【艦これ】加賀さん聖夜の危機一髪 (46)



今日は楽しいクリスマス!……え?27日?うそ、んなばかな。


とにかく、加賀さんたちもクリスマスパーティーを楽しんでいた!


加賀「ウィーウィッシュユアメリークリスマス♪」


卯月「うぃーうぃっしゅあめりくりすます♪」


瑞鶴「We wish you a merry christmas and a happy new year♪」


加賀「……」


卯月「……」


瑞鶴「……」


「「「…………」」」


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卯月「うぃーうぃっしゅあめりくりすます♪」


榛名「え!?そこだけですか!?」


卯月「だってこの先の歌詞知らないぴょん」


瑞鶴「そーそー」


言われてみると、この先の歌詞は意外と知られていない。


加賀「……それにしても、私たちだけなのかしら」


加賀さんはみんなが来ないことを少し寂しく思っていた。


榛名「あ、きゅーちゃんもいますよ」


イ級「きゅー!」


瑞鶴「え、それって……」



瑞鶴さんが『きゅーちゃん』というのがイ級であることを指摘しようとした瞬間、


加賀さんがそっと囁く。


加賀「シッ!それ言うとこの人癇癪起こすから……」


瑞鶴「あ、はい」


榛名「みなさんは何か用事があったんですかね」


加賀「長門さんと提督、秋津洲は言うまでもないわ」


瑞鶴「翔鶴姉は扶桑さんたちのところに行ったわね」


卯月「むっきーたちは睦月型でパーティーやってるらしいっぴょん」


加賀「そっちに行ってくればよかったのに」


卯月「加賀さんが寂しそうだったっぴょん!」



瑞鶴「ええ子や……」


加賀「ありがとう、卯月」


卯月「……」


加賀「うーちゃん」


卯月「どういたしましてっぴょん!」


榛名「赤城さんは?」


加賀「……そういえば聞いてないわ、龍驤と鳳翔さんは軽空母とやるらしいわ」


瑞鶴「金剛さんたちとはどうしたの?」


榛名「喧嘩してるんです……きゅーちゃんのことで」


瑞鶴「ああ、でしょうね……」



イ級「きゅー!きゅー!」


榛名「こんなに可愛いのに……」


瑞鶴「そう……」


加賀「とにかく乾杯しましょうか」


加賀さんが音頭をとり、パーティーは楽しく始まった。


瑞鶴さんがシャンパンを一気飲みする。


瑞鶴「ぷはぁ~~!今年もお疲れ様~!」


加賀「あんまり、飲まないでくれる」


瑞鶴「何よ、人を酔っ払いみたいに」


酔っ払いなのよ、とは加賀さんは言わなかったが、なんとかやめさせようと機会を探る。


そもどうして加賀さんと瑞鶴さんが一緒にパーティーをやっているのかというと、


ある日の訓練場で瑞鶴さんが声をかけたのが始まりである。



瑞鶴「加賀さん!これなーんだ!」


加賀「……」


瑞鶴「え!?無視!?」


加賀「あら、瑞鶴、いたのね」


瑞鶴さんはちょっと怒ってしまったが、なぜか得意げだ。


瑞鶴「あーあ、せっかくクリスマスパーティーの招待状を持ってきてあげたのに」


加賀「クリスマス……」


瑞鶴「まあ、別に来なくてもいいけど、一応空母全員に聞いておかなきゃいけない決まりだから」


彼女というのは素直に聞けないタチであったが、加賀さんは額面通りに受け取ってしまう。


加賀「そう……遠慮しておくわ」


瑞鶴「来ないのね」



加賀「そうね、別に来て欲しくないんでしょ?」


来て欲しくない、なんて言われた加賀さんはちょっぴりしょげてしまったのだ。


瑞鶴「本当に来ないの?」


加賀「行かないわ、人が多いのは苦手だし」


