男「500万っ!?返せるか!」 (32)
ー初夏・全寮制高校ー
男「いやー...夏だな」
幼馴染(以下幼)「そだねー...暑いねー」
男「なんでこんな良い天気なのに俺達、学校来てんだろうな」
幼「学生だからだねー」
男「そうかー...学校やめて遊びに行こうかなー」
幼「遊びにねぇ。その前にお金作らないとダメじゃん。この間もバイトの面接落ちたんでしょ?」
男「うん...何でだろうな。一体全体俺の何が悪いってんだよ」
幼「面接でしどろもどろになってるんじゃないの?」
男「20軒近く落ちてるんだぞ?ここまでやるともう緊張とかないわ」
幼「あー...顔は普通だし喋り方も普通なのにね。あ、普通だからダメなんじゃない?」
男「普通だからか。よし!じゃあ俺も普通じゃない高校生目指して、」
教師「まず黒板に書いてある問題解いてからな?授業中にお喋りできるくらい余裕あるもんな?」
男「.........わかりませ」
教師「わからないとか言ったら夏休みの宿題50倍に増やすからな」
男「.........わかります」
教師「よしなら解け」
男「.....................夏だなぁ」
幼「(寝てるフリして無関係アピールしとこ)」
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ー昼食時間・中庭ー
男「ったくマジ無理だっての...」スタスタスタ...
幼「あ、男じゃん。せんせーからガッツリ説教くらってたの?」
男「あぁ。お前は高校生2年生にもなって遊び過ぎだってさ」
幼「...せんせー達は男の事情を知らないからそういう事言えるんだよ」
男「事情...な。知ってるのもお前と幼母さん達だけだもんな」
幼「......男のご両親が亡くなってそろそろ5年なんだよね」
男「早いもんだよな。正直あの時はどうしていいかわからなかったけど、この学校があって本当に助かったよ」
幼「中高一貫でしかも寮付きなんてあんまりないもんねー」
男「それに共学校だからお前ともずっと幼馴染でいられるしな」
幼「そうだねぇ」
男「そういや幼はなんでこの学校来たんだよ?」
幼「家から近かったし、なんか寮生活って憧れない?」
男「わかるようなわからないような...でも1番助かったのは足長おじさんだな」
幼「足長おじさん?奨学金でも貰ってるの?」
男「あれ?話してなかったっけ?俺、毎月知らない人からお金貰ってるんだよ」
幼「え!?い、いくら位なの?」アセアセッ
男「月5〜7万位かな。まぁ月額寮費やら食事代ですぐなくなるけど」
幼「いや、ちょっと待って。貰ったお金使ってるの?」
男「そうしないと生活できないし」
幼「知らない人からなんて危ないでしょ...受け取らない方がいいんじゃない?」
男「最初はそうしてたけど...まぁ大丈夫だろ。お金が送られ続けて5年になるんだぞ?今更返せなんて言わないって」
幼「えー...奨学金とか受けなかったの?」
男「中学生で受けられる奨学金とかほとんど一部の学校だぞ...」
幼「そっか...けどやっぱりそろそろ返し始めた方がいいような気も...」
男「いつも月初に俺宛で、名無しの封筒に入れられて届くから返しようがないんだよ」
幼「ならしょうがないのかな...?でもちゃんといつかお礼言った方がいいよ?」
男「わかってるって。それより飯食べようぜ。購買で買ってきた新商品のパン買ってきたんだよ」
幼「新商品?どんなの?」
男「うどんパン」
幼「は?」
男「焼きそばパンのうどん版だよ。ほら、食ってみろって」スッ
幼「えぇ...なんか見た目がよくないけど......あむっ」モグモグ...
男「どうだ?」
幼「あー...以外と悪くないね」
男「そうなの?不味そうだから毒味させたけど美味しいなら安心したわ」
幼「...私毒味だったの?」
男「頂きまーす」モグモグ...
幼「ちょ!?聞いてる!?人にあげる前に自分で食べてよ!ねぇ!ねぇってばー!」
ー放課後ー
幼「男、この後どうする?すぐ寮に戻るの?」
男「うーん...どうしようかな」
幼「予定ないならさ、買い物に付き合って欲しいんだけど...」
男「買い物?何買うんだよ?」
幼「シャーペンとかいろいろとね。それに駅前に新しくできた雑貨屋にも寄りたいし」
男「つまり荷物持ち?」
幼「そんなんじゃないよ、ただ付き合ってほしいだけ。どう?」
男「んー...宿題もあるしなぁ」
幼「...クレープ奢っちゃうよ?」
男「よし行こう。俺が外出届出しとくから校門で待っててくれ」スタスタスタ...
