みく「大きなネコに懐かれた」 (24)


みく「……ねぇ、どこまでついてくるの?」

志希「ん~? お家まで?」

みく「志希チャンの部屋は階が違うでしょ。じゃあまた明日ね」ガチャ

志希「お邪魔しまーす♪」バタン

みく「…………」

志希「あれ? 間違えた? じゃあ、ただいま~♪」

みく「なんで、みくの、部屋の、玄関に、入って来るにゃあああああああ!?」


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志希「いや~つい?」

みく「つい、でここまで来ちゃうの!?」

志希「まぁまぁ、気にしない気にしない♪」

みく「相っ変わらず気分屋で……これがネコチャンだったらかわいいから許せるのに」

志希「そうなの? じゃあ志希ちゃん飼っちゃう?」

みく「お 断 り に ゃ」

志希「えー冷たーい! 家猫虐待!」

みく「ここは志希チャンのお家じゃないし! ああもう! ハウス!」

志希「! にゃあ♪」

みく「ってそっちはみくの部屋でしょ~!? なんでそっちに行くにゃ~!?」


志希「ささ、ゆっくりしようよ~♪」

みく「家主以上に寛ぐ客がいる?」

志希「ここにいるよ! はい、解決解決♪」

みく「全然よくないにゃ……そのクッションはみくの特等席なのに……」

志希「大丈夫♪ まだベッドと座椅子があるよ♪」

みく「そこ譲る気ないの!? いや、もう言っても無駄な気がしてきだけどさ!」

志希「……にゃ~♪ ごろごろ~♪」

みく「はぁ、もう大きな不良ネコチャンでも来たと思って諦め……諦める……諦めれる、はずにゃ」

志希「ホント? みくちゃんだ~い好き♪」

みく「もう、こんなときだけ調子いいんだから」


志希「ん~、なーんかおやつとかってないの?」

みく「おやつ? ん~……あっ」

志希「ん? なになに~?」

みく「はい、これ」

志希「……? これって?」

みく「ぶぶ漬け代わりの猫缶にゃ! これに懲りたら――」

志希「おっ、懐かし~♪ じゃ、いっただきま~す♪」

みく「なん……だと……?」

志希「あっち(アメリカ)でたまに食べてたんだ~。何日も部屋から出ないと手頃なおやつもなくなっちゃってさー」

みく「へ、へぇー……?」


志希「おかげでペタヤヴェシ17世のご飯が犠牲に……んーやっぱりこっちのやつの方がおいしい?」

みく「ってそうじゃなくて! それ没収!」

志希「え~まだ試食しかしてないのにー」

みく「こんなのほんとに食べちゃうと思わないでしょ!?」

志希「これが意外といけなくもなくもない? 感じでさ~」

みく「いや、これがいけるって……普段なに食べてるの?」

志希「コンビニ!」

みく「……はぁ~、志希チャン? そこになおるにゃ」

志希「だっていいじゃんこれくらい」

みく「正座」

志希「そんなに無理しなくてもさ?」

みく「お す わ り っ !」

志希「にゃんっ!?」


みく「いーい? よーく聞くにゃ。そんなものばかり食べてたら本当に体壊しちゃうよ? 川島さんから聞いたけど若いうちは無理が利いて暴食しても徹夜しても大丈夫だったのが二十歳を過ぎたら反動が内臓や肌に出てきて疲れやすくなってあのとき自重できてればって後悔するらしいの! わかった?」

