『……そう言えば明日はバレンタインデーだけど、朋子ちゃんはお兄ちゃんへのチョコはどうするの?』
「まだ決めてないわ……と言うかエリスちゃんは私の事……」
『もう良いのっ、お兄ちゃんが選んだ相手なんだし。それに朋子ちゃんならお兄ちゃんを幸せに出来るはずだから』
「……ありがと、エリスちゃん。頑張るわ」
『うん、頑張ってね。――それじゃ切るね』
「うん、また」
ピッ
(……エリスちゃんがパリに留学してから初めてのバレンタインデー)
(エリスちゃんとはこうしてたまに連絡は取ってるけれど、今日は一段と寂しそうな声だった)
(そりゃそうよね。大好きな人を取られて、しかも自分は遠く離れた国にいるんだから)
(でも……折角エリスちゃんが認めてくれたんだから、頑張らないと)
「それは解決したとして、問題は……」
(チョコ、どうしよう……)
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「よし、こう言うのは流行りのトレンドを押さえてそうな萩野先輩に相談してみるのが妥当ね」
プルルルルル……
『はいもしもしー』
「あ、萩野先輩ですか?」
『あれー朋子ちゃんが私に掛けてくるなんて珍しいねー。どうしたの?』
「はい、じ、実はですね……明日渡すチョコの内容を決めてなくて……」
『ふーん……上倉先生に渡すチョコだねー?』
「うっ、まあそうですけれど」
『ふふ、男の人は女の子の手作りに弱いんだよ?』
「やっぱり手作りですか……あまり自信無いんですけど……」
『だーいじょうぶ!好きな女の子の手作りチョコで喜ばない男の人はいないから多少失敗しても問題ないってー!』
「大丈夫かしら……」
「あ、強いて言うなら自分の好きな食べ物をチョコの中に入れると良いみたいだよ」
(好きな食べ物……)
「分かりました、ありがとうございました」
「いえいえ、あ、それじゃ小説の執筆に戻るねー」
ピッ
「好きな食べ物……ね」
「――あんこが良いかしら?」
続きはまた、今日中に
一旦乙
Canvas2とは懐かしい
懐かしい…てかすげぇな よく書こうと思ったなw
いっその事 東鳩とか月石 はたまた曲芸でもよくってよ~
余りの懐かしさにスレタイ三度見した
朋子と部長とエリスが好きだった
「でもあんこってどうやってチョコに合わせれば良いのかしら……」
「……」
「取り敢えずまずはチョコに練り込んで一回作ってみた方が良いわね」
-調理中-
「うーん、甘過ぎるのはあんまり好きじゃないって言ってたしビターチョコと……こしあんでやってみようかしら」
-調理後-
「よし、取り敢えず形は出来たわね」
「後は味……」パクッ
「うっ、まっずっ!?」
「んー……こしあんがいけなかったのね。それじゃ次はつぶあんにしてみましょ」
「よし、次は大丈夫なはずよね」
※勿論失敗しました
「……まさか型から出した瞬間ボロボロに崩れるなんて」
「予想以上に難しいわね、チョコ」
「はぁ、なんか疲れたわ……一旦休憩入れましょうかね」
(でも、今更だけどこうして好きな人の為にチョコを作ってるなんて、高校に入ったばかりの時までは思いもしなかったわね)
(――出逢いは最悪、今でも鮮明に覚えてる)
(前方不注意だったアイツとぶつかって、危うく階段から落ち掛けた時はとんでもない疫病神だと思ったわ)
(その後発作で倒れた私を保健室に運んでくれたのは嬉しかったけど)
(でも無神経な発言を気遣いたと言い張ったり、私にストーカー一歩手前くらいの頻度で出くわしたり)
(それでも頻繁に遭遇するうちにアイツの優しさに触れて)
(二回の手術の時も、心から励ましてくれたり)
(……多分、一回目の時に小さい頃優しくしてくれたお兄ちゃん――とは言ってもそのお兄ちゃんもアイツだった訳だけど……の面影とアイツを重ねて、その時から『好き』だったんだろうなぁ……)
(まだ、手術から逃げてた時の私に、この事伝えたらどんな反応するかしら)
(……きっと、聞く耳すら持ってくれないわね)
(そう思うと、人間ってキッカケ一つで変われるって凄く実感するわね)
「……さて、休憩終わり。頑張って作らなきゃ」
-次の日、放課後-
「何だよ朋子、わざわざ体育館裏なんかに呼び出して」
「そ、その……み、みんなに見られたくなかったから……はい」サシダシー
「うん?俺に、か?」
「そ、そうよ!と言うか今日バレンタインデーだって忘れてた訳!?」
「あー……そういやそうだったな……エリスが居ないとどうも日にちを忘れがちでなぁ」
(忘れてた上にエリスちゃんとは言え他の女の話って……もしかして……)
「あ、わ、悪かった悪かったよ!忘れてたのは完全に俺のミスだから!」
「……私の事、嫌い?」
「はあ?何言ってんだよ、好きじゃなかったら……こんな嬉しくなったりなんかしねえよ」
「でも他の女の話をしたじゃない」
「いや、他の女って……言わば身内の話なんだが……」
「それでも私は嫌なの!」
「そうは言われてもだなぁ……」
「私が自分に自信無いの、知ってるでしょ……?心配なのよ、浩樹が他の女に取られるんじゃないかって」
「朋子……」
「返事、聞かせてよ……」
(そうか……こんなに心配掛けてたんだな。だったらここは言葉よりも――)
「ん……んん!?」
(キ、キス!?返事ってこれなの!?)
「んん……ん……プハッ」
「お、俺なりの返答だったんだが……」
「ムードの欠片も無かったわよ……」
「ス、スマン」
「でも……まあ」チュッ
「んなぁっ!?」
「ふふ、ありがと」
(……一本取られたか)
「……どういたしまして」
「ずっと……ずっと、一緒よ?」
「勿論だ、嫌っつっても離さない」
「浩樹……」
「朋子……」
――心と心で通じ合う、この二人に、言葉なんて不要で
この後浩樹の家でたくさんにゃんにゃんした
-完-
もうちょっとだけ続くんじゃ
「ねえ、チョコ食べてみてよ」
「おう、良いぜ」パクッ
「……ちょっと待て朋子、これ中に何入れた?」
「え?あんこだけど」
「……誰の入れ知恵だ?」
「? 萩野先輩だけど」
「……ちょっと俺今から萩野ん家行ってくるわ」
「ふぇ?」
「大丈夫、ちょっとOHANASIするだけだから」
「あ、ちょっと!?」
※この後萩野はしっかりOHANASIされました
-そんな訳で、今度は本当に完-
どのキャラより朋子ちゃんが一番好きだから勢いで書いた
本放送当時はヲタクになり得ない年齢だったから出逢えたのは奇跡だと思ってる
夜にはリクエストにお答えして、ダ・カーポシリーズで作ってみる
ではまた夜にお会いしましょう
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