幼「(単純だなー)」テクテクテク…
ー駅前ー
幼「次はどこ行こうかなー」テクテクテク…
男「あんまり遠くの店行くなよ?門限破ったらスゴい怒られるんだからな」スタ...スタ...
幼「破った事あるの?」
男「1回だけな」スタ...スタ...
幼「1回だけでもダメでしょ...」
男「3回やったら謹慎って言われたからまだ大丈夫だって...おっとっと」ヨロッ
幼「だ、大丈夫?...文句とか言わないの?結局荷物持ちさせちゃってるけど」
男「お前と外出したらいつもだろ?どうせ俺はお金ないし暇だし」
幼「...本当に?」
男「本当だって。俺みたいなのと仲良くしてくれるだけで感謝だよ」
幼「...そっか。ならもっと荷物持たせても大丈夫だね!次の店でもいっぱい買っちゃうよ!」タッタッタッタ...
男「あ、ちょっ!走るなって!」テクテクテク…
ー数時間後・校門前ー
男「本当に大量に買う奴があるかよ...」ヨロ...ヨロ...
幼「クレープ2枚も奢ったんだから文句言わないでよ。学校も目の前なんだし頑張って」テクテクテク…
男「だからって買いすぎだろ...筆記用具に洋服......お前下着まで買ったのか」
幼「っ!?勝手に見ないでよ///!恥ずかしいじゃん!」
男「お前も色目使うようになったのか...父さん悲しいよ!」ウルウル...
幼「お父さんじゃないでしょうが!ほら!下着入ってる袋だけ返してよ!」
男「はいはい。ついでに他の袋も持ってくれない?」
幼「まったく男は変態なんだから...」スタスタスタ...
男「あれ?無視された?」テクテクテク…
幼「......よし。じゃあここまででいいよ。女子寮あっちだし、私が外出届返してくるね」
男「いや、ちゃんと奢ってもらった分はやるさ。寮の前まで持ってくよ」
幼「い、いいよ。ここで大丈夫。うん。ほら、荷物返して」アセアセッ
男「いいっていいって、気にすんな。ほら、行くぞ」テクテクテク…
幼「いやだからもう大丈夫なんだけど...」オロオロ...
モブ子「あれ、幼じゃん。夕食ギリギリまでどこ行ってたの?」テクテクテク…
幼「ぁ...えと...か、買い物にね」アセアセアセアセッ
モブ子「買い物ねぇ...男と2人っきりで?」ニヤニヤ
幼「そ、そうだよ?でも単なる荷物持ちだからね?別にそういうのじゃ...」アセアセッ
モブ子「そういうのって何かなぁ?」ニヤニヤ
幼「っ...///ほら男っ!先に食堂で待ってて!2人分の夕食確保して待ってて!」
男「え?夕食まで1時間あるんだけど...」
幼「急いで」ゴゴゴゴゴゴ...!
男「はいすいません」タッタッタッタ...!
モブ子「...」ニヤニヤ
幼「な、何」アセアセッ
モブ子「別にぃ?もう付き合っちゃえばとか思ってないよ?」ニヤニヤ
幼「付き合っ...///そ、そういうのはまだ早いというか何というか...」
モブ子「じゃあいいんじゃない?誰かに取られちゃっても知らないけどねー」スタスタスタ...
幼「取るって...あ...勝手な事言って...」
幼「...付き合う...か。ま、取る人なんているわけないしのんびりやっても大丈夫でしょ。外出届返してこよっと」テクテクテク…
ー男子寮・男部屋ー
男「(幼め...1時間も待てるかよ)」ガチャ...スタスタスタ...
