※アニメ準拠じゃない点に注意
※一応これでも、二宮飛鳥ちゃん誕生日記念のSS。
※ちょっとだけ愛が重いかも
モバP(以下、P)「―――……!」
P(どうやら、俺は居眠りをしていたようだ。)
P(……ここは事務所。まだ、ちひろさんもアイドル達も来ていない。朝早くから仕事をしておかないと、彼女らが来ると事務所は喧騒に包まれて仕事が進まなくなってしまう。)
P(だから、早朝に来て仕事には余裕を持っておこうと思ったのだが、寝不足が祟って寝てしまっていたようだ。)
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ぎりぎりセーフ!……?
P(まだ、皆が来るまでに時間はある。仕事を再開しなければ……)
カチッカチッ
P(ん? おかしいパソコンが起動しない……)
P(参ったな……故障かな……? ちひろさんに怒られてしまう……)
P(仕方ない。書類整理の方に手を付けるか……)
ガララッ
P(あれ……? おかしい……仕事の書類が見当たらないぞ……?)
P(何故だっ?! 移動させた記憶もないし……アイドルに書類を盗むような娘もいない。)
P(おかしい……この事務所何かがおかしいぞ……?!)
P(事務所の冷蔵庫は?!)
ガチャッ
P(卵、牛乳に……全部……パッケージが真っ白だ……!)
P(……ただ、なぜかプリンだけどこも変わりがない……)
P(どういうことだ?)
P(給湯室は……? もし大丈夫ならコーヒーでも飲んで落ち着きたい……)
―――
P(水道は普通に使うことができる、それに給湯室の湯沸かし器は普通に動いているようだ。)
P(コーヒーでも飲んで落ち着こう……)
ズズッ……
プハッ!
P(なんて味だ! 苦い……とんでもなく苦いぞ……!)
P(まるで、子供の時、初めて飲んだコーヒーじゃないか!)
P(おかしい……事務所のコーヒーなんて飲み慣れたものなのに……全然別物じゃないか……)
ゴクゴクッ……
プハッ
P(……なんとか飲み干せたが、こんなんじゃもうコーヒーは飲めないな。)
P(一体……朝から何が起きてるんだ……? この事務所に……)
ガチャリ……
P(誰だ? まだ、アイドルの来る時間じゃないはずだが……?)
二宮飛鳥「おはよう。プロデューサー……ここにいるのはキミだけかい?」
P「あぁ、飛鳥か、おはよう。俺だけも何も、まだ他のアイドルが来る時間じゃないぞ。」
飛鳥「そうかい? すこし、来るのが早すぎたようだね。」
P「早すぎるも何も……それより、飛鳥は大丈夫だったのか?! 今朝から事務所じゃ変なことが起きてるんだ! なんだか別世界にでも迷い込んだみたいだ。」
飛鳥「あぁ、少なくともボク自身にはなにも起きていないよ。ボクはボクさ。きっとキミが普段から見ているボクとここにいるボクはきっと同質だろうね。」
P「そう……その様子なら飛鳥は大丈夫のようだな。」
飛鳥「それより、事務所でも何かあったのかい?」
――事の経緯を話す――
飛鳥「そう……ちひろさん達とは連絡が取れるのかい?」
P「いや、それが……携帯は電波が届かないし、連絡先リストには飛鳥のものしか入っていないんだ……」
飛鳥「……キミもボクと同じ状況のようだね……」
P「そうなのか? 飛鳥はここに来るまでに何か変なことは起こらなかったのか。」
飛鳥「……」
P(飛鳥は困ったような顔をして黙っている……何かあったのか?)
