あの日は確か夏の終わり、秋の入り口だった。
俺は当時就職に失敗したばかりの大卒ニートだった。
その頃の俺は就職に失敗した影響から軽い鬱状態になっていて、家から少し離れている公園のベンチで毎日ぬるい缶ビールを飲んでいた。
その頃の俺が何を考えていたかというと
「(くそっ、なんで俺が就職氷河期世代に当たるんだ!社会のせいだ!)」
とひたすら世間や他人のせいにしていた。
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当時は携帯電話もあまり普及していなかったので、今は考えられない話だが俺はひたすら一日中公園で暇をつぶしていた。
いい大人がブランコや鉄棒で遊んでいるのを見て近隣の子供たちは次第に寄り付かなくなり、俺はついに公園の端っこの木陰のベンチに一人で腰を掛けて一日を過ごしていた。
なぜ家にいなかったのかというと、当時俺は実家暮らしで親に仕事をしていないことの申し訳がつかなかったからである。
そんなある日、いつものように公園でベンチに寝っ転がりながら一日を過ごしていると
「あー、ちょっといいですか?」
貴方は神を信じますか?
絵とか興味ありませんか?
ちょっと署まで来てくれますか?
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