八幡「由比ヶ浜〇〇事件」 (27)

八幡(事件はいつでも突然起こるものだ)

八幡(犯行予告などもあるが、犯行予告を出されてる時点でそれは事件が始まっているのである)

八幡(つまり事件は未然に防ぐ事など出来はしない)

八幡(だから俺と雪ノ下は今回の事件を未然に防ぐことが出来なかった)

八幡(そして事件の始まりは…)


結衣「やっはろー!」ガラッ


八幡(由比ヶ浜が部室に来たことだった)

八幡「……うす」


雪乃「……こんにちわ」


八幡(その事件の内容とは……)

八幡(由比ヶ浜の鼻毛はみ出している事件だ)

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八幡(ここで一句)

八幡(鼻毛かな?鼻毛じゃないよ。鼻毛だよ)

八幡(はい、完全に鼻毛でした)

八幡(さて、どうしたものか)

八幡(由比ヶ浜が右の鼻から鼻毛を出しているなんて驚きだ。鼻毛を出したまま部室に来たことになる)

八幡(その姿を一般生徒が見ている可能性がある。つまり由比ヶ浜結衣は右の鼻緩いになるのか。ないな)

八幡(だが分かるぞ。俺はどう対応していいのか分かる)

八幡(どうにかして由比ヶ浜に気づかれないよう鼻毛を抜いてやればいいのさ)

八幡(………………どうにかってどうすんだよ)

八幡(ええい、仕方ない1人で駄目なら2人だ。雪ノ下、どうにかしてくれ!)チラッ


雪乃(比企谷君がこちらを見ているわ。私にこの状況をどうにかしろと言いたいのかしら?)

雪乃(……仕方ないわね。奉仕部部長として部員の恥ずべき点は直してあげるわ)

雪乃「由比ヶ浜さん」


結衣「何ゆきのん?」


雪乃「その……」


八幡(あ、あいつ、まさか直接言うつもりか!『あなた鼻毛が出ているわよ』とでも)

八幡(駄目だ雪ノ下!それだけは駄目だ!!)


雪乃「あなた鼻
八幡「いやー喉乾いたな。雪ノ下紅茶もらえないか?」


結衣「??」


雪乃「」ギロッ


八幡(睨むなよ。その方法は駄目なんだ)


雪乃(……今のやり方では駄目だったのかしら。仕方ないわ、ここは大人しくいう事を聞きましょう)

雪乃「分かったわ。由比ヶ浜さんもいるわよね?」


結衣「うん!」

雪乃「どうぞ」スッ


結衣「ありがとゆきのん!」


八幡「ども」

八幡(さて、どうしたものか…………)


結衣「あれ?紅茶にも茶柱って立つんだね!」


八幡「は?」
雪乃「え?」


八幡「紅茶で茶柱って立つのか?」


雪乃「私は見た事がないわね」


結衣「信じてないでしょ!ほらっ、これ見てよ!」サッ


八幡(由比ヶ浜が差し出した紅茶には、確かに一本の柱が立っていた)

八幡「おおっ、本当だ。初めて見たな」


雪乃(これって…………)