志希「はい」

みく「よろしい。今日はこのまま食べてく?」

志希「いいの?」

みく「一人増えても困らないからね」

志希「じゃあ食べる~♪ なにつくるの?」

みく「ハンバーグにゃ。今日のお昼のハンバーグカレーがいつの間にかカツカレーになってた分も含めて飛びっきりおいしいのを」

志希「にゃん・にゃん・にゃんかー」

みく「うぅ……思い出させないで……」

志希「あはは、ごめんごめん」


みく「気を取り直して……早速つくるとするにゃ!」

志希「がんばれ~♪」

みく「……時間ないし、志希チャンにも手伝ってもらおっかな」

志希「いいけど、お米とぐ? ごはん炊く?」

みく「じゃあそれお願い」

志希「任せなさい! お米と麺類はバッチリだからさ♪ 岩手県民ナメんな~!」

みく「ねぇ、ちなみにそれ以外の料理は?」

志希「……ナニソレカゴウデキルノ?」

みく「志希チャン、修行ね。週三で」

志希「……はーい」


……………
………


みく「暑い……」

志希「ふにゃぁ……」

みく「あっつい……」

志希「zzz……」

みく「志希チャーン? 起きてたら放してほしいにゃ……」

志希「ゅ……」

みく「なーんて都合よくいかないよね。なんかあまりに幸せそうで起こすのも罪悪感があるし……」

志希「んー……」

みく「足も絡め取られてるし腕も掴まれてるし。ずっと首筋が息でくすぐったいし」

志希「h……s……」

みく「せめてどこか自由だったら……ずっと同じ体勢もきついにゃ……」

志希「s……hs……」

みく「お昼寝だから時間も関係ないし」

志希「h……sは……」

みく「……ねぇ、もう起きてるよね?」


志希「ハス?」

みく「あーもー首に顔埋めないの!」

志希「やーーーー! ぎゅ~~~~♪」

みく「子供かっ! てかいつ起きたの?」

志希「ほんの数秒前だよ? 爽やかな目覚めでした~♪」

みく「だから離れてって。志希チャン寝てる間に汗かいちゃったし」

志希「ホントっ!? むしろご褒美です!」

みく「うっわ……変態だ。本物の変態がいるにゃ……」

志希「そうですあたしがヘンタイです♪ ってわけで~ほらほらカモンプリーズ?」

みく「もうちょっとこう、プライドとかいろいろないの!?」

志希「そんなものはコレの前にはゴミだよ! 甘さ控えめなシャンプーに仄かに――」

みく「や め い !」


みく「はぁ、やっと離れたにゃ」

志希「む~みくちゃんのけちー」

みく「ケチじゃないし。この反応が普通にゃ」

志希「…………」

みく「志希チャン? どうしたの?」

志希「すぅ~~~~」

みく「あっみくの枕――そこまでする!?」

志希「ふぁっへほひふふひ」

みく「なに言ってるかわかんないけどとにかく床! 志希ちゃんは床!」

志希「もう、みくちゃんは我が儘なんだから~」

みく「我が儘じゃないし! ってそれ持ってこうとしない!」

志希「いやっ! うちの子に酷いことしないでっ!」

みく「だから! それは! みくのだってばっ!」


志希「渡さないしー」

みく「こうなったら実力行使にゃ!」

志希「いやぁ~♪ ケダモノ~♪」

みく「ああっ、部屋の隅で後ろ向かれたら取り返せないし」

志希「はふう……」

みく「しかも反省してない。もうさっさと引きずり出すにゃ」

志希「あっ!」

みく「……?」

志希「みくちゃん、ちょっと、ちょ~っとそれやめよっか」

みく「え? それって……?」

志希「やめっ、指動かさないで」

みく「なんなの? もしかして、首掴まれるの弱い?」

志希「よ、弱く……な、ない……ないし……」

みく「ふ~ん……じゃ、とりあえず枕は返してもらうね?」

志希「ああっ~~」


みく「でー? 志希チャンはここが弱いの~?」

志希「弱くないけどっ、なんか命握られてるっていうか逆らいにくいっていうか……じゃなくて! もう外そ?」

みく「別にいいけど。なんか力も弱いし。これから志希ちゃんに言うこと聞かせれそうだし」

志希「ふぅ、やっと外れた! みくちゃんのヘンタイ~」

みく「変態じゃないし!」

志希「い~や~! みくちゃんがあたしの同類だった~!」

みく「それめっちゃ不本意!」

志希「てことで諦めてヘンタイごっこ、しよ?」

みく「しーまーせーん! みくは普通! ノーマル!」

