一夏「寿司職人になりたい」(42)
インフィニット・スシ学園、通称is学園に俺は転入してきた。
束さんが考案した高機能型回転寿司店専用モーターには、
束さんしか知らない「コア」と呼ばれる独自の技術が使用されている。
手乗りサイズの黒い球体。店舗を丸々このコアに変化させることができるのだ。
しかも展開した店舗内の電力はコアから無尽蔵に湧いてくるため、
上下水道さえ通っていれば場所を選ばずすぐ開店、もとい回転できてしまう。
そんな規格外の高性能・電力供給の差・建築費用削減によるコストパフォーマンスの良さから、
世界中の回転寿司店や個人寿司店が猛反対。
束さんはコアの数を467個しか作らないことを国連に提出。受理された。
そして、そのコアを動かせるのは女性しかいないはずだったが、
男の俺がなぜか寿司職人検定試験の際、たまたまコアを起動させてしまった・・・・。
俺は普通の寿司職人になりたかったのに、半ば強引にis学園に入学するはめに・・・・・。
一行目からワロタ
wktk
is学園 教室
山田先生「isとは、その名の通りインフィニット・スシ、
この店舗のことを言います。」
モニターに映し出される回転寿司チェーン店。
回転看板にはでかでかと『is』と書かれて、くるくる回ってる。
山田先生「世界中に467店舗しか開店できませんので、
皆さんはこのお店を開けるようにがんばって学園生活を送ってくださいねぇ♪」
「はーい」
し、しかしこの女子まみれの状態というのは、なかなかきついものがあるな・・・・。
一夏「えっ、千冬姉!!どうしてここに!!」
千冬姉「ばかもの。ここでは織斑師匠と呼べ。バシッ」
一夏「お、織斑師匠・・・・。」
2年間も家に帰らないと思っていたらこんなところで教師をしていたのか。
あの日、第二回全世界回転寿司職人大会、
決勝戦からほとんど家に帰らなくなってしまった千冬姉が・・・・。
山田先生「では、クラス代表を決めたいと思います。」
女子a「はーい、私は織斑君を推薦しまーす!」
女子b「私もー!」
セシリア「わ、私は許しませんわ!!男がクラス代表などと!!良い恥さらしですわ!!」
一夏「じゃあ、どうすりゃいいんだよ」
セシリア「決闘ですわ!」
千冬姉「ふむ・・・・話はまとまったようだな。では早速始める。全員アリーナへ集まれ。」
更衣室で寿司職人用の調理衣に着替えていると、千冬姉が俺に話しかけてくる。
千冬姉「一夏、貴様はまだ店を持っていないな。特別処置だ、これを使え。」ポイッ
一夏「おっとっと」キャッチ
千冬姉「それの店舗名は、is-白式ーだ。入学試験の時のように強く念じれば開店する。
とりあえずアリーナへ行け。」
箒「大丈夫か?一夏・・・・」
一夏「気にするな、なんとかなるって!」
いいテンポだ
いいね!
アリーナ
セシリア「おーっほっほっほっほっほ。」
尻尾を巻いて逃げ出すとばかり思っていましたのに、来ただけでも褒めて差し上げますわ!」
一夏「御託はいい、さっさと始めるぞ。」
千冬姉「決闘の方法は、1組女子全員による採点で行う。採点項目はプリントを参照しろ。」
千冬姉「貴様ら2人についてだが、食材についてはこちらで用意している。
しかし貴様らが仕入れる立場になって吟味しろ。
後、会計と席への誘導は入り口の液晶パネルが自動で行ってくれる。クラスメイトをお客様だと思って応対しろ。」
千冬姉「あぁ、一夏。言い忘れていたが・・・・まぁいい、いずれわかる。」
一夏「?」
千冬姉「では、始め!」
一夏・セシリア「is・・・・開店!!」
ズドーン!!
女子a「織斑君のお店にいきましょー!」
女子b「灰色かぁ、インテリアもちょっとがさつだわぁ」かきかき・・・
女子c「織斑君のお店は混んでるし、ちょっとセシリアさんのお店に行ってみましょう?」
液晶パネル「イラッシャイマセ、人数トテーブル席、カウンター席の御指定ヲ、オ願イシマス。」
白式店 厨房
一夏「来たか・・・・よし、俺の腕を見せてやる!」ニギニギ・・・ニギニギ・・・・・・
女子a「んー!おいしい!!シャリがしっかり握られいて御酢の加減もいい感じ!!」かきかき・・・・
女子b「・・・・織斑君のお店、全然お皿が回ってこないよ?」かきかき・・・・
女子d「流れてきてもすぐに取られちゃうし・・・・。」かきかき・・・・
一夏「ま、まずい!お客が多すぎるのか、握るのと皿洗いで手一杯だ!
