アニメ最終回から1年くらい経ってる設定です
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346プロ女子寮 蘭子の部屋
蘭子「………」
蘭子「こ、この封筒の中に、入試の合否が……」
蘭子「………」ドキドキ
蘭子「お、恐れるな神崎蘭子。ここまで来れば、鍵を開き深淵を覗きこむのみ……!」
蘭子「………」ペリペリ
蘭子「………」チラッ
蘭子「………!」
蘭子「う、受かってる……!」
蘭子「やった! やった! やったぁ!」ワーイワーイ
蘭子「頑張って勉強したかいがあったーっ!」ベッドダイブ
蘭子「これでアイドルのお仕事に集中できるーーっ!!」マクラギューッ
蘭子「……あ、そうだ。お母さんに知らせなきゃ」
Prrrrr
蘭子「あ、お母さん? 高校、合格してたよ」
蘭子「うん、うん。ありがとうっ」
蘭子「うん……がんばる。アイドルも勉強も、ちゃんとやるから」
蘭子「……え? チョコレート?」
蘭子「おいしいのができたから、バレンタインデーに届くように送った……あ、うん。ありがと」
蘭子「バレンタインデー……ヴァレンタイン……」
蘭子「………」
蘭子「お、お母さん。今日、何日だっけ?」
蘭子「………」
蘭子「2月、13日……そっか、2月13日かぁ」
蘭子「うん、うん。またね、お母さん」
ピッ
蘭子「………」
蘭子「バレンタインデー、忘れてた………!!」
さあ、上条さんのところにいくのだ
蘭子「ど、どどどどうしようっ!? 明日だよ、明日! 試験に夢中で気づかなかったよぅ……」
蘭子「えと、えとえとえと」アタフタ
Prrrrr
かな子『もしもし』
蘭子「助けてかな子ちゃん!」
かな子『わっ!? ど、どうしたの?』
その日の夜
蘭子「とりあえず、かな子ちゃんおすすめのチョコ詰め合わせセットを買ってきたけど……」
蘭子「プロデューサーには……やっぱり手作りのチョコをあげたいな」
蘭子「でも、今から焦って作って、形だけ整えて……それでいいのかなぁ」
蘭子(どういうチョコを作るのかをじっくり考えて、うまくいくまで何度も作り直す……そのくらい心をこめたものを贈りたい)
蘭子(あの人には、いつも助けられてるし……こういう時くらいしか、そのお返しができないんだもん)
蘭子(真心をこめて……それで、あの人が喜んで、笑って……くれるかどうかはわからないけど。とにかく、幸せな気持ちになってほしい)
蘭子「でも時間が……明日もレッスンあるし……」
蘭子「うーん……」
蘭子「………」
蘭子「誰かに相談してみよう……」
蘭子「………ふむふむ」
蘭子「ほう……ほう!」
蘭子「……それだっ! 感謝する、我が友よ!」
蘭子「よーし、そうと決まったら――」
2月15日
武内P「………」
武内P(彼女からのメールによると、この部屋で待っているとのことだが……)
コンコン
武内P「蘭子さん。いらっしゃいますか」
蘭子「うむ。入るがよい」
武内P「失礼します」
ガチャ
蘭子「約束通り来たようね。感謝するわ、我が友プロデューサーよ」
武内P「この時間は、ちょうど余裕がありましたから」
蘭子「知っているわ。我が瞳に見抜けぬものなどない」
武内P「なるほど……確か、蘭子さんのそれは『魔眼』と呼ばれるものでしたか」
蘭子「その通り!」
蘭子(本当はちひろさんに聞いただけだけど)
蘭子「時に、我が友よ。私の真名、忘れず呼んでくれているようね」
武内P「はい。蘭子さん本人から、下の名前で呼ぶように、以前頼まれましたから」
蘭子(うん……やっぱり、名字より名前で呼んでもらった方がうれしいな)ニコニコ
このシリーズの蘭子はPにメッチャ好意寄せてたな
武内P「ところで、蘭子さん」
蘭子「む?」
武内P「なぜ、部屋を暗くしているのでしょう」
武内P「カーテンを閉め切って、電気もつけていませんが」
蘭子「灯火ならこれで十分であろう」ビシッ
武内P「これは……ろうそくですね」
蘭子「これひとつで万全。むしろこれ以上光を与えれば、闇の儀式の邪魔になるわ」
武内P「儀式……?」
蘭子「フッ、知りたいか?」
武内P「はあ……そうですね」
蘭子「ならば教えよう! これより始めるは、魔界の儀式!」
蘭子「混沌より生ずる開闢の燈火! カオス・バレンタイン!」バッ!