飛鳥「いや、外の様子はキミに直接見て貰う方が早いだろう……百聞は一見にしかず。とも言うしね。」
―――
P(外では事務所内の出来事の比にならないほどの状況になっていた。)
P(音は一切聞こえてこない、物に触れていることは……少なくとも地に足をつけていることは分かるのだが……感触が一切伝わってこない……)
P(……そして何よりも事務所から出た途端、視界が水で目を開けたようにボヤケて前後も分からない状態なのだ……)
P(そして、そんなボヤケた街の中に……人や生き物を含めて動く物が見当たらないのだ。)
P(事務所に来た時は外の様子なんて気にもとめていなかったが……こんな風では確実になかったはずだ……)
P(……飛鳥以外の他のアイドル達も街の人同様に消えてしまったのだろうか……)
P「……」
P「一度……事務所に戻ろう……」
飛鳥「あぁ……そうしようか。」
二次創作するなら愛は重いくらいが丁度良い
―――
P「しかし、外がこのような状況でよく、飛鳥は事務所に来ることができたな。」
飛鳥「……キミが外をどう見えたのかは分からない。だけど、ボクはキミより幾らかマシな状況でセカイを見ているのだろうね……ボクの寮からこの事務所に来るところまではボクは何とか移動できるぐらいには外のセカイは見えているようだ。」
飛鳥「……キミは……どうするんだい? これから……」
飛鳥「……セカイはキミの知らない不可解な状況に向かっているのだろう? このセカイの中では現在、キミはボクとしか出会えていない。」
飛鳥「ボクとキミは行動を共にしておいたほうが無難だと……ボクは思うけど。」
P「……取り敢えず、ちひろさんや他のアイドル達が来る時間になるまで待つ。」
P「そして、何とか現状を把握する方法を模索しなきゃいけない。」
飛鳥「そうかい。ならボクもキミに従おう。」
―――
P(俺は事務所の事を他にも調べながら待った。)
P(その上でいくつか分かった事は、湯水は普通に使うことが出来るということ。そして、それらは普通に飲むことが出来るということ。……事務所の備え付けシャワーも使えるようだ。そして、電化製品もテレビやパソコンといった物はなぜか電源をつけることができなかったものの、それ以外の物は大体が稼働する。)
P(しかし、お菓子や事務所にある筈の食料はだいぶ無くなっていた。しかし、パッケージが真っ白になった牛乳も普通に飲むことはできる。)
P(中途半端ではあるが、衣食住としては不完全。特に食料がかなり限られている。……もし誰も来ないまま……問題が進展しないままではこの事務所でそう長く生活は出来ないのだ。)
―――――
P(そして…………俺と飛鳥はただひたすらに待った……しかし、事務所にはちひろさんを含め誰も来なかったのだった……)
飛鳥「もう午後だ……プロデューサー。キミも少し疲れているんじゃないかい? この状況に……」
P「……」
飛鳥「やはり、この事務所に長居するのは良くないようだね。」
P「……」
飛鳥「……そして、事情を察するにこの事務所より、ボクの寮の方が状況としてはマシなのだろう。」
P「……どういうことだ?」
飛鳥「ボクの寮もね、このセカイの変化から逃れた数少ない場所の一つなのさ。」
飛鳥「そして、ボクの寮なら非常用の食料や飲料、それに寝る場所だってある。」
飛鳥「少なくとも、この事務所より長居するには適しているのだとボクは思うよ。」
P「だけど、あそこは女子寮だ。確かに飛鳥を案内するときに入ったけど、普段は男子禁制だ。俺は入れないぞ。」
飛鳥「いや……ボクの思う通りなら、寮には、いや……このセカイのどこにも人は誰もいないよはずさ。それなら問題はないだろう?」
P「あまり気は進まないが……それに今の俺は外を歩けない。どうやって寮に向かえばいいんだ?」
飛鳥「それならボクに考えがある。大丈夫、寮に向かうことはできるさ。」
P(そう言うやいなや、飛鳥は立ち上がって事務所の外に出ていってしまう。)
P「お……おい! 何もそんな急ぐ必要はないだろう!」
―――事務所・外―――
P(……またあの嫌な感覚だ……。)
P(外に出た途端に視界がボヤケてしまう……地面を立っていても、今自分がどこを向いているのかも分からない……)
P(やっぱり、こんな状況じゃ外を出歩くことなんて、……)
飛鳥「ほら、ボクの感触がわかるかい?」
P「あれ、手に感触が……それにその声は飛鳥か?」
飛鳥「フフッ、やっぱりね。どうやら、キミは外のセカイに干渉することもされることもできないようだけど。」
飛鳥「ボクとの間の干渉は問題ないようだね。正常な者同士はこのセカイの奇妙な性質を持たないようだ。」
飛鳥「ほら、キミの手とボクの手が繋がっているのがわかるだろう?」
P(細く華奢な手の感触が伝わってくる……)
P「あぁ……飛鳥の手は細いんだな……だけど綺麗だ。視界はボヤケて手の様子は見えないけど、それは伝わってくるよ。」
飛鳥「え……? …………いや、キミにしては上手なことを言うじゃないか。」
飛鳥「確かに、ボクは華奢で強くない。だけど、このセカイで確かに存在しているんだ。その事実は何よりも確実で強固なものだよ。」
飛鳥「……そういう、キミの手は暖かくて安心するよ……。 キミがここに居ることを何よりもボクに確信させてくれる。」
飛鳥「ほら……歩きだそう。寮まではなかなかの距離がある。ボクがキミに外のセカイの道標となろうじゃないか。」
P「あぁ……頼むぞ飛鳥。」
雰囲気がいいね
再開しないのかな
愛が重い系好きだから残念
オチだけでも知りたい
チャゲって打とうとしたらちゃgの段階に変換でチャゲアスって出てきてワロタ
――――
P(飛鳥と手を繋いで歩き始めて暫くが経った。)
P(最初は地面と足が接地した感触が起こらないために歩きにくかったが、それにも何とか慣れてきた。)
P(音は、無言でスタスタ歩く飛鳥の足音と、自分の感触の消えた足からなっていると思われる足音以外には風の音すらも聞こえない……)
P(そして、相変わらず外はボヤケて見えていた。しかも、そのボヤケ方は段々と酷くなっていき、最初は建物の輪郭と色がうっすらと見えていたのだが……)
P(今では空の水色と、アスファルトの黒っぽい灰色に、建造物の鼠色程度しか認識が出来ない。)
P(もしも、こんな状況で飛鳥に手を離されてしまったら、事務所に戻るのはもう絶望的だろう……)
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