モバマスssです。
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初体験は中学一年生の時だった・・・・と、思う。
回答が曖昧なのは、どうにも記憶が定かではないのだ。
覚えていることといえば、眠気まなこを擦りつつ、ベッドに潜り込んだところ。起こしにきた母親を押し倒し、一心不乱に犯したところ。そして、目が覚めたところしかない。
夢なんじゃないのかって?
・・・・確かにそうかもしれない。正直なところ、自分でも夢だったのだと思っている。
ただ、どうにも、目が覚めた後、向かった台所で「おはよう、良く眠れた?」と声をかけてきた母親のくたびれたような笑顔と、身体に残った生々しい肌の感触が、あれは本当に夢だったのだろうかと疑問を浮かばせるのである。
母親は歳のわりに、若々しくて、綺麗であった。パート先のスーパーでは、お客さんから実年齢よりも十ほど下に見られているのだ、と何度も自慢話を聞かされている。
そして、それゆえか、未だに性欲の衰えを知らない。
勘違いしないで欲しいのは、母親は決して、不貞を働いたりはしていない。
中学三年生の時、いつもより学校から早くに学校から帰宅すると、玄関に母と父の靴が並んで置いてあるのが見えた。夜中トラックの運転手をしていた父は、日中はリビングで報道バラエティ番組を見ているのが常であったが、リビングを見てみるも、黒色を映し出しているテレビと、飲みかけの日本茶が二人分用意されているだけであった。
「ただいまー!」と声を張り上げてみたところ、リビングの隣にある自室から生まれたままの姿の両親が、照れくさそうに出てきたではないか。(ベッドはこの部屋にしかない。両親は和室に敷布団で寝ている。)
毛布で身体を隠しながら、ごめんねごめんねと照れ笑いをしている母を直視できずに、ちょっと出かけてくる、と精一杯の気遣いを見せ、学校指定の鞄を投げ出し、学校から漕いできた自転車に再び跨り走り出した。
不思議とペダルは軽かった。
なんとか時間を潰して帰宅すると、先ほどの出来事が無かったかのように、普段と変わらずに接してくる母親の姿があった。どうしていいものか解らず、自室に入り、ベッドに潜りこんでみたものの、シーツを交換されたマットレスは僅かながらに湿り気を帯びていて、嗅いだことのない臭いが漂ってくる。
しばらくぼんやりと何も考えずにいたが、自分は一生恋愛はしないで生きるのだろうな、と思った。
ロックミュージックを聴き始めたのは、この頃からかもしれない。
初めはニルヴァーナだったか・・・。ロックバンドを組んでいる友人が好んで聴いていたので、聴いてみたのが最初。すべてを拒絶したボーカルは、ショットガンで頭を打ち抜き、死んだそうな。何も死ぬことはないのに、とそのときは思ったものである。
・・・・・・そろそろ時間かな。
今日はテレビ局で歌番組の収録。そのあとに、雑誌の取材。事務所に帰ったら、ライブの打ち合わせ。
窓の外は雲ひとつなく晴れ渡っている。
ここしばらく、雨は降っていない。
いい天気だ。本当に。
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続きはまたあとでー
だりーか 期待
また懐かしい歌を……
戻りましたー
再開
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李衣菜「はぁっ・・・はぁっ・・・・・おーい、なつきちぃ!」
夏樹「よっ」
李衣菜「はぁ・・・・はぁ・・・・ごめんね、ちょっと遅くなっちゃった・・・・」
夏樹「いや、実はアタシも今来たとこなんだ。昨日の収録がハードでな。少し寝坊しちまったよ」
李衣菜「そうなんだ・・・。実は私も寝坊しちゃってさー!私も昨日の取材が結構大変で・・・」
夏樹「なんだよ、だりーも一緒か」
李衣菜「へへっ・・・!」
夏樹「よし、じゃあ行くか」
李衣菜「うん・・・って、あれ?今日はバイクじゃないの?」
夏樹「ああ、今は拓海に貸しちまってるんだ。アイツの単車、整備に出してるらしくってな。代車よりもアタシのやつのが走ってて気持ちいいんだとさ」
李衣菜「なーんだ。せっかくまたなつきちの後ろに乗れるかと思ったんだけどなぁ」
夏樹「また今度な」
李衣菜「じゃあ今日は電車?」
夏樹「いや、タクシーで行けって。アタシらもだいぶ有名になってきたし、もしもの場合を考えろ、ってプロデューサーが」
李衣菜「そっか・・・そうだよね」
夏樹「ああ。だから、さっきみたいに大声でアタシの名前を叫んだりするのは駄目なんだぜ?」
李衣菜「うっ・・・・。以後、気をつけます・・・・」
夏樹「ははは・・・・おっ、丁度来たな」