男「(部屋に戻ってきたのはいいけど暇だな...男友の部屋にでも行こうかなぁ...でも面倒くさいなぁ...)」
prrr prrr prrr
男「...はい、もしもし」
教師『あ、男か?俺だけど』
男「俺、って詐欺師か...って何で番号知ってるんですか?」
教師『担当クラス全員の連絡先一覧持ってるからな』
男「あぁ...して、何か用ですか?」
教師『さっきお前に連絡がきてたんだよ。伝言を伝えて欲しいって』
男「伝言...?誰からですか?」
教師『えーっとな...足長お姉様の会だそうだ』
男「..................は?」
教師『お前毎月奨学金っぽいもの貰ってるとか言ってただろ?そっち方面からじゃないのか?』
男「いやでもそんな怪しげな会知らない、」
教師『明日の放課後、校門前に来い。だそうだ。あと外出届は出しとけ...それだけだ。じゃ俺帰るからな。じゃあな』ピッ
男「...こいつ絶対教師向いてねぇわ...いやでも足長お姉様の会なんて知らんぞ...一応調べてみるか」
男「足長...お姉様...の、会っと。検索かけて...」
【検索結果:0件】
男「(ですよねー...でも何で今更連絡を...)」
男「(まさかお金を返せなんて言ってくるのか?返せるわけないだろ...!)」アセアセッ
男「(...え?退学?就職?へんきんぐらし?)」アセアセッ
男「なんとか話してみるしかないよなぁ...せめて高校卒業するまでは待って欲しい...」
prrr prrr prrr
男「ひっ!...ってなんだ幼かよ、脅かすなよ」ハァ
幼『なんで私が電話したらため息なの...っていうか食堂来ないの?』
男「えっ?あっ...今行くよ」
幼『...何かあった?』
男「何もねぇよ。また後でな」ピッ
男「...話した方がいいのかな」スタスタスタ...ガチャ...
ー食堂ー
男「...」モグモグ...
幼「...」パクパク...
男「...」モグモグ...
幼「...」パクパク...
男「...」モグモグ...
幼「...そんなしかめっ面で食べて美味しい?」
男「...不味い」
幼「話すだけでも楽になるよ?力になれるかはわかんないけど...」
男「...もし、さ」
幼「うん」
男「俺が...学校辞めるとして、」
幼「えぇっ!?やめるの!?」ガタンッ
ザワザワ...ザワザワ...
男「た、例えばの話だって!」
幼「な、なんだ...それは嫌だなぁ...」ショボン
男「嫌なの?」
幼「だって男とは小学校から一緒だし...そんな男がいなくなるなんてヤダ」
男「...今日の昼に話した事覚えてるか?」
幼「お昼?......あ、足長おじさんの事?」
男「あぁ......今日連絡が来てたみたいでさ。明日その人が会いたいって言ってきたんだ」
幼「会いたいって事は...もしかして返金の話?」
男「多分...そうだと思う」
幼「そんな...なんで5年も送り続けてきたのに急に今更なの?」
男「俺が知りたいよ...もしかしたら退学して働かないといけなくなるかもしれないんだ...」ドヨーン
幼「......お金、貸そうか?」
男「何言ってんだお前...お前の小遣い月1万だろ?」
幼「お、お母さんに話してみる!前借りで...うん」
男「何百万を前借りで貸してくれる親なんかいるかよ...それに幼母さんには何度もお世話になってるんだ。迷惑はかけられない」
幼「け、けど、」
男「幼」
幼「っ...」
男「...今まで勝手に使ってきた俺にバチが当たったんだよ。話してはみるけど無理だったら...ごめんな」
幼「...なら私も、」
男友「男っ!お前連絡したのに何で出ねんだよー」テクテクテク…
男「え?またマナーモードなってたかな...なってたわゴメン」
男友「ゴメンってお前な...今日の約束完全に忘れてただろ」
男「約束...あっ!」
男友「ゲーセン行くって約束してたのになぁ...また幼とデートか?」
男「で、デートじゃなくて単なる買い物だって!」
男友「本当かぁ...?幼、どうなんだよ」ニヤニヤ
幼「へっ?...か、買い物だよ?」アセアセッ
男友「ならいいんだけどさ。幼、ちょっとこいつ借りていい?」
男「何で俺に許可取らねぇんだよ」
男友「最新作の対戦FPS手に入れたんだよ...やるか?」ボソボソッ
男「なっ!?でもここってゲーム機持ち込み不可だったよな?バレたらどうすんだよ」ボソボソッ
男友「バレないように上手くやるんだよ...やるか?やらないか?」ボソボソッ
男「......幼ゴメン。ちょっと用事できたからこいつの部屋行ってくるわ」
幼「あ、うん」
男「よしじゃ行こうぜ。今日は徹夜で、」
幼「男っ」
男「ん?」フリムキッ
幼「...私、何でもするからっ」
男「っ......安心しろって。俺なら大丈夫だからさ」テクテクテク…
幼「...嘘つき」ボソッ
ー翌日・放課後ー
男「(確か校門だよな...足長お姉様の会とか言って実は暴力団とかないよな...ケジメ?逃げようかなぁ...)」オロオロ...
