コナンSS「ある殺人者の記録」 (20)
「......平成○○年×月△日。これよりレコーダーへの録音を開始する」
「これから私は、とある殺人犯が収監されている刑務所へ向かう」
「あの狂気とも思われる連続殺人を引き起こした犯人......。毛利蘭への面会に行く」
「若干20歳にも満たない女性が引き起こした......。史上稀に見る素手による連続殺人。その詳細は毛利蘭の発言が要領を得ない事もあり、未だ不明な点が多い」
「この度、私は心理学者として彼女に接し少しでも情報を引き出して欲しいとの依頼を受け、特別に接見を許された」
「その内容を記録する為、このレコーダーに音声を残す事も許された」
「正直、どんな事が待ち受けているか不安だが......。依頼を承った以上は全力で全うする所存だ」
「......間もなく敷地内に入る。荷物チェックの為、1度電源を切る。毛利蘭との会談を開始する際、また電源を入れる。以上」
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「......再度録音を開始する。今私は身体検査を受け、刑務所の中に入った。会談を始める前に録音を開始する事が出来た」
「今彼女......。毛利蘭が連れて来られる部屋の側で待っている」
「辺りは非常に物々しい雰囲気だ。刑務官も皆不安を......。いや、恐怖を感じている様にも見える」
「無理もない。あの事件を知る者なら、彼女に恐怖を感じてしまうのは仕方無い事だ」
「正直、私も恐れを禁じ得ない。これだけ厳重な警戒の中ではあるが、果たして自分が無事に帰れるのかが不安で仕方無い」
『先生、時間です』
「分かりました」
「......準備が整ったようだ。これよりアプローチを開始する。再度会話が始まり次第録音を仕切り直す。以上」
「......平成○○年×月△日。午後2時丁度。これより、毛利蘭との面会を開始する」
「......済まないね、業務的な始まり方で」
【......構いませんよ】
「では改めまして、私は心理学者の佐々木と申します。この度、君と話をさせてもらう為に来ました。宜しく」
【......話って、何ですか?】
「察しはついていると思うけど、君が引き起こした例の事件について、聞きたい事があるんだ」
【......何故聞きたいの?】
「何故?」
【先生みたいな人、今までも何人も来たけど。話したいと思えなかったの。ねぇ、聞かせて?先生は何で私の話を聞きたいの?】
「......」
【私が納得行く理由だったら、話しても良い。それ以外なら話さない。帰って貰う】
「......妙な話だね、わざわざ人を試す様な事をするなんて。そんな事をする位なら、面会を断る事も出来たと思うけど」
【......別に私は話をしたくない訳じゃないの。でも、それが誰でも良い訳じゃない。信じられる人にしか話したくない。だからみんなに理由を聞くの】
「......成る程。分かった。君が聞いて納得するかは分からないが。私が君に話を聞きたい理由は、失礼を承知で言うと自分の探求心の為にだ」
【探求心?】
「......君の傷口を抉る様で悪いが、君の起こした事件は余りにも異例ずくめだった。その内容。規模。凄惨さ。余りの事件の異様さ故、当時未成年だった君の実名を特例で警察は公表する事になった。それ程の大事を引き起こした理由は何だったのか。それを知りたいんだ」
【......】
「気を悪くした事と思う。しかし、君の内面を抉る以上、おためごかしはしたく無い。これが偽らざる私の本音だ」
「......再度録音を開始する。今私は身体検査を受け、刑務所の中に入った。会談を始める前に録音を開始する事が出来た」
「今彼女......。毛利蘭が連れて来られる部屋の側で待っている」
「辺りは非常に物々しい雰囲気だ。刑務官も皆不安を......。いや、恐怖を感じている様にも見える」
「無理もない。あの事件を知る者なら、彼女に恐怖を感じてしまうのは仕方無い事だ」
「正直、私も恐れを禁じ得ない。これだけ厳重な警戒の中ではあるが、果たして自分が無事に帰れるのかが不安で仕方無い」
『先生、時間です』
「分かりました」
「......準備が整ったようだ。これよりアプローチを開始する。再度会話が始まり次第録音を仕切り直す。以上」
>>6はミスです。
シリアスなのか一周回ったギャグなのか分からんが期待
これは期待
【それはつまり、自分の為にって事よね?】
「......ああ。そうだ。事件解決に協力したいのも本音だが、それ以上に自分の知的好奇心が君に会う事を選ばせた。君の言う様に、自分の為にだ」
【......ふふふ】
「......何故笑うんだい?」
【先生みたいに正直な人、初めてだから。ここに来た人みんな、キレイゴトばかり言うの。君の力になりたいとか、君を救いたいとか、心にも無い事ばかり。私の気持ちも知らないで。私がどんな気持ちで......。ふ、ふふふ......。あはは......】