夏樹「・・・・・すみません、運転手さん。○○テレビまでお願いします。えっ、サイン?」
李衣菜「よろこんで!」
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共演者達への挨拶もそこそこに済ませ、扉の前に貼り付けられた案内表示を確認し、部屋に入った。
部屋の照明は外の天気とは一変して、少々薄暗く感じられた。、
化粧台には豪華な花束。出演祝いのようだ。差出人は・・・765プロダクションの如月千早さん。
歌姫と名高い彼女とは、以前競演した歌番組で意気投合し、今ではすっかり仲良くさせてもらっている。
以前から彼女の活躍は知っていたし、テレビや街中の有線放送でよく歌を耳にしていた。CDだってちゃんと持っている。
・・・・・生で聴く彼女の歌声は、段違いであった・・・・・。
眼の前の少女は、自分とたいして歳の変わらないのに、自分よりも華奢な身体で、どうしてこうも喜びと生命力に満ち溢れた歌を歌うのだろうと、震えた。彼女の歌声に、身体中の血の一滴一滴が共鳴するのを感じた。それは感激の振るえであるとともに、恐怖であったのかもしれない。
この人には勝てないと思った。
花束は薄く作られたガラス製の花瓶に活けられていて、その飛び出した花々の、花びら一枚いちまいが妙に艶かしくみえる。血が通っているようだ。一枚いちまいがこの部屋の光を奪って、それを血に変え、咲いている。
トップアイドルがそこにいるかのような錯覚を覚えたのは、何故だろう。・・・・仕事の疲れ。・・・・劣等感。・・・・はたまた、花に見えただけで、本当はそこに如月千早がいるのかもしれない。・・・そんなわけは・・・・。
トイレへと出た相方の背を見送る。一人になる。
部屋にテレビは備えられておらず、暇つぶし用にと雑誌が数冊、長机に置かれているばかりだ。
その一番上に置かれたファッション誌を手に取り、パラパラと捲り、特に何も見るものはない、とすぐに閉じる。
部屋に響くのは時計の音だけだ。かち、かち、かち、と触れば簡単に折れてしまうような、細い細い線のような秒針が、しっかりとした線と艶を持ち、黒々とした分針と時針を必死で追いかけている。
かち、かち、かち、かち、かち、かち
その三つの針がキリよい時間で揃うのは・・・・・六時半では半端だな。だったら、十二時きっかりを示す時だけか。それもほんの一瞬だ。
かち、かち、かち、かち、かち、かち
自分を例えるとしたら、どの針だろうか。
時針は違うな。じゃあ、分針?
いや・・・・・あの、今にも消えてしまいそうな・・・・誰も、気にも留めることのない・・・・。
かち、かち、かち、かち、かち、かち
最近、ぼんやりとすることが多くなった
かち、かち、かち、かち、かち、かち
ここの控え室には、窓がない
かち、かち、かち、かち、かち、かち
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夏樹「お疲れ様でした」
李衣菜「・・・・おつかれさまでした」
スタッフ「お疲れさまでした。今回も素晴らしい歌でしたよ!」
夏樹「ありがとうございます」
スタッフ「今度、あの野外フェスに参加されるんですよね」
夏樹「ええ、まあ・・・」
スタッフ「ロック・ザ・ビートもいよいよロックのビッグイベントに参加かぁ・・・。楽しみにしてますよ!」
夏樹「ありがとうございます。では、失礼します」
李衣菜「失礼します・・・・・。今日はありがとうございました」
スタッフ「いえいえ、これからも頑張ってくださいね!」タッタッタッタ
李衣菜「・・・・・・・」
夏樹「・・・・どうしたよ、だりー」
李衣菜「・・・・えっ」
夏樹「元気ないじゃないか、ええ?収録の時も、少し振り付け間違えてたし・・・・。アタシ以外、誰も気づいてなかったみたいだけど」
李衣菜「そ、そうかな・・・・。疲れがとれてないのかも・・・・・ごめん」
夏樹「いや、病気とかじゃないんならいいんだけどさ」
李衣菜「・・・・・・・・」
夏樹「・・・・次は取材だっけか。・・・・少し時間もあるみたいだし、ちょっと散歩していこうぜ」
李衣菜「散歩?・・・・・いいかも。行こう」
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李衣菜「いやぁ、いい天気だね」
夏樹「絶好のツーリング日和だ。バイクさえ貸してなけりゃあなあ」
李衣菜「ふんふんふ~ん♪」
夏樹「・・・・元気でたか、だりー?」
李衣菜「えっ?私はさいっしょから元気だよーぅ!」
夏樹「ははは!そうかそうか」
李衣菜「あー!信じてないでしょ!」
夏樹「信じてる信じてる」
李衣菜「酷いなあ、まったく・・・」
夏樹「それにしても本当にいい天気だ・・・。なあ、だりー。なんか歌でも歌ってくれよ」
