修「千佳、特訓しよう」 千佳「え…?」 (20)

風間『隊長としての務めを果たせということだ』


修(ぼくにやれることはなんだろうか?)

修(部隊の戦闘員を増やすこと…迅さんには断られちゃったし、宛てもまだないからな…)

修(ぼく自身の特訓はもちろん続けるとして…あとはなにができる…?)

修(空閑は自力でランク戦で経験を積んでる…ぼくからアドバイスできることなんてないし、あっても空閑自身で気づくだろう)

修(千佳にはレイジさんが指導してくれてるし、狙撃の技術のことに関してはぼくなんてなんの役にも立たない)

修(いや、技術のことよりも…今問題なのは千佳が人を撃てないことか…)

修(そのことについてもレイジさんが指導してくれてるんだろうけど……できるだけ早く、ぼくや千佳も点を取れるようになれなきゃ…遠征部隊の選抜に間に合わない)

修(……よし、できるだけのことをしてみよう)

修「というわけで千佳、特訓しよう」

千佳「え…?」


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千佳「修くん。特訓ってなんの特訓?」

修「人を撃てるようになるための特訓だ」

千佳「あ……」

修「デリケートな問題だから少しずつ時間をかけて克服するべきなんだろうけど…千佳が撃てるようになれば遠征部隊に選ばれる確率は大幅に上がると思うんだ」

千佳「そうだよね……ごめんね」

修「い、いや。謝らなくていいんだ。だからぼくも一緒に手伝おうと思って」

千佳「手伝う……?」

修「千佳。相手がトリオン体なのにも関わらず人が撃てないのは頭のどこかで生身を撃ってるように思ってしまうからだと思うんだ」

千佳「うん」

修「だからまずは身体で覚えよう」

千佳「身体で?」

修「ぼくを撃て!!」バッ

千佳「……!?」

千佳「お、修くん……!?」

修「いきなり他人を傷つけるのは怖いだろうからな。ぼくなら比較的遠慮しなくて済むはずだ」

千佳「でも…その…」

修「それにぼくが木っ端みじんになることなんていつものことだ!日常茶飯事だ!」

千佳「そんなにいつも木っ端みじんになってるの……?」

修「だから千佳。まずはぼくのことを何回も撃って慣れよう」

千佳「修くん……でも私…修くんが木っ端みじんになるのも見たくないよ……」

修「じゃあランク戦のログならどうだ?画面越しならまだ衝撃も軽減されるんじゃないだろうか?ぼく的には東さんに壁抜きされたときなんか見事な木っ端みじんっぷりだと思うんだ!」

千佳(修くん、なんでそんなに木っ端みじんっぷりに自信満々なんだろう……)

修は千佳のこと好きっぽいからボロボロになっても別に大丈夫そう

まぁ撃てるようになるには慣れるしかないわな
ライトニング鉛弾で慣れていくかもしれんが…あとはシミュレーションで標的の外装弄って段々人っぽくしていくとか

千佳「ごめんね修くん。やっぱりすぐには……」

修「そうか……そうだな。急かして悪かった」

千佳「ううん、修くんの気持ちは嬉しいの」

修「要は千佳自身が撃たなくても、トリオン体は生身とは違うってことを脳裏に焼き付ければいいんだ」

千佳「え……?」



修「ということで小南先輩!ぼくを切り刻んでください!!」

小南「……!?」

千佳「あ、あの……修くん?」

修「お願いします!」

小南「修、あんたそんな趣味が……?」

修「ぼくにはどうしても必要なことなんです!!」

小南「なっ……!!」

千佳(また変な誤解が生まれそう……)

小南「な、なんだかよくわからないけど…戦闘訓練なら付き合うわよ」

修「ありがとうございます!でもぼくをバラバラにしてくれればそれでいいです!」

小南「!?」

修「千佳、よく見ておけよ!」

千佳「いや…その……修くん…」

小南「なに…?あたしにバラバラにされるところを千佳に見てもらうことが目的なの…!?」

修「はい!」

小南「……!?」

修「思いきりグロテスクにお願いします!!」

小南「!?」

千佳「あぁ……」



ゴゥーン

修「ち、千佳!ちゃんと見ていたか!?」ハァハァ

千佳「う、うん……」

修「どうだった!?ぼくのバラバラシーンは!」ハァハァ

千佳「う、うん……」

小南(……修にあんな趣味があったなんて知らなかったわ……!)

