男「……何、かな」
女「ならば説明しよう。『オーグメント』とは英語で」
男「いや待ってね」
女「?」
男「今の『何かな』は『どういう意味?』じゃない」
女「そうか。ならば説明は不要だな」
男「不要ではないかなー?」
女「何?『オーグメント』」を知っているのではないのか?」
男「いや知らないけど。そんなことよりも!」
男「ここが俺の家ってことは知らないのかな?」
女「知らないものか」
男「不法侵入。犯罪行為」
女「その点は謝罪する。本来ならば君の帰路で君に会うつもりだったのだが」
男「今日は定期テストだったから午前授業のみなんだけど」
女「ならばこの時間軸、この座標に飛んでしまったのは間違いではないらしい」
男「もしかして未来人か何か?」
女「私は平成人だ」
男「……納得いかない」
女「そんなことより、だ」
男「ああ、はい。『オーグメント』の話だったかな?」
女「そうだ。君はどこまで知っている?」
男「英語で『ほにゃららを増大させる』って意味だというくらい」
女「はぁ……君は何も知らないのだな」
男「そうかもしれないけど苛立つよ」
女「『オーグメント』……それは禁術だ」
男「禁じられた術の意味の?」
女「その通り。過去にその術を生み出し世界を震撼させた一人の魔術師がいた」
男「うわーラノベじみて来たね」
女「その『オーグメント』は龍脈に潜む悪を増大させ、世界を負のオーラで満たした」
女「その結果。自然界のバランスは乱れ、様々な異常気象により数多の人が亡くなった」
女「さらにその魔術師は『オーグメント』の暴走に呑み込まれ、術と一体化した」
女「……ここからの記録は途切れているが、結果的には龍脈の暴走は治まり、負のオーラは消滅した」
女「二度とその悲劇を繰り返すまいと人々は『オーグメント』を封印し、歴史を闇に葬った」
女「だが遥かなる時を経て、封印されし術を我が物としようと企む輩が現れた」
女「輩は『ウィザーズ』と名乗り、術を盗みて姿を眩ましたと言う」
女「容易に解呪できる代物ではない『オーグメント』。『ウィザーズ』という名からも察するに、輩はなんらかの異能を持つ人間だろう」
女「まだ事が起きてはいないが、いつ世界が破滅してもおかしくない状況だ」
女「そこで、だ。君には『ウィザーズ』の居場所を突き止め、再び『オーグメント』を封印するために力を貸してほしい」
男「……」
男「いや」
女「?」
男「いやいやいやいや」
男「は!?なんだ今の設定は!また異能バトル物ですか!こんなクソみたいな設定読者どころか作者も忘れるし飽きるわ!」
男「それによー何だよ力を貸してほしいって、俺なんも異能持ってないよ?それどころか信念も強靭な肉体も素晴らしいアタマもカネも持ってないよ!?」
男「っていうかこの科学技術第一のご時世にオカルト!っはぁー!魔術師!とあるか!」
男「仮に本当としても?『隠された力が発現』ン?『実は力持ってました』ァ?っはぁー!ツマンネ!あるあるか!」
書き溜め終わり。
わりと見切り発車だけど完結させるように頑張ります!
おつ
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