真田志郎「ハルケギニア?」オールド・オスマン「その通り」 (1000)

 雷が鳴り、雨が降りしきる中、かつてヤマトに乗り込み、死んでいった戦士達が眠る丘に一人の男がいた。
 年のせいかはたまた最近のストレスのせいか白髪が混じり始めた頭髪をオールバックにしたその男こそ、かつてヤマトに乗り込み技師長としてその手腕を発揮し、現在は地球連邦宇宙科学局の長官、真田志郎である。
 彼は最後の移民船と最後まで地球に残った人達を乗せて飛びたったヤマトを見送ると満足そうな笑みを浮かべた。

「一人の科学者として地球の最期を見届けたいんだ」

 先程見送ったかつての戦友の弟であり、頼れる部下に語った言葉を思い出しながら彼はその時を待った。

 しばらくしてその時はやって来た。
 カスケードブラックホールが光速の二分の一というスピードで地球を横切りつつ引きずり込んだのだ。
 別次元に存在するSUS国の資源とするために。
 しかし、一人だけ別次元へとは飛ばされたものの、SUSがある次元とは別の次元へと飛んだ男がいた。
 そこから物語は始まる。





需要があるか分かりませんが、自分の好きな組み合わせなので。
あと、自分はセリフの前に名前を書くのが好きじゃないんで今回は書きませんでしたが、欲しいという方はいますか?いらっしゃるのなら付けます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446640437

誰がしゃべってるのかわかるような書き方するんならナマベつにいらないかなー

自分が嫌いなら書くべきではない

 次元は飛び、ここはハルケギニア。
 科学ではなく魔法が栄え、生活の中心となっている世界。
 その中の国の一つ、トリスティン。その、王立魔法学院には一人の学院始まって以来の問題児がいた。

「おい、見ろよ。ゼロのルイズだ」
「コモンマジックすら使えないなんてメイジじゃねーのによ」

 一人の生徒が桃色の髪をした少女を指差して呟くと瞬く間に学院の廊下にヒソヒソ話が広がっていく

「メイジじゃねーのになんでここにいるんだろうな」
「そりゃ仮にもヴァリエール家のお嬢様だからじゃね?」
「でも明日の試験……俺達も危ないかもしんねーけど、あの試験でアイツは退学になるだろうぜ」

 そう、その問題児とはトリスティン王家の血筋を引くヴァリエール家の三女、ルイズだ。
 そして座額ではトップクラスの成績を誇るものの、どんな簡単な魔法でも失敗する様からゼロのルイズというあだ名まで付けられている。
 普通なら不敬罪やなんやらでしょっぴかれそうだがそうならないのは一重にこのハルケギニアでは魔法が何よりも重視されているからに他ならない。
 そして彼女はそんな同級生の視線を浴びながら次の授業へと向かうのだった。





本日の投下は終了です。学生の身なので不定期な投下になりますがよろしくお願いします。 

投下いきます。



「いよいよ今日は召喚の儀式であります。これはは二年生に進級した君達の最初の試験であり、貴族として一生を共にする使い魔との出会いの日でもあります」

 使い魔召喚の儀式……この王立トリスティン魔法学院の伝統的な行事である。
 二年生になったばかりの生徒が生涯を共にするパートナーとなる使い魔を召喚するのだ。ちなみにこの儀式は試験も兼ねていて、この試験に合格しなければ授業は受けられない……すなわち、退学となるのである。



 ルイズは今儀式待ちの生徒の列の最後尾に立っている。自分の使い魔を思い浮かべては周りを見渡し、すでに召喚を終えた生徒が自分の使い魔を見て一喜一憂しているのを見てもしかしたらいつも失敗するゼロのルイズという不名誉なあだ名まで付けられた自分には無理かもしれないというのを繰り返しているのだ。
 しかも前日「私、サモンサーヴァントだけは自信があるの!」と発言してしまい、心の中で(言うんじゃなかった……)と猛烈に現在絶賛後悔している。
 そうしている間についにルイズ以外の全員の召喚が終わってしまった。

