雪ノ下雪乃は依頼を受けない (8)
八幡「それなら俺退部でいいよな?」
雪乃「受けないのではないわ。ただ基準を少し高めにしてるだけよ」
八幡「その基準に俺は入らんだろ」
雪乃「当たり前じゃない。でも平塚先生直々の依頼でもあるのよ・・」
八幡「はぁまぁいいや」
ガララ
由比ヶ浜「ここ奉仕部ですか?」
雪乃「」ギッ
結衣「ひ!」
八幡「ノックはした方がいいぞ」
結衣「あ、ヒッキーじゃん何してるの?」
八幡「いや誰?」
雪乃「それで?貴女は何を依頼しに?」
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八幡「クッキーねぇ」
雪乃「それで?貴女は作っては見たのかしら?」
結衣「い、一応。でもうまくできなくて」
雪乃「あれぐらい作り方を見れば・・・いいえ何でもないわ」
結衣「だから教えて貰えればって」
雪乃「これくらいなら依頼の範疇には入らないわね。」
結衣「?」
八幡「つまりこれは」
雪乃「受けないわ・・・」
結衣「そ、そっか・・・」
雪乃「教えるにしても貴女の家に行けばいいのかしら?」
結衣「か、家庭科室借りれれば」
八幡「いやいや借りれんだろ」
雪乃「理由が余りにも私的すぎるわ・・・火気や刃物があるところは使えない」
結衣「・・・」
雪乃「帰りなさい・・・」
八幡「まぁ待て、雪ノ下。お前由比ヶ浜、クッキーを持ってくれば少なくともアドバイスは聞けるんじゃないか?」
結衣「そ、そっか!!」
雪乃「それなら私じゃなくて親に・・・いいえ明日持ってきてくれればアドバイスするわ」
結衣「じゃ明日また来るね」
八幡「ああ」
雪乃「・・・」コクリ
結衣「ヒッキーありがとね」
八幡「ヒッキーやめろ」
糞ガハマ滅しろ
八幡(しかし結局この依頼は微妙な結末を迎えた)
八幡(雪ノ下も律儀なものでクッキーを作ってきた。
由比ヶ浜のクッキーの出来はお世辞にも食べ物と名称するのすら悩むレベルの黒焦げであった。)
八幡(雪ノ下も呆れてはいたが話を聞いていた。一口だけ食べて批評をしてから・・・そのあとが大変だったのだ)
雪乃「単純に全ての行程が悪いのかしら?ここまで来ると実際に見なければわからないわね」
結衣「う、やっぱり才能が無いんだよ私・・・」
八幡(その後が大変だったのだ。才能のせいにしたことや、諦めてただ自分を便りにだけして、あのレベルでクッキー作りを切り上げて持ってきたこと
色々攻め立てていた)
八幡(言い方などに問題はあるとは思ったが、否定は出来なかった。俺も流石にあのクッキー?を女から貰って喜ぶ云々とかは言えないので黙っていた)
八幡(まぁ同罪だよな)
八幡(由比ヶ浜は泣きながら帰っていった)
八幡(平塚先生・・・貴女は俺にここで何をしろと)
八幡「おい待てよ由比ヶ浜」
結衣「ヒッキー・・・ごめんね色々してくれたのに」
八幡「いや、それはいい」
結衣「でも凄いよね雪ノ下さんは・・・憧れるよ。私もあんな風にできたらなぁ」
八幡「いやいやあんな風になったら駄目だろう・・・きつすぎる」
結衣「あはは酷いよヒッキー・・・確かにちょっときつかったけど・・・間違ってはないと思うから。もう少し頑張るよ」
八幡「あ、ああ頑張れよ」
結衣「じゃあねヒッキー!また明日」
八幡「ああ、じゃあな。それとヒッキーやめろ」
八幡(帰り際由比ヶ浜がこちらを振り向き、小さな声で言った)
結衣「・・・ごめんね。今回もありがとう。」
八幡(俺はこの意味を知ることはなかった)
ワロタ
期待
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