不運なんです
小さい頃から運が悪くて
何をやってもうまくいかず
疫病神と呼ばれ
毎日泣いてばかりでした
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1451725972
そんな私に
アイドルという道を切り拓いてくれた
それがあなたでした
私は本当に不運です
せめて周囲には迷惑をかけないよう
極力人を避けて生きてきた私に
人生で初めて恋心というもの抱かせたのも
他でもない、あなただったんですから
アイドルとプロデューサー
別の形で出会うことができていたなら
どれだけ幸せだったのでしょうか
もっとも、私に幸せなんて言葉は
到底似合わないんですけどね
そこで私は
自分の気持ちに鍵をかけることにしたんです
あなたとの関係が壊れてしまうくらいなら
あなたを想い続ける苦しみなんて
不幸しかなかった私にとって
初めての幸せだから
あなたを見つける度に
心の中で呟くんです
今日も大好きでした
口にさえ出さなければ、何を思うのも自由
あなたを困らせることもない
誰にも迷惑をかけない
疫病神なんて言われない
報われなくていい
伝わらなればそれでいい
あなたを想うこと
それが私を支える糧になりました
あなたを想い続けて
もう何年経ったでしょう
「なぁ ほたる」
あなたへの想いを積み上げた所で
何にもならないことはわかっていました
「なんですか?プロデューサーさん…」
だけど、それは思ってた以上に脆く
「俺 来月結婚するんだ」
あなたのたった一言で、音をたてて崩れていきました
何年もお世話になったあなた
餞の言葉を送らなきゃ
おめでとう って、ちゃんと言わなきゃ
震える声で、初めて自分の想いをあなたに伝えました
あぁ、やっぱり
私はただの疫病神でした
おわりです ありがとうございました
怖いよ
乙
プロデューサーに迷惑をかけると分かっていながら
初めて自ら望んで疫病神になったわけか
愛だな
おつおつ
SSというか一篇の詩だな
乙
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