提督「とある青年とヲ級の空」 (30)
「提督、目標を捕捉しました! 確認、お願いします」
提督「うむ…」
飛行場姫「…………」
提督「………よし、目標確認。全艦娘は攻撃準備!」
「はっ!」
提督「諸君、この目標を最後に深海棲艦は殲滅される。………最後の戦いだ、踏ん張ってくれ」
ウオオー!
オオー!イクゾー!
提督(………この海域に来たのは40年ぶりか)
提督(………しかし、たった一人で孤島を占拠して40年間か。敵ながら凄まじいな…)
提督(……なあ、あの時……何がお前をそうさせたんだ?)
提督(その島には……お前の何があるんだ)
飛行場姫「ン………! テキ……」
飛行場姫「何ドデモ…水底二……沈メル……」ガシャン
飛行場姫「…………マモル……ソラ……」
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ーーーーーーーーーーーー
ーーーー40年前
ヲ級「ヲ……!」バシュッ
「くっ……手強い…」
「ま、まだ…まだだっ…」
ヲ級(シツコイ奴ラメ……モウ諦テ引イテクレッ)バシュッ
「ぎゃっ! あ、ああ……沈んで…だ、誰かたすけ………」ガシッ
ヲ級「ヲッ?!」
「助け……」ブクブク
ヲ級「ヲ………」
ル級「オイッ! 戦闘中ニ気ヲ抜クナ!!」
ヲ級「……ヲ!」バシュッ
ーーーーーーーー
ーーーー深海棲艦泊地
ル級「オマエ…コレデ何度目ダ!!」バキッ
ヲ級「ヲ゛ッ…」
ル級「沈ミユク奴ラナド気二スルナト言ッタダロウガッ!! 何回、言ッタラ分カル!? 死ニタイノカ!!」
ヲ級「ヲ……」
タ級「オイ、モウヤメロ」
ル級「ハ……シカシ…」
タ級「オマエ、モウ戻ッテ休メ」
ヲ級「ヲ……」トボトボ
タ級「……奴ハ戦イ二向イテイナイノカモシレナイナ」
ル級「…シ、シカシアイツニハ才能ガアリマス。甘イ心サエ捨テレバ、アイツハ更ナル高ミヘ進化デキルハズデス」
タ級「アア…」
タ級(優シイココロト、才能……)
タ級「ナントモ残酷ナモノダナ」
ル級「?」
ーーーー
ーーヲ級の部屋
ヲ級「……」
ヲ級(モウ私ハ戦イタクナイ……。撃ツノモ撃タレルノモコリゴリダ…)
ヲ級(硝煙二汚レタ空デナク……穏ヤカナ空ノ下デ私ハ飛行機ヲ飛バシタイ)
ヲ級(タダ、静カナ空ガ欲シイ…ソレダケナノニ……)グスッ
タ級「オイ、入ルゾ」
ヲ級「ヲ?!」ビクッ
タ級「座ッタママデ良イ。少シ話ガアルダケダ」
ヲ級「ヲ………」
タ級「殴ラレタ所ハ痛ムカ?」
ヲ級「………」フルフル
タ級「ソウカ。アイツモオマエヲ思ッテノ事デ……悪気ハナインダ。恨マナイデヤッテクレ」
ヲ級「ヲ……」
タ級「………オマエノハ戦ウノガ嫌イカ?」
ヲ級「………」コクッ
タ級「ソウカ……生マレツキノ性質ナラバ仕方ガ無イ。シカシ、コノ体ニ生マレタ以上、戦ウシカナイノダ」
ヲ級「………」
タ級「オマエニハチカラガアル。トテツモナイ強大ナチカラガナ」
ヲ級「ヲ……?」
タ級「ダガ、ソノ優シイ心ト、チカラハ共存デキヌ。コノママデハオマエ二破滅ガ訪レルカモシレナイ」
ヲ級(破滅……)
タ級「ドウ生キテ行クノカハ自由ダガ、ソレヲ頭二入レテオケ」
ヲ級「ヲ…」
ーーーー
ーーーー
タ級「今回ノ海域ハ、海流ガ激シク渦潮ガ発生シテイル。戦闘際ニハ注意シロ」
ル級「ハッ!」
ヲ級「ヲッ!」
タ級「ヨシ、出撃ダ」
ーーーー
ーーーー
ヲ級「ヲッ!!」バシュ
「あぐっ! ……し、死にたくない…」
ヲ級「………」
ヲ級(沈ミユク者……)
ヲ級「ヲ…!」
ヲ(渦潮ダ。早ク離レナイト…)
ヲ級「ヲ゛?!」ドンッ
「へ……やっ……た。最後に……一発……」ブクブク
ヲ級(クッ……シマッタ……)
ヲ級「ヲ゛……ヲ゛…」フラフラ
ヲ級(ダ、駄目ダ。飲ミ込マレ――――)
ーーーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ザザーン
ヲ級「…………」
ヲ級「………ヲ………」
ヲ級(サザ波ノ……音……)
ヲ級「ヲ……」ムクッ
ヲ級(………ソウダ、ワタシハ渦潮二巻キ込マレテ……ココハイッタイドコダロウ…)キョロキョロ
ヲ級「ヲ゛ッ?!」ズキッ
ヲ級(痛ッ………駄目ダ。コレデハマトモニ航行出来ナイ…)
ヲ級(ドチラニシロ現在地モ分カラナイ以上、直グニハ戻レナイカ)
ヲ級(今、艦娘二見ツカッタラ終ワリダナ……身ヲ隠サナキャ)
……タスケ
ヲ級「ヲ?」
ヲ級(ナンダ?)