瑞鶴「なんで?」


加賀「なんでって……」


瑞鶴「あーあ、いいの?おいしい料理とかケーキとかたっくさん準備するんだけど」


加賀「騒がしいのって苦手なの」


瑞鶴「あれよ、翔鶴姉とか雲龍とかも来るのに」


加賀「ふぅん」


瑞鶴「どうしても来ないって言うの?」

うーちゃんの優しさ、最高です



加賀「そうね、行かないわ」


瑞鶴「なんで?」


加賀「いやだから、人が多いのはダメなの」


瑞鶴「あらー、後悔しない?豪勢な料理とかケーキとかめちゃ用意するんだけど」


加賀「さっきも同じこと言わなかったかしら」


妙に食い下がるわね、と加賀さんは思い始める。


瑞鶴「どうしても来ないわけ?」


加賀「もう、行かないって言ってるじゃない」


瑞鶴「どうして……」


加賀「えっ」


瑞鶴「どうして、来ないんですか……?」


瑞鶴さんは今にも泣き出しそうな表情になってしまった。


加賀さんは慌てて訂正する。


加賀「わかった!行くわ!楽しみねー!」


瑞鶴「ふん、まあ、別に来て欲しくなかったけど、そこまで言うならしょうがないわねー!」パァ


加賀「はぁ……」

もうタイトルだけでアンタだってわかった



そういうわけで、加賀さんは瑞鶴さんのパーティーに参加することとなる。結局、翔鶴さんと雲龍さんは来なかったが、


加賀さんについてきた卯月さんと勝手にやってきた榛名さんとイ級さんとで五人になった。


榛名「美味しいですね、このお酒」


加賀「長門さんがくれたわ」


卯月「気前いいっぴょん!」


瑞鶴「さあどんどん飲んじゃいましょ!」


加賀さんはやめて欲しいなと思ったが、グイグイ飲む瑞鶴さんを止めることができず、


周りでアワアワと慌てふためいているだけであった。


案の定、瑞鶴さんは早々に酔っ払ってしまう。



ところで、他の集まりでもクリスマスパーティーは行われており、


もちろん戦艦や空母たちは堂々とお酒を飲むが、駆逐艦たちもこっそりと持ち込んでいた。


睦月「実はこれ!チューハイ持ってきちゃった!」


如月「え!?わ、ワルだわ……睦月ちゃん……」


望月「憲兵に見つかったら捕まっちゃうだろ!?」


睦月「こんな日ぐらい見逃してくれるよ、にゃひひ」


そこへ、秋月さんと照月さんがやってくる。


秋月「こんばんは!」


照月「あ!それって!」


如月「な、内緒よ!?」


秋月「すごい……さすが睦月型は進んでますね!?」



秋月さんたちはプレゼント箱を抱えている。


睦月「あ!それってクリスマスプレゼント!?」


秋月「そうです!ふふっ、驚かないでくださいよ?」


秋月さんは箱を開いた!中に入っていたものは……


秋月「じゃーん!牛缶!」


睦月「……」


如月「……」


望月「……」


照月「クリスマスなんだけど」


秋月「いけませんか?」


望月「ダメだろ」


照月さんが怒った表情で秋月さんを見据えた。


照月「もう一度チャンスあげるからクリスマスプレゼント、よく考えて持ってきてね」



秋月「えっ?」


照月「もしまたアホみたいなのだったら私睦月型になるから。ね、睦月おねーさま♪」


秋月「えぇっ!?」


睦月「そういう事だから」


秋月「そういう事って、なんとか言って下さいよ!」


望月「やっぱ妹だからかな、あたしに似てるよな」


如月「いや目元とかは私にそっくりよ」


秋月「似てない!」


照月「それじゃ、飲みましょうか睦月おねーさま♪」


睦月「よいぞ!」


秋月「あぁっ!待って!考えるって一体なにを……」


照月「早く行ってきて!!」



秋月さんは部屋を追い出されてしまった。