志希「心の中の本能を解き放っちゃえ♪」

みく「そんなものないにゃ!」

志希「ほら……ね?」

みく「絶対みくしか損しないし! もうやだこの人ぉ……」


……………
………


志希「みくちゃんどこ行く~?」

みく「んー、適当? とりあえず暖かくなってきたから薄いコートでも見ようかな?」

志希「了解~♪ あたしはなにか面白そーなもの見つけたらかな♪」

みく「じゃあゆっくりいろいろ見て回ろうか?」

志希「うん、それでいいよ~♪」

みく「って言いながら早速どっか行こうとしないの」

志希「えっ? ……あ~、そっかそっか。気づかなかったよ」

みく「しかも無意識だし。失踪癖は治らないのかなぁ」

志希「大丈夫だよ♪ いなくなっても帰ってくるからさ!」

みく「できれば面倒だから初めからいなくならないでほしいにゃ……」

志希「う~ん……無理♪」


みく「やっぱり春だし、明るい色の……あれ? 志希ちゃん?」

志希「はいにゃ~?」

みく「どこ行ってたの?」

志希「あっちへフラフラこっちへフラフラ~♪ それよりさ、コレ着てみて? あとコレとコレとコレとー」

みく「そんなに持ってきたの?」

志希「だって似合いそうだし♪ さぁ早く試着しよ?」

みく「いいけど……着てる間に絶対追加するよね?」

志希「うん♪」

みく「……十着までね」

志希「さっすがみくちゃん太っ腹~♪」

みく「わき腹摘まない!」


志希「みくちゃんかわいかった~♪」

みく「気力がごっそり削られたにゃ……なにか甘いもの食べたい」

志希「じゃあお菓子でも食べる? ほら、量り売りのお店あるよ?」

みく「それでいいにゃ。いっぱい種類あるし」

志希「さっそくえらぼ~♪ 一番おっきい袋で!」

みく「よくそんなに選べるにゃ……」

志希「コレとコレとほいほいほい♪ みくちゃんも好きなだけ買えばいいのに~」

みく「これはカロリーとの戦いなの!」

志希「そんなに気にすることかな? 食べても大丈夫だって♪」

みく「志希チャンとは違うってば」

志希「そんなものかなぁ……?」

みく「なににしようかな……? チョコはいろいろあるけどあんまり食べ過ぎてもいけないし、となると飴ちゃんで長さを稼ぐというのもあり? でももっと綺麗なお菓子もたくさんあるし……」


みく「じゃあこれで買おっと。志希チャン?」

志希「は~い?」

みく「なんか袋増えてるし。どこ行ってたの?」

志希「ちょっと買い物~♪ で、コレみくちゃんにプレゼント~♪」

みく「ありがと。なにかな?」

志希「あー、ここで開けない方がいいかも?」

みく「そんな変なもの買うはずが……って……」

志希「まぁ、その、ねこランジェリーってやつ?」

みく「……これを着ろと?」

志希「いけると思うんだけどな~サイズ的に」

みく「どこ見てるのっ!? もうっ、少しは自重するにゃ!」

志希「ごめんなさーい。買っちゃったから持っておいて♪」

みく「……もったいないから部屋着になら使わないこともないけど」


みく「もう時間も遅いし、あとはスーパー寄って帰ろっか?」

志希「いいよ~♪ 今日も楽しかった~♪」

みく「今日はなにがいい?」

志希「行ってみないとわかんないな~」

みく「それとも志希チャンがつくる?」

志希「お手伝いならしますから何卒っ!」

みく「うん、なんとなくわかってた……あっ! ちょっとみくは雑誌見てくから志希ちゃんは好きにしてていいよ?」

志希「……えー」

みく「やっぱりあのネコカフェだ~。くぅ~、久々に行きたいにゃ~」

志希「…………」


みく「……あれ? 志希チャン? 志希チャーン? ……もう、本当にいなくなったの?」

『ピンポンパンポーン』

みく「ん?」

『○○区からお越しの前川みく様、お連れ様がお待ちです。至急――』

みく「もおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

以上です。お付き合いいただきありがとうございました。
みくを家だと認識してる志希が見たかった。


いいっすね~

おっつし

こりゃどっちが年上かわからないにゃあ

ほのぼのだにゃあ
もっと書くにゃ

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