春香「漫才をやりたい?」 千早「ええ」 (28)
キャラ崩壊有り
特に千早がとても残念な感じになっていますので、苦手な方はご注意ください
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春香「えーと、急にどうしたの?」ハテナ
千早「そうね、簡単に、分かりやすく言うなら……歌のためよ」
春香「ごめんね千早ちゃん、私、全然分からないや」
千早「そう……言葉を伝えるのは難しいわね」フゥ
春香「そういう問題でもないかなぁ。出来れば最初から説明してくれるかな?」
千早「分かったわ。それじゃあ最初から説明するわね」
春香「お願いします」
千早「およそ138億年前、何も無い空間に突如ビッグバンと呼ばれる現象が」
春香「遠い遠い最初過ぎるよ千早ちゃん」
千早「そう?」
春香「もうちょっと身近な、小さなスケールで語っていこう!」
千早「私、春香には大きな世界を見ていて欲しいのだけれど」
春香「えへへ、ありがとう。千早ちゃんにそう言ってもらえるなんて……でも、今
は身の回りの話をしようね」
千早「なるほど。たまには足元を見直すことも必要だということね」
春香「うんそうだね。えーと、それでどこまで話したんだっけ……て、結局まだ何も進んでない!」ガーン
千早「そうね、まだ宇宙が誕生してすらいないわ」
春香「うん、それは誕生した体でお願いします。それで、漫才をやることが、どうして歌に繋がるの?」
千早「様々なことを経験して、私の中の世界を広げたい、というのが大きな理由ね」
春香「あー、それで漫才選んじゃったかー」アチャー
千早「ええ」
春香「もうちょっと何かなかった? 例えば旅行するとかお芝居を観るとか、もっと簡単に、本を読むとか」
千早「そういうのもいいのだけれど、私、歌で誰かを笑顔にしたいと思って」
春香「ほうほう」
千早「私の歌に聞き入ってくれたり、感動してくれたり、時には涙すら流してくれたり、そういうファンの方は多いのだけれど、考えたら、私、歌で誰かを笑顔にできてるのかなって」
春香「うーん、結構みんな笑顔で観てくれてると思うけどなぁ」
千早「もっとみんなに笑顔になって欲しいのよ。苦しい時でも、辛い時でも、私の歌で笑顔になってもらえたら……」
春香「なるほど。そうやって千早ちゃんが辿り着いた答えっていうのが」
千早「漫才よ」
春香「千早ちゃんは面白いなぁ」
千早「そ、そんなことないわよ」テレテレ
春香「あ、そこ照れるとこなんだ」
千早「面白いだなんて、そんな、バラエティーの女王こと春香に比べたら……」
春香「ストップストップストップ! 何それ何その認めたくない通り名的なやつ!」
千早「え? 結構みんな言ってるわよ? さすがは女王、女王すげー、女王に全部持っていかれた、って」
春香「聞きたくなかった! 千早ちゃん、私、アイドル! アイドルだよ!」
千早「そう、アイドルという枠には収まらない、春香にはいつまでもそうあって欲しいものね」
春香「さっきの大きな世界ってそういうことだったの!? ちょっと感動した私の純情を返して!」
千早「三分の一の?」
春香「純情な感情!」
千早「壊れるほーど愛ーしてもー♪」
春香「さんぶんのいち-も伝ーわらなーい! て、違う! 伝わってないのは、今の私の気持ちだよ!」
千早「なるほど……これがノリツッコミ……」ゴクリ
春香「変なところで感心された!? いやいや、ちょっと待って。一度冷静になろう」
千早「言いにくいのだけれど、冷静じゃないのは多分春香だけよ」キッパリ
春香「全然言いにくくなさそう! ていうかそもそも誰のせい!?」
千早「ええと、プロデューサー?」
春香「へ? プロデューサーさん? なんで?」ハテナ
千早「漫才やりたいってプロデューサーに言ったら、春香にそのことを伝えて来ればいいって言われたから……」
春香「ちくしょうこっちに丸投げしやがったなあの敏腕プロデューサーめこんちくしょう!」ウガー
千早「春香、ダメよ、プロデューサーのことをそんな風に言っちゃ」
春香「そ、そうだね、ごめんなさい。うぅ……誰か助けて……」
オハヨウゴザイマース
アラオハヨウ イオリチャン キョウモハヤイワネ
春香「はっ! いおりん来た! これで勝つる!」
千早「水瀬さん?」
春香「そう、伊織。漫才に欠かせないものといえばツッコミ、そしてツッコミといえば伊織!」
千早「聞いたことがあるわ。どんな相手にも物怖じせずに斬り込んでいくその様、誰が呼んだか、ツッコミプリンセス!」
春香「あ、やっぱり伊織にもそういうのあるんだ……て、そうだ。漫才をやりたいなら、伊織に相談するのがいいんじゃないかな?」
千早「なるほど。一理あるわね」
春香「なんなら、そのまま伊織と組んじゃえばいいんだよ!」
千早「! ええ、流石は春香ね! じゃあ早速行ってくるわ。今年のM1で会いましょう!」
パタパタ
春香「多分今日もこの後会うだろうし、そもそもM1に出るつもりなんてさらさら無いんだけど……まあいいや。伊織、ごめん、がんばってね……」
千早「おはよう水瀬さん!」
伊織「あら、千早、もう来てたのね。おはよう……て、どうしたのよ、あんたにしては随分テンション高いじゃない」
千早「水瀬さんとM1を目指そうというのよ! 気持ちも昂ぶるというものだわ!」