男「(でも何で俺みたいなのに毎月仕送りなんか...俺にそんな事する価値あるのかな)」
男「(いや待て。もしかして俺の知らない天才的な能力が...んなわけないか)」
男「...なんか校門前にリムジン止まってんな...いや絶対アレだろ」
男「(あ、誰か降りてきた...ってこっちに向かってきてたよ...)」
?「君が男君?」
男「は、はい」オロオロ...
?「そう...それじゃ立ち話も何だから、近くのカフェにでも行きましょうか」
男「...」コクンッ
?「そんなに緊張しなくてもいいのよ?あなたにとっても悪い話ではないから」スタスタスタ...
男「悪い話じゃない...?あのっ、どうして俺なんかに」
?「それはカフェで、ね?ほら、乗って」
男「...はい」スタスタスタ...
ー数分後・高級カフェー
?「どうぞ、好きなの選んでいいわよ」
男「( д)゜゜」
?「どうかしたの?」
男「いやっ...これ、桁がおかしくないですか?」アセアセッ
?「そう?あ、すみません。コーヒーで...あなたは?」
男「水って置いてあります?」
?「彼も同じもので」
店員「コーヒーフタツデスネーハーイ」スタスタスタ...
?「悲しくなるくらい倹約家なのね」
男「まぁ、貧乏生活長いですからね」
?「でもちゃんと学校には行けてたでしょ?寮費とその他もろもろは毎月送っていたはずよ」
男「それでも...いえ、ありがとうございました」ペコッ
?「それじゃあ本題に入りましょうか。今日私が来た理由、わかる?」
男「...返金ですか?」
?「普通はそう思うかもしれないわね。けど安心して、他の理由よ」
店員「オマタセシマシター」スタスタスタ...コトッ...
?「ありがとう。それにあなたにも大金が入る話なんだけどね」
男「言ってる意味が...」
?「突然なんだけど、私の娘がいるんだけどね?」
男「はい」
?「婿に来てくれないかしら?」
男「...は?」
男「えっと...何で仕送りしてくれる上に婿にまで...」
?「まぁまぁ聞きなさいって。娘の名前は女って言うんだけどね?」
男「は、はぁ...」オロオロ...
女母「女にはいろいろ習い事させたりしたんだけど、1つだけ出来なかった事があるの」
男「出来なかった事...ですか?」
女母「そう...人を好きになる事が出来なかったのよ。12歳まではね」
男「12歳...って俺に仕送りがきた年ですね」
女母「あなたは忘れているかもしれないけど、女はあなたと一緒のクラスでね?男君の事が大好きなんだよー!なーんて騒いでたものよ...ふふっ。懐かしいなー」
男「それが何で仕送りに?」
女母「んー...簡単に言ったらあなたの両親が亡くなった時、女が力になりたいって言ってね?それで仕送りを始めたの。女に感謝しないとね」
男「...ぶしつけな質問なんですけど...養子とかは、考えなかったんですか?」
女母「一応考えたわよ。でも必ず男君と女が付き合えるように投資した方がいいじゃない?」
男「...投資って俺にですか?」
女母「そう。何年も仕送りして、ある日突然娘と付き合いなさいなんて言われたら従う他ないでしょ?一種の脅しとも言うわね」
男「断ったら...」
女母「知ってる?知らない人から振り込まれたお金を勝手に使うと横領になるのよ?意図的だとしてもね」
男「いやでも!5年も意図的に送ってきたのはそっちで...使えと言ってるようなものですよ!」
女母「そうね...なら法廷で話してみる?誰が正しいのか、誰が悪いのか。まぁ結局は大金を持ってる人が正しいんだけどね」
男「っ...!ちなみに返金するとして額は、」
女母「500万よ」
男「( д)゜゜」
乙
前までvip+で書いてた人?