結衣「ん?どしたのゆきのん?」


雪乃「な、なんでもないわ。比企谷くん、少しいいかしら?」


八幡「別にいいけど……」


雪乃「ちょっとこちらへ」


八幡「??」

八幡「で、どうした?」


雪乃「声が大きいわ」ヒソヒソ


八幡「あ、すまん。で?」ヒソヒソ


雪乃「あの茶柱見て何か思わなかった?」ヒソヒソ


八幡「何か?んー……、珍しいなって思ったぐらいだな」ヒソヒソ


雪乃「やはり気づいてないのね」ヒソヒソ


八幡「何なんだよ。勿体つけないで教えろよ」ヒソヒソ


雪乃「……そうね。あれ茶柱じゃないわよ」ヒソヒソ


八幡「はぁ?」ヒソヒソ


雪乃「あの茶柱、紅茶のものにしてはやたらと黒かったでしょ」ヒソヒソ


八幡「確かに」ヒソヒソ


雪乃「あれ、由比ヶ浜さんの鼻毛よ」ヒソヒソ


八幡「はあぁぁぁっ!!?」


結衣「ん?どしたの?」


雪乃「いえ、なんでもないわ」

雪乃「比企谷くん」ギロッ


八幡「す、すまん」

八幡「てかそれマジか?」ヒソヒソ


雪乃「間違いないわ。あれは茶柱なるぬ毛柱よ。さらに言うなら……」ヒソヒソ


八幡「鼻毛柱だな」ヒソヒソ


雪乃「…………そうなるわね」ヒソヒソ


八幡「そしてそれをあいつは飲んだのか」ヒソヒソ


雪乃「…………そうなるわね」ヒソヒソ


八幡「…………」


雪乃「…………」


八幡「で、でもだ!あれが鼻毛柱だとしたら、由比ヶ浜がの鼻毛が抜けたことになる。問題解決だな」ヒソヒソ


雪乃「そ、そうね。その考えもあるわね」ヒソヒソ


結衣「いつまで2人で話してるの?」ム-


八幡「あ、すまんすまん。もう大丈夫…………じゃない!?」

八幡(そう、問題は何も解決していなかった)

八幡(由比ヶ浜の鼻毛は鼻毛柱へと姿を変えたはずだった。だが!)

八幡(由比ヶ浜の鼻からは新たな鼻毛が姿を現していたのだ)

雪乃「どういう事なの?」


八幡「詰め替え式だったって事だな」


結衣「詰め替え式?何の話?」


八幡「何でもない、気にするな」

八幡(状況は変わらずか。ま、何もしてないから当たり前なのだが)

八幡(あの鼻毛をどうにかするには雪ノ下との話し合いが必要だ。だが、これ以上2人でコソコソ話してるのも不自然すぎる)

八幡(……………………そうだ!)

ポチポチ ソ-シン

八幡(これで良し。あとは……)

八幡「依頼人来ないし暇だな。あれでも見てみるか?」


結衣「あれって?」


八幡「お悩み相談メールだよ」


雪乃「あなたから言い出すのも何か不自然ね」


八幡「別にいいだろ。暇だし」


雪乃(暇とか言ってる場合でもない気がするけれど。由比ヶ浜さんの件はスルーするつもりなのかしら?)

雪乃「…………まぁ、いいわ。見てみましょうか」

結衣「けっこうきてるね!」


雪乃「剣豪将軍さんからばかりだけれど」


結衣「あれ?でも1番新しいのは他の人だよ。ほらっ!」


八幡「」ニヤリ


雪乃「本当ね。剣豪将軍さんのは無視するとして、こちらのは見てみましょうか」


結衣「えーと、なになに?」

〈PN:エイトマンさんのお悩み〉

『以前、友だ……知り合いと一緒にいた時の話です。
何気ない会話をしていたのですが、どうしても相手の言葉が耳に入ってきませんでした。
理由は相手の方が鼻毛がはみ出していたからです。
こういった場面でどう対応したら正解なのでしょうか?』

結衣「これってお悩み相談なのかなぁ?」


八幡「ま、一応そうなんじゃねーの?」


雪乃(比企谷くんが送ったのね。確かにこれで堂々と事件の解決について話し合えるわ)


結衣「この人がどう対応したのかも気になるけど…………。こういう時って意外と相手の方も恥ずかしいよね!」


八幡「毛が出てない方ってことか?」


結衣「うん!」


雪乃「何故かしら?確実に出ている方が恥ずべきだと思うのだけれど」


結衣「それもそうなんだけど。この前あたしもあったんだよね!駅前でパパと会ったんだけどその時出てたんだよ!」


八幡「鼻毛がか?」


結衣「そう!だから毛が出てる人に話しかけられるのも恥ずかしかったんだよ」


八幡(ふむ、なるほど)

八幡(つまり由比ヶ浜の言い分で考えると、俺と雪ノ下は今恥ずかしい状況なのか)

八幡(そして鼻毛が出ている由比ヶ浜も恥ずかしいと)

八幡(…………え?なにそのみんなが辱めを受けている状況?カオスすぎるじゃん。まさに今カオスじゃん)


