従者「身分をわきまえろ......」 (81)


勇者「はぁっ!」ブンッ

魔物「ぴぎぃー」バタッ

戦士「流石で御座います姫様」パチパチ

魔法使い「確かに。これなら北から攻めてくる魔王など、怖くありません」

僧侶「……」

勇者「戦士。私は姫じゃないわ。勇者よ」

戦士「これは失礼しました。勇者様」

勇者「パーティなんだから楽しく行きましょ。ねぇ、従者」

従者「はい」ハァハァッ

勇者「そんなに皆の荷物を持って重くはない? 私も少し持つわよ?」

戦士「いえ、それは彼の仕事でしょう。私たちが魔物を退治するように彼にはあれが勤めなのです」

魔法使い「彼は勇者様がどうしてもと仰るので連れてきたまで。荷物持ちすら出来ないようでは──」

僧侶「……ただの役立たず」ボソッ

勇者「なっ!? そんな言い方は──」

従者「いえ。僕は従者ですから、これが仕事なんです。皆さんの言っている事は正しいですよ」

勇者「……」

戦士「従者もそう言ってますし、さぁ先に進みましょう」スタスタ

魔法使い「夜までには次の村に着きたいですしね」スタスタ

僧侶「……」スタスタ

従者「ふぅ、よしっ!」ヨロヨロ

勇者「……ゴメンナサイ」ボソッ

従者「従者ですから」ボソッ

戦士「勇者様! 早く行きますよ!」

勇者「はいっ!」タタタッ

従者「……四人分は結構キツイなぁ」

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村長「勇者様。ようこそおいでくださいました」フカブカ

勇者「いえ。それよりも何か魔物の被害などは?」

村長「今のところは大丈夫でございます」

勇者「そうですか。良かった」ホッ

村長「あいにくこの村には宿というものがございません。空き家を二つ用意させてもらったのですが……」オドオド

勇者「いえ、野宿になれていますので。屋根があるだけ贅沢というものです」

戦士「では。唯一の女性である勇者様が一つを使い。残りを私達ということで」

勇者「狭くありませんか?」

戦士「大丈夫ですよ」ニコリ

勇者「では、従者。私の荷物を」

従者「はい。これでございます」フゥフゥッ

勇者「じゃあ、お先に」フリフリ

戦士「ええ」ニッコリ

魔法使い「では、私たちもその空き家に向かうとしましょうか」

僧侶「……待った。村長」

村長「は、はいっ」

僧侶「今日、私たちがここに泊まれば、魔物が来ても安全。つまり私たちが一夜最強の護衛をすることになる」

村長「は、はぁ」

僧侶「なら、お金を払ってくれてもいいんじゃない?」ニタリッ

村長「そ、そんなっ!?」

従者「……」ギリッ

僧侶「嫌ならいいんだ。魔物が来ても私たちは急用が出来て、すぐに消える。さぁ、どうする?」

村長「そんな……そんなバカな話が──」

僧侶「あるんだなぁこれが。前の村の村長さんはお金払ってくれたよ?」ニヤニヤ

村長「……一体いくら払えば」

僧侶「そうだね。小さい村だし2000Gで手を打つよ」

村長「2000G……村全体の半年の食費ですぞっ!?」カッ

僧侶「じゃあ、仕方ないね。魔王は俺達を狙ってるから、いつ来てもおかしくないんだけどね」

村長「……分かりました」ゴソゴソ ドサッ

僧侶「最初からそうすればいいんだよ」ニッコリ

魔法使い「勇者様には内緒ですよ。言ったら……分かりますね?」ニヤニヤ

村長「……はぃ」

従者(僕は従者。そうだ、彼女に仕える従者。彼女を悲しませたくは無い)

勇者「やっぱりお風呂は気持ちがいいものです」フフフッ

勇者(まだ旅に出て数週間。元騎士団だった戦士に、歴代からの魔法使い、そして安定した成果を上げている僧侶。大丈夫。このメンバーなら。それに小さい頃から一緒の従者もいる。魔王には絶対に負けない!)

勇者「でもどうして……従者はあんなに簡単に付いて来てくれたのでしょう?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王討伐、数週間前。

姫「従者。私ねお告げで勇者に選ばれたの」

従者「勇者に?」エッ

姫「18になったら勇者になる。そう生まれた時に予言されてたみたい。その証拠にほら」スッ

従者「この手の紋様は……」

姫「勇者の証。だから私は小さい頃から剣を習わされてたのね。やっと分かったわ」

従者「そうですか……姫様が勇者に……」

姫「うん。もう討伐メンバーも決まってるんだって……」

従者「寂しくなりますね」

姫「ねぇ、従者?」ジーッ

従者「なんでしょう?」

姫「今までのように、私と一緒に──」

従者「もちろん。よろこんで」ニコッ

姫「行かない? って、そんなに簡単にいいのっ!?」

従者「えぇ。問題ありません」

姫「死ぬかもしれないのよ?」

従者「姫様の後に死ぬわけにいきませんし」アハハハハ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

勇者「それではまるで……私の盾になるような言い草じゃないですか」ブクブク

勇者だけ良い子であとの3人はクズなのか…期待

戦士「ボロい家だな」ケッ

魔法使い「美人もいませんね」ハァ

僧侶「……金さえ貰えれば問題ない」

従者「よっこいしょ」ドサッ

戦士「おいおい。なんで従者の荷物まで此処に置いてるんだ?」

従者「えっ?」

魔法使い「荷物持ちの分際で図々しい。お前は外で寝ろ。部屋が狭くなる」

戦士「前の村では隣に勇者様の部屋があったが、今回は違うからな。外で寝てもらおうか」

従者「……はい」

従者(まぁ、仕方が無い。彼等と僕とでは立場が違うのだから)

従者「……寒いなぁ」トボトボ

従者(どこか寒さをしのげる場所は……あの洞穴とかよさそうだ)

従者「誰かいますかー」

??「はい」

従者「え? 洞窟に住んでいらっしゃる?」

??「勇者様ご一行が来るということで、家を空けねばなりませんので」

従者「もしかして村人の方?」

村人「えぇ。最近は段々と物騒になってきて、本当は外になど居たくないのですが、どの家もいっぱいで。私だけ外で」

従者「私もお邪魔させてもらってもいいでしょうか?」オズオズ

村人「ええ、どうぞ」

従者「最近物騒とはどんなことが?」

村人「時々、盗賊がここら辺に現れているのです。幸い、この村には来ていませんが、隣の村はつい先日襲われました」

従者「じゃあ、すぐに国に連絡しないと!」

村人「それは無理です」

従者「どうして?」

村人「国に要請をしてもお金を払わない限り動いてはくれません。村長が少しずつ貯めてはいると思うのですが……」

従者(まさか……あの2000Gはその為? 半年分のお金がある事に何故変だと思わなかったんだ、僕は!)