「......」
【......そんなに怯えないで下さいよ。私の笑い、そんなに気持ち悪いですか?】
「い、いや。そんな事は」
【まあ、私の事を知ってるなら無理も無いですけど。この状態じゃ何も出来ないですよ】
「確かに。手足をイスに拘束され、何重もの鎖や重りで固定された今なら、動く事すら出来ないだろうね」
【でしょ?だから心配しないで下さいよ。先生の理由は気に入ったから、約束通り話しますから】
「......分かった。ありがとう。その状態では長引くと疲れるだろうし、早速始めよう。では、いきなりで悪いんだが、最初の事件について話して貰えるだろうか?」
【最初の?】
「......君が幼馴染みの工藤新一君を殺めた、あの事件についてだ」
【ああ、そっか。あれが、そっかぁ。私、記憶がグチャグチャで。どれが始まりだか、ね。でも、事件の内容は覚えてるから大丈夫です】
「......では、話して貰えるかな?あの事件の内容と、事件を起こした理由。そして、あんな内容になった理由を」
【あんな内容?】
「君は最初の事件で、工藤新一君のみでなく、もう1人女性を殺めている。身元を調べた結果、宮野志保と言う人物である事が判明している。だが、彼女と工藤君に交友関係があった事は分かっているが、君との繋がりが分からない。何故君は、彼女を殺めたんだ?」
【......】
「......答えにくいかい?」
【......】ギリギリッ
「......?歯ぎしり?」
【あの女......。あの、女ぁ......!!】
「......っ!?」
【何故新一とあの女をって?あの2人が私を裏切ったからですよ】
書き忘れました。【閲覧注意】で御願いします。
「......裏切った?」
【......あなたが言った通り、私と新一は幼馴染みでした。ただの幼馴染みじゃない。私は新一が好きだった。とってもとっても大好きだった】
「では、恋人関係だったのかな?」
【......いいえ。正式には。あの日から毎日一緒にはいられなくなったし】
「あの日?」
【あの日......。私は新一と遊園地に行ってました。いつもみたいにアイツは聞きたくも無いホームズの話をして。ウンザリだったけど、でも一緒にいれる証拠だと思うと嬉しかった。でも、一緒にジェットコースターに乗ったら殺人が起きちゃって】
「もしかして、それを彼が解決した?」
【そうです。良く分かりましたね】
「彼が高校生探偵として活躍してたのは知ってたからね。一時期、ぷっつりと見なくなっていたが。それが、君の言う会えなくなった事と関係があるのかな?」
【......】
【......あの事件の日から、新一はいなくなったんです。と言っても、完全に消えた訳では無くて、たまに顔を出して。その度、私に思わせ振りな事を言うから、きっと新一も私の事好きなんだって思ってた】
「けど、そうでは無かった?」
【......ある時、突然帰って来たと思ったら新一はこう言ったんです。「好きな人が出来た」って。最初は何言ってるんだろうって思いました。あれだけ私に好きな女だのなんだのって言ってた癖に、好きな人が出来た?ふざけないでよって思いました】
>>14はミスです。
【でも、新一が言う事だから。きっと軽はずみじゃないと思って。分かったって言いました。新一の為にと思って我慢しました。なのに......】
「なのに......?」
【ある日、見ちゃったんです。新一と別れてから暫くたってから。新一とあの女が一緒に歩いてるのを。2人で楽しそうに......】
「それが......。引き金に?」
【だって、新一。あんなに楽しそうにしてたんですよぉ?私がどれだけ我慢したかも知らないであんな知らない女と楽しそうに。私の事なんて忘れて。自分勝手に勝手に勝手にぃ!!】ガタガタッ
「ま、待って!落ち着いてくれ!」
【う、うぅ......】
「少し休もう。気持ちが高まりすぎているよ。心を落ち着けよう」
【......大丈夫です。すみません】
「......本当に?」
【はい。大丈夫です。すみません】
「......分かった。では続きを。偶然彼等を見て君はどうしたんだ?」
【......あの時、余りに怒りが湧いてきて。どうしようも無くなって。後を着けました】
「うん。それから?」
【......2人が人気の無い方に歩いて行ったので、後ろから殴りつけました】
「......それは、殺意を持って?」
【ううん。そこでは違います。罰を与える為に】
「罰を?」
【うん。私を苦しめた罰を。で、どこかに運ぼうと思って。殴ったら2人とも脳震盪起こして気絶したから、近くの廃ビルに運びました】
立て直しの為中断します。
どうした?
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