こええ
そして面白い乙
むしろ両親が死んで謎の仕送りでギリ生きていけるような状況なのに、勉学にすらロクに身を入れないクズに同情の余地なしなんですけど
>>16
1年とちょっと前に書いてましたよー
女母「さっきと同じ顔してるわね。それに私の娘と結婚を前提にお付き合いして欲しいって言ってるだけよ?」
男「......まず、会うだけいいですか?」
女母「もちろん。ちょうど明日土曜日だしうちに遊びに来る?」
男「い、いえ。そういうのは...」オロオロ...
女母「そう?じゃあ2人っきりでデートとかどうかしら?」
男「デっ!?ま、まだ付き合うとも決めてないのにですか!?」アセアセッ
女母「冗談よ冗談。それじゃあ」
prrr prrr prrr
女母「もしもし...えぇ。それじゃ今戻るわ。わかってる......じゃあ男君、今日はここまでね。これ」スッ
男「連絡先ですか?」
女母「今夜にでも連絡ちょうだい。明日の予定を伝えるから」
男「あ...はい」
女母「それとタクシー代も渡しておくわ。ちょっと急ぎの用事が出来たから帰りは1人でね。会計も済ませておくからゆっくりコーヒー飲んでいいから」スタッ...スタスタスタ...
男「.........なんか軽い経営者だな....タクシー代ケチって歩いて帰るかなぁ......」
男「...はぁ..」
ー30分後・男子寮ー
男「(いやはや...タクシー代ケチって帰った甲斐があったな...このお金で何買おうかな)スタスタスタ...
prrr prrr prrr
男「もしもし、幼?」
幼『今どこ?もしかしてまだ外なの?』
男「いや、たった今帰ってきたとこだよ。なんか用事?」
幼『用事とかじゃないけど...仕送りの人、どうだった?』
男「俺が条件を飲めば、返さなくてもいいってさ」
幼『条件?』
男「...婿に来て欲しいんだと」
幼『婿っぉぉぉぉぉぉぉおおお!?』
男「うるさっ...そんなに驚くなっての」
幼『いや普通驚くよ!何で急に婿!?』
男「いや実はさ...」
幼『女さんねぇ...いたっけそんな人』
男「俺も覚えてないんだよ。でも俺を助けたいがために仕送りを...良い娘だな」
幼『そうだけど...でも脅迫されてるんだよ?』
男『いやよく考えてみろよ?女母さん結構美人だったし、女さんももしかしたら...』
幼『お、男もしかして婿に行く気なのっ!?』
男「うん。そうする他なくね?」
幼『おかしいって!絶対何かの罠だよ!絶対臓器売買されちゃうって!』
男「お前は考えすぎなんだよ...とにかく明日会う事になってるからさ。まずは会ってからだよ」
幼『会うの!?何でまず私に話してくれないかなぁ!?報告連絡相談は基本だよ!?』
男「はいはい。じゃ後で食堂でな」
幼『いやちょっと、』ピッ
男「心配してくれるのは嬉しいけど、しすぎなんだよなぁ...」
ー30分後・食堂ー
男「...」アセアセッ
幼「...」ジトー
男「やっぱダメ?」
幼「当たり前でしょ!明日は絶対どこにも行かせないからね」
男「絶対?」
幼「うん」
男「どうやって見張るんだよ」
幼「職員室の前で男が外出届を出しに来るのを見張っとく」
男「あ、それなら食堂に来る前に出してきたから」
幼「取り消してくる」スタッ
男「やめろやめろ...なんでそんなに心配すんだよ」
幼「だっていきなり婿に来いなんて怪しすぎるよ。私は男の為を思って、」
男「逆に考えてみろよ?もしかしたら俺に彼女が出来るかもしれないんだぞ?幼馴染としては喜ばしい事だろ」
幼「...それを防ぐ為にやってるんだって」ボソッ
男「ん?何か言った?」
幼「と、とにかく明日は行かせないから」アセアセッ
男「んー、じゃあわかった」
幼「やっと諦めてくれ、」
男「お前も一緒に行こう」
幼「...はい?」
男「いやだから、そんなに心配なら2人で行こうぜ。それならお前も安心して出来るだろ?」
幼「...............わかった。どこで会う約束してるの?」
男「今夜連絡欲しいんだと」
幼「場所聞いて変な所だったらすぐ断ってよ?工場とか埠頭だったら危険だし」
男「おぅ。じゃあ夕飯食べるか。頂きまーす」モグモグ...