従者「……クソッ」ギリッ

村人「どうかされたんですか?」

従者「依頼のお金は……お金の金額はいくらか分かりますか?」

村人「確か2800G程だと村長は言っていました。半年の食料で皆の安全が守れると。笑顔で言ってましたよ」ニッコリ

従者(……最悪だ。僧侶に事を話すか? バカな。そんなことをすれば、盗賊退治を理由にまた金を毟り取るに決まってる)

従者(戦士に頼んでもダメだろう。魔法使いも同じだ。勇者に頼むと、彼女に危険が及ぶ。そして、金の事がバレるかもしれない)

従者(それは……彼女が悲しむことになる)

村人「あの……どうかされたんですか?」

従者「その……その盗賊は大体どの辺りを根城にしているか分かりますか?」

村人「次にこの村を襲うつもりなら、西から来ます。だからこの村の西側の何処かかと」

従者「そうですか……」ムムムッ

村人「もしかして勇者様御一行の方でしょうか?」オドオド

従者「いえ、違います。ただの従者です」キッパリ

村人「じゅ、従者……」

従者「この護身用の剣を借りていきますね」カチャリ

村人「い、一体何を!?」

従者「誰にも言ってはいけませんよ? 僕は此処へは来なかったし、何も聞いていない、そういうことで」シーッ

村人「まさか!? そんなの無謀だ!」

従者「大丈夫です。剣は返しますから」タッタッタ

ひのきの棒の僧侶くんを思い出した

こういうキャラが一番イライラするわ

盗賊A「ちっ、どこの村も金が少ねぇ」

盗賊B「所詮。老人だらけの村だったからな」

頭領「オイ。お前ら、東の村は期待していいぞ。何でも女子供がいっぱいらしい」クヒヒ

盗賊C「イヤッホー」

盗賊D「犯し放題ってやつですか」グヘヘッ

頭領「だが、問題が一つある」

盗賊B「なんです?」クビカシゲ

頭領「どうやら勇者達がいるそうだ……」

盗賊A「諦めるんですか?」

頭領「いや、勇者ってのは南の国の姫らしい……」ケケケッ

盗賊C「俺も分けてくだせぇ」

盗賊D「毒でマヒらせて犯すのも悪くねぇ」グヘヘッ

盗賊B「まぁ、勇者達も寝ている所を殺れば、不意をつける」

盗賊A「ってことは。頭領……」ニヤリ

頭領「勿論、今から出発だ。準備しろ」

盗賊ABCD「おうっ」

主人公を理不尽に貶めてお涙頂戴する系の糞かな?

従者父「いいかい息子よ。剣とは熱され、打たれ、冷さえ、全てを切り裂く武器だ」

幼従者「へぇー剣って凄いんだね」

従者父「だから剣を扱う時は、剣と一体になるんだ」

幼従者「剣と一体?」

従者父「ああ、そうだ───」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

頭領「勿論、今から出発だ。準備しろ」

盗賊ABCD「おうっ」

従者(敵は5人。会話から見て毒の攻撃ありか……)

従者(でも、僕が殺しかないんだよな。あの村の人は皆、痩せこけてた)

従者(父の言葉を思い出せ)

従者「僕は熱された意思。打たれ、切れ味の増した殺意。冷やされ冷静になった思考」ボソボソ

従者「……」スーッ 

盗賊A「少し早いが祝い酒だー」プハーッ

盗賊B「おいおい。後の分、残しとけよ。ちょっとションベン行ってくるわ」イソイソ

盗賊C「俺にもくれー」オイオイ

盗賊D「頭領が馬を連れてくる前に、止めとけよ」ヤレヤレ


盗賊B「ふぃ~」ジョボジョボ

従者「……」スーッ ヒュッ

盗賊B「かはっ……」シーン

従者(まずは……一人)

盗賊C「盗賊Bの奴なげーなぁ」

盗賊A「キレがわりんじゃねぇーの?」ケラケラ

盗賊D「……お前らな。見てくるからちょっと待ってろ」

盗賊D「おーい。盗賊B~?」ガサガサ

盗賊B「……」ボウダチ ポツーン

盗賊D「おい。まだキレねぇのか? もしかして、ずっと立ったままとか?」

盗賊B「……」シーン

盗賊D「何とか言えよっ!」ガシッ

盗賊B「……」グラリ バタッ

盗賊D「え……?」

従者「……」スーッ ブンッ

盗賊D「がっ!?」ブシャーッ

従者(やっと二人・・・・・・)

これはなろう系の俺TSUEEEEだわ
俺には分かるよ

従者(もう不意打ちは効かない……三人相手に勝算なんてない。僕はあくまで従者。剣士でもなければ騎士でもない)

従者「森の精霊さん。ごめんなさい」カチッカチッボッ

従者(火の手が上がれば、洞穴にいた人は気付く。後は盗賊達がどう行動をとるかだ。村まで焼けたら、それはその時考えよう)

従者(出来るだけ臭いのキツイ葉を燃やして、万が一種火が消されないように……)ポイポイ

盗賊C「敵だー! 敵襲だー!」

盗賊A「くそっ」スラッ

頭領「全員、武器を構えろ。盗賊B、Dはどうした!?」スラッ

盗賊C「あいつらが殺られたならこの近くにいる」ゴクリ

盗賊A「火はどうする!?」

頭領「敵が見えない以上、迂闊に動くな。木陰に隠れろ」

従者(……あの頭領、賊のくせにえらく頭が回るな)ギリッ

あからさまなクズキャラって如何にも作者の道具って感じがしてシラケるんだよなあ

村人「ん? ……あの火の手はまさかっ!?」ダダダダッ

村人「村長! 村長!」ドンドン

村長「どうかしたか?」キィーガチャ

村人「あの火の手を見てください。例の盗賊ですッ!」

村長「まさかっ!?」

勇者「ふわぁ~っ。どうかなされたんですか?」

戦士「夜に騒々しい」ヤレヤレ

魔法使い「一体どうしたというのです?」

僧侶「……魔物?」

村人「いえ、盗賊ですっ! 最近ここらを荒らしまわっている、盗賊ですよ」

勇者「盗賊? あの火の手に盗賊が? それが奴らの上等手段なのですか?」

村人「えっ……いえ、夜に奇襲をかけるのが奴らのやり方です」

戦士「ならば、ただの自然火災でしょう」フゥ

村人「で、ですが──」

従者『誰にも言ってはいけませんよ? 僕は此処へは来なかったし、何も聞いていない、そういうことで』

村人「……っ」グッ

勇者「とりあえず警戒はしましょう。して損はありません。村人の方も心配のようですし」ジーッ

戦士「勇者様のご命令とあらば。私は北を」

魔法使い「ならば東を」

僧侶「・・・・・・南」

勇者「では、私はこの村人と西を見張ります」

村長(あの2000Gさえあれば……)