「えーこれで全員ですかね?」

 監視役のコルベールが自分の横に誰も来ないのでもう誰も来ないのかと確認をするとあちこちから

「まだルイズが残っていまーす」
「おい! やめろよまた爆発するだろ」
「ハハハハハハ!!」
「自信がないのかー? ゼロのルイズー!!」

という声が上がった。

「うるさいわね。やります!」

「何が出て来るかな?」
「台所の黒い虫とか?」
「アハハハハ!」

 そんな野次のなか、コルベールの前に進み出たルイズは内心を悟られないようにすました顔で杖を構えた。

「ミス・ヴァリエール、落ち着いて、自分の使い魔を想像して一つ一つ呪文を唱えるのですよ」

「はい。
宇宙の果てのどこかにいる私のしもべよ!
神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!
私は心より求め!訴えるわ!
我が導きに答えなさい!!」

 そして、杖を振った瞬間………



猛烈な爆発が起きた。

「うわああああ!!」
「やっぱりかよぉ…!!」
「ゲホッゲホッ……ふざけるなぁ!!」

 当然生徒からものすごい数の罵声と野次がとんだ。

「大丈夫かい? 僕のモンモランシー? うん?」

 そんな中、ギーシュが自分の恋人たるモンモランシーを心配して近寄るが、当のモンモランシーは無言で煙の中心を見つめている。
 つられてギーシュをはじめ、他の生徒達も煙の中心を見るとにわかに煙が晴れはじめ、ルイズとコルベール、そして地面に倒れた男が目に入った。

「あれは……?」
「人間……?」
「あの服装は…貴族?」
「まさか……でも軍服か?」
「だとしても……どこの国かはわからないけどかなりの高官だぞ……」

 生徒達はゼロのルイズが召喚に成功したことと、人間、しかも服装は明らかに平民とは違ったものを着た人間ということで驚いているが、ドラゴンやグリフォン等の気高い使い魔を期待していたルイズにとっては

「こ、こんなのが……神聖で……美しくて……強力な……使い魔……? 」

 期待外れもいいとこで眉がピクピクしていた。



 一方、召喚された真田は周囲の騒々しさに目を覚ました。
 目を開けてみるとそこは先程まで自分がいたどんよりとした雲と雨はなく、晴れ晴れとした青空の下で、かつての戦友が眠る英雄の丘でもないどこか、ヨーロッパの城に似た城壁の内側の広場であった。

夕食のため、落ちます。
時間があれば今日の9時頃二つほど投下しに参ります。

前回のあと、寿司屋に連行されまして・・・投下できませんでした。
投下します





 真田が体を起こすと周囲騒々しさがさらに増した。正体不明の人物とあって生徒の関心も高いようだ。
 一方の真田も周りには見たこともない生物から神話でしか知らない生物もいて理解が追い付いていなかった。
 ルイズはルイズでコルベールに相談をしていた。ルイズは先日キュルケの前で大見栄を切った手前、なんとしてでもグリフォンやドラゴンを召喚しようと思っていたのだが、召喚されたのは人間である。やり直しを求めるのも必然かもしれない。

「先生、お願いがあります!」

「なんだね?」

「召喚をやり直させてください!」

「それはできない」

「なぜですか!」

「これは一生の友となる使い魔を決める神聖な儀式です。やり直すなんてもってのほかです」

「ですが、人間を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」

「前例があろうとなかろうと、彼が君の使い魔になることは決まったのです。早く儀式の続きをしなさい」

 しかし、ルイズの願いは無情にも却下された。前例がないからと言って伝統を変える訳にはいかないのだ。
 そして魔法が使えないからと言って貴族であり、年頃の女の子であるルイズに見ず知らずの異性とキスなんてできるものではない。
 しかし現実は残酷でコルベールはルイズの儀式続行を求めた。

 先程からの会話を地球防衛軍人に支給されている小型の携行翻訳機で聞いていた真田は額に冷や汗を浮かばせ始めた。
 魔法と言うものが存在し、自分が召喚されたことも驚きだが、彼が幼少の頃から読んできた本の中には魔法使いが出てくるものも多々あった。
 その中で魔法使いの契約と言えば多くが呪印や呪文をかけるだけのものだったが、口づけを交わす契約もあった。
 先程からの生徒の冷やかしようからその仮説を確信した真田は即座に逃走を開始しようとするが、その頃には近くによってきていたルイズと野次馬と化した生徒によって取り押さえられ、逃げられなくなった。

