男「安価で奴隷と暮らすぞ」 (46)
男「ちなみに世界観がファンタジーってこと以外は何にも決まってないから、エロからグロからほのぼのまで、マジに安価しだいだぜ。とりあえずはどんな奴隷を買ってくるかなぁ……よし、>>3な奴隷にしよう」
>>3
奴隷の性別、種族、あとテキトーにプロフィールとか。特になければ勝手にこっちでつけちゃうのであしからず。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456743664
kskst
女、エルフ 旅行中奴隷商人に捕まった。巨乳元金持ち
男「奴隷ってことだし、まず奴隷商人のいる街に出るかな」
通りすがりA「お!あれは金がそこそこあってそれなりの屋敷に住んでいる、そこはかとない貴族の人だ!」
男「せやで」
通りすがりA「基本的にプライベートは謎だし、家族とかも一緒に住んでる様子はないし、たぶん一人暮らしの人だ!」
男「せやせや。お……、あんなところに奴隷商人がいるぞ」
奴隷商人「あ、あなたは! 身長体重共に平均的で、年齢二十代前後の男さん」
男「奴隷ほちぃ」
奴隷商人「そうですか、それでは店の中へどうぞ。檻の中からお好みの奴隷をお選び下さい。力仕事をこなせるたくましい男から、夜の楽しみにお使いいただける美しい女まで、よりどりみどりですよ」
小太りの奴隷商人の言われるがままに中へ入っていくと、大まかに仕切りの降ろされた檻があった。
中には、大きさ、性別、種族様々な奴隷が鎖につながれている。とはいっても、別に無理矢理拘束されているといった様子ではなく、特に女の奴隷は質のよさそうな洋服で着飾らされていた。
勝手にしていたイメージとしては、もっと粗暴に扱われていると思っていただけに意外だったが、彼女らが商品であることを考えれば、なんら不自然なことはないのかもしれない。
男「ふーん、別に誰も暴れている様子もなし、これって檻じゃなくてもいいんじゃないのか、普通に部屋とか」
ふと沸いた疑問を奴隷商人にぶつけれると、答えが返ってきた。なんでも、『檻に入れられている』という状況で反抗するという意識を削いでいるのだという。なるほど、そういうものかと納得して頷いていると、気に入ったかと、声をかけられた。
「んー、そうだなぁ。実をいうと可愛い女の子が良いんだけれど、どうにも……」
奴隷商人「お気に召しませんか? あの娘などいかがでしょう、よく教育も行き届いておりますよ」
指を指された方を見れば、可愛らしい女の子が真っ赤なレースの下着を来てちょこんと座っていた。黒く短い髪が幼げで可愛らしい。
――のだが、なんだか求めているのと違う。
そう思っていると、がちゃり、と向いの檻の扉が開いて、一人の男が女を檻へと放り込んだ。
目を奪われる――というのは、きっとこういう事を言うのだろう。
透き通るような透明感の白い肌、煌びやかな長い金髪と、男なら自然、目の逝ってしまう豊満なバスト。なんだか怒りに揺らいでいる青い瞳が、こちらをキッと睨んだ。眼と眼が合って確信する。
――求めていた女が、そこに現れた。そんな気がした。
「商人、あの子は買えたりするのかな。ほら、あの子だよ、今檻に入れられた金髪の――」
「ああ、彼女ですか。もちろん購入していただけますよ。ただ彼女の耳をご覧になってください」
言われて長い髪のから覗くそれを注視すれば、人間のそれとは少しばかり形状が異なっていることに気が付けた。
「あれは……エルフかい?」
「そうです。彼女はエルフ、そしてあの容姿だ。お値段のほう、それなりにしてしまいますがお手持ちは大丈夫でしょうか?」
金だけは潤沢にある。応えは決まっていた。
男「奴隷買ったったぜ。そして家に帰って来たぜ」
女エルフ奴隷(以下エルフ)「……」
男(帰ってくる間もずっとムスっとして一言もしゃべらないし……、すごい可愛いけど、すごい無愛想だな……とりあえず褒めとくか)
男「奴隷商人についでに売ってもらったその白いワンピース、似合ってるじゃないか。ところで、そろそろなにか話してくれないかな」
エルフ「>>7」
おろおろ
わたし…絶対にあなたのことを離さないから…(ニタァ)
信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!
荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」
↓
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」
↓
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋
↓
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」
↓
>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」 【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」 【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)
エルフ「おろおろ」
男「…………え」
男(え、おろおろしてるの? 狼狽えてるの? マジかよ、檻で睨まれたし、見た目も大人のお姉さんって感じだからてっきりなにか怒ってんのかと思ってたのに……これよく見たらビクビクしてるじゃんか。なんだろ、これがギャップ萌えってやつかなんかクるものがあるぞ。というかおろおろしてたとしてそれって発音するものなの? エルフ的にはそういう文化なのかな)
エルフ「……あ、あの」
男「あ、なになに」
エルフ「私は、私はいったいこれからどうされてしまうのでしょうか」
男(ああ、なるほど。そりゃ奴隷として買われたんだし、なにが目的で買われたのかは気になるよな。そりゃびくびくもするってもんか)
エルフ「あんまり、ひどい事はされたくないわ……私はどうなるの?」
男「どうなるって、そんなのもちろん>>14」
ksk
家にお持ち帰りだよー
ksk
家事全般覚えてもらうよ。あとしばらくしたら夜伽もそこそこに
男「どうなるって、そんなのもちろん、家事全般覚えてもらうよ」
エルフ「家事?」
男「そうそう、この屋敷、見て分かってもらえる通りそこそこ広いのに、僕一人で住んでるからね。掃除とかご飯の支度とか、そういうのしてもらおうと思ってる。 かれこれ外食じゃなくて家で、きちんと作ってもらうご飯なんて三年は食べてないし、僕はそういう温かみに飢えているってことさ」
エルフ「なるほど、わかったわ、買われてしまった身だもの善処する。けれど意外ね」
男「意外?」
エルフ「ええ、だって男の人が女の奴隷を買う時は……」
男「ああ、エッチなことってことか。大方、奴隷商人とかにそういう話を聞いたんでしょ」
エルフ「えぇ、その……エッチなことをするために、えっといろいろ教えられたりとか……したわ」
男「そりゃ、キミは可愛いしね。スタイルもいい。ぶっちゃけてしまえば僕がキミを選んだ一番の理由はね」
エルフ「……理由は?」
男「胸だよ。おっぱい。キミはどこをとっても素晴らしく美しい造形しているけど、やっぱりおっぱいが一番グっときた。まぁ、そんなわけだから、しばらくして生活に慣れてくれたら夜伽もそこそこに頼むかもね」
エルフ「そ、そうよね。覚悟はしておくわ……」
男「いや、そんな仰々しい感じじゃなくても……。と、まぁ別に、キミが歩くセックスシンボルだっていう話はとりあえず置いて置くとしさ」
エルフ「そういう言い方をされると、ちょっと不快だけれど……。置いてくとして、なにかしら」
男「自己紹介だよ。まだでしょ、お互い奴隷商人通して名前知ってるってだけで。キミを買ったご主人様として、あとこの屋敷にようこそって意味も込めて、あらためてよろしくはじめまして、男です」
エルフ「あ、私はエルフです、よろしくお願いします、ご主人様」
男「さて、屋敷を一通り案内したところで、じゃあまずは初仕事ということで夕飯を作ってもらおうかな。そろそろいい時間だしね」
エルフ「わかったわ、頑張ってみる」
男「食材は調理室に保管してあるものは適当に使ってくれて構わないよ、一通りそろってるはずだから」
――エルフ調理中。
エルフ「できたわ>>18よ」
エルフが作った料理の詳細>>20
サンドイッチ
エルフの里独特のシチュー
力がみなぎる
肉が入ってないので不味い