秋月「どうして、そんな、牛缶美味しいのに……」


そこに困った酔っ払い空母がやってくる。


瑞鶴さんを部屋に返そうと彼女を抱えて加賀さんが歩いてきたのだ。


瑞鶴「さ~~けはの~~めのめ~~飲むなら~~ばぁ~~~~~~」


加賀「しっかりなさい、瑞鶴」


瑞鶴「あーっはははははは、加賀さん加賀さん加賀さんさん♪」


加賀「はぁ……パーティーなんか行くんじゃなかった……」


瑞鶴「あ!秋月じゃん!」


秋月「こ、こんばんは」


秋月さんはこの時、瑞鶴さんに大層幻滅したそうな。



瑞鶴「それ牛缶?おつまみにいいわね!?」


加賀「やめなさい」


瑞鶴「すーぐそうやって加賀さんは私のお母さんなわけ!?」


加賀「頭にきました」


瑞鶴「お母さん……いや、お父さん?」


加賀「せめて女にしてくれるかしら」


瑞鶴「じゃ、お嫁さん!?わーい!加賀さんと結婚だー!」


加賀「それはホントにやめて」


いつぞやの結婚騒動が思い出され、加賀さんは頭を抱える。秋月さんはというと、茫然自失と立ち尽くしていた。


秋月「あ、あの……」


加賀「何かしら」


秋月「クリスマスプレゼント、牛缶渡したけどダメだったんです」



そりゃそうでしょ、と加賀さんは思ったがとりあえず言葉を飲み込んだ。


加賀「そうね……今から準備できるものってそう多くはないわ」


秋月「そう、ですよね……」


目にいっぱい涙を貯めている秋月さんを見て、加賀さんはこうアドバイスをした。


加賀「大事なのは気持ちじゃないかしら」


秋月「気持ち、ですか?」


加賀「そう、気持ち。物があった方がいいって考えているかもしれないけど本当は違うわ」


秋月「でも、プレゼントなんだから」


加賀「もしあなたが誕生日やクリスマスにお金を渡されたとして、それって嬉しいかしら」


秋月「嬉しいです!」


加賀さんはすっ転んでしまった。


瑞鶴「加賀さんのパンツ!」


瞬間、瑞鶴さんが加賀さんのスカートに頭を突っ込む。



加賀「やめなさい。とにかく、気持ちが大事よ。クリスマスカードに感謝の気持ちを書いて渡すのなんてどうかしら」


秋月「それって、すごく素敵です!」


加賀さんはホッとした表情を浮かべる。


秋月「しかも経済的!」


再び、加賀さんはすっ転ぶ。


秋月「ありがとうございます、加賀さん!」


秋月さんはそのまま脇目もふらずに走っていった。


加賀「頭にきました」


瑞鶴「たまらん」


加賀「頭にきました」


もうこいつ提督に突き出してやろうと加賀さんは執務室へと進路を変えた。



その頃、執務室では。


提督「ふわぁ~あ……」


長門「そんな、ひどいぞ!せっかくこんな格好までして待ってたのに!」


長門さんはハレンチなサンタコスを着ている。


一方提督さんはというと、数日前から激務に追われ、ロクに休憩もせずにたった今仕事を終わらせたところである。


長門「クリスマスはどうなる」


提督「あなた、お一人でどうぞ……」


長門「なんだそのザマは!提督らしくシャキッとしろ!いつもは気取ってるくせに!はっ倒すぞもう!」


提督「よきにはからえ」


長門「んもー……」


長門さんはクリスマスを楽しみにしていた、もちろん皆とは違う意味で。



そういうわけなので、彼女はすごく怒っている。


彼女らしくないワガママに見えるのだが、それだけ気を許しているという証拠でもあった。


長門「ほら、お酒だ、乾杯」


提督さんにグラスを持たせて無理矢理進めようとする。


提督「ぅー……」


が、提督さんは船を漕ぎ始めた。


長門「むぅぅ……あ!そうだ!」


何を思ったか、彼女は提督さんのズボンと下着を脱がした!


