幸子「初恋継続中」 (27)
ちょっと真面目な話を書ける物か試してみました。
…愚作ですがよろしくお願い致します。
幸子「(ボクの名前は輿水幸子。14歳です。 世界一カワイイアイドルですよ!)」
幸子「(ありきたりですが、ボクは今恋をしています)」
幸子「(今、っていうと…語弊があるかもしれませんね…相手はこれまたありがちな事務所のプロデューサーさん)」
幸子「(どーでもいいことばっかり細やかに気が付く癖に、ボクのアピールには全然気付いてくれません…鈍いというより、鈍器ですかこれ)」
幸子「(それでも、「なんでこんな人好きになったのやら…」 とは…言えないんですよね…)」
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期待
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─7年前、夏
合格発表 221 224 227 ・・・
モバP「よっしゃあああああああ!大型免許取れたあああああ!」
モバP「あぁ、なんと長かった事か…なんか、今なら世界中どこにだって行けそうだ」
モバP「しかも大学が夏休みに入るギリギリに取得…完璧だね。完璧すぎて自分が怖い」
モバP「よし!夏休み入ったら、神奈川から富士山をぐるーーーっと回るツーリングに行こう!」
モバP「神奈川…静岡…山梨…東京…おお、結構な距離。 熱海と山梨で一泊してゆっくり回って行こうかな」
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輿水父「幸子、私はこれから仕事先の相手と用がある」
幸子「…はい」
輿水父「夜は遅くなるから、適当に何か買って食べてくれ」
幸子「…はい…あの、お父さん…明日は…」
輿水父「明日は会社の社長宅にお呼ばれしている」
幸子「…そうですか」
………
幸子「(………今日も、一緒に居て欲しいって言えなかった)」
幸子「お父さんはお仕事が忙くて、お母さんはそんなお父さんのサポートをずっとしています」
幸子「両親の仲は悪くないし、家も裕福な方だと思います…」
幸子「そんな中で寂しいなんて…贅沢な悩み…ですよね…」
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─近所の公園
キィ… キィ…
幸子「………」
幸子「大人って、土曜も日曜もずーっとお仕事してるのかな…」
幸子「ボクより大事なことなのかな…なんでこんなに悲しいんだろう… なんで、だろうなぁ…」 ポロポロ
ブロロロロロ… ォン…
モバP「あぢぃ。きゅーけー…」
幸子「!?」ビクッ
モバP「あ、ご、ごごごごめん!音大きかった?驚かせちゃったかな」
幸子「い、いいえ…大丈夫です」
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モバP「そ、そう…?」
モバP「…泣いてる」
幸子「これは別の理由ですから…平気ですよ、怖くないです」
モバP「どこか怪我してるの? 包帯とか、簡単な救急セットならあるけど…」
幸子「…家庭の、事情…というものです」
モバP「最近の子供は難しい言葉を知ってるなぁ…」
幸子「………」
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モバP「…話せる事だったら、聞かせて貰っていい? (虐待とかの跡は無さそうだけど…)」
幸子「面白い話ではないですよ…」
モバP「色んな人に出会えて色んな話が聞けるのも旅の良い所だからね」
………
幸子「まぁ…ボクのワガママですよ」
モバP「(んー…まぁ、よくある話だなぁ…)」
支援
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幸子「ボクが可愛くないからお父さん、ボクと一緒に居たくないのかな…」
モバP「いやそりゃあ無い、どんだけ君のお父さん高望みすんの」(即答)
幸子「え?」
モバP「えーと…君…」
幸子「輿水幸子です」
モバP「幸子ちゃん、可愛いよ、それも大分。 世界を回った訳でも日本を回った訳でもないから大きなことは言えないけど」
モバP「俺が今まで見てきた女の子の中では一番可愛い、それじゃ駄目かな?」
幸子「………」
モバP「幸子ちゃんのお父さんだって、それは解ってるはずだよ」
お、幸子がうざくなくてかわいらしいww
というわけでみくにゃんのファンやめて幸子のファンになります!