ちょっと用事で抜けます

乙乙

文句いいながら読んでてワロタ
おつ

自己犠牲野郎って一番嫌いだわ
「心配かけたくない」「悲しませたくない」「だから俺が全部背負う」
アホか

従者(思いつく作戦は、コの字型に火で囲い、賊を動かす作戦だが……)

従者(あの頭領が、こちらの意図をどう読むかが問題だ……やはり裏をかいてくるか……)

従者(ならば、西側を開けよう。上手くいけば全てが丸く収まる)トットットッ ボッ ボッ ボッ

盗賊A「見えねぇが、誰かが俺達を炎で包もうとしてやがるっ!」

盗賊C「頭領。どうします?」

頭領(……これが勇者の仕業なら、村の方には行かせたくないはず。だから村の方角の東側が炎で包まれてるのだろう。周りは囲まれていると思っていい。ならばっ!)

頭領「荷車は置いて、馬だけで一番手薄の東へ抜けるぞっ!」ダッ

盗賊A「炎の中をわざわざ!?」エッ

頭領「俺達は誘導されてんだっ。分かれ馬鹿野郎っ!」クソッ

盗賊C「俺が先頭だ!」パカラパカラ

従者(……運が良かった。これなら僧侶が2000Gを貰った分の仕事をするだろう。元凶が無くなれば全て静かに収まる)

従者「ふぅーーーーー……怖かった」グッタリ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


               北




                         戦
       __
         │
西      賊 │       勇・ムラビト   村  魔     東
       __│

                         
                         僧          
                         




               南

ガサガサッ ザッザッザッ カチャカチャ

勇者「何か聞こえるわね」スラッ

村人「ひ、人を呼んできますっ」ダダダダ

勇者(盗賊? ならば相手は何人?)ギュッ

ガサッツ

盗賊C「おりゃーっ!!」ブンッ

勇者「馬上から!?」クッ ゴロン

頭領「構うな。進め」パカッパカッ

勇者「そうは、行かせないっ!」セイッ

盗賊A「ぐわっ!? 馬の足を切りやがったっ!」ドサッ

戦士「勇者様!」

魔法使い「燃えよ」ボッ

盗賊C「ぎゃあああああああああっ」ジューッ

僧侶「癒したまえ」パアァ

勇者「僧侶。ありがとう」ニコッ

頭領「くそったれっ! こっちで待ち伏せしてやがったのか!」ギリギリ

僧侶「……待ち伏せ?」クビカシゲ

戦士「せいっ!」ブンッ

盗賊A「チッ!」ガキン カランカラン

戦士「なまくらを使うからだっ!」ハッツ

盗賊A「がぁっ。ちく……しょ……」ガクッ

勇者「さて……貴方はどうしますか?」ビシッ

頭領「……まんまとやられたぜ。だが、奴隷行きは嫌なんでな、うっ……」グサッ

勇者「……」ウツムキ

僧侶「自害……」

戦士「盗賊にはお似合いの死にかたです」ヤレヤレ

魔法使い「我らの手が汚れんで済む」ハハハッ

見辛すぎて草

確かにひのき棒みたいな話だな
あれも登場人物全員クソだった

従者「これは宝石か」ジャラジャラ

従者(盗賊の持ち物を全て持っていこう。いらないものは燃やして、証拠は隠滅する)カチッカチッ ボッ

従者(予想通り。彼女たちが倒してくれると信じて、僕はまず剣を返しに行くか)タタタタッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

洞穴


従者「村人さーん?」オーイ

村人「あっ!? 従者さん。さっき大変だったんですっ! 盗賊がきて──」アセアセ

従者「まさか、勇者達か、村の人に犠牲がっ!?」クワッ

村人「いえ。盗賊も何やら嵌められた様子で。勇者様達が盗賊三人を全員殺して下さいました」ニコニコ

従者「そう……良かった」ホッ

従者「これ、ありがとう」ハイ

村人「護身用の剣……血がついてる。まさか!?」ハッ

従者「僕は二人殺しただけだよ。あと、僕等がこの村を出るまで、これを隠しておいて欲しいんだ」ドサッ

村人「こ、これは……宝石に、お金……こんなに受け取るわけには!」ブンブン

従者「色々、わけありでね。僕らが出た後に村長に聞くといいよ。それを渡してね」ニコッ

村人「従者さん」

従者「うん?」

村人「確かに周りは彼らの事を崇めるでしょう。でも、でも、私は貴方を一生崇め続けますっ!」ガシッ ウルウル

従者「はははっ。困ったな。僕は従者で、僕がやりたいからやっただけだよ」ポリポリ

村人「そ、そうだ! 返り血などを洗い流さないと」ハッ

従者「あーそうだね」

村人「すぐにお湯を沸かしますね!」ドタバタドタバタ

従者「ありがとう」ニッコリ

図が下手で、すみません。
どうしても上手く出来なかった。

下手っていうかAA表示になるから
字が小さくて見えなかっただけだよ

次の日

勇者「では、ありがとうございました!」ペコリ

村長「こちらこそ」ペコリ

村人「英雄ばんざーいっ」ニコニコ

従者(さようなら、村人さん)