長門「ふ、ふふふ……こうなれば無理矢理にでも……!」


提督「何してるんだ長門」


長門「提督が悪いんだ」


提督「おやすみなさい……」


しかし、ついに提督はナニは立てずにイビキを立てて眠ってしまった。


長門「……もういい!提督なんか嫌いだ!」


長門さんは執務室を飛び出す。



廊下では朝潮と村雨が歩いていた。


朝潮「ほろ酔いでの散歩って案外悪くないかも……」


村雨「でしょう?」


二人はふらついてはいないが、少し酔っていた。


長門「全く提督は……」


そこをブツブツ言いながら長門さんが通りかかる。


朝潮「」


村雨「」


長門さんの格好に驚愕した。


朝潮「痴女か、どうして痴女は発生するんだろう?」


村雨「知らないわよ……」


すっかり酔いも冷めてしまったようだ。



朝潮「ひょっとして、司令官の趣味……」


村雨「ちょっと一言言ったほうがいいかも……」


二人は執務室を覗く、しかし提督さんは机に突っ伏して寝ているだけであった。


朝潮「つまり、長門さんが痴女であることが確定してしまった……」


村雨「シュレーディンガーの痴女ね」


これは一本取られたとばかりに二人は笑い出す。


と、その直後、執務室の隣の会議室から泣き声が聞こえ始めた!


「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」


朝潮「ひゅいっ!?」


村雨「きゃっ!?」


驚いて二人はその場から逃げ出してしまった。



ちょうどそこに加賀さんと瑞鶴さんがやってくる。


村雨「あ!加賀さん!かg……」


朝潮「レズカップルか、どうしてレズカップルは発生するんだろう?」


加賀「頭にきました」


加賀さんは瑞鶴さんをお姫様抱っこしている。


瑞鶴「ふひひ」


加賀「肩貸したらお尻触るし、おんぶしたら胸触るし、これしかないのよ」


村雨「大変ですね……っとそれより!」


朝潮「出たんですオバケが!」


加賀「オバケ?」


村雨「執務室の隣の会議室で女の泣き声が!」


加賀「……それって、艦娘じゃないの?」


朝潮「………………ああ、そう考える方が普通か」



一人で納得する朝潮さんであった。


村雨「じゃあ、見に行きましょうか」


加賀「そうね」


瑞鶴「お酒が足りんぞー」


加賀「うるさい」


執務室の隣、会議室に入ると磯風さんが一人で泣いていた。


朝潮「どうしたんですか!?」


磯風「う、うわああああああああああああ朝潮おおおおおお!!」


泣きながら朝潮さんに抱きつく磯風さん。


加賀「何か重大なことがあったみたいね」


加賀さんはそう言いつつ瑞鶴さんをその辺りに放り捨てた。


瑞鶴「アォッ」


村雨「ブフッ」


村雨さんは思わず吹き出す。


磯風「わらうなぁ!!」


朝潮「笑わないわ、一体何があったと言うの?」


磯風「うぅぅ……それは……」


磯風さんはポツリポツリと語り始める……。



彼女はクリスマスパーティーを企画し、同じ陽炎型に招待状を送ったのだ。


飾り付けも一人で行い、準備に時間をかけたらしい。


もちろん出される料理は全て彼女の手料理で、丹精込めて作られている。


そうして、約束の時間になった……。


磯風「……そろそろだな」


しかし、音沙汰はない。


磯風「もう、時間だよな?時計の針が進んでるんだきっと」


腕時計を覗き込んだが、確かに約束の時刻だ。


磯風「……時間は合ってるな」


そうして時間は過ぎていく。しかし、誰も来ない。


そのうち磯風さんは色々と考え始めた。



磯風(そういえば、秋刀魚を焼いた時も誰も手を付けなかった……料理番も手伝わせてもらえないし……)