全然寿司が出せていない!!」
ブルーティアーズ店
セシリア「いらっしゃいませぇ~♪」
女子e「お手洗いはどこですか?」
セシリア「こちらになっておりま~す♪」
セシリア「(ふふふふふ・・・・)」
女子f「味は、まずまずかしら・・・・。」かきかき・・・・
女子g「えっ、サンドイッチの間にシャリ!?」
女子h「食べてみるわ・・・・・うわ、まずい・・・・・。」かきかき
ブルーティアーズ店 厨房
ウィーン・・・ウィーン・・・・・ポトッ・・・・・ニギニギ・・・・・・・
カシャカシャ・・・・・ウィーン・・・・
白式店
一夏「やばい、客が減り始めている!ペースを上げないと!!」にぎにぎにぎにぎ
ブルーティアーズ店
セシリア「ふふふふふ、織斑さんのお店からどんどん私の方へお客さんが流れてきていますわ。」
セシリア「大分苦戦しているようですわね、」
セシリア「さぁ踊りなさい!私、セシリアオルコットのブルーティアーズが奏でる回転台の上で♪」
なんだこれ…
一夏「くそ、このままじゃ負け・・・・・ん、なんだ?」
次の瞬間、白式店が輝き出す
女子i「お、織斑君のお店の概観が・・・」
女子j「な、内装も変わって・・・・・」
白式店・内外スピーカー『フォーマット フィッティング 終了』
セシリア「な、何事ですの・・・・まさか!ファーストシフト!?
今まで初期設備だけの店舗で戦っていたというの!?」
一夏「な、なんだこれは!厨房が機械だらけに・・・勝手に握ってくれている?」
一夏「しかも俺の握り方そっくりだ!学習してくれているのか!それにすごいスピードじゃないか!」
カチャカチャ、カチャカチャ・・・・ジャー・・・・カチャカチャ、カチャカチャ・・・
一夏「皿洗いまで自動!?いける、いけるぞ!!千冬姉が言ってたことはこれだったのか!!」
女子c「織斑君のお店すごい綺麗ー!!内装も、すごく本格的なお寿司屋さんみたいよ!!」訂正訂正っと
女子h「まるで高級料亭みたぁい!!」訂正訂正っと
女子d「セシリアさんのお店がファーストフード店に見えてきちゃう!」訂正訂正っと
女子b「す、すごいスピードでお皿が回ってくる!注文のタッチパネルの反応・感度、すごく早くて手になじむわ!」
女子a「美味しい!!すっごい美味しいよこれ!!」
女子f「シンプルなメニューだけど、とっても美味しい!」
女子k「キャッ!」ばしゃーん
一夏「あっ、お客様。お怪我はございませんか?」
女子k「は、はい・・・・ただお醤油をこぼしてしまって・・・・(織斑君が私の為に・・・///)」
一夏「すぐに新しいものをお持ちいたしますね」
子達「・・・・・」ジー
「あー!私の醤油、なくなっちゃったー!!」ドバドバドバドバ・・・・
「ずるい!わ、私も!予備の箸が全部折れちゃったわぁっ!!」バキバキバキバキッ・・・・
「あぁー!お、お皿が真っ二つにいいい!!」パリーンパリーン・・・・
「い、椅子が爆発しちゃったー!」チュドーン
一夏「しょ、少々お待ち下さい・・・・(なんか変じゃないか?)」
セシリア「・・・・・・・勝てませんわ。」
ピピーッ・・・・・・
千冬姉「試合終了だ。一夏、オルコット、前に出ろ。」
千冬姉「オルコットには悪いが、採点表を見るまでも無いな。一夏の勝ちだ。異論がある者は名乗り出ろ。」
一夏「・・・・・か、勝ったのか?」
千冬姉「ふっ、店舗に救われたな。」
箒「一夏!お、おいしかったぞ・・・・お前の、その・・・・フォーマット前の寿司も・・・」
箒「(開店ダッシュした甲斐があった・・・・///)」
一夏「そうか!ありがとな!昔、お前と一緒に土で寿司を握ってた頃を思い出すなぁ。」
箒「そ、そうだな・・・・・・・///」
is学園 一夏の部屋 その日の夜
「入るわよぉ」がちゃっ
一夏「あっ、鈴!」
鈴「一夏っ!」
一夏「久しぶりだなぁ日本に戻ってたのか!中国での寿司修行はどうだった?」
鈴「いまいちピンとこなくて、戻ってきたのよ。そもそも水がまずくってねぇ。」
一夏「そりゃ飲食店としちゃあ致命的だなぁ。」
一夏「やっぱお前のisは中華料理屋風なのか?」
鈴「そうよ。甲龍っていうの。シャレた名前でしょ?ネタも餃子の中にシャリが入ってたり結構おもしろいわよ?」
一夏「へぇ、今度食わせてくれよ。」
鈴「べ、別にいいけど・・・・。あっ!そ、それよりさ・・・・あの約束、覚えてる・・・・・・?」
一夏「・・・・あぁ!あの、『大人になったら俺に稲荷寿司をご馳走してやる』って奴か!」
鈴「・・・・違うわよ!『あんたにぶら下がってる稲荷寿司を私が独占させてもらう』って・・・・何言わせてんのよバカァ!!」ガチャ ばたん!