伊織「はあ?」
千早「今日は二人の記念すべきスタートの日なのだから!」
伊織「何の話かさっぱりなんだけど……」
千早「私と水瀬さんがコンビを組んでM1優勝を目指すという話よ?」
伊織「はあっ!?」
千早「まずはコンビ名を決めないとね。分かりやすく、ちーちゃんいおりん、いや、ここはやはり先達である水瀬さんを立てる意味でも、いおりんちーちゃんの方がいいかしら?」
伊織「ストップストップ待ちなさい! 何で私たちが漫才やることになってんのよ! なに、またあのアホがアホな仕事取って来たわけ!?」
千早「仕事? いえ、完全にプライベートだけれど」
伊織「ますます意味が分からないわよ! 仕事じゃないなら何で漫才なんてやんなきゃなんないの!?」
千早「歌のためよ」
伊織「いよいよ意味が分からない!」
千早「最初から説明が必要かしら?」
伊織「説明されても分かるとは思わないけど、一応聞いておこうかしら」
千早「始まりは約138億年前だと言われているわ、無の世界に突如として」
伊織「ビッグバンとか言い出したらはたくわよ」
千早「! 流石水瀬さん、私の言いたいことは全てお見通しということなのね……」ガクブル
伊織「全くちっともこれっぽっちも分かりゃしないわ。あのね、あんた、宇宙の起源とかどうでもいいから、どうしてプライベートで漫才をやんなきゃなんないのか、それを説明しなさい」
千早「漫才を経験すれば、私の歌で笑ってくれる人がもっと増えるんじゃないかと思って……」
伊織「バカじゃないの?」
千早「ノータイム! 流石はツッコミプリンセスと讃えられるだけのことはあるわね……」ゴクリ
伊織「その呼び方やめなさい!」
千早「どうして? とても素敵な呼び名だと思うのだけれど……プリンセス、お姫様よ? 水瀬さんにぴったりだわ」ウンウン
伊織「前半部分が明らかにおかしいでしょ!?」
千早「? 水瀬さんの特長を端的に表しているのでは?」
伊織「バッカじゃないのっ!?」
千早「っ! これが水瀬さんの切れ味……っ」ブルブル
伊織「何すごいものを見た的な感じになってるのよ!」
千早「コンビを組むなら、これに負けてはダメなのよね。がんばれちーちゃん、ちーちゃんはできる子」ブツブツ
伊織「キャラ壊れてるわよあんた……」
千早「大丈夫よ、いおりん。私、きっといおりんに相応しいパートナーになってみせる!」
伊織「いおりん言うな! さっきからあんたおかしいわよ!」
千早「私がおかしい? そんな、ツッコミプリンセスいおりんから褒めてもらえるなんて……」テレテレ
伊織「褒めてなんかないわよっ! それにその如何にも三流くさい呼び名をやめなさい! ああもういやっ、ツッコミが追いつかないっ!」ウガー
千早「見えている全てにツッコまずにはいられないのね、なるほど」
伊織「! ま、まるで私がツッコミの人間みたいに言わないでよ!」
千早「違うの?」ハテナ
伊織「ち、違うわ!」
千早「でもさっき、ツッコミが追いつかないって……」
伊織「こ、言葉の綾よ……」
千早「……ふふ、大丈夫、分かっているわ」
伊織「……ホントに?」
千早「自称するのには相応の自信と覚悟が必要だと思うけれど、水瀬さんにはきちんとその実力が備わっているわ。大丈夫。安心して、水瀬さんはちゃんとツッコミの人よ」
伊織「やっぱりこいつ何も分かってなかった!」
千早「ふふ、春香の言った通り、私たちならきっとやれるわね!」
伊織「……春香?」
千早「ええ、さっき相談したのだけれど、水瀬さんと組むことを提案してくれたよ。さすがは春香ね」
伊織「なるほどーあいつ私に押し付けてくれやがったわねあのアホリボン!」
千早「水瀬さん、何があったのか分からないけれど、リボンのことをそんなに悪く言うものじゃないわ」
伊織「そうじゃない、そうじゃないでしょっ!?」
千早「大事なことなので」
伊織「二回言いまし……って、やかましいわっ!?」
千早「こ、これが水瀬さんのノリツッコミ……」ゴクリ
伊織「ああああああああ、もおおおおおおおおおおお! 誰か助けなさいよーーーーーっ!」
小鳥(くすくす。最初の千早ちゃんのお願いがもう十分叶ってるのは、内緒にしておこうかしら)
短いですがこれで終わりです。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
めんどくさい千早も可愛いよ千早。
おつ
乙です
乙。面白かった
書き慣れてるみたいだけど、過去作とかある?
コメントありがとうございます。
千早ちゃんが可愛すぎて辛い
如月千早の今日思ったこと
というSSをこちらで投稿させていただいた経験があります。
後者は過去作というか現行ですが…
なんという長期連載
毎日ちょっとずつ読んで追いかけます健康なちーちゃんかわいい
CKTから。
まさか千早にボケさせるとは思わなんだ
乙ですわ
書き終わりとキャラでまさかとは思ったが、本当に1ちゃんだったのか
向こうの更新も待ってます
乙
壊れちーちゃんは萩原さんと組ませたい
CKTと思ったこと読破してから戻ってきたらめんどくさい千早の可愛さが5倍増しになってた
これは洗脳されたか
このSSまとめへのコメント
ぶっ壊れちーちゃんホント好き!面白かったです!