「それなりに自信があるのよ、料理にはね」
エルフが大きな胸を張ってそう言ってきた。テーブルに差し出された皿を見れば白いとろみのある液体――シチューだろうか――が盛られていた。
湯気がたちのぼっており、鼻に食欲を刺激するおいしそうな香りが運ばれてきた。
「へぇ、美人なうえに料理上手とくると、大金はたいたかいがあったかな」
けれど、と言葉を続ける。
「皿は二枚必要だね。もう一つ用意しないと食べられないだろう?」
するとエルフはきょとんとした表情でたっぷり数秒固まって、それからやっと口を開いた。
「それは、私も一緒に食べていいってこと?」
「何言ってんだよ、当たり前だろ。僕は温もりが欲しいんだ。一緒に食べたほうがいいに決まっているじゃないか」
「ご主人様、私は奴隷ですから、当たり前というならば私は――」
なおも食い下がるエルフに、思わずむむむとこめかみを抑えてしまう。
「奴隷商人の教育のたまものってことかなぁ、本来なら称賛されるんだろうけど……とにかくエルフ、これはご主人様の命令だから、一緒にご飯を食べてくれよ、よそはよそ、うちはうちってことで」
自分の座っている向かいの席を指さしながら言うと、結局、しぶしぶといった様子でエルフは自分の分のシチューをよそると、テーブルの向かいに腰かけた。
「よし、それじゃあいただきます」
「いただきます」
おいしそうなそれを一口分スプーンですくって、二人ほぼ同時に口へと運んだ。
――食えなくはない。けれどなんだ、この、味がないというか、なんだこれ、ええっとうまく表現する言葉が見つからないけれど、そうだ、有体になるけれどこの状況を一言で言い表すならば――
「まずいよ、このシチュー」
かちゃん、と。
目の前のエルフがスプーンを取り落す音が響いた。
「そ、そんなはずない! 現においしいじゃないか!」
スプーンを拾うより先に、そんな抗議の言葉が飛んでくる。見れば顔が少し赤い。それを聞き流しながら、味をもう一度確かめるように僕はゆっくりとシチューを舌で転がして、咀嚼してみる――うん、おいしくない。
「食えなくない程度にまずいよ、これ。なんというか、極薄味って感じなんだ」
そういうと、エルフもまた一口シチューを口にするが、それでも態度に変化はない。
「普通に味はついてるわよ、それにこれはエルフの里に伝わる伝統の料理なのよ、私も作り慣れているし――」
「あ、たぶんそれだ」
「どれよ」
ジト目で睨まれた、先ほどまでの謙虚な奴隷ぶりはどこへいったのか。
「出身――といか、種族とか、育ちの差じゃないかな。よく聞くじゃないか、味の濃いモノばかり食べていると野菜の味が解らなくなるって、見た感じ野菜が多いみたいだし、きっと人間で、最近外で大味の外食ばかりの僕には薄味に感じてしまうんだと思うよ」
「なるほど……ごめんなさい、作り直すわ」
少し申し訳なさそうにするエルフに、笑って僕は言った。
「でもまぁ、健康にはよさそうだし今日はこれで大丈夫だよ。明日からちょっと濃い目で味を付けてくれればね。奴隷商人はむしろそういうところを教えておいてほしかったかなぁ」
「……ごめんなさいね」
「だからいいって、食べれるからさ」
それに実際、久々に卓を二人で囲って食べる温かい料理は、なんだかちょっぴり幸せな味がしたのだ。
男「さて、夕食もすませたし、就寝の前に身体洗ってきなよ。お風呂の位置も教えたよね? 覚えてる?」
エルフ「ええ、大丈夫覚えてるわ。でも私が先に入ってしまっていいの? 何度も言うけれど私は奴隷なのに……」
男「別に気にしないよ、奴隷だって風呂ぐらい入ってくれないと僕が嫌だし。こう見えても綺麗好きなんだよね、僕。そういうわけだからどうぞ。タオルと着替えは適当に見繕って風呂場に置いといてあるから使っていいよ」
エルフ「ありがとう、ご厚意に甘えさせてもらうわ」
――――――――――
男「さて、エルフは風呂にいったわけだけど、僕は僕でゆっくりするかな」
男「……」
男「>>30」
1.ご主人様だし、そりゃ覗く権利くらいあるだろ。
2.里の料理って言ってたな、エルフはどうして奴隷になってしまったのだろう
3.計画通り、とりあえず初日は優しくしたし、明日からこの信頼と彼女をまとめて壊すのが楽しみだ。
この時間とはいえ遠ない?