武内P「カオス・バレンタイン……?」
武内P「しかし、バレンタインデーは昨日終わったはず……蘭子さんからも、チョコレートの詰め合わせをいただきました」
蘭子「ククク、甘いな。それはあくまでこの世界でのルールに従っただけのこと」
蘭子「実は、魔界暦では今日がバレンタインデー!」ドンッ
蘭子「よって、プロデューサーには魔のバレンタインを味わってもらうわ」
武内P「………」
武内P「少し、待ってください。情報を整理しなければならないので」
武内P「魔界暦……日付のズレ……魔のバレンタイン……」メモメモ
武内P「質問してもよろしいでしょうか」
蘭子「は、はい」ドキッ
武内P「ホワイトデーのお返しは、3月14日と15日、どちらにすれば」
蘭子「あ、それは早くもらいたいから14日で……」
武内P「わかりました」カキカキ
蘭子(思わず本音が出ちゃった)アセアセ
微笑ましい会話だな
蘭子「まあよい。我が友よ、アナタに贈るは、この魔法石」
蘭子「闇に射す一筋の光……私の魔力をこめた、世界に唯一の結晶よ」
武内P「ホワイトチョコレート……魔力をこめたということは、手作りですか」
蘭子「無論!」
武内P「……昨日も良いものをいただいておいて、今日もこんな素晴らしいものをいただくのは」
蘭子「……いらない?」シュン
武内P「………」ハッ
武内P「いえ、いただきます。せっかくの、蘭子さんのご厚意ですから」
武内P「受け取らせてください」
蘭子「……うんっ」
蘭子「味見はしたから……安心して、味わって食べてください」ニコ
武内P「はい。ありがとうございます」
蘭子「………」
蘭子(やった……なんとかうまく渡せた……)
蘭子「はぁ~~っ」ホッ
フッ
蘭子「あ」
武内P「……ろうそくの火が、今の息で消えてしまったようですね」
武内P「暗いと危ないので、カーテンを開けましょう」
蘭子「………」カアァ
暗闇に頬に差す紅色が浮かぶという感じの画を幻視した
蘭子「は、ハーッハッハ! アナタに光の魔法石が渡ったことで、闇の儀式は終わりを告げたわ!」
蘭子「我が友プロデューサー。やはりアナタは『器』を持ちし者のようね!」
武内P「……ありがとうございます」
蘭子(よしごまかせたっ)グッ
武内P(今のは、ごまかしただけなのかもしれない……)
蘭子「こほんっ」
蘭子「これより行うは、光の儀式!」
武内P「光の儀式……闇の儀式とは、また別のものでしょうか」
蘭子「うむ。この儀式で用いるのは……あ、ちょっと待ってください」トテトテ
武内P「………」
蘭子「儀式で用いるのは、これよ!」バーン
武内P(マグカップが二つ。中身は、この甘い香りからすると……)
武内P「ホットチョコレート、ですか」
蘭子「そう、これが私達の誓いの杯となる」
武内P「誓いの杯……」
武内P「それは、神道の結婚式で行われる……」
蘭子「………」
蘭子「け、けつこんっ!?」
武内P「ええ。新郎新婦や親族の方々が、家族としての絆を確かめ合うために行うものだと聞いています」
蘭子「……え、ええっ!?」
蘭子(そ、そういえば、ドラマとかでそんなシーンあったかも!)