「か、感謝しなさいよ……ヴァリエール家の子女の私のファーストキスをもらえるんだからね………」

 そして両者の距離は縮まり……



チュッ


 その瞬間、いきなり胸の辺りに激痛が走った。

「(う、ぐっ……こ、これは………!)」

 彼が両手足を失う原因となった幼少の頃に受けた月面遊園地での事故ほどの痛みではないものの、その痛みは軍人である彼を地面に横たえさせるほどであった。

「ぐぅ……何だ…これは……」

「使い魔のルーンが刻まれているだけよ」

「何……?」

 こうして真田志郎はルイズの使い魔となった。

生存報告を兼ねて。

真田は両手足が義肢なので手にルーン刻めないので胸に刻まれたことにしました。

携帯翻訳機は異星人と普通に会話できるのでそういうのもあるかな~と

>>11
よかった、楽しみにしてるから頑張ってくれ!

考査が終われば投下します

投下いきます






 胸の痛みが治まると真田はコルベールに服を脱ぐように言われた。人が使い魔として召喚されたことは前例がないため、スケッチをとりたいのだという。
 言われた通りに服を脱いだ真田の左胸には確かに昔本の中で見たルーン文字に似たものが刻まれていた。
 それを見たコルベールは熱心にスケッチを取り始めた。

「ずいぶん熱心にスケッチを取りますね」

「ええ、このルーンは非常に珍しい。今まで実際に見たことがないルーンです」

 スケッチを取り終わったコルベールは、珍しいルーンを調べる欲求にかられたのか、その日の授業をすべて休みにすると、そそくさと戻っていった。
 一方生徒たちは授業がずっと早く終わったので、自身が召喚した使い魔と触れあいたいのだろう、すぐにフライの呪文を唱えると自分の部屋へと戻っていった。

「ところでミス・ヴァリエーr「ルイズでいいわ」……そうか? じゃあルイズ、君は部屋にもどらないのかい?」

「うるさいわね! 飛べないのよ、私は! それにいきなり馴れ馴れしいわね!」

「そいつはすまなかったねルイズ様」

「まぁいいわ。そう言うわけで階段からいくわよ」

「わかった」



――ルイズの自室――

「・・・・・・と言うのがこの世界のあらかたのことよ」

 ルイズの自室へ案内された真田はルイズからこの世界についての話を聞いていた。

「ふむ、やはり私がもといた世界とは全くもって違うな」

「本当に信じられないわね……あなたは本当に別世界の人間なの?」

「ああ、そうなるな。我々の世界じゃ魔法なんてものは……存在しないな。何しろ今聞いた限りのことはほとんど魔法なしでできるからなぁ」

「う、嘘よ! 魔法を使わずに生きていくことなんてできっこないわ! 農作業なんか何年かかると思っているのよ!!」

「誠に言いにくいが……農作業なんてすでに人が手を加えないでもいいくらいには我々の文明は進んでいる。それどころか重力制御技術もあるしね」

「そんなのすでに魔法じゃない!!」

「これは私の持論だがね、進み過ぎた科学技術は魔法をも凌駕するのだよ。
しかし……私も本物の魔法は見たことがないからなぁ……この考えも変わるかも知れん。まぁ、こんな議論は置いておいて、改めてよろしく、我がご主人様」

「ええ、必ずあなたに魔法の価値を認めさせてあげるわ。サナダシロウ」

「まぁ、魔法を使えるようになってから言ってくれたまえ」

「う、うるさいわね!!」







今日はここまででです。いや、もう資料集めしてたら時間が?・・・・・

やっと書き溜めできる時間が増えてきたこの日頃
寝落ちしてたらごめんなさい







「起きろ。朝だぞ! ルイズ、起きなさい!・・・・・・はぁ、朝には弱いとは言っていたがこれほどだとはな……」

 朝、使い魔の仕事と言われたルイズに言われた役目の一つ、朝になったら主人を起こすという役目を昨日の夜仰せつかった真田は必死にルイズを起こしているのだがこのピンクのお嬢様は一向に起きる気配がない。
 約十分ほど声の音量を変えつつ起こしているが起きない主人の姿に若干こめかみに青筋を浮かべつつ、かつて自分が引き取っていた親友、守の娘サーシャのことを思い出していた。