幼「...はぁ。頂きます」モグモグ...
ー1時間後・男部屋ー
男「そろそろ連絡しても大丈夫かな...」ピッ
男「......あ、女母さんですか?昼間会った男という者ですが...」
女母『男君ね。明日の予定聞きにきたんでしょ?』
男「はい。それとその、お願いがあるんですけど...」
女母『何?』
男「実はその、この話を幼馴染にも話したら心配だから自分も付いてくなんて言い出しまして」
女母『友達思いの良い人ね。いいわよ、明日はその幼馴染君といらっしゃい』
男「いや、女の子なんです」
女母『...もしかして彼女?』
男「いやいやいやいやいやいや!ただの幼馴染です!そういう関係とか一切ないです!」
女母『あらそう?ならいいんだけど。明日は朝9時に駅前に来て欲しいのよ。そこから移動するから』
男「9時にですね、わかりました」
女母『明日、いい返事を聞けるよう期待しておくわ。それじゃあまた明日ね』ピッ
男「...やっぱり悪い感じはしないんだけどなぁ」
ー翌日・駅前ー
男「あのさぁ」
幼「な、何か?」モジモジ
男「ただの付き添いなのに何でそんなに気合い入ってるの?」
幼「あ、相手は大金持ちなんでしょ?下手な服装で来れないもん...ど、どうかな?」モジモジ
男「どうとか言われても...幼は元々可愛いから何着ても似合うし」
幼「っ...///」ニヤニヤ
男「それに付き添いなんだからさ、そう力入れずに肩の力抜いていこ」
幼「う、うん...な、何でそんなに男は落ち着けるの?」
男「貧乏生活の中でいろいろあったからな。それに何かあったら逃げればいいさ」
幼「えー...」ジトー
?「あ、あのっ!」ソワソワ
男「へ?」フリムキッ
?「も、もしかしてというか、多分なんですけど...男さんですか?」
男「まぁ、そうですけど...」
幼「(な、何この人...!?エラい美人さんが男に話しかけてる!?美人局?詐欺師?ツボ買わせる人!?)」アセアセッ
?「やっぱり!昔と変わらないですね...///」ソワソワ
男「昔とってどういう、」
女母「数年会ってないのにすぐ気付くなんてさすが女ね」スタスタスタ...
女「だってお母様、初恋の相手ですもの///すぐわかりましたわ///」モジモジ
男「と、という事はこの人が...女さん?」
女「そんな、女さんだなんて...女、でいいですよ男さん///」ニコッ
男「っ///」アセアセッ
幼「(あぁぁ!?男が照れてる!?)」アセアセッ
やっぱりvip+で書いてた人か!
期待!
女母「あなたが男君の幼馴染ね?今日は邪魔でもしに来たの?」ボソボソッ
幼「っ...!男はそう簡単には渡しませんから」ギロリッ
女母「でも男君はメロメロみたいだけど?」チラッ
幼「えっ」フリムキッ
男「(うわうわうわ!ヤバイって!何でこんな可愛いんだろ...これが俗に言う天使か...///)」ニヤニヤ
幼「( ゚д゚)」
女母「これはもう2人が結ばれる日は近いわね」クスクス
幼「っ!お、女さん」スタスタスタ...
女「は、はい...あ、えと、女と申します。よろしくお願いします」ペコッ
幼「幼です、どうもご丁寧に...じゃなくて!女さんは本当に男の事が好きなんですか?」ソワソワ
女「......はい///」モジモジ
幼「(くそぅ...照れる姿も可愛いとかなんなん...!)」ワナワナ
男「改めてそう言われるとなんか照れますね」アセアセッ
女「私...ずっと男さんの事を想い続けてきたんです。5年前に一目惚れしてから」
幼「...」
女「5年間、お母様には男さんに会いたいと言っても許してもらえず、写真も撮ってきてくれないし...」
女母「久しぶりに会った方が嬉しさが増すでしょ?」
女「そうなんですけど...とても、寂しかったんです」ウルウル...