2
あ、マジだごめん番号見間違えてた遠いね。
>>28へ変更でオナシャス
流石に遠いぜ安価下
2
4.奴隷が上がるまでサウナで耐久
石鹸を切らしていたという理由をつけて1
エロいことしようとする奴が一人もいないどころか、サウナで耐久しようとする奴までいるしこのスレ紳士ばかりだな。
最初に紳士的にした方がイチャラブ路線確実やからな
「里の料理って言ってたな、エルフはどうして奴隷になってしまったのだろう」
なんとなしに、ふと呟いてしまった。
一人でいることが増えてから、独り言も増えてしまった、これもまた癖のように出てしまった言葉だ。
里の料理を知っていて、それを得意だというほど作っていたということは、彼女はもともとエルフの里で暮らしていたということだろう。
彼女は――エルフは控えめに言っても美しい。容姿もそうであるが、奴隷という状況であってあれだけの態度を取っていられるところを見るに、心の面でもきっとそうだ。
家に来てからずっと、物事柔らかくこちらに接してくるし、ゆくゆくは夜伽を頼むと伝えた時でさえ戸惑いながらも納得していたといった感じでだった。
――でもそうなると気になるのは、檻の中で僕へ向けて見せた怒りの籠った瞳はいったいなんだったのかということだ。
奴隷には大きく分けて、二種類ある。
一つは自分か身内が望んで奴隷となるケース。僕は貴族の出だから、無縁な話だけれど貧困の激しい地域では珍しい話ではないと聞いた。子供を売りに出す親や、家族のために労働力になるべく売られる父。
もう一つが、拉致されたりして、望まずに奴隷となるケース。特に人外、亜人に多い。エルフという種族を考えれば、彼女もそうであるのかもしれない。
彼女は、人間に恨みをもっていて、だから僕に怒りの眼差しを向けて――
「――つまり、そういうことなのだろうか」
風呂場へと続く廊下へと視線を向けてみる。
僕は人のぬくもりが欲しかった。だから奴隷を買った。三年前のあの日から、ずっと冷え切って、寒くて寒くて仕方がなくて、もしかすればそれは埋めることができるのではないかと、だから僕はそう思って、彼女を買った。
(やめよう、変に深入りしてどうなる……もしそうだったとして、エルフの身を奴隷として、金を払って買っている時点で、僕に彼女の心の問題をどうこうできるものでもない)
それに自分が善人であると、厚かましい思考回路を持ち合わせているわけでもないのだから。
人影が視界に映りこんだ。透き通るような白と、光り輝く金。寝巻を着込んでなお、その美は薄れることを知らないようだ。
彼女だとすぐにわかって、僕は思考を切り替える。意識してなかったが、ずいぶんと長い間考え込んでしまっていたのだと驚く。
今のところ、想像していた通り心地のいい生活を送れそうなのだ、変に気を遣ったり遣われたりして、壊してしまいたくはなかった。
「お、おかえり、風呂はどうだった?」
言いながら、彼女の背後のガラスに映る自分の症状を確認する。しっかりと笑えていて一安心といった感じだ。
「ええ、とっても気持ちよかったわ。けれど、一つだけ気になることがあって……えっと、デリケートな問題かもだけれど聞いてもいいかしら?」
ぴくり、と肩が震えそうになって慌てて押さえつける。まさかエルフには心を読む魔法がある、なんて言いださないだろうなと内心冷や汗をかきながらに身構えた。
「えっと、うん、大丈夫だよ。どうぞ聞いてくれて構わないぜ」
「そう、それじゃあ――あなた、女装趣味があるの!?」
「……えっ」
ああ、そりゃそうだ。一人暮らしだと言ったのに、女物の洋服をそろえてあればそんな誤解も招いてしまうか。