「・・・・・・こいつは澪を育てた時よりも大変か…いや、あいつは育つのが……1週間くらいの反抗期は手こずったが……まぁいい。ルイズ! 早く起きろ!!
・・・・・・起きないと…朝食抜きだぞ!」

「朝ごはん!?」

 最終的によく澪を起こしていたモノでつるという方法に落ち着いたが効果はてきめんで、さっきまで起きなかったルイズもその一言でガバッとベッドから飛び起きた。

「早く着替えなさい。着替えと洗顔用の水ははそこに置いておいたから。
私は外に出ておくよ」

 目を擦りながらまだ眠たそうな顔でルイズは頷くと真田はドアの外に出た。

(そう言えば私の朝食はどうなるんだろう・・・)

 そう真田が1人ドアの前で思案しているといきなり燃え盛るような髪と褐色の肌とムンムンとする色気を持った少女に話しかけられた。


「あら、あなたって……ルイズが召喚した使い魔ね?
・・・・・・ふーん」

「お、おい……」

 値踏みするような顔で全身をじろじろ見られた真田はさすがに声をかけるが、バンッ!!という音と共に部屋から飛び出てきたルイズに遮られた。


「なに私の使い魔にちょっかいかけてんのよキュルケ――――――ッ!!」

 キュルケと呼ばれた少女は部屋から飛び出てきたルイズに向き直ると真田とルイズを交互に見比べ始めた。

「へぇ~ふ~ん」

「な、何よ?」

「いや、あんたがホントに使い魔を召喚しただってね……あ、この子私の使い魔。サラマンダーにフレイムって言うの。かわいいでしょう?」

 キュルケの部屋からのっそりと現れた真っ赤な火トカゲを抱き寄せながら勝ち誇ったように紹介する。
 サラマンダーのフレイムはその大きさ虎ほどもある。しっぽは燃え盛り、口からはチロチロと火が出ている。

「ほぉ、こりゃ興味深いな……」

「あら、あなたサラマンダーを見るのは初めて? 素敵でしょう? もう、私にぴったり! どう、ルイズ」

「うるさいわね。ええ、似合っているわよ。あなたの属性は火だもんね! 行くわよ、シロウ」

 むんとした熱気を放つ生物を興味深そうに見ていた真田だが、キュルケの自慢話が始まりそうだと感じたルイズに襟を引っ張られ連行されていった。



――アルヴィーズの食堂――



 トリスティン魔法学院の食堂は学院で一番高い本塔にある。
 やたらと長い長机が三学年分並んでいる。一つの机に百人は座れるのではないのだろうか。左から順に三年、二年、一年という並びで、ルイズ達は中央の長机に座ることになる。そして一つ上の階にはロフトがあり、教職員用の机がある。

「ここが王立トリスティン魔法学院自慢の食堂、アルヴィーズの食堂よ。ちなみにアルヴィーズと言うのは小人って意味よ」

「ほう、すごいなこれは。まさに絢爛豪華という言葉が似合いそうだ」

「フフン、ここトリスティン魔法学院はただメイジを育てるだけの学校じゃないってことよ」

「というと?」

 ルイズはよくぞ聞いてくれました! という顔で説明を始めた。

「この王立トリスティン魔法学院はね、貴族の子弟が通う学校なの。だから将来貴族の社交の場に出ても恥じのないよう、貴族としての立ち振舞いも教えるの。『貴族は魔法をもってしてその精神となす』のモットーもとね」



更新まだすか?