勇者「では、先に進みましょう!」エイエイオー

戦士「勇者様は元気ですねー」ニコニコ

魔法使い「見ているだけで癒されます」ホッコリ

勇者「元気なのが一番なんですっ!」

従者「ふぅっ……ふぅっ」ウシロトコトコ

僧侶「……昨日の従者?」ボソッ

従者「えっ?」ビックリ

僧侶「違うの? ……ならいい」ボソッ

従者「……僕だとしたら、どうだと?」ボソッ

僧侶「……私には目標がある」ボソッ

従者「目標?」ボソッ

僧侶「……うん。目標達成に私はなりふり構わない。その為にも昨日の盗賊を翻弄した者の力を借りたい」ボソッ

従者「そうだんだ……でも残念だけど僕は従者。軍師でもなければ将軍でもない」ボソッ

僧侶「…そう」ボソッ

数年前


幼姫「わぁーっ。おみせがいっぱーい!!」キャッキャ

侍女「姫様。馬車から顔をあまり出さないで下さいませ」アセアセ

幼姫「すきなもの、かっていいんだよねー?」

侍女「ええ、姫様の初めての外出ですから、国王様と女王様より言いつかっております」

幼姫「まようなぁ~あ……うん?」アレレ

侍女「どうかされましたか?」

幼姫「あのこ。ひとりで、くらいところにいる」ユビサシ

侍女「姫様。見てはなりません」サッ

幼姫「な、なんでーーー!?」ジタバタ

侍女「あれは汚らわしいモノでございます」キッパリ

幼姫「わたしと、おなじこなのに?」キョトン

侍女「あれは別の生き物なのです」

幼姫「そう……じゃあね。わたし、いまのこがほしいっ!!」キラキラ

侍女「まぁ、なんてことを!?」ギョッ

幼姫「あそぶこいないもん。あのこならあそんでくれる」

侍女「私達がいるではありませんか」

幼姫「ちがうの。おなじとしのこが、ほしいの。なんでもくれるって、やくそくでしょ?」ニッコリ

侍女「で、ですが姫──」

幼姫「おとうさまも、おかあさまも、やくそくしたよ? やぶるの?」ジーッ

侍女「ううっ……わ、分かりました」



それから数日  中庭


幼姫「こっちー」アハハッ

従者「そんなに走ると危ないですよー」ハラハラ

幼姫「おはなで、かみかざりつくってあげる!」

従者「もう、そんな年でもないだけどなぁ。僕」


衛兵A「見ろよアレ」ボソッ

衛兵B「どうやって姫様につけんだんだか。スラムの人間の癖に」ボソッ

衛兵C「よく国王と女王が許したものだ」ボソッ

侍女「……貴方たち、仕事が疎かですよ」


衛兵A、B、C「はっ」キビキビ


従者(耳が良いからか聞こえてるんだよなぁ)ハァ

幼姫「じゅうしゃ! できたー」ハイ

従者「姫ちゃん。ありがとう」カブリ

幼姫「じゅうしゃは、そのほうがいい!」

従者「そのほう?」

幼姫「んーわらってるかおー」エヘヘッ

従者「……ありがとう」テレテレ


侍女「……ふぅ」ヤレヤレ

幼姫「じゅうしゃはねーつよい?」

従者「強い? いや、僕はそんなに強くないけど?」

幼姫「じゃあ、つよくなってねー」ルーンルーン

従者「どうして?」

幼姫「つよくなくちゃ、わたしを、まもれないじゃない」アキレター

従者「そ、それは護衛の仕事なんじゃ……」エエッ

幼姫「……むぅ。じゅうしゃはわたしの!! だからいつもいっしょにいるの!!」ビシッ

従者「それって……姫ちゃん直属の何かになれって?」

幼姫「ちょくぞく? わかんないけど、いっしょにいればいい」ウンウン

従者(……どうやって直属になろう)

幼姫「やくそくだよーっ!」コユビ

従者「はいはい」コユビ

幼姫「ゆびきりげんまん、うそついたら、まかいにおーとす! ゆびきった!」ヤッター

従者(僕は何になれるんだろう……)


侍女「……従者君」

従者「あ、はい」スクッ

侍女「男の子なら、最後までやり抜きなさいよ。じゃないと殺すわ」ギロッ

従者「はっ、はい」ブルブル

侍女「なら、今日の夜から誰にも悟られずに私の部屋に来なさい。見つかったら帰るのよ?」

従者「え?」

侍女「分かったの? 分からないの?」

従者「わ、分かりましたっ!」ビシッ

幼姫「じじょ、ずるーい。じゅうしゃはわたしのー」プンプン

侍女「姫様、申し訳ありません。さぁ、従者君。今日から楽しみね」フフフッ

従者(なんだっていうんだ……)ブルッ


現在と過去が交互に出てくるときがあります。
見づらいようでしたら、何かやり方を考えます。

一旦ここまで。

理不尽と自己犠牲はまだ良いよ、そういう話自体バイオシルバーよくある

…ただ最後にクズが勝ち逃げ・生き残るのだけはイヤ
クズ3人が最後にきっちり報いを受けるなら神SS

スマホで書き込んだらミスったorz
バイオシルバーってなんだよw  ただ「は」って書き込むだけなのにどうしてこうなった…

乙バイオシルバー

スマホで書きこんだらたまにそういう予測変換候補での打ち込みミスとかあるから気を付けた方が良いぞ
バイオシルバー・・・バイオハンターシルバなら知ってるがなんのこっちゃww


勇者と従者が幸せに、魔・戦・僧が痛い目に遭ってくれるならそれでいい

なんでも自分で解決しようっていう思い上がりも気に入らないよな。自己犠牲野郎ってのは

お?他の奴らが言わないから仕方なく俺が悪者になって>>1に意見してやろうって思ってる自己犠牲野郎さんチーッスwwwwwwwwww

スレタイからして従者の立場や階級が途中で逆転するのだろうか…
どちらにしろ現時点で周りから責められてる従者は救われて欲しいと思う所

森の中


戦士「次は鍛冶の盛んな、活気のある街ですね」

魔法使い「ほほぅ~。それは色々と楽しみ」クククッ

勇者「街ですか……自国以外の街は初めて見ます」ウキウキ

従者「はぁ、はぁ……重いな」ボソッ

僧侶「……」ジーッ


ガサッ、グルルルル


戦士「何か来ますね」スラッ

魔法使い「獣か?」カマエ

勇者「……」ゴクリ


狼獣ABCDEFGHI「がるるるるっ」キシャーッ


戦士「なっ!?」ギョッ

魔法使い「これは厄介」ヒアアセ

勇者「魔法使いは、先制攻撃! 戦士と私で撹乱しつつ掃討します! 僧侶は後ろで援護を!」テキパキ

戦魔僧「了解!」ダッ


従者(僕は影で見守るか……)




魔法使い「燃えよ」ボボッ

狼獣E「ガァァァ」メラメラメラ

狼獣ABCD「ガルッ」ササッ

狼獣FGHI「グルル」ササッ


勇者「戦士は左の四匹を!」

戦士「はっ」タタタッ ブン

狼獣B「キャン!」ザクリ

勇者「私もっ!」タタタッ ヒュン

狼獣H「ガァ!?」ドサッ

魔法使い「落ち着いてやれば、余裕というもの。凍えよ」ヒューッ

狼獣F「ガ……ガ……」カチンコチン


従者(人は悪いけど、実力は確かなんだよね……)


勇者「ナイスです! では私も」タタタッ クルン ザッ

狼獣I「グルル」サッ

勇者「しまった!?」ハッ

狼獣G「ガウッ」バッ


戦士「勇者様!」

狼獣A「バウッ」バッ

戦士「くそっ」カマエ カキン


魔法使い「助けようにもっ! 燃えよ!」ボッ

狼獣D「グルッ」サッ


従者(学習能力が高いっ! 何か武器っ!)キョロキョロ カツン

従者(あった!)