悪い想像を働かせる。人の気持ちは一度このベクトルに振れると、元に戻すのは難しい。


磯風「ああ、そうか、そうだったのか」


ついに磯風さんは最悪の想像をしてしまう。


磯風「私は、バカみたいだな、いやバカか……」


「嫌いだ!」


磯風「!」


この時の幻聴(正確には執務室の長門さんの声だが)が、磯風さんを追い詰めた。


磯風「みんな、嫌ってるんだろうな、私を。ひょっとしたら磯風菌ってのが流行ってるかもしれん」


一度溢れ出した涙は止まらなくなっていた……。

星のアルペジオか



朝潮「……そんな、ひどい、どうしてそんなことを!」


村雨「ただの思い違いだと思いたいんだけど……それにしたってあんまりだわ!」


瑞鶴「ぜぇったいに許さん!朝潮ちゃん!陽炎型全員呼び出しなさい!」


朝潮「はい!」


しばらくして、陽炎型が全員揃った。


陽炎「え?あ、あれ?ここにいたの?全然来ないと思ってたら……」


それぞれ皆顔を青くしていた。


不知火「体調不良かと思ってたんですが」


瑞鶴「やかましい!聞きなさいあなたたち、この子がどんなに頑張ってこの飾り付けをしたか!」


朝潮「どんなに惨めな気持ちになったかわかりますか!!」


普段からは見られない態度だが、酒が入っているためヒートアップしてしまう。



加賀「瑞鶴、あの」


瑞鶴「加賀さんは黙ってて!!」


加賀「あ、はい」


瑞鶴「いじめは最低よ、しかも姉妹艦じゃない!」


雪風「いやあのだからですねぇその」


涙目でどうにかして弁解しようとする、中にはもう既に泣いている子もいた。


磯風「知ってるぞ!前から私のこと嫌いだったんだろ!」


浦風「そんなわけないじゃろうが!!」


磯風「嫌だったら何が嫌だったって、言わなきゃわかんないじゃないかぁ!!」


時津風「な、なんにも嫌なことなんて、ぐすっ、ないよぅ」


天津風「そうよ!だって姉妹艦なのに!!」


会議室は徐々に熱気を帯びてきてしまう。



村雨「マズイですね」


加賀「あなたもそう思うかしら」


瑞鶴「聞けばあなたたち、彼女の焼いた秋刀魚を食べなかったそうね」


野分「確かに食べなかったけど、それは!」


朝潮「それは!?彼女が作った料理は食べられませんか!?」


谷風「いや、その、食べられないことはないけどさ」


磯風「うわああああ!やっぱり磯風菌って言って避けてるんだああああ!!」


黒潮「そんなわけないやん!なんやねん磯風菌って!!」


浜風「みんな、落ち着いて!」


磯風「うるさいデブ!」


浜風「で、デブ!?」


舞風「浜風は……ちょっとふくよかなだけだよ!!」


嵐「百歩譲ってデブだったとしてもそれがどうした!」


浜風「いや、全然フォローになってない……」



ここまで来ると、逆に外野が慌て始める。


加賀「ま、まずいわね、本気で」


村雨「どどど、どうしましょうか」


加賀「何とかしてこの空気をぶっ壊すことができればいいのだけれど……」


しかし焦った二人に名案は浮かばなかった。


秋雲「大事な姉妹を、いじめるなんてあるわけないじゃないか!」


萩風「そうよ!」


瑞鶴「でもあなたたち事実来なかったじゃない!」


陽炎「連絡は!?誰!?連絡送ったの!?」


浦風「う、ウチじゃけど、でもちゃんと送ったけぇ!」


天津風「届いてないじゃないのよ!ちゃんと届いたの確認するまでが連絡って言うの!」


時津風「あなたのせいじゃない!!」




ところで、執務室で眠っている提督さんにもこの騒ぎは聞こえていた。


提督「静かにしてくれよ眠いんだから」


しかしそんなつぶやきが隣に通じるわけもなく、まだまだ騒ぎは終わらない。



浜風「ちょっと、そうやって自分たちで火種を」


陽炎「うるっさいなデブ!」


時津風「そうだデブ!引っ込んでろデブ!」


浜風「デブ!?」


浜風(陽炎姉さんにまでデブ……?二度までもデブ……?)