小南(今度レイジさんやとりまるにもチクらなきゃ!)

アカン

期待できそう

修「どうだ千佳。あんなに惨い姿になったけどぼくはこうしてピンピンしてる!あんなバラバラに比べたら狙撃で吹っ飛ぶくらいなんてことないだろう?」

千佳「……でも…実際に私の手で修くんがあんなになっちゃうのかと思ったら……」プルプル

修「そうか……バラバラさが足りなかったか……もっと腕とか首とか…いや、いっそもっと細かく目とか鼻とか順番に吹き飛ばしてもらえばよかったな……」

千佳「修くん…更なるトラウマができそうだよ……」プルプル

修「……じゃあこれならどうだ?」

千佳「?」

修「荒船隊とか狙撃手のランク戦のログを見よう。実際に点を取ったときの狙撃手に感情移入して千佳自身が撃ったように思い込むんだ」

千佳「感情移入……?」

修「ああ。それを繰り返せばいつかは慣れるんじゃないか?」

千佳「でも先輩達のログを見ても上手すぎてわたしなんかと比べられないよ」

修「そうか……ぼくは映画やドラマなんかを観るとすぐに感情移入しちゃうんだけどな……昨日たまたま放映してたラいもんドが感動回でな……思い出しただけで……」

修「ぐっ…………く……」ポロポロ

遊真「泣くなよ」

修「……傷が痛むんだよ…………」ポロポロ

千佳「転んだの?」

修「そうだ……映画だ、千佳!」

千佳「え………?」

修「スプラッター映画を見てグロに慣れるんだ!!」

千佳「……!?」

面白い
期待

千佳「す、スプラッター映画って……」

修「先輩方のログに感情移入できないのなら映画に感情移入するんだ!そう、人をバラバラにするため獲物を求め徘徊する殺人狂に!」

千佳「どうして殺人狂になら感情移入できると思ったの?」

修「いわば人体をバラバラにするプロだ!実際のプロの仕事を見て弱点を克服しよう!師匠の技を盗むのごとく!」

千佳「チームメイトに殺人狂の弟子がいて修くんはそれでいいの?」

遊真「ふむ。映画とは興味深い」

千佳「ゆ、遊真くんも観るの?」

遊真「ああ。こっちの世界の映画は期待できそうだ」

修「なんたって映画はドキドキするからな」

遊真「ほう?」キラーン

修「しかもゾクゾクもだ!」

遊真「ほう!」キラーン

修「ぼくが今からとっておきのを調べてレンタルしてきてやる!!」カタカタカタカタ

千佳(ランク戦前の情報集めるときよりはりきってる……)

遊真「さすがだなオサム!よし、どうせならこなみ先輩たちも呼ぼう」

修「そうだな!」

千佳(あれ?どうしよう。どんどん断りづらい雰囲気に……)