狼獣の牙が、死神の鎌の如く勇者へと襲いかかる。

それは一瞬に過ぎない出来事。

だが、勇者には時の流れが遅く感じた。


迫る牙を見つめてやっと理解する。

自分はしくじったのだと。

後悔し、来るべき痛みに備え、出来るだけ急所を守る。

肩や腕は仕方がない、でも首や心臓は守らなくては!


すると、空気を切り裂く音が耳元を掠めていった。


丸い何かが襲ってくる狼獣に当たり、一瞬怯む。

急いで体勢を立て直し、


勇者「はぁっ!」ブンッ

狼獣D「ガァッ」グサッ ドサリ

勇者「はぁ、はぁ……」マッサオ

僧侶「癒やしよ」パーッ

狼獣ACFI「ルルルッ」アトズサリ ダッ

戦士「逃げましたか」ハァハァッ

魔法使い「油断は禁物ということです」ヒヤヒヤ

勇者「すみません」

勇者(一体何が当たって? ……石ころ?)キョロキョロ

僧侶(……やっぱり従者。貴方は……)

従者(ま、間に合ったぁ~っ!)ドキドキ

戦士「まぁ、魔法使い。勇者様も少し油断しただけ。長旅が続いてますから、疲れが出たのでしょう」

魔法使い「確かにそれは一理ある……早く街に向いましょう」トタトタ

勇者「そう……かもしれません」

勇者(……あんなタイミングで誰が石を? 偶然?)ムムッ



サァサァミテッテ サケハドウダアイ ヤドハココダヨ! カンカンッ



勇者「随分と活気のある街ですねっ」ウキウキ

戦士「鍛冶の街ということですから、武器も新調しましょう」

魔法使い「勇者様の剣は南の国を出てから、全く替わっておりませんし。それが良いでしょう」

勇者「では、先に宿に荷物を置いて──」

戦士「いや、この街は治安が良さそうです。少し自由が欲しいので別行動を取らせて頂いても?」

魔法使い「私もそうしたいですね。次にいつ遊べるか検討もつきませんし」

僧侶「……同意」

勇者「そうですか……では、此処で明日の朝9時に集合ということで」

戦士「では、そういうことで。従者、荷物」

従者「はい」イソイソ ドウゾ

魔法使い「勇者様。武器は自分に合ったものをお選び下さい」

勇者「はい。わかりました」コクリ

魔法使い「ほら、荷物」

従者「はい」イソイソ ドウゾ


僧侶「従者。私の荷物も……」テヲサシダシ

従者「はい」イソイソ

僧侶「……ありがとう」ボソッ タッタッタ

従者「えっ……?」ビックリ


勇者「では、従者。行きましょうか」ニコリ

従者「えっ!? 勇者も一人の時間が欲しいのでは?」

勇者「何を言っているのですかっ! 私に一人寂しく買い物しろと!?」プンプン

従者「えっと……すみません」ポリポリ

勇者「では。まずは宿を探しましょう。部屋が無かったら元の子もありません」トタトタ

従者(鍛冶の街か……)



宿主「まぁ、勇者様! お泊りですか!?」キラキラ

勇者「は、はい」ヒキッ

宿主「どうぞ。最上階の一番いい部屋が空いております」

勇者「いえ、贅沢をする気は無いので」

宿主「大丈夫です。普通のお部屋と同じ料金にいたしますので」ニコリ

勇者「それは……では、お言葉に甘えさせてもらいます」

宿主「いえいえ。 ……それよりもお連れの方も同室で?」ジロジロ

従者「いえ、僕──」

勇者「はい、同室ですが? 何か問題でも?」ゴゴゴッ

宿主「し、失礼しました。随分と雰囲気が違ったもので。すぐに準備します」サササッ

勇者「全く……失礼な」フンッ

従者「仕方ないですよ。僕は防具も武器も付けてませんし、勇者の荷物を持っているだけ。着ている服も麻布ですから」ハハハッ

勇者「何を笑ってるんですか!」プンスカ

従者「……僕にとっては……これでも贅沢なんですよ」ニコリ

勇者「……従者は、もっと我儘でいいと思います」

従者「そうですかねぇ……でも、僕は従者ですから」ニコッリ

勇者「また、そうやって一歩退く」ボソッ

宿主「お部屋の準備が出来ました! さぁ、こちらへ」

勇者「はい」トコトコ

従者(あれ? ……同じ部屋ってマズイような)ダラダラ

宿部屋 最上階

勇者「見て下さい! 街が一望できますっ!」ウキウキ

従者「そんなに窓から身を乗り出すと危ないですよー」ハァ

勇者「布団もフカフカで……フカフカで……」ウトウト

従者「少し寝ては? 剣を買いに行く時間はまだたっぷりありますし」

勇者「いえ……貴方の服も……買いに……」ウツラウツラ

従者「はいはい。寝るまで側にいますから。我儘言わずに寝て下さい」ナデナデ

勇者「子供扱い……」スーッ

従者(やっぱり、恐怖と緊張で疲れたんだろうな……僕は情報収集でも先にしておくか)

従者「部屋の鍵をしっかりとかけてっと」ガチャリ

従者(まずは酒場かな)

酒場

モットモッテコーイ コッチダー ナンダトコノヤロ- イケー

従者(相変わらずな場所だ)ヤレヤレ

店長「おい。薄汚いガキが来るような所じゃないぞ」

従者「僕はお酒が飲める歳ですし……お金も持ってますけど?」ジャラッ

店長「これは、これは。失礼しました。ご注文は何にいたしましょう?」ペコペコ

従者「一番強い酒をストレートで。この値段で収まるやつね」チャリン

店長「はい、ただいま」イソイソ


見知らぬ剣士「おい、聞いたかよ。勇者が来てるらしいぜ」

見知らぬ戦士「マジかよ。俺も討伐隊に入ったら、金持ちになれっかな?」

見知らぬ魔法使い「それより、勇者は南の国の姫なんだろ? 一緒にいるだけで楽しい思いが出来そうだ」


従者(皆、金と彼女かぁ)

