期待

〜結衣の家〜


結衣「……今年はいつもより騒がしい誕生日だったな」

京子「祝ってくれる人が増えたしね〜、生徒会とか千鶴とか！」

結衣「千歳の鼻血も尋常じゃない量だったしな……今回ばかりはさすがにもうダメかと思った…」

京子「あはは、まあひじきとレバーパワーでなんとかなるでしょ！」

結衣「なんとかしそうなのが千歳だからな」

京子「綾乃もプレゼント渡すくらいであんなに恥ずかしがらなくてもいいのになー、さくっちゃんなんか抱きついてくれるのに」

結衣「京子と大室さんはスキンシップ激しめだけどな。まあ確かにプレゼント渡すだけで10分もかかるとは思わなかったけど」

京子「顔真っ赤にして震えてるもんだから告白でもされるのかと思ったよ！」

結衣「……そうだな」ﾒｿﾗｼ

京子「？」

結衣「そういえばさ、大室さんが京子に抱きついた時の古谷さんも結構かわいかったよ」

京子「ななっ、それは浮気発言ですか！？」

結衣「んなわけあるか」ﾁｮｯﾌﾟ

京子「いてっ」

結衣「あれはヤキモチなんだろうなぁ……大室さんは気づかないのかな」

京子「あかりとちなつちゃんの話通りなら逆パターンもよくあるっぽいよね」

結衣「熟年夫婦みたいだな」

京子「まるで私たちみたいだなって！？ 結衣にゃんったらダイタンなんだから♡」ｷｬ-!

結衣「言ってねえよ」

京子「ちなつちゃんはツンデレからデレデレに進化してたよね！」

結衣「デレデレではなかっただろ、最終的に鬱陶しがられてたじゃん」

京子「いやいや、あれはデレですよ結衣さん！ 京子ちゃんの乙女フィルターには猫耳つけてにゃんにゃんしてくれるちなつちゃんが見えたよ」ﾑﾌﾌ

結衣「そんなの見えるのはお前だけだ」

京子「あかりはもう好感度MAXだから攻略し甲斐があんまりないよなー」

結衣「自意識過剰って言いたいとこだけど、あながち間違いでもないな」

京子「あかりにはワンコみたいなかわいさがあるよねぇ……こう、わしゃわしゃーっと撫で回したくなる」

結衣「それはわかる」

京子「……あり、もうこんな時間だ」ｼﾞｭ-ｲﾁｼﾞ

結衣「ん、そろそろ寝ようか」

京子「布団の用意してー！」

結衣「……まあ今日は誕生日だから」

京子「えっマジで！？ 毎日誕生日がいいなー」

結衣「それだと三ヶ月くらいで寿命がくるぞ」

京子「一年に一回でいいです！」

結衣「電気消すよ」ﾊﾟﾁﾝ

京子「ほーい」

結衣「………」

京子「………」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

結衣「……なにしてんだよ」ｶﾞｼｯ

京子「いやあ、結衣さんのおムネの成長具合を確かめようと」ﾍﾗﾍﾗ

結衣「バカなことしてないではよ寝ろ」ﾍﾞｼｯ

京子「ああん、いけずぅ」

京子「……今日はさ、楽しかったよね」

結衣「ん、まあな……」

京子「…ずーっとみんなでいっしょにいられたら楽しいよね」

結衣「そうだな……できればずっと仲良くしていきたいな」

京子「私たちも次はもう三年生じゃん？ 受験のことも考えなきゃいけないし、遊べる時間も減っちゃうのかな」

結衣「……大丈夫だよ、きっと」

結衣「ほら、もう寝よう。明日はまたごらく部で集まろうって言ったのは京子だろ」

京子「……うん、そうだね」ﾆｺｯ

ふむ

京子「………結衣？ 寝た？」

結衣「すぅ……」

京子「………寝てるね」

京子「……」ﾑｸﾘ

京子「ずっとみんなで楽しく過ごせたら、しあわせだよね」ｶﾞﾁｬ

ﾊﾞﾀﾝ

京子「西垣ちゃーん」ﾀｯﾀｯﾀｯ

西垣「おお、歳納。待ってたぞ」

京子「ごめんごめん……準備はできてる？」

西垣「うむ、“いつも通り”だ」

京子「うん、ありがとね」

西垣「……この一年は、どうだったんだ？」

京子「楽しかったよ。すっごくすっごく……こんな時間がずっと続けばいいのにって思うくらい」

西垣「……そうか」

西垣「じゃあ、始めるぞ」

京子「おっす！ よろしくね〜」

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結衣「京子、明日の宿題終わったの？」

京子「えへへ、それがまったく……」ﾏｯｼﾛ-

結衣「はあ……次の数学の先生怖いんだろ、休み時間の間に終わらせろよ」

京子「へーい……」

京子「あ、そうだ！ 結衣〜、高校どーする？」

結衣「んー、まだ二年になったばっかだし……まだ決めてないよ」

京子「えへへ、そっかぁ……」

京子「“また”楽しい一年にしようね！」

終わりです。なんとか間に合って良かった……

結京……あれ？