李衣菜「ええ~?歌ぁ?」
夏樹「ああ。好きなんだ、お前の歌」
李衣菜「ええと、じゃあ・・・・・」
李衣菜「Swing swing up and down♪ Turn turn turn around♪」
夏樹「おっ、Vaselinesなんてよく知ってるな」
李衣菜「ヴァセリンズ?ニルヴァーナでしょ?」
夏樹「ああ、そういうことか・・・」
李衣菜「えっ?」
夏樹「ニルヴァーナのはなぁ、あれ、カバーなんだよ」
李衣菜「そうなの!?」
夏樹「元々はVaselinesってバンドの曲なんだよ」
李衣菜「ひ、ひえぇぇ・・・」
夏樹「ははは!・・・・だりーらしいや」
李衣菜「言ったなー!?」
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帰宅。
自室の窓の外を見ると、今歩いてきたばかりの夕空が見える。
Twilight sky・・・。
昼と夜とが介在する、絶妙なバランスの、美しい空。
少し早くては駄目だ。少し遅くても駄目。
この瞬間だけなのだ。それも、ほんの一瞬の・・・。
なんとなしに、この間観た映画を思い出した。ラブロマンス映画だ。
仕事帰りに通りかかった古びた映画館の、何度上映したのであろうと解らない、色あせ、草臥れた、昔の映画のポスターが目に付き、何の気の迷いであろうか、一人で観たのだ。
映画のラストで、主人公とヒロインが幸せなキスをして、幕が下りる。エンディングテーマは、聴いたことのないマーチソング。
素晴らしく綺麗だった。今、この眼に映っている空の配色は、まさしくそれだ。昼と夜との口付け・・・・・。
一瞬でも過ぎると、夜は昼の白いブラウスのボタンに手を掛け、ゆっくりと、ひとつひとつ外していき・・・・。
かち、かち、かち、かち、かち、かち
かち、かち、かち、かち、かち、かち
昼は徐々に頬を染めあげ、夜の手は昼の胸を揉みしだき・・・・
かち、かち、かち、かち、かち、かち
昼が女の顔をしだす。夜は・・・・・。
かち、かち、かち、かち、かち、かち
昼の中に夜が入ってくる。夜の中に昼が入ってくる・・・・。
混じり合う二人は・・・・
かち、かち、かち、かち、かち、かち
違う、やめてくれ、駄目なんだ。二人はこのバランスでいいんだ。このバランスで・・・・。この関係が・・・・。
かち、かち、かち、かち、かち、かち
ああ、やめてくれ!どうかこの時を止めることはできないだろうか!
かち、かち、かち、かち、かち、かち
かち、かち、かち、かち、かち、かち
かち、かち、かち、かち、かち、かち
かち、かち、かち、かち、かち、かち
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
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時間は過ぎていった・・・・・・
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P「以上が、明日のライブの段取りとなる。まあ、リハ通りだ。お前らなら、普段どおりにやっていれば問題ないだろう」
夏樹「・・・・・・・・」
李衣菜「・・・・・・・・」
P「どうした?・・・・やっぱり緊張するか」
夏樹「・・・・まあな」
李衣菜「だって日本のロックイベントの代名詞ともいえるこのフェスに出るだなんて・・・・緊張しないほうがおかしいよ」
P「そりゃそうだ」
夏樹「・・・・・・・」
P「今回のライブはお前達にとって新たな一歩となるだろう。これを乗り切った先には、新しいステージが待っているんだ」
李衣菜「・・・・・・・」
夏樹「・・・・・・」
P「・・・・・・しっかり休めよ」スタスタスタ
夏樹「・・・帰ろう、だりー。今日はバイクがある。送ってくよ」
李衣菜「・・・・うん」
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夏樹「どうだ、だりー。いい風だろ?」
李衣菜「うん!最高!」
夏樹「だよな!」
李衣菜「・・・・・なつきち」
夏樹「「うん?」
李衣菜「絶対!絶対ライブ成功させようね!」
夏樹「ああ。いつも通りやっていけば、問題ないさ。アタシたちはいつだってそうだった。これからも、そうさ」
李衣菜「・・・・・・夕日が沈んでいくね」
夏樹「ああ。もうすぐTwilight Skyだな。今日もいい天気だったから・・・」
李衣菜「明日は晴れるかな・・・・」
夏樹「晴れるさ。ずっと晴れだったんだ」
李衣菜「そうだね」
夏樹「だりー、アタシはこの空が好きだ」
李衣菜「私も」
夏樹「お前にそっくりだ」
李衣菜「そうかな。なつきちは、夜って感じがする」