青年「誰か…助け……」
ヲ級「ヲ……!」
ヲ級(人間ガ溺レテイル。流サレテイル…離岸流ダナ)
青年「た………」バシャバシャ
ヲ級「…………」
ヲ級「………ヲ!」ザブンッ
ヲ級「ヲッ……ヲッ」ザブザブ
ヲ級「ヲッ!」ガシッ
青年「………う……」
ヲ級(ヨシ、後ハ戻ルダケ……ヲ゛?!)ズキッ
ヲ級(グ……後少シナンダ…)ザブ…ザブ
ヲ級「ヲ゛……ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛!!」ザブザブ
ーーーー
ーー
ヲ級「……ヲ………」ズルズル
青年「………う……」
ヲ級(良カッタ……生キテル…)
ヲ級(……フフ…何ヲヤッテイルンダカ私ハ…)
ヲ級(デモ……コウイウノモ悪クナイナ……)
ヲ級(ウ……チョット…疲レタ…)ドシャッ
期待
乙乙
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
ヲ級「……….」zzz
ヲ級「ヲ………」パチッ
ヲ級(マタ気ヲ失ッテシマッタ………)
ヲ級(ココハ…家ノ中? ……ナゼ私ハベット二寝カサレテイルンダ?)
モゾッ
ヲ級「ヲ?」
ヲ級(ナンダ? 毛布ノ下二ナニカ……)ピラッ
幼女「……すー……すー」zzz
ヲ級「…………」
ヲ級「……ヲ……ヲヲヲヲヲヲ?!?!」
ヲ級(ナ、ナンダコイツハ?! 何故ワタシニクッツイテ寝テイル!?)
幼女「……うーん……あ…おはよ…お姉ちゃん…」
ヲ級「ヲ?!」
ヲ級(オ姉チャン?!)
青年「ど、どうした?!」ガララッ
ヲ級「ヲ?!」
ヲ級(二、人間!)
幼女「あ、お父さん。おはよ。お姉ちゃん目が覚めたよー」
青年「また人のベットに潜り込んでたのか……その人は怪我人なんだから駄目だっていったろ」
幼女「うー……ごめんなさい。このお姉ちゃん冷んやりしてて気持ち良くて……」
ヲ級「ヲ? ヲ?」
ヲ級(ナンダ…ナンナンダ??)
青年「あ、すいません…娘が迷惑をかけて。あの……僕、あなたに助けていただいた…」
ヲ級「ヲ……」
ヲ級(ア……コイツハ溺レテイタ…)
青年「本当にありがとうございました。あなたが助けてくれなければ今頃、海の藻屑でした……感謝してもしきれません」
ヲ級「ヲ……」
ヲ級(ナンカムズカユイナ…)
青年「怪我をしているようなので……よかったら癒えるまでゆっくりしていって下さい」
幼女「ゆっくりしてけー」ドタバタ
青年「こ、こら! 家の中で走るな! すいません、何かあったら呼んで下さい…」ガチャ
ヲ級「ヲ……」
ヲ級「…………」
ヲ級(ナンダコノ状況……)
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
ヲ級「…………」モグモグ
ヲ級(コノ家二イツイテ5日……ドウヤラアノ人間ハ私ヲ騙シテ殺ソウトシテイルワケデハナサソウダガ……)
ヲ級(助ケタ恩ナノダロウカ……ココハ安全ナヨウダカラ、結果的二助ケテヨカッタナ…)
ヲ級(怪我ノ治癒ニハマダ時間ガカカル……モウシバラク身ヲ潜メルコト二シヨウ…)
ヲ級(……ソレニ…何ヨリ戦ワナクテ良イノハ心地良イ……)
ヲ級「………」モグモグ
ヲ級(人間ノ飯モ以外ト悪クナイナ……)
ゴソッ
ヲ級「ヲ?」
幼女「えへへ……今晩わ、お姉ちゃん。隣…座っていい?」
ヲ級「ヲ……」
幼女「えへへ…」
ヲ級(ダガコノ人間ノ娘ニハ慣レナイ……。ドウシテコウ警戒心ガナインダ…)
幼女「ねぇ、そういえばお姉ちゃん名前は何て言うの?」
ヲ級「ヲ……?」
ヲ級(名前……? ソンナノ、考エタ事ナカッタナ…)
ヲ級「………」
幼女「…ないの? じゃあ…オーちゃんって呼ぶね!」
ヲ級「ヲ?!」
ヲ級(オーチャン?!)