変な笑いを漏らしながら、服については適当に誤魔化して、その日はエルフに自室へ案内してやって僕もすぐに寝てしまった。
就寝前におやすみなさいと言いあうだけの事が、酷く懐かしい気がした。
男「朝だ。何時ものように起きてリビングに向かったらエルフが既に朝飯を用意してくれてました」
エルフ「それで、お味のほうは……」
男「なんか、こう、惜しい感じだ。味付けも濃くなく薄くなく、しかしちょうどいいって感じから少しだけずれてしまってる。以後精進してくれたまえよ」
エルフ「そう……今度こそおいしい料理を期待してて」
男「そうさせてもうぜ。ところで、今日の予定なんだけれど、この後まず家事についての説明をして、そしたら今日は一日暇だから、>>37」
今日の予定安価
エルフに街を案内しよう
上
「今日はエルフに街を案内しようと思うんだ」
そう提案すると、エルフはきょとんとして首を傾げた。
「私に、街を……?」
「ん、なんでそこで不思議そうな顔するのさ。別におかしな話じゃないだろう。それともこの町は既に知り尽くしてたりするのかな、昨日の様子だと奴隷商で教わりそうもなかったからと思ったんだけれど……」
「いえ、私は奴隷なんだから、普通殆ど外出なんてしないし、まして一人で外出するようなタイミングなんてまずないんじゃないかしら? だからどうしてかなって」
いったい何を言ってるんだろう、という表情を向けてこられても、それは僕からすれば僕の今の表情であるんだけれど……。
「外出するタイミングがないってことないだろ、一日分の家事が終われば自由時間も作れるし、それにこれからは食事に使う材料の調達なんかで外にも出てもらうつもりだぜ、僕は。なんならたまには休日だって――」
「ご主人様」
僕の言葉を食いぎみにさえぎって、エルフが言う。
「私は、奴隷よ。ご主人様の言うそれは、メイドや召使の扱いのそれじゃないかしら。だいたい、私が逃げ出す可能性だってないわけじゃないでしょうに」
ああ、なるほどそれは盲点だった。かかった費用も決して安くはないし、昨日からなんだか一緒にいて心地いいエルフに逃げられてしまうのは僕としても面白い展開ではない。
「言われてみれば、その通りだな。なるほど、一理ある」
「でしょう? なら……」
「じゃあこうしようか、今日は新しく買った可愛い奴隷をつれて街を闊歩して、みんなに自慢したいんだ。それなら文句ないだろう?」
「まぁ、それなら……」
「決まりだね、じゃあ家事の説明しちゃうから朝食の食器片づけたら声かけてちょうだい。それまでご主人様はソファで待ってるからさ」
その日は、雲一つない快晴で、街に出るにはうってつけの日だった。
平日であるから人通りも特別多くなく、食事用の買い物ができそうな場所の案内はスムーズに一通り終えたので、軽くランチを取るためにカフェに来ているのだが、どうにも目の前に座るエルフの期限は芳しくない。
「なぁ、エルフ。ちょっと聞きたいんだけれどさ、なんでさっきからムスっとしてるのかな」
「いえ、ご主人様。決してそのようなことはございません」
「……はぁ」
瞼を閉じて、ツンとした表情で突き放されるようにそう言われると、少しくるものがある。元が美人だからそういう表情も可愛いのだけれど、あまり長くされていると気が滅入ってしまう。
そもそもの原因は、半ば言いくるめるように連れ出した僕が、それでもきっちりと街の案内をしてしまったことにあった。「それでは主人と奴隷の関係も示しがつかない」と、さきほどから敬語も表情も一切崩すことなく、頑なに従順な奴隷(自称)と化していた。
僕から言わせれば、主人の言葉を冷たく突き放している時点で、従順もクソもあったものではないと思うのだけれど、彼女には彼女なりの意地があるようで、これがなかなかどうして手ごわい。