夏樹「なんで?」
李衣菜「だって、ロックだもん」
夏樹「なんだそりゃ」
李衣菜「ロックは夜に聴くものだよ」
夏樹「誰だよ、そんなこと言ったロックンローラーは」
李衣菜「誰も言ってないよ。私が思ってるだけ」
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夢をみた・・・・
一人ぼっちの夢だ・・・・
みんな、一歩ずつ踏み出して、自分だけが取残された・・・・・
一人ぼっちの夢だ・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・ニルヴァーナの歌が聞こえる。
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ライブ当日は小雨が降っていた
急激な気圧の変化により、前日の天気予報は外れとなった。心なしか、雲行きは怪しくなっているようで、現段階ではフェスは続行しているが、場合によっては中止になるかもしれないらしい。
ロック・ザ・ビートの出番は、今ステージにいるグループを含めて、あと二組目。
身体の震えを感じる。緊張のせいではないことは、とうに解っている。
このライブは、新しい一歩だ。このライブが終われば・・・・・。
ステージの入れ替わりが始まった。とうとう、次だ。
備えるために、控え室を出なければならない。
急激に恐怖が襲ってきた。今すぐ帰りたい。帰って、眠って、次の日になって、仕事をして、帰って、眠って・・・・。
いつもみたいに笑っていてくれればそれで・・・・・。
「someone told me long ago♪」
聴きなれた歌声と、アコースティックギターの音が控え室に響いた。
驚いて顔を上げる。
だってそうだろう。
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夏樹「だりー、お前・・・・・」
李衣菜「へへっ!驚いた?」
夏樹「・・・・いつの間にギターを弾けるようになったんだよ・・・・・」
李衣菜「練習したんだよ。私だって、いつまでもギターが弾けないんじゃ、格好つかないからね」
夏樹「だりー・・・・」
李衣菜「・・・・ちょっとは元気でたかな?」
夏樹「え・・・・・」
李衣菜「最近、なんか元気なさそうだったからさ」
夏樹「そんなこと・・・・」
李衣菜「そんなことあるよ。ずっとなつきちのこと見てきたんだもん。解るよ」
夏樹「・・・・・・・・」
李衣菜「さあ、行こう、なつきち。みんなが待ってる」
夏樹「・・・・・・い、いや、待ってくれ・・・・・まだ・・・・まだ、このまま・・・・・・」
李衣菜「どうして?」
夏樹「・・・・・怖いよ。なんだか、怖いんだ。なんか、お前が変わっちまいそうな気がして」
李衣菜「そりゃあ、変わるよ。みんな、変わっていくもん。なつきちもそうだよ」
夏樹「アタシも・・・・・?」
李衣菜「そうだよ。なつきちも変わっていく。進んでいく。なつきちはロックだもん。転がる石に苔は生えないんだって、前に何かの本で読んだよ」
夏樹「・・・・・進んだ先に何があるんだろうな」
李衣菜「さあ・・・・。解らないけど」
夏樹「・・・・・・・・」
李衣菜「解らないけど・・・・。私はなつきちと一緒だから進めるし、変われるよ。なつきちは?」
夏樹「アタシは・・・・・・」
アタシも・・・・・・・そうだよ
夏樹「お前と一緒なら・・・・・何処へだって進んでいけるさ」
李衣菜「なつきち・・・・・・・何で泣いてるの?」
夏樹「ああ・・・・・・・・なんでだろうな、きっと、お前と一緒だからだ」
李衣菜「そっか」
夏樹「そうだよ」
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ステージに上がると、小雨はすでに豪雨へと変わっていた。
遠く見える雲の間で、稲妻が光るのが見えた。
その稲妻の中に、ほんの一瞬だけ、美しい夕焼けが見えた気がする。
手元のギターを掻き鳴らす。
アイツが振り向く。今までに見たことのないくらいの笑顔だ。
アタシは・・・・・・よく解らない。
でも、きっと・・・・・・笑顔だったと思う。
雨粒に紛れて、涙の行方が消えた・・・・・そんな笑顔だったと思う。
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これにて終了です。
駄文失礼いたしましたー
>>33
最初の2レスって誰の回想?
>>34
一人語りは全部なつきちのものです
>>35
おつ、すっきりしたわありがとう
乙
いい雰囲気だった
おつ
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