 遅ればせながら明けましておめでとうございます。






「ところでルイズ、あの壁にある石像がアルヴィーズか?」

「ええ、そうよ。夜中には動き出すの」

「ほぉ、それは興味深い。一度見てみたいものだ」

 そんなたわいもない話をしているといつもルイズが食事をとる位置についたようでルイズが立ち止まる。

「ここよ。椅子を引いてくれるかしら」

 真田が椅子を引くと、ありがと。と言ってルイズが着席する。
 しかし、真田には気になることがあった。

「ところでルイズ、私はどこで食事を取ればいいのかな?」

 そう、食事だ。
 真田はここの生徒でもなければ教師でもないため、自分の分の食事が用意されているか、ということである。
 それを聞いたルイズはちょっと困った顔をしたあと、

「そうねぇ…人間の使い魔なんて前代未聞だし……仕方ないわね、私のを分けてあげる」

 とりあえず今日のところはルイズの食事を分けてもらうことになった。
 生徒と教師が全員ちゃくせきすると、食事の前の祈りが唱和された。

「「「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我らに与えたもうたことを感謝いたします」」


「いただきます」

 そしてこの食堂で唯一の日本人である真田は、生産者や食事となった生物、そして調理してくれた人への感謝の言葉が凝縮された一言を呟き、ルイズに分けてもらったローストチキンやら、サラダに手をつけた。

 食事もたけなわになり、真田とルイズが食後のデザートに手を出そうとすると、突然、周囲の喧騒よりも一段と大きい声量で怒鳴り声が聞こえてきた。

「ギーシュ様! やっぱりミス・モンモランシーと付き合っていたんですね! あなたは最低です、よりによって二股をかけるなんて!!」

「ち、違うんだケティ……そう、これは何かの手違いd…ブッ!?」

 パァンと乾いた音がして、ケティと呼ばれた少女はギーシュのもとから去っていった。
 どうやらギーシュという少年が二股をかけていたことがばれて、修羅場に陥っているようである。そしてギーシュと呼ばれた少年の近くで一人のメイドの少女が震えていた。
 そもそものことの発端は、ギーシュのポケットから落ちたモンモランシー謹製の香水をメイドの少女が拾い、ギーシュに返そうとしたところ、偶然近くにいたケティという少女がそれを見て、浮気を確信し、ギーシュを問い詰めて今に至るわけである。 

「ギーシュ? さっきのはどういうことかしら?」

 しかもギーシュが二股をかけていたもう一人の相手のモンモランシーが騒ぎを聞き付けてツカツカとやって来たからたちが悪い。
 憤怒の表情でギーシュを睨み付けると、手近にあったワインをギーシュの頭からドボドボとぶっかけて、「うそつき!」と吐き捨てると鼻息も荒くずんずんと歩き去って行ってしまった。
 一方、ワインをかけられたギーシュはポケットからおもむろにハンカチを取り出すと、困っちゃうよね? といった顔でワインを拭き取るが、周囲の視線から面目が丸潰れなのは明らかであり、香水を拾った少女にたいして、八つ当たりをすることにしたのか、そーっとこの場から離れようとした少女を、「待ちたまえ」と呼び止めると

「君が軽率に香水を拾ったせいで二人のレディの名誉が気づついた。どうしてくれる?」

 と、誰もが悪いのはお前だろ!?とツッコミたくなる超理論で少女を叱った。
 少女も反論しようと口を開くが、貴族と平民では身分の低い平民がたてつけないため、どんどん追い込まれていってしまう。
 ついには半泣きの少女にギーシュが手を上げようとするが、その手は後ろから近づいてきた男によって止められた。

「やめなさい。今のはどう考えても君が悪い」

 八つ当たりを止められたギーシュはいかにも不機嫌そうな顔で振り向くと、自分の手首を握っている人間の使い魔にこう言った。

「君は誰かと思えばゼロのルイズが召喚した使い魔じゃないか。
君が彼女をかばうと言うのなら……いいだろう。貴族として使い魔に躾をして上げよう。貴族としての正々堂々とした方法で。
君に決闘を申し込む!」

「いいだろう。こちらも年長者として君に道徳というものを教えてやるぞ」

「ヴェストリの広場で待っているぞ!」

 そう言うとギーシュはマントを翻し、食堂から出ていった。
 あとにはギーシュの二股を笑い続けている生徒と、決闘にざわめく生徒、そして真田とメイドの少女が残された。

待ってた!

