工藤忍「ユズ湯?」 (24)
※デレマス
今は12月22日の40時前
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柚「そう、今日は冬至でしょ。ユズをお風呂に入れる日なんだよ」
忍「うん、それは植物の柚子だよね」
柚「だからお風呂貸して」
忍「アタシの話聞いてないし!というか…この時間にウチに来た時点で泊まる気満々だよね?」
柚「いやー今日のお仕事が遅くなっちゃって、明日も早いから埼玉まで帰ると辛いから、ね」
忍「もう、泊めるのは別にかまわないけどいきなり来られると…部屋の片づけとかしたいし」
柚「アハハ…、ごめんね忍チャン」
忍「うん、いいから休んでて。今から準備するから」
柚「ありがとー。あれっ、学校の勉強してたの?」
忍「うん、最近お仕事が忙しくてちょっと遅れ気味だったから…勉強もアイドルも手は抜かないって決めてるから」
柚「忍チャンはえらいねー、アルバイトもしてるんでしょ?」
忍「まあ、自分で選んだことだしね」
柚「忍チャン、またぬいぐるみ増えたんじゃないの?」
忍「ああ…穂乃香ちゃんが持ってくるんだよ」
柚「でも緑のあいつはいないみたいだね」
忍「あれだけは断固拒否しているからね。ふふっ、ぐさぁー出来なくて残念だった?」
柚「だからあれは刺してないのー、さすフリだったんだからー」
忍「柚ちゃんのお茶目はファンの間でもすっかり有名だからね」
柚「うう…ホノカチャンの話題が出るとなぜか柚が悪者にされる」
忍「もうそういうキャラで認知されちゃったからね。そろそろお風呂沸くよ、入る?」
柚「うん、でも今日はユズ湯だよ」
忍「だから柚ちゃんがお風呂に入るんでしょ?」
忍「あの…柚ちゃん…」
柚「なーにー」
忍「どうしてアタシたち一緒に湯船につかっているのかな?」
柚「女の子同士だしいいじゃない、合宿の時だって一緒に入ったじゃない」
忍「あれはもっと大きなお風呂場だよ。うちのは狭いんだから…」
柚「まーまーたまにはいいじゃない」
忍「きゃ、どこ触ってるのー。もうー」
柚「ねーねー忍チャン」
忍「なーにー?」
柚「どうして冬至の日にお風呂にユズを入れるか知ってる?」
忍「分かんないよ」
柚「ユズはね、血液の流れを良くして体を温める効果があるんだって。冬は風邪を引きやすいからユズを入れて体調を崩さないようにするんだよ」
忍「へー、よく知ってるね」
柚「それは自分の事だからね」
忍「うん」
柚「だからー」
忍「きゃ、もうなんで触るのー」
柚「へへっ、血行を良くするユズのマッサージだよ♪」
柚「アタシね、昔ちょっと名前のことでからかわれたりしたことあったんだ」
忍「ああ、うん…」
柚「子供のときだからさ、そういうの自分でうまく飲み込めなくてね、お母さんに聞いたんだ」
忍「そうなんだ…」
柚「ねえ、忍チャン。ユズの花言葉って知ってる?」
忍「ううん、分からない」
柚「健康美、っていうんだって。ビタミンCが入っていて美肌効果があったりむくみを改善するらしいよ」
忍「へーすごいね、なんか洋子さんが喜びそう」
柚「そうユズは凄いんだよ」
柚「ほら忍チャン、髪洗ってあげるからそこに座って」
忍「いいよ、一人でできるし」
柚「いいから、いいから。今日はユズのサービスデーだよ」
忍「もう柚ちゃんたら…」
柚「ほうほう、忍チャンはこのシャンプー使ってるんだね。アタシにも後で貸してね」
忍「うん、べつにいいけど」
柚「それじゃあいくよー、目を閉じてね。わしゃわしゃわしゃ」
忍「んー」
柚「どうー?」
忍「なんか人にしてもらうの変な感じがする」
柚「でも悪い感じじゃないでしょ」
忍「まあねー」
柚「あー、温まった。体が芯からポカポカー」
忍「ドライヤー先に使っていいよ」
柚「うん、ありがとう」
ブオオオオオオー
忍「着替えここに置いておくね」
柚「ありがとう、はい交代」
忍「うん」
柚「長湯したら喉が渇いちゃったねー」
忍「あ、冷蔵庫の中にあるもの適当に飲んでいいよ」
柚「そう、じゃあ失礼してー」
トタトタトタ
柚「ふんふん、牛乳とオレンジジュースと…このお皿は?」
トテトテトテ
柚「忍チャン、牛乳もらったよ」
忍「うん、どうぞ」
柚「それからこれなんだけど」
忍「ああ、それかあ…見つかっちゃったか」
柚「もしかして…カボチャ?」
忍「スーパーで安かったから買ってみたんだ。ネットで調べて作ってみたんだけど…ちょっと色がね」
柚「ねえ、これ食べてもいい?」
忍「え、それを?」
柚「うん、なんだかお腹も空いちゃった」
忍「うーん、まあいいよ。それじゃあレンジで温めるから」
チーン♪
忍「はいどうぞ」
柚「いだだきまーす」
モグモグ
忍「…どう…?」
柚「…ウン、美味しい…普通に」
忍「本当?」
柚「これなら全然食べれるよ」
忍「良かったぁ…」