男「...」
女「けど...やっと会えました。私の...1番好きな人に///」ニコッ
男「っ///」ズキューン
女母「(堕ちたわね)」ニヤッ
幼「ちょ、ちょっと待って下さいっ!」
女母「幼さん?こんなに愛し合ってる2人の仲をまだ邪魔するんですか?無粋じゃなくて?」
幼「愛し合ってる?一方的な片思いじゃないですか」
女「確かに...男さんは、その...私の事どう思ってらっしゃるんですか?」ソワソワ
男「え?俺は.........」
女母「男君?好きよね?愛してるわよね?500万?抱きしめたいわよね?」
男「好きっす!愛してます!抱きしめたいです!」ガタガタガタ...
幼「今完全に脅しましたよね!?」
女「お母様?500万って一体...?」
女母「巷では愛してると言う代わりに【500万】って言うのが流行ってるのよ?」ニコッ
幼「さらっと嘘付いた!?」
女「へぇ...男さんっ、500万ですっ」
幼「世間知らずか!んなわけないでしょ!」
男「(なんか今日の幼元気だなぁ)」シミジミ
つまらん
いいノリだ
期待
ー車内ー
男「(止まっていた車に乗ってはみたものの...ってか運転手付きってすげぇな...)」
女「つまりお母様が男さんにお金を差し上げていたのではなく、貸していたと...?」ジトー
女母「...」ソワソワ
男「(気まずいなぁ...)」
女「私には援助してると言ってましたよね?お母様?嘘を付いていたんですか?」ジトー
女母「で、でもね?男君が婿に来てくれればお金は返さなくて、」
女「そんなの脅されて来てるようなものじゃないですか!男君にやっと会えると信じて来たのに...」ショボン
女母「で、でもこうやってまた会えたんだし?今から我が家にも行くんだしね?これから好きなってくれるわよ」
幼「そりゃないと思いますけどねー」ボソッ
女母「幼さん?何か?」ニコニコ
幼「お金の力で女さんと付き合えてもねぇ...家庭崩壊待ったなしですよ?」
男「幼?急にやさぐれてないか?」アセアセッ
幼「べっつにぃー」
女母「(このクソガキ...!私の娘との恋仲を邪魔でしおって...)」
女母「幼さん、あなたにとやかく言われる筋合いはないと思うけど......もしかして男君の事が好きなのかしら?」
幼「なっ...///」カァァァァ
男「ですから幼とはそういう仲じゃないんですって」
幼「...」ショボン
女母「(ここまで分かりやすいとは...)」ニヤニヤ
女母「ここまでいろいろ言ってきたけど、本人はどう思ってるの?」
男「俺ですか?」
女母「えぇ、最終的に決めるのは男君よ。女とお付き合いするかしないか」
女「ですけどお母様、男さんはお金の為に、」
女母「女?タダより高いものはないと言うでしょ?私もタダで援助したわけじゃないの」
女「...」
女母「男君が婿に来る未来の為に投資をしたつもりよ。この際返金はどうでもいいわ」
男「え?いいんですか!?」キラキラッ
女母「だけど投資した額と同様の恩は返して欲しいの...せめて女と一夜を共にするとか」
幼「思いっきり既成事実作る気ですね」
女母「お願い!娘の唯一のお願いなの...!これだけはどうしても叶えてあげたいのよ...」ウルウル...
男「っ...」
女「お母様...」シンミリ
男「...わかりました」
幼「そんな...男...」ショボン
男「友達から始めましょう」
女母「え?」
男「いや、さすがに今日出会ってすぐというのは無理があるかと...なので友達から」
女母「女はこんなに好きだと言ってるし、顔だって悪くは、」
女「お母様、そういう事じゃないと思います」
幼「...」
女「私は確かに男さんが好きです。でも一方的に付き合っても...」
幼「本当の愛とは言えないと?」
女「えぇ。私は、私を愛してくださる男さんとお付き合いしたいのですから」ニコッ
幼「(...めっちゃええ子やん...!)」ウルウル...
男「という事なので...友達からでもいいですか?」
女母「...女に言われたらしょうがないわね。でも...なるべく付き合ってね?」
男「ど、努力はしてみます」アセアセッ
女母「...やっとウチに着いたみたいね。それじゃ案内するわ」ガチャ...スタスタスタ...
幼「豪邸かなんかに住んでると思ったら...意外にも一戸建てなんだね」ボソボソッ
男「それでもかなり大きいだろ...女母さん、かなりやり手の人なんだろうな」スタスタスタ...
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