乙、ゆっくりでいいからやってくれ

え~

> 八つ当たりを止められたギーシュはいかにも不機嫌そうな顔で振り向くと、自分の手首を握っている人間の使い魔にこう言った。

についてですが、これは人間の使い魔=真田であって手首を握っているのはルイズではありません。
以上、テスト期間に入るので中々話が進まず四苦八苦している佐武からの報告でした。

更新、いきます!

「大丈夫か?」

 真田が罵倒されていたメイドの少女に声をかけると、メイドの少女は震える声でぼそぼそ、と何かを言った。そしてだんだん目尻に涙を浮かべ、

「殺されちゃう……あなた殺されちゃう……」

「なに?」

「貴族様なんかに楯突いたら、本気で怒らせたら……殺されちゃうんですよ!?」

 そこへ、デザートを食べ終えたルイズが慌ててやって来た。

「ちょっと、あんた何やってんのよ!?」

「ギーシュとか言う貴族に決闘を申し込まれ、了承しただけだが?」

 あっけらかんと言いはなった自身の使い魔にしばし呆然としたルイズだったが、やがて少し考えるような仕草をすると、真田に向き直り、言った。

「本当に大丈夫なんでしょうね?」

「当たり前だ。死線を潜った数は幾度となくあるからな」

「わかったわ。あなたの実力、見せてもらうから。楽しみにしておくから無様な姿は見せないでよね」

「ははっ、期待しておいてくれ」

 ヴェストリの広場は風の塔と火の塔の間に位置する、普段は人が滅多に来ない決闘にはうってつけの場所である。
 ルイズとメイドの少女の案内のもと、真田が広場に着いたとき、そこには決闘の噂を聞き付けた生徒が溢れるほど集まっていた。

「紳士淑女の諸君! 決闘だ!!」

 その一声に広場が吠える。そしてギーシュはその歓声に自身の薔薇の造花を振って答える。

「そして! 今回の相手は先日召喚された使い魔君だ!!」

 ギーシュが高らかに宣言すると、野次馬もさらに興奮していく。

「ゼロのルイズの使い魔とギーシュが決闘するぞ!!」

「ゼロのルイズの使い魔ならゼロの使い魔だな!!」

 こんな調子で広場の喧騒はどんどんヒートアップしていく。
 やがて、ギーシュも気が済んだのか、手を上げて広場を静まらせると、余裕綽々といった顔で広場の中央に歩を進めると、ルイズ一行を睨み付け、役者のような身ぶりで薔薇の造花を触りながら言った。

「フン。――――とりあえず逃げずにここに来たとはな。いい度胸だ……そこは褒めてやろうじゃないか」

「何しろ逃げる理由がないしな」

「ふっ減らず口を……いいだろう。始めようじゃないか」

 気障ったらしく薔薇を突きつける。

「望むところだ。開始の合図はどうする?」

「そうだね……僕から仕掛けて一方的に終わるのも面白くないから、君が決めていいよ」

「そうか……ルイズ、この上着を持っていてくれないか?」

 ルイズに向かって投げられた上着とズボンは予想に反してかなり重たかった。
 そしてなかには何が入っているのかガチャガチャと金属が擦れる音もした。
 上着とズボンを脱いだ下にはお馴染みの、白地に青色の、あの制服があった。

「ふむ、いざというときのために下に動きやすい服を着ていて良かった」

 一方でギーシュも余裕の笑みで真田を見つめると、薔薇の造花を振った。すると、花びらが宙を舞い、それが地面に着くと、そこには人間と同じくらいの大きさの甲冑を着た女戦士が立っていた。
 若干、日の光を浴びて、鈍く輝いている。

「なるほど。青銅の……ゴーレムというやつか」

「そうだ。僕はメイジだから魔法を使って戦う。よもや異存はないね?」

「ああ」

「言い忘れていたな。僕の二つ名は【青銅】。青銅のギーシュだ」

「真田志郎。人間の使い魔だ。
じゃあ、準備はいいな」

「もちろんだ」

 腰のホルダーからコスモガンが抜かれたところで決闘は始まった。
 まず、ギーシュのゴーレムが小手調べとばかりに殴りかかってくる。
 それを、横に跳躍することで難なく避けると、良かった、少しはやるようだね。弱いものをいたぶるのは僕の趣味じゃないからね。とギーシュが呟いた。
 しかし、その余裕は次の瞬間、粉々に崩れることになる。
 体勢を立て直した真田がコスモガンの引き金を引くと同時に青銅のゴーレムが動きを止め、次の瞬間粉々になったからだ。