浜風「肝臓に響くなぁ……」


雪風「うわあああああんみんな仲良くしようよおおおお!!」


ついに力尽きる子や泣き出す子も現れ始めた。



加賀「もうこれ、ダメなんじゃないかしら」


村雨「陽炎型はもう終わりよ……」


二人はもうどうしようもないので磯風さんの用意したシャンパンを飲んでいた。


隣では提督さんがまたもやぼやいている。


提督「うるさいなぁ長門、起きたら相手してやるって言っただろう」


しかし止まらない、ここまでくればもう焼け野原になるのを待つしかなくなってしまった。


提督さんはついに立ち上がり、隣の決戦場へと足を踏み入れた。


提督「お嬢さん方、騒ぐのはいいが乱暴はいかんよ」


一瞬で場の空気が凍りつく。それもそのはず、提督さんの下半身が顕になっていたからだ。


陽炎「きゃああああああああ!!なんで下履いてないんですか!!」


提督「眠くてもぅ……おやすみなさぁぃ……」


提督さんの眠気は限界に達し、その場に倒れこんで眠ってしまった。

提督ww



通常なら、年端のいかぬ艦娘たちに恥部を見せつけるなどというのは大変宜しくない行為なのだが、


今回の場合は違った。この喧嘩を収め、有耶無耶にしてしまったのだ。


結局のところは、磯風さんが準備に忙しくて携帯電話を確認していなかったという単純な話であった。


サンマや調理番については、彼女の料理の腕が壊滅的であるために彼女にやらせたくはなかったのだという。


磯風さんはみんなに教わって料理の特訓をすることにした。


変なオチがついた奇妙な出来事だったが、陽炎型の絆は今回の件でより一層深まったのだ。


この戦いの火蓋を切ってしまった瑞鶴さんや朝潮さんは反省しているが、


いじめは許せない、磯風さんを想った故の行動であったため、恨まれたりはしていないそうだ。


ただ加賀さんはというと、結局自身はパーティーも楽しめなかったし、シャンパン飲みすぎて頭痛いしで、


ロクでもない聖夜だったと回想している。



そして翌朝。


赤城「いやー外で飲むのも悪くありませんでしたね」


巨大殺人ロボットジェノサイド秋津洲「彼氏ト くりすますでーと 楽シンダ! 加賀ハ?」


加賀「うっざ」


赤城「え!?」


加賀「二人共うっざ」


巨大殺人ロボットジェノサイド秋津洲「コンナ 加賀 初メテ 見ル」


赤城「ヒジョーなオドロキですよ」


加賀「うっざ」



おしまい

どうやらクリスマスには間に合ったようだな……
クリスマスで思いついた話をまぜこぜにしたのでこんな感じになってしまったのです

参考:巨人の星


これまでの加賀さんのお話

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なんだこれ!全然加賀さんが危機一髪じゃないじゃん!ごめんなさい
どうやら俺は艦娘同士の喧嘩を書くのが好きらしい
いつものおまけとかは無いっぽい

おつ

加賀さんの見せ場は?

乙です

スレタイでわかる、ジェノサイド秋津洲の人だ

榛名に癇癪持ちの特性が付いてて笑ったわ


相変わらずカオスで笑う

おつ面白かった


お、そうだなクリスマスには間に合ったな(目逸し

ジェノサイド秋津洲さんリア充じゃないかwww

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年12月31日 (木) 04:28:43   ID: ljVAhyFm

安定の加賀さんシリーズ面白いです!!次も応援してます!!

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