烏丸「それ、本当すか?小南先輩」

小南「本当よ!とりまる!あんた弟子をおかしな方向に育ててるんじゃないわよ!」

烏丸「身に覚えがないんすけどね」

レイジ「どうせまた小南の妙な勘違いだろう。本人達に確かめてみればすむ話だ」

烏丸「そうすね」

小南「ちょっと!変態は千佳もよ!バラバラ修をじーっと観る係だもの!」

レイジ「なんだそりゃ」

烏丸「小南先輩。小南先輩には騙される才能はあっても騙す才能はないっすからね」

小南「騙される才能ってなによ!ていうか騙してないわよ!」

レイジ「修や千佳が小南をからかってるのだとは思わんが…」

烏丸「単に小南先輩が話が噛み合わなくてギャーギャー騒いでるだけっすよ」

レイジ「可能性大だな」

小南「ぐぬぬぬ……元はといえばあんた達が変態育てたからだってのに……」

小南「ふん!まあいいわ!あたしの遊真は変態じゃないもんね!師匠として一番優秀なのはあたしだもんねー!」



修「先輩方!」

遊真「一緒にバラバラ映画を見よう!」

小南「……!?」

修「共に感情移入しましょう!」

遊真「それはドキドキだ!」

小南「!?」

修「そして殺人狂師匠の技を盗みましょう!」

遊真「ゾクゾクするな!」

小南「ーっ!?」

烏丸「…………これが反抗期ってやつですかね?」

レイジ「これはなにに反抗してるんだ?世間にか?」

想像するとかなりシュールというかホラーというか

ハイテンション修が面白すぎる

烏丸「修、なんだこの騒ぎは?おまえらしくもない」

修「烏丸先輩!これはぼくたち玉狛第二にとって今一番重要なことなんです!」

烏丸「なら仕方ないな」

小南「!?」

レイジ「だが修…こんなことしてていいのか?次のランク戦までそんなに時間もないだろう」

修「レイジさん!これはぼくたちが遠征部隊になるためへの第一歩なんです!」

レイジ「なら仕方ないか」

小南「!?」

遊真「よーし。みんな揃ったことだし、さっさと観ようぜオサム」

修「ああ!ぼくに任せろ!!」

小南「ちょ、ちょっと待ちなさい。まだ陽太郎がいないわよ?仲間はずれはいけないわ」

遊真「誘ったんだが一目散にボスの後を追って本部にいったぞ」

小南「あいつ逃げたな!」

レイジ「……そうだ。おれは晩飯の支度があった。京介、あとは頼む」

烏丸「……思い出した。これからバイトだった。小南先輩、あとは頼みます」

小南「!?」

遊真「よーし。おれ達のためにこなみ先輩も一緒に観てくれるって言うし、さっそく観ようぜオサム」

修「ああ!ぼくに任せろ!!」

小南「ちょ、ちょちょちょーっと待ちなさい!あたしのおやつのいいとこのどら焼きがないわ!おやつがなくちゃ映画なんて観れないじゃない!」

修「そう言うと思っていいとこのポップコーンを買ってあります!」

遊真「さすがオサム!面倒見の鬼!」ムシャムシャ

修「ああ!ぼくに任せろ!!」

小南「!?」

修「よし、流すぞ」

遊真「どんとこい」ムシャムシャ

小南「なによこのパッケージ……」ムシャムシャ

千佳(怖い……)

視聴中

修「なっ……!」

遊真「ふむ……」ムシャムシャ

小南「ぎゃっ……」ムシャムシャ

千佳「あわわわ……」

視聴中

修「なっ……!」

遊真「うおぉぉ……」ムシャムシャ

小南「びゃっ」ムシャムシャ

千佳「ひゃあ……」

視聴終了

修「なっ……!」

遊真「なかなか衝撃的だった……」

小南「あ、あたしは慣れてるから楽勝だったわ!」

遊真「つまんないウソつくね~」

修(これだけ観れば千佳も耐性が……)

千佳「」ガタガタガタガタ

修「なっ……!」

修「どうした千佳!!」

千佳「……修くん……」ガタガタガタガタ

遊真「なんだ、震えてるぞ。大丈夫か?」

千佳「う、うん……」ガタガタガタガタ

修「なんだって……千佳、おまえ……!」

修「これが武者震いってやつか……!」

千佳「えっ」

遊真「なるほど。もう試したくて仕方ないんだな」

小南「た、試す?試すってなにを…」

修「決まってるじゃないですか!さっき観た映画通りにですよ!」

小南「!?」

遊真「うむ。さっきのをオサムと連携プレーできたら素晴らしいな」

小南「!?」

小南(お、修をバラバラにするプレイ!?2人はそんなアブノーマルなプレイをする関係なの!?)

修「なに言ってるんだ空閑。おまえも一緒にやるんだぞ」

遊真「ふむ」

小南(遊真もなの!?)

裏物スナッフビデオ用意したりしない辺り優しい

乙です
続き期待

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