結衣「そのときは身内だったから直接言えたけど、友達だったら困るね」


雪乃「そうね」キッパリ


八幡「ああ、まったくだ」キッパリ

八幡「それに身内だからって、小町が鼻毛出してたら俺は直接言えるか分からんな」


雪乃「どう伝えるのかしら?」


八幡「え?ん、んー…………そうだな……………………」


雪乃「」ジロ-


結衣「」ジロ-


八幡「…………」

八幡「は、鼻の下お散歩してる奴いるぜ!…………とか?」


雪乃「比企谷くん……」


結衣「ヒッキー……」


八幡「何だよその反応は……。いや、分かってるけどね?」

雪乃「仮に由比ヶ浜さんがそう言われたらどう反応するのかしら?」


結衣「えぇぇっ!?あたし?」

結衣「…………」

結衣「こ、こらサブレ。鼻の下散歩しないの!…………とか?」

シ-------ン

八幡「…………」


雪乃「…………」


結衣「ちょっ、な、何か反応してよ!あたし馬鹿みたいじゃん!」


八幡「みたいじゃなくてそうだろ」


結衣「ヒッキー酷い!?」


雪乃「とても個性的なリアクションでいいと思うわ。私にはとても真似できないわ。本当に。私には出来ないわね」


結衣「ゆきのんも酷いよ!?」


雪乃「」クルッ


八幡「?」


雪乃「サブレを救うのはあなたの役目よね」ニコッ


八幡「おい、それ自分の首も締めてるからな」

結衣「ゆきのんはどうなの?」


雪乃「わ、私?」


八幡「雪ノ下だったら相手にバレないように抜けるんじゃねーの?」


雪乃「あなたは私をどういった目で見ているのかしら」


結衣「でも分かる気もするかも。ゆきのんどんな事も出来そうだし」


雪乃「由比ヶ浜さんまで……」ハァ


結衣「やっぱり出来ないかぁ」


雪乃「」ピクッ


八幡(あ、このパターン見たことあるやつだ)


雪乃「言ってくれるじゃない。そこまで言われて黙っているわけにもいかないわ」


結衣「??」


八幡「おい、お前やる気かよ」


雪乃「そうよ。あなたは見てなさい。私が華麗に引き抜いてあげるわ」


八幡「が、がんばれ…………」

雪乃「由比ヶ浜さん」


結衣「なに?」


雪乃「……………………」


結衣「??」


雪乃「」グワッ

雪乃「鼻毛ッチュ!!!!!」ズバッ


八幡(その瞬間雪ノ下の右腕は、目にも留まらぬ速さで由比ヶ浜の鼻の下を通過した)

八幡(まるで空気を切り裂くようなその動きは、誰にも止められることは出来なかった)

八幡(何だこの光景は。俺は雪ノ下と由比ヶ浜がこんな争う姿を見たかったんじゃない)


結衣「うわぁっ!ビックリした!いきなりどうしたのゆきのん!?」


雪乃「そ、その、まつ毛。そう、まつ毛が付いていたのよ」


結衣「あ、取ってくれたの?ありがと」


雪乃「いえ…………」

八幡「それで?出来たのか?」


雪乃「…………私の負けよ」


八幡「はぁ?何言って………………はっ!」

八幡(雪ノ下の右手には勝利の勲章(鼻毛)などどこにもなかったのだ)

八幡「嘘だろ……。確かにお前の右腕は捉えていたはずだ!俺は見てたぞ!」


雪乃「ええ、私も完全に捉えたと思ったわ。だけど、計算外のことが起こったのよ」


八幡「計算外?」


雪乃「彼、私が捉えようとした瞬間引っ込んだのよ」


八幡「なん………だと」

八幡(嘘だろ?こいつ鼻毛のこと『彼』って言ったぞ)


雪乃「そして今ではご覧の通りよ」


八幡「」チラッ

八幡(由比ヶ浜の鼻からは一度引っ込んだ彼が、再び姿を現していた)