一夏「わ、訳がわからん・・・・。」
次の日 早朝
箒「起きろ、一夏。」
一夏「な、なんだ箒・・・・まだ5時だぞぉ・・・・・むにゃむにゃ」
箒「今日から朝稽古だ!」
一夏「寿司の稽古か?」
箒「違う!接客のほうだ!私が客をやる。貴様はもちろん店員だ。」
一夏「ここでやるのか?」
箒「道場でやる。一極限定モードで起動させて、屋根と壁以外を展開すれば建物も壊れん。」
一夏「わかった・・・・・」
一夏「いらっしゃいませ。」ぺこり
箒「背筋を伸ばせ!」バシッ
一夏「ひぐっ!」
箒「もっと上半身をまっすぐ下げろ!」バシッ
一夏「ひぃっ!」
箒「お手洗いはどこだ?」
一夏「はい、トイレの方は・・・・」
バシッ
一夏「いってぇっ!なんでだよ!」
箒「トイレじゃない、お手洗いと言え!」
一夏「(これが毎朝続くのか・・・・?)」
箒「(い、一夏とふたりきり・・・・はっ!私は何を考えている!)」
箒「たるんでいるぞっ!!(私もだが・・・)」ビシバシッ
一夏「もうやめてくれぇぇえ・・・・」
is学園 教室
山田先生「今日は、なんと!転校生を紹介しまぁす!」
シャル「シャルル・デュノアです。フランスからきました。」
「きゃー男子よぉ(ry」
「抱きしめry」
「ry」
千冬姉「騒ぐなばかもの。」
千冬姉「一夏、貴様がデュノアの面倒をみてやれ」
一夏「・・・わかった。」
千冬姉「貴様、師匠に向かって『わかった』だと?」ぎろっ
一夏「わ、わかりました・・・・」
シャル「よろしくね、織斑君♪」
一夏「そんなことより早く行くぞ!女子が着替え始める!」
シャル「えっ、うん・・・・(男の子の手ってこんなに大きいんだ・・・・///」・
is学園 教室
山田先生「きょ、今日も新しいお友達が増えます・・・・。」
千冬姉「ラウラ、挨拶をしろ。」
ラウラ「はっ、師匠。ラウラ・ボーデヴィッヒだ。以上だ。」
「いくらなんでもry」
「二日連続ry」
ラウラ「貴様が織斑師匠の弟か。」
一夏「あぁ、そうだけど?」
バシッ
「フランクフルトで殴った。」
「本場だ。さすがドイツ。」
一夏「(あ、油が・・・・)」
ラウラ「認めん、貴様が織斑師匠の弟などとは断じて認めん!」
アリーナ その日の放課後
箒「だから、シャリはこうぎゅうーっと握れ!!ぎゅうううっと!!」
鈴「なんであんた分かんないのよ!!」
セシリア「違いますわ!お客様の正面右斜め44.5度からお辞儀をするんですの!」
一夏「わけがわからん・・・・・」
シャル「ねぇ一夏。僕に白式を見せてみてよ。」
一夏「あぁいいけど。ネタもシャリもないぞ?」
シャル「大丈夫。ただみてみたいだけだから。何も乗ってないお皿で大体わかるしね」
やばい、面白い
シャル「ん~、白式は店舗内がちょっと狭いね。零落白夜用の設備があるからかなぁ・・・・」
一夏「あぁ、そうなんだ。」
一夏「そのせいで店舗が狭くなって、客の回転率が悪いんだ。」
一夏「零落白夜自体は自動握り機とかモーターの回転速度を上げられるめちゃくちゃな設備で、
混雑時はすごく助かるんだが、電力消費が激しくてなぁ。一気にバッテリーの電気を使っちまう。」
シャル「コアからの電力供給は一定より増えないからねぇ。ブレーカーが落ちたら最後だし・・・・。」
一夏「そうだ!シャルのも見せてくれないか?」
シャル「いいよ。ネタもシャリもないけどね。」
一夏「すごかったな・・・・。まさか上下2列のレーンがあるなんて・・・・。」
シャル「まぁね。お皿だけだったから分からなかったと思うけど、
上のレーンはデザートとか飲み物類。後、お客さんから直接注文が入ったものが運ばれて来るんだ。」
シャル「下のレーンはいたって普通のものだよ?」
シャル「でもそのせいでモーターに負担がかかって、レーンの速度が少し遅くなっちゃってるんだけどね・・・・。」
一夏「しかしすごかったよ。参考になるなぁ・・・・」