「えっ……ぼ、僕のワルキューレが……お、お前! 一体何をした!?」

「ただ銃を構えて引き金を引いただけだ」

「ば、バカな…銃にそんな威力があるはずが……」

 ギーシュは明らかに動揺していた。何しろ自分の自慢の魔法が呆気なく破られたからである。
 観戦していた生徒もざわめき始めた。中には賭けていた生徒もいたようで、ああっ!とかちくしょう!!等と聞こえてきた。

「もう終わりか?」

「ちょ、調子に……っ乗るな!!」

 挑発されたギーシュは薔薇の杖を振ってさらに五体のワルキューレを召喚した。
 しかし、殴りかかったワルキューレはことごくコスモガンに撃ち抜かれ、あるものは溶けて、あるものは砕け散った。

「そんな……っバカな……」

 ギーシュは信じられないといった驚愕と恐怖が入り交じった顔で真田を見つめた。

「これが、君の全力か?」

「う、うわぁぁぁぁ!!!!」

 ついにヤケになったギーシュは真田に素手で殴りにかかるが、訓練を受けた軍人と学生では勝負にならなかった。
 呆気なくいなされ、投げられて、頭を擦りながら起き上がった頃には鼻先に銃口を突きつけられていた。

 今回はここまでとなります。
 明日のテスト返却が怖い…………

21世紀初頭のただの高校生であるサイトが無双できるんだから22世紀の科学者が来たら世界征服くらいは余裕だな

>>28

しかも軍事訓練を受けた機械の両手足に爆弾を仕込んだ人間だぞ

真田さんならマジでやりかねんな>>世界征服

 ギーシュは自分の目が信じられなかった。
 メイジにメイジでない者が勝てるとは一切思ってなかったのだ。
 ギーシュは基本女の子には優しい。だが、プライドが人一倍高いのである。実際のところ彼本人としては本気でメイドに手を出そうとしていたわけではないが周囲の状況ゆえに引くに引けない状態だったのである。
 そこへ真田が現れたのだ。
 そして彼に半ば八つ当たりのように決闘を申し込むことでプライドを保とうとしたのだが、結果は手も足もでなかったのである。
 取り巻きの生徒らもせめて真田がギーシュに一泡吹かせてくれればいいと思っていたくらいでまさかギーシュが負けるとは思っておらず、ただ、ただ、呆然とするだけであった。

「うっ……あ、あ…あ……」

 一方の真田もギーシュが降参と言えばすぐに銃を下ろすつもりだったが肝心のギーシュが何もしゃべれない状態に陥り下ろしていいものか悩んでいた。勝敗が明確に決まらなければ後からいちゃもんをつけられる可能性があるのは世の常であるがゆえに。

「やめて! ギーシュを殺さないで!」

 そこへ飛び込んできたのは食堂でギーシュにビールかけならぬワインぶっかけをしたモンモランシーである。

「モンモランシー! なぜここへ!?」

「あなたが心配だったからよ!」

「だけど…僕は……」

 その姿にガトランティスとの戦いなの最中に見た古代と雪を垣間見た気がした。

「お願い…ギーシュを殺さないで………!」

両の手を合わせて懇願するモンモランシー。

「私としてもそうしたいのは山々なのだがね、彼は肝心なことを忘れている」

「何!? 何なの!?」

「降伏宣言だよ。ルールでは確かどちらかが戦闘不能になるか敗けを認めない限り終わらないだった気がするのだが?
残念ながらギーシュ君は銃こそ突きつけられているものの戦闘不能ではなくてね」

 確かにギーシュは銃を突きつけられているが戦闘不能かと言うとそうでもない。
 だからこそいちゃもんをつけられるのではないかと警戒したのだ。

「降参します! いいわよねギーシュ!?」

「あ、ああ……もちろんだ。降参する。この通りだ」

 杖を地面におき、両手を上にあげるギーシュを見て、真田もコスモガンをホルスターにしまった。

「さて、負けたからには勝者の言うことを聞いてもらおうか」

「な、何だい…?」

「それは…………」

今日は一回キリです。課題が………………

大して面白くないのによく続くな

とりあえずsagaを入れてみては

荒らしは気にせずにごゆっくりどうぞ!
待ってるぞ。

更新待ってるぞ!

