黄金と白銀(1)
轟音。
天が音を立て、崩れてきたのかと錯覚した。
見上げれば、目映いばかりの金色の機体。
陽光に煌めく様は、その者に神秘性を纏わせ、それが人型戦術機の範疇に収まるような代物ではないということを見る者に直感させた。
それほどまでに神々しい。
トキムネが目を細めて黄金の機体を仰ぎ見ていると、誇らしさと呆れが同じ比率で混じり合ったような複雑な色を帯びた声がある。
アイシャ「あれこそが我が陛下のGTM、マグナパレス。美しいだろ。そりゃそうだ。全て陛下のポケットマネーでの製作とは言え、莫大な金がかかったスーパーメカなのだ。美しくなけりゃ嘘だからね。うははは」
マグナパレスというらしい黄金の機体のような神々しさはないが、冷や汗を流しながら隣で乾いた笑い声を上げる女も大層な器量良しである。
背が高すぎる気もするが、そのような些事は彼女の美貌を妨げるに及ばない。
ジェイミー「あれ、壊しちゃったら修理費いくらかかるんだろ……」
何やら難しい顔をしていると思ったら、ジェイミーの関心事は機体にまつわる数字についてのようだ。財布の紐を締めることに関して一家言あるジェイミーらしいと言えばらしい。
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