八幡「くっ!どうしようもないのか!俺たちの力じゃ!」


雪乃「あなたほとんど何もしてないじゃない……………」

結衣「ちょっ、今日2人ともおかしくない?」


八幡「……ああ、確かにおかしいかもしれないな。だが!それはお前のせいだ由比ヶ浜!」


結衣「あたし!?話に全然ついていけないんだけど!?」


雪乃「あなたまさか…………」


八幡「ああ、言わせてくれ!ここで言わなきゃならねーんだ!」


雪乃「それがあなたの『本物』なのね」


八幡「」コクリ

八幡「いいかよく聞け由比」

ピリリリリリ

結衣「あ、ちょっと待って。優美子から電話だ」

結衣「もしもし?……うん……………うん。…………あ、あたしも行きたい!」


八幡「…………」


雪乃「…………」


結衣「今から!?…………部活も暇だし大丈夫かもだけど。……………………分かった、待ってて」ガチャ

結衣「あ、ごめんヒッキー。それで?」


八幡「…………いや、なんかもう大丈夫だ」


結衣「そう?あ、ゆきのん」


雪乃「な、何かしら?」


結衣「優美子に呼ばれちゃったから先に帰ってもいいかな?」


雪乃「依頼もないようだし構わないわ。構わないのだけれど…………」


結衣「けれど?」


雪乃(この姿のまま三浦さんのところまで行かせていいのかしら……)

雪乃(まぁ、彼女に任せましょう)

雪乃「いえ、いいわよ。行ってらっしゃい」


結衣「うん!それじゃまたね!」タタッ

八幡「…………」


雪乃「…………」


八幡「……遺伝、か」


雪乃「遺伝、かしらね」


八幡「…………」


雪乃「…………」


八幡「にしても鼻毛ッチュはないだろ」


雪乃「い、言わないでもらえるかしら。私もどうかしていたのよ///」カァァ


八幡「…………はぁ」


雪乃「…………ふぅ」


八幡「『本物』なんてあるのかなぁ……」
雪乃「『本物』なんてあるのかしら……」

結衣「ごめん優美子、姫菜。待った?」


優美子「結衣遅いし」


姫菜「それじゃあ、結衣も来たことだし行きま…………せん!これじゃ行けません!」


結衣「姫菜?」


優美子「…………」ポカ-ン


結衣「優美子?」


優美子(え?結衣…………え?ツッコミ待ち?)


姫菜(確実に出てるなぁ…………)


結衣「どしたの2人とも?」


優美子「素だったかぁ」


結衣「え?何が?」


姫菜「結衣ー、鏡持ってる?」


結衣「鏡?今日は忘れてきちゃった」


優美子「あーしの貸したげるから自分の顔見てみな」スッ


結衣「あ、うん」ジロ-

結衣「……………………え?」

結衣「え?……ええぇぇぇっっっっ!!!ちょっ、これ!これっ!?」


優美子「やっぱ気づいてなかったし」


姫菜「結衣、鼻毛でてたよ」


結衣「ちょ、ダメこれ!恥ずかしい!!」


優美子「つーかそれいつから出てたん?」


結衣「し、知らないよ!え?え?いつから?…………はっ!」

結衣(そういえば今日の2人なんだかおかしかったような)


鼻毛ッチュ!

いいかよく聞け由比

鼻毛ッチュ!!

鼻毛ッチュ!!!


結衣「…………」

結衣「うわあああぁぁぁぁっっっ!!!!」

結衣(そうだ!絶対最初から出てたんだ!!)

結衣(やばい!どうしよう!顔合わせるの恥ずかしい!)


優美子「結衣?どしたん?」


姫菜「と、とにかくそれ抜いた方がいいんじゃない?」


結衣「そうだった!優美子、毛抜き持ってない!?」


優美子「ある……けど」


結衣「貸して!」


優美子「ええぇっ!?」


結衣「お願い!!」


優美子「う…………。ま、まぁ別にいいけど」スッ


結衣「ありがと!」パシッ

結衣「…………………………そ」


優美子「??」
姫菜「??」


結衣「くっそおぉぉぉぉぉお!!!」

結衣「鼻毛ッチューーーー!!!」ブチィ


優美子「結衣!?」
姫菜「結衣!?」


ー完結ー

短いですけどこれで終わりです!

乙!

乙です

感動した

真拳使いじゃなかったか


このテンション、嫌いじゃない

ガハマさんゴリラ局長だったんだな

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