だから、僕はここに来た。
ここにある、僕の切り札を行使するために。
「エルフは、本当に水とパンだけでいいんだね?」
「ええ、それが奴隷というモノです」
「頑ななんだから、じゃあ僕は普通に頼みたいものを頼んだけれど、あげないからね」
「ええ、ええ、大丈夫ですよ。そもそも私は人間の食べ物には疎いですし、どんなものが出てこようとご主人様の食べ物を欲しがるようなそんな――ッ」
ウェイトレスが言い合いを続けるエルフと僕の前へと、スッとお皿を差し出してきた。
エルフの前へは水とパンを、そして僕の前へは――メイプルシロップのたっぷりとかかったパンケーキと、イチゴのショートケーキを。
「そんな――なにさ?」
「……!? いえ、いえいえ、いえいえいえ、結構です。大丈夫です。私は奴隷ですし、ええ、パンと水をいただければそれで満足です」
無理しているのが丸わかりだった。なんだこれ、すごい可愛いぞ。
「そう? ならいいや、なんでもここのケーキは街の女性に人気が高いらしくてね。男である僕だけれど、話を聞いているうちにだんだんと興味が沸いてしまったんだ。いやさ、甘いものは別段好きってわけでもないんだけれど、物は試しということでね」
「へ、へぇーそうなんですか」
興味なさ気に振舞おうと努めてはいるが、体は正直なのか目でしっかりとケーキを追ってしまっていた。ちょろかわいい。
視線を浴びながら、見せつけるようにケーキを咀嚼した。
「んぐもぐ、うわぁこれはすごい甘いぞ! それでいて甘みがしつこくなく後を引く! まさに絶品だね! 絶品だよエルフ! あーでもー二つはさすがに頼みすぎたかなー僕一人じゃ食べれないかもー」
「え、えっとですねご主人様。もし、もしもですよ? どうしてもご主人様が食べるのを手伝ってくれというのでしたら、私もそのケーキを食べるのはやぶさかではないというかですね……」
「ふーん、そうなんだ。いいの? 主従関係に示しがつかないとか何とかは」
「ええ、むしろ命令されたのにそれを断るなんて、それはむしろ奴隷にあるまじきと言いますか……ですからどうしてもというのならですね、私がその、イチゴのケーキのほうを食べてあげても……」
「へただなぁエルフ、へたっぴさ……! 欲望の解放させ方がへた……!」
「っ!?」
「エルフが本当に食べたいのは……両方……! このメープルシロップをたっぷりかけて……トロトロにして……イチゴのショートケーキと食べたい……! だろ……?」
「ぐ、ぐぬぬ……」
「だけど……あんまりに図々しいから……こっちだけで、イチゴのショートケーキでごまかそうって言うんだ……エルフ、ダメなんだよ……そういうのが一番ダメ……せっかくおいしいケーキでスカッとしようという時に……その妥協は浅ましすぎる……!」
「じゃあ……実は両方……!」
堕ちたな。
その後僕は、食べ慣れないケーキの甘さに幸せそうに表情を綻ばせるエルフの姿をおかずにして、味のないパンと水をおいしくいただいた。
その後、「悔しい……でもおいしいっ」と恍惚としていたエルフをいいことに、服屋を引っ張りまわして、不自由しない程度の量の服を買い与えた。
一度知ったら、人間誘惑にはあらがえない、それはエルフも同じらしかった。
明日は早起きの予定なので今日はこの辺で中断します。
安価に付き合ってくれたみなさんありがとうございました。
おつ
おつ
乙■
班長…
ざわ...
ざわ...
ざわわ...
ざわわ...
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