蘭子「ち、違うのっ。私、そんなこと知らなくて……ただその、プロデューサーと一緒にホットチョコ飲みたかっただけで……!」ワタワタ
蘭子「き、絆を強くしたいっていうのは本当だけど、結婚だなんてそんな」アワアワ
武内P「はい、もちろんそれはわかっていますが……」
蘭子「………」スー、ハー
蘭子「あ、あの……プロデューサーは、結婚の予定とかは」
武内P「………」
武内P「まずは、相手を見つけないことにはどうにもなりませんので」
蘭子「そう……」ホッ
武内P「冷めないうちに、飲みましょうか」
蘭子「あ……そうね。儀式の続きをしましょう」
蘭子「今こそ交わそうぞ!」シュバッ
蘭子「ち、誓いの杯を……」ボソボソ
武内P「………」
蘭子「こ、こほん。……大丈夫、大丈夫」スーハー
蘭子「……この杯には、私の闇の祝福がかけられているわ」
蘭子「飲んだ者に力を与え、より強い絆で結びつける……魂への祝福」
蘭子「だから……えっと」
蘭子「こ、これからも……よろしく、ね? 私の、プロデュース……」
武内P「……はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
蘭子「うむ!」ニコッ
蘭子「では……いざ、乾杯っ!」
武内P「乾杯です」
蘭子「あちちっ」
武内P「まだ熱いようなので、気をつけて飲んでください」
蘭子「はい……ふー、ふー」
武内P「………」フッ
部屋の外
凛「………」ジーー
凛「とりあえず、うまくいったみたい」
奏「よかったわね」
飛鳥「突然電話で泣きつかれた時は何事かと思ったが、案外なんとかなるものだね」
凛「うん」
凛「それはそうと……奏。蘭子に『誓いの杯』のこと吹きこんだの、奏でしょ」
奏「あら、いいじゃない。ロマンチックで素敵よ」ウフフ
凛「まったく……」
奏「飛鳥ちゃんの『バレンタインの日付ずらし作戦』が効いたかしら」
飛鳥「セカイの手の平で踊ることを否定はしないけれど……それがあまりに枷になるようなら、反逆を起こしたってかまわない。そう考えただけさ」
飛鳥「マリオネットだって、時には糸を引きちぎりたい時もある」
凛(相変わらず何言ってるかわかりにくい……)
奏「なるほどね」
凛(わかるんだ……奏、すごい)
奏「さて。それじゃあ私達は、見つからないうちに退散しましょうか」
凛「そうだね。見てたってばれたら、蘭子が恥ずかしがるだろうし」
飛鳥「同感だ」
未央「あれ、そんなところでなにしてるの?」
凛「うわっ……なんだ、未央か。びっくりした」
奏「なんでもないのよ。なんでも」
未央「ふーん」
未央「蒼い三連星がそろい踏みだから、何かあったのかと思ったよ」
奏「蒼い?」
凛「三連星?」
飛鳥「とは、なんだい?」
未央「いや、なんかそんな感じするじゃん」
凛「未央のネーミングセンスは相変わらずだね」
未央「えへへー、照れるなあ」
凛「褒めてないから」
奏「………」
奏「どう? このあとお茶でもしない?」
飛鳥「……悪くないね」
蘭子「甘くておいしいですねっ」
武内P「そうですね。あまり飲む機会はありませんでしたが、ホットチョコレートもいいと思います」
蘭子「なら、また……」
蘭子「………」
蘭子「今度は、みんなで飲もうかな」フフッ
武内P「……はい」
おしまい
おつおつ
読んでくれた方々に感謝を
私は熊本弁マスターしていないので、蘭子のセリフに違和感を覚えるかと思います。精進しなきゃいけないですね
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そろそろアニメ最終回から2年後の設定とかになりそう
乙です
CPメンバー全制覇してほしいです
武蘭いい・・・
乙
真顔でお返しの日を聞いている武内Pを想像すると胸キュン
乙乙
ちょっとらんらん可愛過ぎんよ~
乙!やみのま!
やっぱり1の飲みSSは雰囲気が良いね...
乙
ここの凛さんには安心感があるなあww
乙
ここの凛さんは保護者っぽいね
蒼のミツボシ?
乙。このシリーズ大好きです。
凛ちゃん蒼の波動弱まってる
この二人の可愛さは異常
またいくらでもみていたひ……
>>21
かなk、ドム体型の三人だt
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