店長「はい。先ほどのお金で出せるお酒です」スッ

従者「どうも。店長はここらで一番こだわりを持つ鍛冶屋を知ってる?」ゴクゴク チャリン

店長「それは。もちろん。ここを出て左へ真っ直ぐ行った、突き当りの、街角の鍛冶屋です。かなりの偏屈ジジイらしいですよ」コソコソ

従者「ありがとう。また今度来たらよろしくね」ゴクリ チャリン

店長「はいっ! いつでもお待ちしております!」ペコリ

従者(久しぶりだな、こんなやり取りしたの……)フフッ

街角の鍛冶屋

カンッカンッ ジューッ カンッカンッ カンッカンッ

従者(懐かしい音だ……)ジーン

鍛冶職人「フッ! フッ!」カンッ カンッ

従者(型取りではなく、自らの叩き具合で形を作っているのか……しかも火に何度もくべながら、鋼と鉄を薄く何層にも足している)ジーッ

鍛冶職人「……ふぅ。そこで見られてると集中が出来ないんだが?」ギロッ

従者「あ、すみません。父の姿を思い出してしまって」ペコリ

鍛冶屋「……お前さんの親も鍛冶職人か?」

従者「ええ。僕にとっては誇りの鍛冶職人であり、父親でした……」

鍛冶屋「……ちっ。辛気くせーこと言いやがって。おかげで集中が途切れちまった。お前さん、何か作れるか?」ホレッ

従者「い、いいんですか?」ビックリ

鍛冶職人「後ろで見ててやるから、出来るもんならやってみろ。だが、適当なモン作ったら、お前を火にくべるからな」スクッ

従者「じゃあ、少し槌と鉄と鋼をお借りします」ストン 

従者(鋼は熱を持ち、叩かれ、冷やされて剣となる)

従者(後はその工程の中にどれだけの技量を積み込めるか)

従者「十分に鋼を熱して。ふっ! ふっ!」カンッ カンッ

鍛冶職人「ほぉっ」ボソッ

従者(両刃の小型ナイフ。鋼と鉄の多層でより強固に)

従者「ここに鉄を足して」ヨット

鍛冶職人「待て待て。まだ早い。もう少し鋼が冷めてからだ」

従者「はい」ガマン

鍛冶職人「よし、いいぞ」

従者「ふっ! ふっ!」カンッ カンッ

従者(ただ、頭の中の形になるように、両刃を研ぎ澄ませ、金属の塊に魂を込める!)

従者「……出来た」フゥー

鍛冶職人「ほぉ、ちょっと荒っぽいが中々だ。貸してみな。綺麗に磨いてやろう」

従者「はい」サシダシ

鍛冶職人「お前さん。鍛冶職人にならねぇのか?」シャーッ シャーッ

従者「いえ。僕にはやるべきことがあるんです」

鍛冶職人「その頑固さも中々向いてると思うがな」シャーッ シャーッ

従者「それに……」

鍛冶職人「それに?」

従者「僕は従者ですから」ニッコリ







従者「柄に鞘まで、ありがとうございます」ペコッ

鍛冶職人「別にただの気まぐれの選別だ。また来たかったら来ると良い。その時は金を取るがな」ムスッ

従者「……貴方みたいな人が、多くいたら良いんでしょうけどね」ボソッ

鍛冶職人「ん?」

従者「いえ。今度は一緒にお酒を飲みましょう」ニッコリ

鍛冶職人「ハハッ。オメーが酒を持って来い」ニヤッ

従者「分かりました」フリフリ

従者(久しぶりに鍛冶なんてしたや……父さん、母さん……)

従者(ん? あれは……)

魔法使い「私は魔王を討伐するために、国王より任命された偉大なる魔法使いだ」フッ

娼婦「いやぁ~ん。カッコイイ!」

遊び人「魔法使いさん。もっとお話きかせてぇ~」

魔法使い「どうだろう、私の部屋で夕食でも食べながらというのは?」キリッ

娼婦「えぇ、もちろん」ウフン

遊び人「行きますぅ!」キャッキャ

従者(……だから街に急いでたのか……一人になりたいわけだ)ウンウン


ダメヨー ソッチコソ! フザケンジャナイワヨ!


従者「怒鳴り合ってる? 喧嘩かな?」トコトコ


売り子「彼は私と話してたのよ!」キーッ

踊り娘「違うわ、私の踊りを楽しんでたのよ!」キーッ

戦士「まぁ、まぁ。綺麗なお嬢さんが、そんな顔をしてはダメだ。ね?」ニッコリ

売り子「ひゃい」ワタワタ

踊り娘「……はいっ」ウットリ


従者(やなもの見てしまった)

従者「そろそろ戻るか……」トタトタ


もう少し書きたかったけど、眠気がヤバイので落ちます。

おやすめ

もう少し読みたかったけど、寒気がヤバイので閉じます。

>>53
季節の変わり目は体調崩しやすいから暖かくして寝るんだぞ

パーティーは勇者以外みんな男なのか

スレタイが悪い意味で気になった

女賢者『──……私ね、嫌な予感がするの』


勇者(え? 私はさっきまで、宿で寝てた筈じゃ……?)キョロキョロ


女賢者『どんな予感かって? さぁ? 私も何となくなの』フフッ


勇者(これは、私の夢? いや、誰かの記憶?)




闘士『──はもっと筋肉をつけるべきだな』ムキムキ

女騎士『闘士。バカを言うな。筋肉がついたらお前みたいにバカになるだろう』

闘士『なっ! どういう意味だ!?』

女騎士『ふんっ。それより、──。気をつけたほうが良い。女賢者じゃないが、私も嫌な感じがする』

勇者(景色が変わっていく……)


魔王『よく、ここまで来た──よっ!』

女賢者『やっと最後ね』ハァハァ

闘士『疲れたんなら、後ろで見てても良いぞ?』フゥーフゥー

女騎士『バカを言うな。少し筋肉痛なだけだ!』ボロッ

魔王『はははははっ。何だ? ──以外、ボロボロではないかっ!』

女賢者『──がおかしいのよ……』ボソッ

闘士『俺の筋肉が──に負けた……』ボソッ



女騎士『ふん。魔王を倒せるのは──だからな。私達が倒れても、──が魔王を倒せればそれでいい!』

魔王『なるほど……一理ある。では、──よ。始めようか』ゴゴゴゴゴゴゴゴッ


勇者(怖い。寒い。これが魔王……)ガタガタ

ドーンッ ドーンッ ガラガラ グラグラッ


魔王『む?』ピタリ

女賢者『一体何が……まさか!?』ハッ

魔側近「魔王様! 城の外部が包囲され、次々と砲弾や爆弾が投げ込まれています!」ギャー

女騎士『……このままでは私達まで生き埋めになる』チッ

闘士『おいおい。どういうこった? 仲間が援護してくれてるんじゃないのか?』

女賢者『違うわ。外の魔獣は全部私達が倒した。そこで、魔王城の周りから一斉に攻撃し、私達共々、葬る気よ』チッ

魔王『ふふふっ。守っていたはずの人間に裏切られたか?』ニヤニヤ



勇者(そんな馬鹿なこと有り得るはずがありません!)