柚「まあ、見た目はちょっと…あれだけど…」
忍「はい、次はもっとガンバリマス」
忍「家に居た頃にね、お母さんがよく作ってくれたんだ。カボチャの煮物」
柚「ふーん」
忍「アタシその頃はアイドルになることしか頭になくてね、もっと料理とか手伝っておけばよかったかな、なんて」
柚「んーそっか、でも柚としてはそれで良かったかな?」
忍「なんで?」
柚「忍チャンがアイドル目指して来てくれたから、今日もここに泊まることもできたしね」
忍「ふふ…」
柚「でも忍チャン惜しいことしたねー」
忍「何が?」
柚「カボチャをそのまま置いておけば親切な魔法使いが馬車にしてくれたかもしれないよ」
忍「ふふ、私の魔法使いは一人で十分だよ」
柚「忍ちゃんてさ…」
忍「うん?」
柚「Pサンの事好きなの?」
忍「な、なにをいきなり言うの」
柚「んー、なんとなく聞いてみたくなったから」
忍「うーん…Pさんは…」
忍「アタシの大切な人、かな。アタシがずっと抱いていた夢を叶えてくれたから」
柚「ほうほう」
忍「でも好きとかそういんじゃないから、今はアイドルとして有名になってPさんに恩返しがしたいって…そういう気持ち」
忍「そういう、柚ちゃんはどうなのPサンの事」
柚「アタシもPさんの事好きだよ」
忍「…」
柚「なんか面白いことないかなーっていつも探しててね、そしたらPさんに見つけてもらったんだ」
柚「今は毎日がとっても楽しい。こんな楽しいこと教えてくれたPさんには感謝しているよ」
忍「うん…そうだよね。アタシもいっぱい感謝してる」
柚「ごちそうさまでした」
忍「カボチャ全部食べちゃったの?」
柚「あ、残しておいた方が良かったカナ?」
忍「ううん、いいの。作りすぎちゃったから」
柚「それにしてもこの服…」
忍「ごめんね、そんなものしかなくて」
柚「ううん。全然平気だよ、これ学校のジャージだよね」
忍「うん、アタシが中学の時に着てたやつなんだ」
柚「あ、中学校のなんだ」
忍「そう。お母さんが送ってきてくれたんだ」
柚「へえー」
忍「アイドルになるからって東京に行くのあんなに反対してたのに、心配みたいでいろいろ荷物送ってくれるんだ」
柚「きっと応援してるんだよ」
忍「うん、そうだね…」
柚「それじゃあ明日も早いし…そろそろ寝ようか」
忍「ベッドは狭いんだけどいいかな」
柚「全然問題ないよ、一緒に寝た方が温かいしね♪」
忍「うん、それじゃあ目覚ましセットしておくね」
モソモソ
忍「大丈夫?狭くない」
柚「うん、もっとそっちにいっちゃおうか」
ぎゅー
忍「きゃ、もう…柚ちゃん…」
柚「へへっ、ユズは体を温めるんだよ」
忍「その話はもういいから…」
忍「柚ちゃん…」
柚「……」
忍「(寝ちゃったかな)」
忍「(こうやって夜誰かと一緒にいるの…久しぶりだな…)」
忍「(東京に出てきて独り暮らし初めて…少しは慣れてきたけど…)」
忍「(ん…いい匂い…ってシャンプーの香りか…アタシも同じの使ってるんだけどね、自分だと気づかないもんだな)」
忍「(ふわ…眠くなってきた…)」
忍「(また…あしたも…頑張ろう…)」
柚「おっっはよーー!!」
忍「おはよう柚ちゃん。朝ごはん用意してあるよ」
柚「うわー、これ忍チャンが作ったの?」
忍「うん、ありあわせのものしかないけど。おみそ汁も作ってみたよ」
柚「ありがとう。それじゃあいただきまーす!!」
モグモグ
柚「ごちそう様ー!!」
忍「早いね、お代わりはいいの?」
柚「うん、美味しかったよ」
忍「ふふ、どういたしまして」
柚「アタシは午前からイベントあるからもう出かけるね」
忍「うん、アタシは昼からレッスンだから後で事務所にいくよ」
柚「うん、それじゃあ行ってきます」
忍「はい行ってらっしゃい」
柚「忍チャン」
忍「うん?」
柚「本当にありがとうね、楽しかったよ」
忍「ううん、こっちこそありがとう。今度はもっと美味しいもの出せるように練習しておくね」
柚「うん期待してる」
忍「あ、でも来るときは前もって連絡してね」
柚「はーい、じゃあね」
バタン
忍「柚ちゃん行っちゃった…」
忍「うーん、いつも通りなんだけど…なんだか部屋が広いなあ…」
忍「さて…お洗濯でもしようかな…」
ガタコンガタコン…
ガラガラ
忍「わあーいい天気。あまり人がいないけど…今日は…そうか祝日なんだ…」
忍「うーん…」
プルルルル…
忍「あ、もしもしお母さん?あのね…」
終わり
津軽弁は無理。
調べたら冬至の日にあずき粥を食べる風習もあるみたいですが上手く組み込めなかったので省略しました、申し訳ない。
それではHTML化依頼出してきます。
乙です。良かった
乙乙。残り湯は貰いますね(ゴクゴク
乙、良かった!
そして穂乃香とあずきの家に行くifルートはよ
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