支援
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モバP「だけど、やっぱり護りたい物があったら自由ってのは無くなるものなんだ」
幸子「…はい」
モバP「後は、幸子ちゃんも解ってる通り、お父さんにちゃんと言ってみなよ」
モバP「明日、会社の社長さんの所に行くんだよね? 自社の社長宅に行く位なら、子供を連れて行っても失礼じゃないし、お父さんに頼んでみたら?」
幸子「で、でも…」
モバP「幸子ちゃん、幸子ちゃんは我慢が出来るいい子だけど、何でもかんでも自分を抑えて、欲しい物を言わないでいると、欲しい物が無くなった後に後悔だけする事になるよ」
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幸子「………」
モバP「言ってみなよ。 もしお仕事なんだから駄目!って言われちゃったら、明日も俺ここに居るからさ、遊びにくらい付き合うよ」
幸子「むー…解りました、言ってみますね」
モバP「あぁ、強いて言うなら、笑顔笑顔。幸子ちゃん可愛いんだから。 甘えるならにっこり笑った顔の方が良いよ」
幸子「も、もぅ…そんな可愛い可愛い言わないで下さい…」
モバP「そうそう、そんな感じで笑顔笑顔」ナデナデ
幸子「あの、明日も絶対ここに来て下さいね。 …約束です」
モバP「うん、解った」
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─翌日
輿水父「おはよう、幸子」
幸子「おはようございます…」 モジモジ
輿水父「………どうした?」
幸子「え、あ、あの」
輿水父「言いたい事があるならちゃんと言いなさい」
幸子「お、お父さんの会社の社長さんの所…ボクも行ってみたい…です…お父さんと一緒に…居たいから」
輿水父「今日のお呼ばれか」
幸子「い、良い子にしてますから…」
輿水父「ふむ…構わんぞ。 じゃあ、午後から出掛けるから。 勉強や他のやる事はそれまでに済ませておきなさい」
幸子「は、はい!」
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幸子「お、お父さん」
輿水父「なんだ?」
幸子「なんで、言いたい事があるって…」
輿水父「自分の娘の事だからな。 普段と違えば解る。 …私が幸子を見てないと思ったか?」
幸子「い、いいえ」
輿水父「まぁ、流石に昨日と随分違って見えたからな。 偉そうなことは言えないか」
──────────
幸子「え?」
輿水父「ちょこちょこやってきたと思ったら、慣れてない笑顔をしていれば、ふふっ、流石に、な」
幸子「あう…」
輿水父「随分と可愛らしいアピールの仕方じゃないか。 昨日とは随分違う。 何かあったのか?」
幸子「あ…えーと、ですね…」
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輿水父「ふぅむ、若者が、な…」
幸子「…はい」
輿水父「物騒な世の中になったもんだと悲観していたが…まだまだ世の中捨てた物でもないのかもな」
輿水父「幸子、勉強はいいから、その若者にきちんとお礼を言いに行きなさい」
幸子「はい」
輿水父「その時は、ちゃんと…くくっ…教わった笑顔を見せるんだぞ…」ポンポン
幸子「むー…」
輿水父「私もその若者に感謝せねばな、伝えておいてくれ。 また娘の魅力に気付けたよ、と」
なよなよ幸子…いい
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─公園
幸子「あ、あの、お兄さん…!」
モバP「お、幸子ちゃん。 どう…聞くまでもないかな?」
幸子「はい。 お父さんが、一緒に連れて行ってくれるって!」
モバP「そっか、よかったよかった」ナデナデ
幸子「ボ、ボク、きらわれてなかったんだぁ。 よかったぁ…」ボロボロ
モバP「泣かないでなかないで」
………
幸子「お兄さん、ありがとうございました。 ボク、少しだけ自分に自信が持てました」
モバP「良い事だよ」
幸子「お父さんからも、ありがとう…って…」
幸子「………また、会えますか?」
モバP「同じ国に住んでるんだから、いつか会えるよ。 それか10年経ったら迎えに来るさ」
幸子「キザですねー…」(ジトー)
モバP「あっはっは、それじゃーねー!」
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─────
─今 事務所
幸子「(それから何年も経ってプロデューサーさんにスカウトを受け、この事務所に居る訳なんですが…)」
幸子「(運命だと思ったらプロデューサーさんはボクの事なんてすっかり忘れてますし)」
幸子「(こんなカワイイボクの事を忘れてしまうなんて可哀想ですね!ボクをプロデュース出来た事が最大の幸運ですけど、同時に最大の不幸まで訪れちゃってますよ!)」
モバP「おー、おはよう、幸子」
幸子「ふふーん!おはようございますプロデューサーさん!とりあえず褒めて下さい!」(ドヤァ)
モバP「さちこはきょうもかわいいなぁカッコ棒読みカッコ閉じ」
幸子「最後の要らないですしもっと感情を篭めてくれてイイんですよ!」
これは期待
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モバP「お前な… はぁ…どうしてこんなになったのやら…昔はもっと可愛かったのに」
幸子「ボク、前からこうですよ? 前から可愛いですよ?」
モバP「あー、幸子は憶えてないだろうけど、俺むかーし幸子に会ったことあるんだよ」
幸子「へ?」
モバP「そん時はすっげぇ暗い子でなー…」
幸子「え? え??」
モバP「初めて見た時なんて泣いてたし」
幸子「………」
モバP「でも、別れ際の笑顔がさ…」
モバP「今だからこんな言葉を使えるけど、磨かれてないダイヤのような、そんな魅力を感じたんだよ」
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幸子「………憶えてたんですか」
モバP「んあ? 幸子も憶えてたのか」
幸子「忘れるワケないでしょう。 一応、当時ボクの初恋の人ですよ?」
モバP「うははっ。 そいつぁありがとうございました」
幸子「憶えてたんなら言って下さいよ。 忘れられたんだなぁって、ちょっと寂しかったじゃないですか!」
モバP「いやー、憶えてる訳無いと思ってたしなー… あ、幸子の初恋相手が俺って自慢していい?」
幸子「ダメですよ!もう!」
モバP「あっはっはっは」ナデナデ
幸子「(だって…)」
幸子「(その初恋、まだ継続中なんですから…!)」
おわる
いつも通り短くて申し訳ございません。
幸子の父親は厳しい人と言う風潮。 でもきっと愛情深い人だと思いたいです。
お目汚し失礼いたしました… 嫁は言うまで無く幸子です。
乙
輿水幸子(14)
http://i.imgur.com/ZG0DC3d.jpg
導入が終わり?(すっとぼけ
まだ続けてくれると嬉しいんだけどなぁ
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