モバP「だりやすかれんの将来のこと」 (13)



―――事務所


加蓮「――昨日今日ってさ、センター試験だったんだね」

泰葉「ああ、そういえば……。でも急にどうしたの?」

加蓮「うん、たまたまニュースやってたの見て。私たちも大学受験とかするのかな、って」

泰葉「うーん……勉強は大切だと思うけど、そこまで考えたことなかったかな……」

加蓮「だよねぇ、全然実感湧かないし……。ね、李衣菜は来年受験でしょ? どうするの?」


李衣菜「……うぇっ? あ、う、うん受験ね受験。ロックだよねっ、受験!」

((あっ、なんにも考えてない顔だ))

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泰葉「もうこの時期だと、学校で進路相談とかやってないの?」

李衣菜「や、やー……何度かやってるにはやってるんだけど。どうしようかって考えてて、まだ保留中……」

加蓮「ふぅん……もうそんなに繰り返し進路相談してるんだ? めんどくさーい……」

李衣菜「受験ってより、将来のこと含めてだからね。先生に『アイドルなんてまだ続けるのか』、とか言われたことあるし」

加蓮「……私、その先生知らないけど今嫌いになった」ムス…

李衣菜「ま、まぁそういう人もいるよ。しょうがないって」

加蓮「むー」

泰葉「でも……将来のこと考えるのはいいことだと思うな。芸能界なんて、確かにシビアな世界だもの」

加蓮「私はずっとアイドルでいたいけどなぁ……」

李衣菜「お、生涯アイドル宣言?」

加蓮「ふふっ、当たり前でしょ」

李衣菜「へへ、いいねぇ。私も付き合うよ、加蓮」

泰葉「ということは……李衣菜もアイドルやめない?」

李衣菜「とーぜん。ハナっからそんな選択肢、あるわけないよ!」

泰葉「ふふ、良かった……♪」

加蓮「じゃ、3人仲良くアイドル続けるってことで♪」

李衣菜「そだね、これからも頑張ろー!」

泰葉「……まぁ、それと受験とはまた別の話だと思うんだけど」

李衣菜「うっ!」

加蓮「く、話そらせたと思ったのに……」

泰葉「ふふ。……ただ、アイドルとして活動しながら受験勉強するっていうと……かなり難しいかも」

李衣菜「そ、そうそう。それなんだよね……今でさえ周りに追いつくのがやっとな状態だし」

加蓮「学校行くたびに新しい課題が……うぅぅ」

李衣菜「うわぁぁやめてぇぇ!」

泰葉「お仕事で学校休みがちになってきてるものね……。はぁ、私も早めに宿題やらないと……」

李衣菜「受験勉強まで手ぇ回んないよ、絶対……」

加蓮「あー、頭痛くなってきたぁ……」

李衣菜「うー、でもなー……キャンパスライフ、楽しそうだしなぁ。……同じ大学で、一緒に勉強したいよね」

加蓮「!」

泰葉「……! それは……うん、きっと楽しいと思う……!」

加蓮「……よし。今から勉強にも力入れよ、泰葉!」

泰葉「ええ、頑張って夢のキャンパスライフを……!」

李衣菜「も、燃えてるなぁ……あはは。2人がそう言うんじゃ、私も頑張らないわけには――」

加蓮「李衣菜は1年浪人ね。一緒に入学するんだからっ」

李衣菜「ええええ嘘でしょ!? いや確かに自信はあんまり……いやいや、出来る! 先に大学入って先輩風吹かすんだから!」

加蓮「あっ、言ったな~? 現役合格しなかったら死ぬほどバカにするからね♪」

李衣菜「の、望むところだっ。やってやる!」

泰葉「ふふふっ……その前に、まずはどの大学に行くかを決めないとね」

李衣菜「あ、そっかそうだよね。やっぱりアイドルだし、音大とか?」

加蓮「音楽の大学かぁ……。歌、たくさん歌えたり出来るのかな?」

李衣菜「他にも楽器の勉強も出来そうだし……うんっ、音大にしよっかな」

泰葉「え、そんな簡単に決めちゃってもいいの?」

李衣菜「ずるずる悩むのはロックじゃない! ……って思ったけど、2人も一緒だもんね。泰葉と加蓮はどうしたい?」

加蓮「んー。普通の大学行っても、なにが出来るかとか正直分かんないし……」

加蓮「それなら音楽の道に進んで、もっとアイドルとして表現力を高めたいかな」

泰葉「……大学って、きっと自分の将来を決めるのに大切な場所だと思うの」

泰葉「確かに大学生になって遊んだりする人もいるけど、私は李衣菜と加蓮……2人と一緒に成長したいな」

加蓮「うん。私たちも李衣菜と同じところ目指すから……1年だけ、待ってて?」

泰葉「李衣菜が選んだ学校なら、私も加蓮も納得出来るから。ね?」

李衣菜「おお……な、なんか重大なこと任されてる気がする……!」

泰葉「気がする、じゃなくて任せてるの。ふふっ」

加蓮「よろしくね、りーなセンパイ♪」

李衣菜「こういうときだけ先輩扱いなんだもんなぁ、もー……まぁいいや、分かったよ!」

李衣菜「先に行って、待ってるから。それこそ浪人したら思いっきり笑ってやる。へへ♪」

泰葉「大丈夫、必ず現役で合格してみせるから。……私はね」

加蓮「えっ私は!? ねぇ泰葉、私だって一発で――」

泰葉「日頃の勉強の差がすでに表れているかも……ふふふっ♪」

加蓮「えー! そんなぁ……あ、そうだっ。Pさーん、勉強教えてーっ」

李衣菜「あっずるいよ加蓮! 私が一番切羽詰まってるんだから――!」

泰葉「ふふっ……Pさん、私にも家庭教師お願いします――」



きゃいきゃいっ


P「……どうしたらいいですかね」カタカタ…

ちひろ「そりゃもう手取り足取り♪」

P「ちひろさんも手伝ってくださいよ?」

ちひろ「むむむ、分かりました。……まずは形からということで女教師のコスプレ衣装を作っt」

P「その変な蛍光緑のままでいいですから」

ちひろ「ちょ、ひどいですお気に入りなのに!」


李衣菜「Pさん、たまには勉強見てください!」

加蓮「ちょーっとだけでいいから、宿題やってくれない?」

泰葉「加蓮、それじゃ意味ないじゃない……ふふっ」


P「……ま、自分たちで決めたのなら、全力で応援してあげましょう!」

ちひろ「うふふ……ええ♪」



おわり

というお話だったのさ
AO入試で「アイドルやってます!」ってアピールしたら合格できるのかな……
おいらアイドルじゃないから、さっぱりわかんないや


そこそこ売れてたら可能性はあるかも?

どーせ来年の今頃も何事もなかったかのように同じ会話をしt

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