一つ叶えるって」

男「それがどんなにあり得ないことでも、叶うことはないとしても、願った」

男「ノゼとユルが現実に来れるように、と」

男「だって、これを逃したら一生会えないんじゃないかって思ったから」

男「別れる前にあんなこと言っておいてって話だけどね」

ノゼ「マスター・・・」

男「だから、さ?...うん?」

妙にノゼの距離が近い気が...

ノゼ「もう!マスターったら!」ダキッ

男「ノゼー!ストップ!腰が!」

ノゼ「もうこれは完全に相思相愛と言うことですね!それでは今すぐ指輪を!」

男「だから離して!死ぬ!現実は死ぬ!あと話が飛躍しすぎ!」

ユル「・・・はぁ」ふるふる

7月5日 夕方 家の前

友「そっか、それじゃあ『願い』は叶ったのか」

男「そうだな・・・」

友「実はな・・・俺の『願い』も今日、叶ったんだ」

男「そうだったのか・・・皆同時に叶ったってことか」

男「それで、どんな『願い』なんだ?」

友「俺には妹がいてな、その妹が白血病だったんだ」

男「もしかして・・・」

友「医者は奇跡だ、とか言ってたよ、もう手遅れの段階だったからな」

男「・・・よかったな、友」

男「そうだ、友、ここでちょっと待っててくれ」

自分の部屋からあるものを取ってくる

男「はい、これ」

友「これって・・・」

ノゼ「私とユルさんのフィギュア?」

男「終わった後にあまりに喪失感が大きすぎて調べながら作ったんだよ」

友「いいのか?」

男「作ったはいいけど、どうするか困ってたしな」

男(それに二人が居たらいらないしな)

後半は心の中に留めておいた

友「わかった、ありがとう」

友「それじゃあ俺は帰るよ、またな」

男「あぁ、またな」

男「それじゃあ家に入るけど、もし母さんいたら変な事言わないでね?」

ノゼ「はいっ」

男(大丈夫なんだろうか・・・)

男「ただいまー」ガチャッ

玄関を開けてリビングに顔を出す

男母「おかえりー、今日は早かったわねー・・・って」

男母「あんた!その子どこから連れて来たの!今すぐ返してきなさい!」

男「ひでぇ!実の息子に言うことじゃねえ!」

男母「さすがに誘拐はまずいわよ!捕まるから!」

男「失礼な!この子達は俺と同年齢だ!」

・・・同年齢なんだろうか?

男母「あらそうなの、いらっしゃい」

急に態度が変わりすぎ!

男「ていうか母さん仕事は?」

男母「今日は早かったのよ」

男「そう、でこの子達なんだけど」

覚悟を決めて...

男「頼む!この家に置いてくれ!」ドゲザァー

男母「いいわよ、それぐらい」

男「やっぱりだめ・・・え?」

男母「丁度一つ部屋余ってたのよ!」

男「え・・・ん・・・?」

ノゼ「初めまして、私はノゼ=シュトルーヴェと言う者です」ペコッ

ノゼ「こっちは双子の姉のユルさんです」

ユル「はじめまして」ペコッ

男母「まぁまぁ、かわいいわねえ!お人形さんみたい!」
男「あれ・・・なんか思ってたのと違う・・・」

男母「それじゃあ、男、案内してあげて」

男「う、うん、3階の空き部屋だよね?」

男母「そーそー」

3階に上がって

男「ここだよ、二人の部屋」

ユル「まえのへやよりはせまいかな」

男「そりゃそうだよ、でもここの家も広い方だよ」

ノゼ「マスターの部屋は・・・」

男「男でいいよ、母さんに何言われるかわからないし、俺の部屋は隣だよ」


母さんに二人を置く事を頼んだ時の反応もそうだが

ノゼとユルの溶け込み方も異常だった

3日もすれば昔から住んでたみたいに馴染んでる

二人の服がないのに気づいた母さんは速攻で服買ってきてたし

7月12日 昼休み 屋上

男「そういえばこっちに来てから食事できるようになったんだね」

ノゼ「はい、一応限りなく人間に近いドールという位置付けみたいです」

男「ふーん」

ノゼ「私・・・この幸せが続くとは思っていませんでした」

男「俺もだよ」

ノゼ「本当に幸せです、ですが・・・」

ノゼ「現実世界に連れて来た責任、取ってくださいね?」

男「・・・ああ、もちろんだ!」



男「学園戦争?俺が?」 END

これにて完結です。

読んでくれた方ありがとうございました。

思いの外長くなってしまい後半は飛ばし気味になりました。

最後の展開は悩みましたが結局ありきたりなハッピーエンドで落ち着きました。

使うのを忘れてた設定があるのは言わない約束!

http://i.imgur.com/NIGvEII.png
最終勢力図です、一応貼っておきます。

王道らしい良い展開だった
もっと突っ込んだ話もあっただろとか、あまりにも男がいるだけ主人公だろとか
不満はたくさんあるけど、初めてのssで最後までちゃんとまとめたのは凄いと思う
上達に期待

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