女賢者『──、どうするわけ? 今すぐ逃げる? それとも魔王を倒してから逃げる?』ニコリ



勇者(どうして……そんなに優しい笑顔を向けて……)

闘士『……まぁ、──ならそう言うと思ったけどな』ヤレヤレ

女騎士『全く。これだから──に付いてくのは疲れる』ヤレヤレ

勇者(一体、この記憶の人は何と……)


魔王『自分の死すら気にしないか……──。お前を気にいったぞ』フフフッ

女賢者『古の業火よ』ボボボボボボッ

闘士『んじゃぁ。いっちょ殺りますか!』ポキポキ

女騎士『さて。ここで逃げるのは騎士道精神に反する』スラッ スラッ

魔王『城が崩れて死ぬのが先か、どちらかが敗れるのが先か……面白い興だ』ビュォォォォォォ


勇者(何故、この人達はここまでして戦うの?)

>>7
あの胸糞悪い話どうなったの


勇者(また景色が変わっていく……)


女賢者『……ぐっ。全く最悪ね』ボロボロ

女騎士『あぁ、でも……悪い気分じゃない』ニコリ

闘士『──……俺はお前と旅が出来てよかったぜ。って、顔色大丈夫か? 真っ青だぜ?』ニコッ



ガラララッ ゴドン グラグラ ガシャーン


女騎士『魔王倒したのはいいが、あいにく脱出する力も残ってないか……』フゥー

闘士『最後に味方に殺されるなんて……クソ野郎っ!』グッ


勇者(この人達は魔王を倒せたみたい……でも……)


女賢者『──……私は貴方に生きていて欲しい……』


勇者(もしかして女賢者は……この人の事が……)


女賢者『だから……ゴメン』スラスラ カキカキ

女騎士『おいっ! 何をする気だ!』

女賢者『そこにある魔王の死体と術式、私達の全てを使って、禁呪を使用する』グッ

闘士『禁呪?』ハァ?

女賢者『──。貴方なら絶対に反対する。でも、──貴方にこんな死に方は、私が許さない!』

女騎士『その禁呪は……一体何だ?』スラッ

女賢者『此処ではないどこか遠く。そこへ──ごと運んでくれる』カツン パーッ

闘士『死ぬ前に女賢者の実験に付き合うってか?』ハハハ

女騎士『女賢者。さっきお前は私達の全てと言ったな……』
女賢者『ええ……命も……全てよ』
闘士『……そうか……でも奴隷だった俺を闘士として雇ってくれたのは──だ。俺の命ぐらいくれてやるよ』ドン
女騎士『……ふっ。これだからバカは困る……おい──。私の命をくれてやるんだ、剣に正義を誓って生きろ』ナデナデ

勇者(何故この記憶の持ち主は止めないの?)

女賢者『ごめんね、──。本当は貴方ともっと話し合って決めたかった。でも、貴方はもう満身創痍で話せそうにない。そして時間も』


グラグラグラ ガシャーン ガガガガッ


女賢者『貴方を愛していたわ。だから、私達の二の舞いを二度と起きないように。お願いね』カツン パーッ
女騎士『私の命は──に捧げていたからな、悔いなど無い。だが……欲を言えば……──ともう少しだけ、もう少しだけ旅をしたかったよ』ニコッ パーッ
闘士『俺が教えた事を活かせ。例え次に目が覚めて、悲しくても悔やむな。──はそんな奴じゃないだろう?』ハハハッ パーッ


勇者(三人の体が光っていく。っ、眩しい!)


従者「確か僕と彼女の部屋は……」キョロキョロ

従者「あった」カチャ ガチャリ

勇者「う~ん。ダメ。そんな事は……」ブツブツ

従者「うなされてる? 勇者、大丈夫ですかー」ユサユサ

勇者「う、ううっ……従者?」ウッツラ

従者「うなされてましたけど?」

勇者「夢が……」ボソッ

従者「夢?」クビカシゲ

勇者「……あれっ? とても心地悪い夢だった筈なのに思い出せません……」

従者「はぁ……それより武器を買いに来ませんか? 約束したでしょう?」

勇者「あっ!? そうでした! では、早速」バッ

従者「待って下さい。その格好で行くつもりで?」ガシッ

勇者「はい?……」シタギノミ

キャーッ バカッ ヘンタイ!

あ、二つ前、改行ミスしてた。

寒いと手が上手く動かないのが難点。

従者「……ビンタして、鞘で殴って、蹴って、もう一度ビンタするなんて……」ウウッ トボトボ

勇者「し、知りませんっ」プンプン

従者「それで……武器はどんなのが欲しいんですか?」ケロッ

勇者「そうですね……今使っているのは細身過ぎる気がするので、もう少し重めの剣ですかね」ウーン

従者「でも、この次は中央の国ですし、そこでまたいい剣があるでしょうから、それも顧慮しませんか?」

勇者「それもそうですね……」コクリ

武器屋

店主「へい、いらっしゃい! って、勇者様では!?」ギョ

勇者「いえ、それほど大層な者ではありません。普通に剣を売って下さい」

店主「いえいえ。そうはまいりません。この店で一番の業物を出しましょう!」ササッ

勇者「何か悪いですね……」ボソッ

従者「……ですね」

店主「これが、この店で一番の業物。竜殺しの剣です!」

勇者「赤い刀身……結構肉厚な刃ですね。私に扱えるかどうか……」ンショ

店主「いえいえ。勇者様なら大丈夫です。すぐに手足のように扱えるようになりますよ」ニッコリ

勇者「う~ん。少し重めなのが気になります……」グググッ

従者(勇者に合いそうなのは他に……)キョロキョロ

勇者「従者。どうでしょう? って、あれ? 従者?」キョロキョロ

従者「勇者。これなんかどうでしょう?」サシダシ

勇者「……竜殺しよりも一回り小さいですね」ガシッ ブン ブン

従者「多分……敵を斬り殺すならそれが丁度いい気がしますよ」

勇者「そうですか」

店主「あのぉ。竜殺しの剣の方がいいと、私は思いますが───」

勇者「いえ、この剣を下さい」

店主「は、はい。800Gになります」

勇者「従者。支払いをお願いできます?」

従者「はい」チャリン

店主「どうも」チッ

従者(……だから聞こえてるって)


勇者「~♪」ルンルンランラン

従者(防具屋の店主も似たような人だったな……)ハァ

勇者「これで旅がスムーズに進められますねっ!」ニッコリ

従者(まぁ、彼女が笑顔だからいいか……)

従者「勇者、良かったですね」ニコッ

勇者「では、次は従者の服を──」

僧侶「……」キョロキョロ コソコソ

従者(あれは僧侶? 一体裏路地に入って何を?)