シャル「そ、そうかな・・・・・?えへへ」
鈴「ねぇ、あのふたり。カウンター席でいい雰囲気じゃない?」
セシリア「そうですわねぇ・・・・ぐぬぬ・・・・・・。」
箒「(わたしにも・・・私にも専用店舗があればぁああああ!!)」
一夏「ん?」
ラウラ「・・・・・・・織斑一夏、貴様も専用店舗持ちだそうだな。」
一夏「だったらなんだっていうんだよ。」
ラウラ「決闘だ。」
一夏「やだね、理由がねぇよ。」
ラウラ「こっちには理由がある!」
ラウラ「is開店!」
一夏「な!!」
鈴「さ、さすがドイツ・・・・。」
セシリア「見た目はまるで別荘みたいですわ!」
箒「中はシャレたショットバーみたいな感じになっているのか・・・・。」
千冬姉「なんだ、騒々しい。何をやっている。」
ラウラ「はっ!決闘であります!」
千冬姉「ほぉ・・・一夏とか?おもしろそうだな。私が審判をしてやろう。」
千冬姉「メスブタ共、貴様らも味見と見物くらいはしていいぞ。」
千冬姉「ラウラ、食材はあそこのものを使え。」
ラウラ「師匠、それには及びません。自前のものがあります!」
千冬姉「そうか、では始めろ。」
一夏「なんなんだこの流れは・・・・」
千冬姉「まずは、ラウラの方からだな。」てくてく
千冬姉「ふむ、相変わらずドイツ臭いな。高級車ばかり作っているだけのことはある。お国柄か。」
千冬姉「店内は間接照明に、レールの上にledライト。」
千冬姉「ledの光が拡散しにくいところを逆手にとったか。なかなかやるな。」
鈴「でも、普通のは安いけど、やたら高いのがあるわね・・・・。」
鈴「一皿500円?・・・んー!!お、おいしい!!何この中トロ!!」
千冬姉「回転寿司という庶民的なところに、この高級食材・・・。」
千冬姉「値段も手が出しやすいワンコインか。さすがだな、ラウラ。」
ラウラ「お褒め頂きありがとうございます。」
千冬姉「しかし、たまに流れてくるフランクフルト巻きはいけ好かんな。特に匂いが・・・な。」
ラウラ「申し訳御座いません。国の誇りなので・・・」
千冬姉「まぁいい。ビールは美味いからな。」ごくごく ぷはぁー
箒「(き、勤務中に・・・・・)」
一夏「(ラウラ、やるな・・・・)」
千冬姉「次は一夏か・・・・ふむ。まぁこの前と同じだからな。」
千冬姉「新鮮味には欠けるがそこは評価基準としてちゃんと考慮にいれて・・・・・貴様、やるな」
一夏「・・・どうだ?この趣向。」
セシリア「りょ、料亭でいつも流れてる音楽!三味線ですわ!!」
箒「な、なんて雰囲気作りだ・・・徹底している・・・・・・。」
千冬姉「ふむ。味の方もかなり上達しているな。」
千冬姉「厨房のセッティングを怠らず、しっかりと調整しているのが分かる。」
千冬姉「それに食材の目利きも上達している。」
ラウラ「ま、負けだ・・・・私の負けだ・・・・・・・。」
千冬姉「意外とあっさり認めるのだな。貴様の方もなかなかよかったぞ?」
千冬姉「少しこだわりの方向性が間違えているだけだ。私は結構好きだ。」
千冬姉「あと、ウィスキーとワインも置いておけ。今度、邪魔させてもらう。」
ラウラ「お、織斑師匠・・・・・」
isは少しssで読んだ程度だが支援
なんとまあ
次の日 ホームルーム前 教室
一夏「今日も朝練きつかったなぁ・・・・。」
ラウラ「おい、織斑一夏!」
一夏「え?」
ぷちゅぅ
一夏「ンー!?」
ラウラ「レロレロ・・・ぷはぁ」
ラウラ「貴様は今日から私の嫁だ!異論は認めん!まずは厨房のセッティングを手伝え!」
『えええええええええ!?』
おわり
乙!
凝ったネタで面白かった
isが好きだから読むことができてとてもよかった
あほすぎワロタwwwww
でも嫌いじゃないぜこういうの
ワロタ乙
出落ちかと思ったがそんなことなかった
これは乙
よかった
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