最近色々と身の上が忙しくてなかなか更新できていません…ごめんなさい…
あと1週間ほどすれば更新できると思います

待ってるぞ!

お待たせしました。















 真田がギーシュに命じたのは、メイドの少女と二股をかけた二人に対する謝罪であった。
 しかし、ギーシュにとって、貴族であり、自分が二股をかけたことで心を傷つけたケティとモンモランシーに謝るのはいい。しかし、貴族としてのプライドが平民であるメイドの少女への謝罪をすることを認めるわけにはいかなかった。いかなかったの………だが。

「あなたの種を蒔いた騒動に親切にも物を拾ってくれた彼女を巻き込んでおいて謝罪のひとつもしないの? へぇ~?」
「男として最悪ね、ギーシュ」
「ふむ、やはりトドメを…」

 モンモランシー、ルイズ、真田の三人に囲まれ見下ろされ、さらにそれを野次馬に囲まれた状態で勝者からの要求を拒否するだけの度胸を、ただ今しがた負けたばかりのギーシュにあるはずもなく、渋々了承するとモンモランシーによって被害者の二人のところへ引きずられていった。
これで、この件については一応の解決を見た。しかし、その場にいた大勢のうち、数人は気になることがあった。







《ルイズの部屋》





 真田に対して一部の生徒が抱いた感情……それは、恐れであったり、好奇心であったり、疑問であったり……そしてそれはルイズも例外ではなかった。

「さて、ルイズ。話があると言っていたが何のことかな?」
「単刀直入に言うわ。あなた……本当は何者?」
「何者?って言われてもだね……地球防衛軍宇宙科学局局長、真田志朗。普通の人間だよ」
「嘘よ。普通の人間にあんなことできるはずがないわ。あなた本当は高名なメイジじゃないの?」

ルイズの疑問ももっともである。ハルケギニアの銃といえば地球で言う中世辺りのとても威力の弱い銃しかないからだ。少なくとも青銅のワルキューレを壊せるほどの威力はない。

「あれは私の力ではないぞ。こいつのおかげさ」

「…………信じられないわね」

こいつのページ特定
http://www.akatsuki-novels.com/users/view/33410
@satake_hayato

こいつのページ特定
http://www.akatsuki-novels.com/users/view/33410
@satake_hayato

「そんなに疑うなら撃ってみるといい」
「いいの!?」
「まだ弾には余裕があるからな。外に出よう」


<<校庭>>

「あの木撃ってみろ」

 コスモガンをルイズに渡した真田は一本の木を指差し、撃つように言った。
 木はなかなかの太さで銃程度ではびくともしなさそうである。

「う、撃つわよ……?」
「よく狙うんだぞ」
「えい!」

 引き金を引いたルイズだが、銃口は空を向いていた。反動がルイズには強すぎたのだ。コスモガンから放たれたレーザーは木を斜めに貫き引き裂いた。
 そのあまりの威力に少女はいまだに目をぱちくりしている。

「なに……これ………」

 彼女が肩の痛みに気づくのはこの直後のことだった。




「痛い…」
「やれやれ…しっかり構えないからだ」
「あんなのか弱い乙女には無理よ!」

 反動で持ち上がった銃口はその動きをルイズの肩にまで伝えルイズの肩を外したのだった。
 

そしてそれを影から覗く人影がいたことに二人は気がつかなかった。







遅くなり申し訳ない。
もしもこのスレが過去ログに収納されましたら[暁]のほうに掲載します。
>>41それがどうしたのですか?

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ハルゲニアじゃないのかよ

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荒らすなよごみくず

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