勇者「従者。聞いてますか!?」ムスッ

従者「え、ああ。勇者、ちょっと野暮用が出来ました。どこにも寄り道せずに真っ直ぐ宿に帰って下さい」

勇者「従者の服をですね──」

従者「僕ならこれで十分です。さぁ、暗くならないうちに早く」セカセカ

勇者「夕食までには帰って来て下さいよ?」ムーッ

従者「はい。約束です」ニッコリ


僧侶「……」トコトコ

従者(一体こんな暗い裏路地に入って行って、どうするつもりなんだろう……)スーッ

女の子「わーい。僧侶さんだー」キャッキャッ

男の子「皆ぁー。僧侶さんが来てくれたー!」オーイ

僧侶「さぁ、パンや飲み物。温かい服や布団もあるよ」ハイドーゾ

老人「すまんねぇ」

若い女性「僧侶さん……こんなあたし達の為にありがとう……」

従者(ここはスラム街……僧侶はスラムの人々に支援を?)

若い男性「すまないが。赤ん坊を少し診てもらえないだろうか?」

僧侶「ええ。勿論。癒やしよ」パーッ

赤ん坊「ばーぶー!!」キャッキャ

若い男性「ありがとうございます。ありがとうございます」

僧侶「いえ、大したことはしてません」

従者「……」トコトコ

僧侶「従者!?」ギョッ

ちょっと休憩

ご意見などありましたら、参考にしたいと思います。
因みにBADにはしない方向で書いています。

ありがたやありがたや


BADにしないと明言されたし一応安心できるな
BADが嫌いなわけじゃないけど好みでもないし

そろそろ始めたいと思います。
これ、読んでくれてる人っているのかな?

>>71

BADは、私も好きじゃないんですよね。


従者「こんばんわ。僧侶さん」ニコッ

僧侶「……後を付けてきたのか?」ギロッ

従者「偶然見かけまして……それより、それは」チラッ

男の子「パンおいしーっ!」

女の子「あー私の分もちょーだい!」モーッ

僧侶「……見ての通り、人助けをしている」

従者「なるほど……そのお金は何処から出たんでしょう……」ジーッ

ザワザワ オイ、イイアッテルゾ? オカネ?

僧侶「ちっ。ちょっとこっちへ来い」クイクイ

従者「はい」トコトコ

僧侶「ここならいいか……」

従者「率直に聞きます。スラムの人を助けるお金は、前の村の村長から?」

僧侶「……だとしたら、どうだと?」ギロッ

従者「弱者から、金を取り。弱者に施しをしてるって事になりますが?」

僧侶「違うっ! あの村はまだ国に把握され、守られてる。だが、このスラム街は放置される一方だ! それにお金の分は働いている!」

従者「だから……村から多額の金を取っていいと……?」

僧侶「あぁ。あの村より、こっちの方が酷い」

従者「何故、貴方ほどの人がもっとお金持ちから、お金を取らないのか気になるのですが……」クビカシゲ

僧侶「……私は僧侶だ。貴族からお金を取ろうにも、武力で脅されたらお終い。だからこんなやり方しか出来ない」

従者「……そうですか」

僧侶「彼女らに……勇者に言うのか?」

従者「……もし、勇者に言うと言ったら?」

僧侶「この場で叫び、先ほどのスラムの人間の手を借りるか。今後、戦闘で回復を唱える事は無い」

従者「……分かりました。黙ってます。神から祝福があるといいですね」ニッコリ

僧侶「ふんっ。さっさと失せろ」クルッ トコトコ

従者(僧侶さん……多分貴方のしている事は間違ってます)ハァ

見てるぞ

従者「僧侶も僧侶。魔法使いも、戦士も……はぁ、どうしてこんな人ばっか何だろう……」ウウーッ トコトコ

従者「こんなんで魔王討伐出来るのかな?」トコトコ カチャカチャ ガチャリ

勇者「……え?」バスタオル

従者「……」ポカーン

勇者「……」カーッ

従者「……」ボーゼン

勇者「じゅ、従者……そ、そこに。す、座りなさい」プルプル

従者「……もう疲れたんで、少し寝かせて下さい」トコトコ ドサッ ガバッ

勇者「従者ーーーーっ!」ガーッ

従者(ホントに勘弁して下さい。唯でさえ胸糞悪い気分なのに……)メヲツブリ ミミヲフサグ

勇者「全く。少しはノックと言うものをですね──」クドクド

従者(……おやすみなさい)

>>74

読んでくれてる人がいて、感動。

眠気が襲って来るけれど、頑張って書く。

南の国

国王「あぁ~心配だぁ」オロオロ

女王「心配しすぎよ。ちゃんと優秀な仲間がいるじゃないの」

国王「だが、何も勇者に選ばれたのが、我が娘で無くてもいいではないか!」

女王「だから。それは前にも話し合いました! 全く」ハァ-

国王「大体。娘も何故、従者なんぞを連れて行ったのだ! あんなスラム屑の人間は何をしでかすか分からんぞ!」

女王「ふぅ……従者君は侍女が保証しているわ。でしょう?」

スーッ

侍女「……はい。従者は私が育てた中で一番素質がありました」

王女「ほら、侍女がそう言っているのよ? それに……王たるものが人を理由無く侮辱していい権利はないわ」

国王「……すまん。少し熱くなりすぎた……」

侍女「それより、お二人のお耳に入れたいことが」

国王「ん?」

王女「何かしら?」

侍女「実は────」

勇者「ん~っ! 最高の冒険日和ですねー」ノビー

魔法使い「えぇ……いい天気です」ゲッソリ

戦士「確かに……」ゲッソリ

勇者「ん? お二人共何か?」

魔法使い「いえっ。少しはしゃぎ過ぎまして」アセアセ

戦士「えぇ。街と言うものは興奮してしまって」ハハハ

僧侶「……」チラッ チラッ

従者(僧侶……そんなに見なくても言ってないって)

勇者「では、中央の街へしゅっぱ~つ!」テクテク

魔法使い「ほら、お前の仕事だ」ポイ テクテク

戦士「砂をつけるなよ」ポイ テクテク

僧侶「……私のも大丈夫だろうか?」

従者(え?)

従者「別にそんなに気にしなくても誰にも言いませんよ」ボソッ

僧侶「違う。ただ、従者は私の気持ちが分かるような気がしたから……だから昨日打ち明けた」ボソッ

従者「だったら……身分をわきまえた方がいいですよ」ボソッ

僧侶「え? 身分をわきまえる……?」ボソッ

従者「行きましょう。荷物も持ちます」ヨッコイセ ヨッコイセ

僧侶「どうすれば……」

従者「さて……それを今から探しても遅くないと思いますよ」ニコッ


セイッ トオッ カゼヨ!

ハアッ セリャ ヒカリヨ!

イヤシヨ!

従者(戦いの時って暇なんだよね……従者だから荷物を見張ってるぐらいしかない)

おつ
僧侶は更正するのかな?

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月02日 (月) 22:14:44   ID: n8l9iJZs

面白いです‼
続き期待

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