幼女「えへへ…オーちゃん、オーちゃん♪」
ヲ級「ヲ……」
幼女「そうだ! 今日は良いものを持って来たんだ」
ヲ級「ヲ?」
幼女「じゃーん! あたしが使ってた言葉の練習帳!」
ヲ級「ヲ?!」
ヲ級(ダ、誰ガ人間ノ言葉ナド……)プイッ
幼女「あ…オーちゃん、簡単な奴だけで良いから、お願い…」
ヲ級「………」
幼女「あたし……オーちゃんともっとおしゃべりしたいから……」グスッ
ヲ級(ア………。……シ、シカタナイナ…)
ヲ級(ソレニ情報ヲ知ル為ニハ喋ベレタホウガ良イカ…)
ヲ級「ヲ!」
幼女「あ……えへへ…ありがと、オーちゃん」
ヲ級「ヲ…」
幼女「じゃあ、もう遅いから寝る前に一つのだけ教えるね。寝る前に言うのは…おやすみなさい」
ヲ級「ヲ?」
幼女「じゃあ、一緒にゆっくり言おうか…お、や、す、み、な、さ、い」
ヲ級「ヲ……オ…………ヤスミナ…サイ」
幼女「す、すごいよオーちゃん! 一回で言えるなんて!」ブンブン
ヲ級「ヲ………」
幼女「……じゃあ、あたし寝るね。おやすみなさい、オーちゃん!」
ヲ級「………」
ヲ級「ヲヤス……ミナ…サイ」
幼女「おやすみ!」バタン
ヲ級「…………」
ヲ級「オヤスミナサイ…」
ヲ級(ヤッテミレバ案外、簡単二喋レルモノダナ……)
ヲ級(オヤスミナサイ……オヤスミナサイカ……)
ヲ級(…………)
ヲ級(他ニハ……)
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
幼女「オーちゃん、おはよう!」
ヲ級「………コンニチハ……コンバンワ……サヨウナラ…」ブツブツ
幼女「オーちゃん?」
ヲ級「ヲ? エート……オハヨウゴザイマス」
幼女「!!」
ヲ級(フ……驚イテイルナ。コンナ事ゾウサモナ……)
幼女「やったー! オーちゃんが喋れるようになったー!!」ダキツキ
ヲ級「ヲ?!」
幼女「これで、沢山お話ができるね! やった、やったー!」ギュッ
ヲ級「コ、興奮シスギダ……」
青年「お、おい。朝から煩いよ…」ガチャ
ヲ級「ア……オ、オマエ。コイツヲドウニカシテクレ……」
青年「え….…しゃ、喋って……」
ヲ級「イイカラ早ク……」
幼女「えへへ…」ギュッ
どうやって5日も無言で過ごしたのか……そして海で溺れてたくらいなんだから沿岸部に住んでいるであろう青年はなぜ深海棲艦を知らないのか
そこを疑問には思うのに そこから考える能力はないのか
怪我人だから安静にしてるだけで済み 勝手に世話をしてくれるんだよ
予想になるから省くが、これだけでは深海棲艦を知らない。とは断定できないし
沿岸部の制海権は取れていて 彼自身は見たことはないかもしれない
>>22
えっ!!意志疎通もせず勝手にけが人の世話を!?どう考えても無理やろ
それに>>1の内容を見る限り深海側とやり合い始めて最低でも40年だぜ?制海権くらいは取り返してるかもだけど流石に教科書レベルで情報開示されてるだろ
40年前って書いてあるだろ
可愛いか可愛くないかが判断基準だろ
可愛いから助けた
ハイエース
ヲ級は言葉を理解できてるんだよなぁ
>>23 香ばしい
理解出来るから何だ?伝えられなきゃ意味無くね?
そうだな
インプットできてもアウトプットできなきゃ意味がないもんな
よし、じゃあ君もクソみたいな書き込みはしなくと教えてあげるから黙って読むことだけを実行しといてね
日本語でおk
>>28
アウトプットができないと意味が無いということを自らのクソみたいな脱字文を例にして教えてくれるなんて立派(な馬鹿)だなぁ
そんな恥を晒していく真似、普通なかなかできないよ
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